
本日は、EY新日本有限責任監査法人 FAAS事業部 FO&DX(Finance Optimization & DX)チーム(以下FAAS事業部 FO&DXチーム)の南様、榊原様、朽方様にインタビューを行いました。FAAS事業部 FO&DXチームは、「IT×会計」の両面から企業の変革を支援するプロフェッショナル集団です。グローバル規模のファイナンストランスフォーメーションから制度会計対応、業務プロセス改革まで幅広く手掛け、クライアントの成長を支援しています。今回は、そんな同チームで活躍されているお三方に、ご経歴や入社の経緯、具体的なプロジェクト事例、チームの魅力、そして今後の展望についてお話しいただきました。
ご経歴の概要とEY新日本有限責任監査法人 FAAS事業部 FO&DXチームへのご入社の経緯
コトラ網中:
まずは皆様のご経歴についてお聞かせいただけますでしょうか。
南様:
私はもともと監査業務に従事しておりましたが、監査法人の有限責任化に伴う経理の刷新を目的に、経理部門へ異動しました。その際、シェアードサービスセンターの設立、ERPシステムへの変更対応等、グローバルのファイナンストランスフォーメーションプロジェクトをリードしながらEYの経営改革を進めていきました。
その経験を経て、グループ会社であるEYストラテジー・アンド・コンサルティングに出向し、現在は再びEY新日本有限責任監査法人のFAAS事業部に戻ってまいりました。
EYが監査からコンサルティングへと事業領域を拡大していく中、その流れに合わせて自身もキャリアを重ねてきた形です。
コトラ網中:
グローバルでのファイナンストランスフォーメーションをご経験されたことで、現在の業務にも生かされている部分があるのでしょうか?

南様:
はい。コンサルティングファームは最新の事例を自社で適応し、そのノウハウを展開していくため、私が経験した、150カ国以上に拠点を持つEY全体での管理ツールや運用方法は、クライアントとお話しする際に非常に役立っています。
コトラ網中:
コンサルサイドにいると、「事業会社側の気持ちが分からないのでは」と言われることもあると思いますが、まさに両方分かっていらっしゃるということですね。
では、次に榊原様、お願いいたします。
榊原様:
私は新卒で入社した会社で、主に外国為替関連の金融システム開発・保守業務に携わっていました。その後、会計領域により深く関わりたいと考え、連結会計システムのパッケージベンダーへ転職しました。
転職後は、前職の開発経験を生かして、アドオン開発の追加開発を軸としつつ、最終的には主にアドオン開発を伴った大規模な連結会計のシステム導入に従事しました。
その後、EY新日本有限責任監査法人のFAAS事業部 FO&DXチームに入社し、現在に至ります。
コトラ網中:
金融システムから連結のパッケージベンダーを経てご入社されたということですが、複数の選択肢の中から、最終的にFAAS事業部 FO&DXチームを選ばれた理由について教えていただけますか?
榊原様:
連結会計システムの導入においては多様なクライアントと接することができましたが、どうしてもシステム中心の支援に限られてしまう面があり、もう少しクライアント側で支援をしたいという思いから転職を考えました。
そうしたタイミングでFAAS事業部がこれからデジタル領域を広げていくという方針を知り、自分も貢献できたらと思い、最終的な決断に至りました。
コトラ網中:
FAAS事業部でデジタルのシステム導入を行う場合と、ITコンサルファームで行う場合の違いが分かりにくいという声をいただくことがあります。私は業務部署に入るか、システム企画部門に入るかの違いです、とよくお話をしますが、何かそれ以外にITコンサルとの違いを感じることはありますか?
