コトラ（広報チーム） 
1. 履歴書の基本構成と記載項目
履歴書に必要な情報とは？
履歴書は、求人へ応募する際に必要となる重要な書類です。採用担当者は履歴書を通して、応募者がどのような人物で、これまでどのような経験を積んできたかを