南様:
大きな違いは、クライアントの期待値だと思います。
制度会計や税法など、最低限守るべき要件は数多くありますが、われわれにご依頼いただく場合は、それらの知識はすでに備えている前提で話が進みます。
われわれは経理として当然の要件を理解しており、クライアントの課題・要望を早期に把握、価値提供することへの高い期待値をいただいていると感じます。
榊原様:
FAAS事業部の場合は、基本的な会計知識は当然ある上で、デジタルをどう融合させるかが期待されます。
クライアントの業務や実態を1から説明いただかなくとも話がかみ合い、スムーズに進められるといった点があるかと思います。
コトラ網中:
では最後に、朽方様、お願いいたします。
朽方様:
私は中小監査法人にて、法定監査業務や、IPO業務、学校法人にてAIに関する産学連携プロジェクトに携わっていました。
前職の業務を生かせると考え、EY新日本有限責任監査法人のFAAS事業部 FO&DXチームに転職しました。
コトラ網中:
朽方様も、会計とITの両面を生かすという点でFAAS事業部を選ばれたということですが、ITコンサルでのSAP導入等、さまざまな選択肢がある中でFAAS事業部 FO&DXチームを選ばれた理由について、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?
朽方様:
会計の知見とITの知見の両方を保有しておりましたが、会計のほうに重点を置きつつ専門性を磨いていきたいと考え、FAAS事業部 FO&DXチームへの転職を決めました。
これまでに従事されてきたプロジェクトについて
コトラ網中:
次に、これまで皆様がご担当された業務プロジェクトについてお伺いできますでしょうか?
榊原様:
私は前職において連結会計システムの導入・開発に一貫して携わってきたので、連結会計を一通り理解しておりますし、システム開発の経験もあるため、業務面とシステム面のポイントを押さえていると思います。
そのため、現職では主に、前職とは違うシステムですが、連結会計のパッケージの導入に従事しています。
またそれ以外には、システム導入後の改善についてクライアントからご相談をいただいたときには、前職の知見を生かしながら改善策を一緒に検討しています。他にも、以前からお付き合いのあるクライアントの連結システムの刷新を担当しており、現在はベンダーの選定が終わり導入フェーズに入ったところです。そのクライアントからは、過去の導入時の経験を踏まえた助言が欲しいという依頼をいただいています。
コトラ網中:
ベンダーが導入したシステムを使っていても、そのシステムの改善においては現場の方々もどう相談したらいいか分からないという状況は多いと思いますが、いかがでしょうか。
榊原様:
そうですね。
ご相談いただく中で伺うと、単純な導入で終わった場合クライアントはベンダーとの関わりはあまり深くなく、保守フェーズに入ると対応する人も変わってしまい、結果として疎遠になってしまうケースが多いようです。そこで現場の解像度が高い私たちが入ることで、実業務を鑑みた改善のご提案をすることができます。
コトラ網中:
朽方様はいかがでしょうか?
朽方様:
私は主に、制度会計関連のシステムや、経理業務等をERP外でDX化するようなシステム導入の支援を行っています。
加えて、システムに限らず、現行の業務プロセスの課題抽出や改善提案といった、業務改革寄りのプロジェクトにも関わっています。
コトラ網中:
DX関連の業務支援は、一連の流れでご相談を受けることが多いのでしょうか?それともポイントごとに個別のご相談があるケースが多いのでしょうか?
南様:
われわれの組織は、非常に柔軟に動きやすい体制になっているので、案件も幅広いです。
これは、クライアントに柔軟に対応できている証拠かと思います。
構想段階からご相談いただくケースもあれば、SIerがすでに入っているプロジェクトで「間に入ってサポートしてほしい」といったご依頼もあり、本当にケース・バイ・ケースですね。
コトラ網中:
途中からの参画でも評価いただければ、次の構想策定などにつながることもあるのでしょうか?
南様:
そうですね。次のプロジェクトや横展開していくようなプロジェクトのご依頼につながることも多いです。
また、われわれの組織には経理の実務に強いメンバーも多く在籍しており、会計処理だけでなく、実際の業務運用面においても支援が可能です。
プロジェクトが立ち上がると経理部門からリソースを割く必要が出てきますが、その際にも実務面をサポートできる点は強みの一つです。
コトラ網中:
実際に現場での支援をされることも多いのでしょうか?
南様:
ケース・バイ・ケースですね。大規模プロジェクトの場合でも、常駐型とリモートがあるので、クライアントの体制やご要望にもよります。クライアントがオンサイト中心の場合には、弊法人メンバーも常駐してご支援するケースがあります。一方で大規模案件でもリモート中心でご支援している案件もあります。
コトラ網中:
実務面では、例えばシンプルな決算業務が多いのでしょうか?
南様:
決算の特殊な部分やIFRSの処理等、連結や開示といった複雑な業務の支援が多いです。
コトラ網中:
今、事業会社からも経理人材のニーズは非常に増えています。実際、プロジェクトに関わる人数も多いのでしょうか?
南様:
1社あたり数名のケースが多いですが、例えば海外企業のIPO直前期などでは、英文での提出資料作成が必要になるケースもあり、もう少し大人数で関わることもあります。
われわれは、DXの領域を担当しているため、開示に伴うシステム変更の支援等にも携わっています。
コトラ網中:
常駐して会計処理をメインに行うというよりは、DX文脈でのシステム導入支援が中心という理解でよろしいでしょうか?
南様:
そうですね。会計支援のチームメンバーからヒアリングしたシステム要件をもとに、ベンダーとの橋渡しを行ったり、導入プロセスをサポートしたりする役割を担っています。
EY新日本有限責任監査法人の特徴
コトラ網中:
では次に御社の特徴を教えていただけますでしょうか?
南様:
EYは、世界150カ国以上に展開するグローバルに連携したさまざまな分野にわたるネットワークを持ち、EY新日本有限責任監査法人は、その中のアシュアランスというサービスラインの日本拠点です。
「監査法人」という名称から監査業務のイメージが強いかもしれませんが、現在はアドバイザリー領域にも力を入れており、専門の事業部も立ち上げています。
その中には4つの組織があり、われわれが所属する「FAAS事業部(財務会計アドバイザリー)」もその一つです。
グローバルな大手企業や海外拠点とも密に連携し、成長を目指せる体制が整っています。
コトラ網中:
他社と比較してもグローバル展開が強い印象を受けますが、例えば、海外のIPO支援が多い、英語プログラムが多い等何か特徴はございますでしょうか?
南様:
習熟度に応じたトレーニングのプログラムが用意されています。
EYの特徴として、横連携が比較的多いです。自分の部署だけではなく、他のサービスラインや海外の拠点オフィスと一緒に連携しながら、良いソリューションや価値を出していこうという意識が強いと思います。
EY新日本有限責任監査法人 FAAS事業部の魅力
コトラ網中:
次に、FAAS事業部の魅力についてお聞かせいただけますでしょうか?
南様:
もともとの成り立ちとしても、会計士を中心とした組織だったこともあり、当初は新しい会計基準への対応やIFRSへの移行、US-GAAPの支援等が中心でしたが、最近はそれ以外の業務改善支援や、トランザクション支援、財務戦略(トレジャリー)といった幅広い領域をカバーするようになっています。
そうした背景から会計士だけでは対応しきれない部分も多く、異なるバックグラウンドを持つメンバーが多数活躍している点も、私たちの組織における魅力のひとつだと感じています。
また、先ほどお話しした他のサービスラインとの連携に加え、われわれ自身の中でも多様な人材を育成しており、柔軟に案件対応ができる体制が整っています。メンバーにとっていろいろなことにチャレンジしやすい環境であることも、魅力に感じていただけるポイントかと思います。加えて、アサインのワンプール制も強みになっています。
クライアントのニーズをきちんと受け止めようと思うと、固定観念があるとどうしても自分の得意分野に引き寄せてしまいがちです。われわれの組織は、誰がどの領域を担当するという縛りがないため、クライアントに適したサービスを提供できます。そのため、多くのメンバーが自分の強みを生かして活躍いただける環境があると思います。
コトラ網中:
ワンプール制度の中でも、「このメンバーはこの領域に強い」といった情報共有がしっかりできているかどうかが重要かと思いますが、そのあたりで工夫されている点はありますか?
南様:
はい。キャリア面談があり、その内容がデータベースに反映される仕組みになっています。
ワンプールとはいえ、個人の能力や志向はさまざまなので、そういったアピールができるような機会は設けています。
一方で、大型案件に関わっていると、なかなか新しい挑戦のチャンスが少ないという面もあります。そうした中でも、新たな機会を提供するためにジョブ・ポスティング制度を設けています。
新しい機会も提供でき、業務知識や経験を持つメンバーも参画できるという、お互いwin-winの制度です。
組織の状況について
コトラ網中:
では次に組織の状況についてお伺いできますでしょうか?
南様:
現在、私たちのFAAS事業部にはおよそ300名が在籍しています。
監査部門からの部署異動者、事業会社やコンサルティング会社から転職や、USCPAの資格取得後、または向上させたいスキルがあって転職してきたメンバー等、非常に多様なバックグラウンドを持つメンバーで構成されています。
年齢構成比は、20代後半から40代前半のメンバーが中心です。
コトラ網中:
FO&DXチームとしては、現在何名ほどいらっしゃるのでしょうか?
南様:
厳密な意味でのFO&DXメンバーは、10名強在籍しています。
デジタル領域の知見を持ち、他の業務を担当しているメンバーも含めると、FO&DXチーム全体としては15名ほどになります。
今後、このチームの規模を倍増させることを目指しています。
入社後のキャッチアップについて
コトラ網中:
榊原様は、金融システム企業からパッケージベンダーを経て、監査法人のコンサルティング部門であるFAAS事業部に入社されましたが、転職にあたって不安はありませんでしたか?

榊原様:
やはり求められるものは違います。
パッケージベンダーではシステム導入自体が目的だったので、納品物が明確で、設計書や要件定義書を納めること、スケジュール通りにプロジェクトを進行することが求められていました。
一方、FAAS事業部のようなコンサルは、それより過去の経験からの一段階上の知見等、可視化できないものが成果として期待されるため、それをどう形にして、残して、クライアントと共有していくか、という難しさがあると思います。
そのあたりの不安はありました。
コトラ網中:
クライアントのニーズが抽象的な場合も多い中で、本質を見極めていくのは難しそうですね。
榊原様:
言葉として伝えられる内容が、本当にクライアントの真のニーズなのかどうかは慎重に見極める必要があります。
点で言われたことに対して点で見るよりも、幅を広げて考える必要もあり、その点の難しさはあると思います。
コトラ網中:
そのあたりは上長と連携しながらキャッチアップされたのでしょうか?それとも、経験を重ねる中でブラッシュアップされたのでしょうか?
榊原様:
両方です。上長とも連携しますし、経験を積んで整理していく部分もあります。
コトラ網中:
入社後のキャッチアップについて、もう少し詳しくお伺いできますでしょうか?
南様:
スタッフ・シニアとして入社するメンバーには、基本的に入社後に3週間程度研修期間を設けています。
この期間を通じて、自身の考え方を整理したり、仕事の進め方を見直すきっかけになったりしたという声をよく耳にします。
研修コンテンツは非常に充実しており、体系的にキャッチアップが可能な仕組みとなっています。
また、デジタル領域に関しては、MBAが取得できるプログラムなど海外の大学との連携による教育機会も提供しています。
コトラ網中:
研修では、ロジカルシンキングや業務スキルなど、さまざまな内容があるかと思いますが、概略的に分けるとどのようなプログラム構成になっていますか?
榊原様:
若手向けには、ロジカルシンキングの研修プログラムも導入されています。
それ以外にも、社内ルールや品質管理の方法など、監査法人ならではのコンテンツも多く含まれています。
南様:
FAAS事業部独自の研修も用意されています。
監査法人全体としての共通研修に加え、FAAS事業部として必要な制度理解や実務の運用に関する研修も行われており、これはFAASラボという社内の研究組織が中心になって実施しています。
例えば「SAPがどのように動くか」といった業務に直結するテーマについては、FAAS事業部の中でもわれわれFO&DXチームのメンバーがリードしています。
コトラ網中:
非常に丁寧に、かつ実践的に指導されているのですね。
南様:
座学だけではなく、「実際に手を動かして作ってみる」といった実務に即したスタイルを重視しています。
実際にご入社されてからの印象
コトラ網中:
では次に、実際にご入社されてみて、ギャップを感じた点はございましたでしょうか?
榊原様:
やはり形のないものを形にしていく難しさは、もともと想定していた部分と近しかったです。一方で、そういうものを作り上げていくのは、良い意味で新しい経験でした。
これまで以上に、直接クライアントとやり取りをすることも多く、よりクライアントの内情を知ることができるのも、ポジティブなギャップだったと思います。
朽方様:
クライアントに指摘する監査という立場から、クライアントと伴走する形に変わっているのが一つです。
また、コンサルティング業務は、案件ごとに課題が異なるためさまざまな経験を積めていると実感しています。
コトラ網中:
指摘する側とアドバイザー側では、大きな違いがありますよね。
南様:
そうですね。監査は制度にのっとって必要な手続きを着実に実行することが求められますが、コンサルティングではクライアントと共に課題を定義し、解決まで伴走していく立場になります。
動き方や求められるスタンスが大きく異なります。
コトラ網中:
前職での経験が役立っていると感じることはございますでしょうか?
榊原様:
前職では連結会計のパッケージベンダーに在籍していたため、今も当時構築したシステムについてクライアントから相談を受けることがあります。
業務とシステムをつなぐ連結会計はニッチな領域ですが、双方を理解できる強みが、現在のプロジェクトに非常にマッチしています。
朽方様:
私も監査とIT系の両方の経験がありますが、監査業務や内部統制に関する知見は、基礎知識になっています。また、IT系の経験も、新しいシステムを導入する際の、プロジェクトキャッチアップにおいて役に立っていると感じています。
FAAS事業部 FO&DXチームでは、システム導入案件において数字の検証を行うケースも多いので、数字の検証やITのスキルが特に役立っています。
コトラ網中:
具体的には、どのようなITの経験や知識が生かせていますでしょうか?
朽方様:
ITを活用した分析の経験が生かせています。例えば、SQLを使った分析や、データベースの中にあるものを、エクセルやPythonを使って分析した経験等です。システム全体の構成なども基礎知識があるので、システム上どのように数字が算出されるか、データの流れを把握するなど、キャッチアップにおいても経験が役立っています。
組織の雰囲気
コトラ網中:
では次に組織の雰囲気はいかがでしょうか?
南様:
業務とは別にカウンセリングファミリーという制度を設けています。外部から入社したメンバーは上長や上の階級のメンバーに相談しにくい部分もあると思うので、少し前に入社した近い職階のメンバーをバディという形でアサインして、日常的なことでも気軽に相談しやすい体制にしています。

朽方様:
穏やかな性格のメンバーが多く、とても相談しやすい雰囲気です。私は9割ほどがリモートワークですが、困りごとや、将来的なキャリアも気軽に相談できる環境です。カウンセリングファミリーや、事業部内のオフラインでの懇親会もあり、案件が違うメンバーとも交流の場があります。
榊原様:
比較的フラットでアットホームだと思います。
リモートワーク中心で普段ほとんど会わなくても、案件が一緒になれば気軽に相談できる関係が築けています。
プロジェクトとしてもカウンセリングファミリーとしても、一体感は出やすい雰囲気だと思います。
コトラ網中:
こうしたカルチャーを作る上で意識されていることはありますでしょうか?
南様:
特にFO&DXチームは、バックグラウンドが多様なので、発言しやすい雰囲気作りを大切にしています。
上階級のメンバーの意見に左右されるのではなく自分の言葉で発言できるよう、われわれのカウンセリングファミリーでは、週に一度、週末にあったことを2〜3分で話す練習等も取り入れています。
今後の展望
コトラ網中:
では次に、今後の展望についてお聞かせください。
南様:
われわれが支援する対象は経理部門が中心ですが、リソースが足りずに苦労されているところがある一方で、AI等データ分析の手法が普及してきているところがあります。そのため、「会計×IT」という形で、このリソース不足を解消しながら今までの業務をさらに一段上げるような形で支援できる体制と、サービスの新規開発によって、より社会に貢献したいと考えています。
求める人物像
コトラ網中:
人材ニーズについてもお伺いしたいのですが、会計士以外の方でもご活躍いただけますでしょうか?
南様:
現在活躍中のメンバーの中には会計資格を持っていないメンバーもいて、昇進においても特に問題となることはありません。
ただ、コンサルタントとして活躍していくためには、新しいものにチャレンジできる方が望ましいです。
新しい挑戦には新しい学びが必要になりますが、われわれの組織はさまざまな研修のWebラーニングシステムも準備しています。そのため、新しいことに挑戦し続けたい方や、継続して勉強するのが楽しいと思っていただける方は十分活躍していただけると思います。
コトラ網中:
こういったスキルを持つ方にぜひ来てほしい、というポイントはありますか?
南様:
経理支援が中心ですので、一定の知識や経験は必要です。
例えば、経理実務が得意であったり、経理関係のシステムの知識があったり、資格の勉強をして一定の資格を取ってきたり等、自分の強みがあれば、それを軸足として新しいチャレンジをしていただきやすいと考えています。
そのため、経理財務周りの実務やITなど、何か1つ強みがあった方が、よりご活躍していただきやすいと思います。
チームの強み
コトラ網中:
キャリア入社の方が入社を決めるポイントは、どのようなところでしょうか?
南様:
チャレンジ・成長機会を求めて入社するメンバーが多い印象です。
当社はアサインのワンプール制や他サービスラインとの連携により、業務の幅も広く、スキルアップの機会が豊富です。
また、研修制度が非常に充実している点も、転職の決め手になっていると聞いています。
コトラ網中:
マネージャークラスの方々は、どのような理由で転職されるのでしょうか?
南様:
経理財務領域において、より専門性を高めたいというメンバーが多いですね。
榊原様:
その上で、クライアントのニーズを汲み取り、関係性を築いていきたいという志向のメンバーが多い印象です。
コトラ網中:
「専門性が高まる」「経験の幅が広がる」など、さまざまな魅力はありますが、マネージャー以上の方は選択肢も多く、なかなか一歩を踏み出せない方も多い印象です。
もう一押しになるようなポイントがあれば、ぜひお聞かせください。
南様:
一般的なコンサルファームと比較して、財務・会計・内部統制といった非常に実務的で普遍的な強みをスキルとして身に付けられる点だと思います。
われわれは伝統的な領域に強みを持っているため、キャリアの中でしっかりとした軸足を築きたい方には、非常にフィットする環境だと思います。
榊原様:
監査法人=会計士の組織と思われがちですが、実際には会計士以外のメンバーも多く活躍しています。
私自身も会計分野の専門家である会計士と対等に話ができるだろうか、という不安がありました。会計知識は最低限必要ですが、それ以上にプロジェクトをリードする、また構想から組み立てられるスキルのあるメンバーは非常に求められており、それぞれ異なる強みを生かした活躍の幅が広がっています。
コトラ網中:
会計系パッケージやプロジェクトマネジメントの経験がある方でも、「会計を深く学びたいかどうか」の温度感は分かれると思います。
会計領域の面白さをどう伝えるかが、興味を引き出す鍵になりそうですね。
南様:
一般的にコンサルティングファームではマネージャー以上となると案件獲得の責務が発生しますが、FAAS事業部の領域は、制度対応が一定数あるので、パイプラインが堅調である点は魅力だと思います。
われわれの領域では、新リース会計の制度対応が大きなビジネスチャンスになっていますし、ESG開示対応等にも専門部隊と連携しながら取り組んでいます。
制度という一定の制約の中で、クライアントと知恵を出し合いながら実務を進めていくのは非常に面白いです。
榊原様:
案件としては制度改正などもあるため、継続的に対応があります。対応しているベンダーは多数ありますが、管理会計は各社独自の色合いが出やすく、マネジメントの変更などに伴い要求も異なってくるため、合致するパッケージやスキルが変遷していくこともあります。
監査法人のコンサルは幅広く扱っていくため、案件に波があっても常に何かしらの支援が必要とされており、新しい取り組みが次々にできる点は非常に魅力的です。
コトラ網中:
制度対応は強いですよね。
南様:
多くの企業にとっても制度に対応するのが優先事項で、それが終わったところで業務改革等についてご相談いただけることも多いです。クライアントに一定のグリップ力を持っていることで、次の仕事につながる可能性もあるので、継続した関係を維持しやすいと思います。
働き方について
コトラ網中:
では、働き方はいかがでしょうか?
南様:
われわれは、ダイバーシティを重視する組織として、多様な人材が活躍できるように柔軟な働き方を進めています。
在宅勤務が可能である他、シフト勤務制度により、勤務開始時間を朝7時から11時の間で調整できる柔軟性があります。
また、中抜け制度もあり、育児や介護等ライフイベントと両立しやすい組織にすることで、メンバーそれぞれが自分の能力を発揮しやすい仕組み作りをしています。
コトラ網中:
育児や介護で急な対応が必要になった場合のサポート体制はありますか?
南様:
急な休暇が必要な場合でも、チーム内で柔軟にフォローし合える体制が整っています。
コトラ網中:
「特定のメンバーしか業務を把握していない」といった属人化のリスクはないということですね。
南様:
おっしゃるとおりです。
転職希望者へのメッセージ
コトラ網中:
最後に転職希望者の方へメッセージをお願いできますでしょうか?
南様:
「監査法人」と聞くと、会計士や監査というイメージが強いかもしれないですが、現在はアドバイザリー領域の拡大に注力しており、FAAS事業部も「より成長していく組織」を目指しています。
中でもわれわれFAAS事業部 FO&DXチームは以下のビジョンを掲げています。EYという安定した基盤の中で急成長中の組織にあり、自らの意見や経験を生かしながら、成長していける環境が整っています。このVISIONに共感し、誇りを持ちつつ、共にクライアント企業へ貢献していくメンバーを募っています。
【FAAS事業部 FO&DXチームVISION】
現代の競争社会において、経理・財務業務に求められる機能も変わり、より高い付加価値と高い生産性が求められています。
一方、少子高齢化の進行に伴い、労働人口が年々減少する現代社会において、スキルフルな経理・財務人材を継続して確保していくことが困難になってきています。
「IT×会計」のプロフェッショナルによって構成される強力なチームがクライアントの経理・財務機能の変革を支援し、成功に導くことをサポートしていきます。

関連する求人のご紹介
EY新日本有限責任監査法人にご興味がある方へ
今回特集しましたEY新日本有限責任監査法人の求人をご紹介します。
大手監査法人での経理業務高度化推進コンサルタント(スタッフ〜シニアマネージャー)の求人
■業務内容
クライアント経理財務業務に深く入りながら業務分析・効率化・高度化を通じてより付加価値高い組織への変革を支援していただきます。
※具体的なテーマは下記で、まずは連結決算や単体決算などの経理業務を中心とした業務支援を想定しています。
・クライアント経理部門業務の遂行
(連結決算~開示、単体決算、リース会計、管理会計(予算策定~管理)、事業業績管理、非財務情報管理・開示等)
※対象業務は以下へも拡張予定です。
・クライアント業務の理解・分析に基づく効率化・高度化施策の立案と遂行
・業務引受型ビジネスモデル(マネージドサービス)への移行・推進
■ポジションのやりがい/魅力
・海外M&A、海外進出支援にも携われるため、英語を活かすこともできます。
・財務経理のオペレーションを担うバックオフィス機能のほか、M&AやIPOなど企業の成長戦略を推進。CFOや経営陣のビジネスパートナーとしてのやりがいを感じられます。
■必要スキル
<必須>
・事業会社での経理実務経験(連結決算・開示)(目安5年以上)
<歓迎>
・上記要件のリーダー~マネージャーとしてご経験
・経理財務に関する業務改革やIT導入に関する社内プロジェクトのご経験
(ユーザー部門担当者として、連結会計システムやERPシステムの導入に関与した経験等)
<語学力>
英語力(初級レベル以上)
※TOEIC600点以上尚可
■業務内容
Financial Transformation(経理財務業務の変革)にかかわるコンサルティングサービス開発、企画構想〜業務変革を推進するコンサルティングプロジェクトの遂行(企画段階から関わっていただける方を募集します)
具体的なテーマは以下の想定しています。
・経理財務業務の高度化支援
・経理財務業務に関するマネージドサービスビジネスの企画推進
・非財務データマネジメントの事業立案、クライアント業務高度化支援
■ポジションのやりがい/魅力
・海外M&A、海外進出支援にも携われるため、英語を活かすこともできます。
・財務経理のオペレーションを担うバックオフィス機能のほか、M&AやIPOなど企業の成長戦略を推進。CFOや経営陣のビジネスパートナーとしてのやりがいを感じられます。
■必要スキル
<以下いずれか必須>
1.コンサルティング会社での経理財務業務変革に関する関連サービス提供(案件獲得、デリバリーの双方)の経験
2.IT企業(SIer等)での当領域のシステム関連プロジェクトの関与経験
<歓迎>
・事業会社(経理財務部門)での財務に関するITプロジェクト/グローバル関連のプロジェクトの関与経験
・経営管理システム構築プロジェクト(CPM/EPM)の関与経験
<語学力>
・英語力(初級レベル以上)
コトラでは、業界動向やキャリアに関するご相談を無料で承る「キャリア相談会」を開催しております。
最新の採用動向や非公開求人情報をご提供するとともに、ざっくばらんな意見交換・ご相談を通じて、ご希望やお悩みに寄り添ったアドバイスをさせていただきます。
理想のキャリアを実現する第一歩として、ぜひお気軽にご相談ください!
登壇者紹介
ゲスト

EY新日本有限責任監査法人
FAAS事業部 FO&DXチーム
アソシエートパートナー 公認会計士
南 教雄 様
EY新日本入社後、監査・アドバイザリー業務経験を経て経理部門に異動し、グローバルのファイナンストランスフォーメーションプロジェクトをリードし、EYの経営改革を推進。
その後、グループファームのEYストラテジー・アンド・コンサルティングへの出向を経て、現在はFAAS事業部 FO&DXチームにて、アドバイザリー事業の拡大に貢献。

EY新日本有限責任監査法人
FAAS事業部 FO&DXチーム
シニアマネージャー
榊原 宜和 様
外国為替の金融システム開発や保守業務に従事した後、連結会計システムのパッケージベンダーに転職し、アドオン開発の追加開発を軸に、アドオン開発を伴った大規模な連結会計のシステム導入を担当。現在は、EY新日本有限責任監査法人のFAAS事業部 FO&DXチームにて、主に連結会計のパッケージの導入・利用改善業務に従事。

EY新日本有限責任監査法人
FAAS事業部 FO&DXチーム
シニア
朽方 恒介 様
中小監査法人で法定監査業務、IPO業務、学校法人でAIに関する産学連携プロジェクトなどに従事した後、EY新日本有限責任監査法人のFAAS事業部 FO&DXチームに転職。現在は、主に制度会計システムや、経理業務などをDX化するシステムの導入の支援に従事する他、業務プロセスの改善業務にも従事。
インタビュアー

株式会社コトラ
エグゼクティブコンサルタント
網中 響太郎
明治大学政治経済学部卒業後、新卒でコトラに入社。入社時からコンサルタント業務に従事。入社2年目で大手監査法人パートナー等と共にウェビナーを主催し、ファシリテーションも務める。現在はESG、財務会計アドバイザリー、金融ミドルバック全般、コンサルティングファーム全般を担当。
[ 担当業界 ]
財務会計アドバイザリー、ESG領域、コンサルティングファーム、金融ミドルバック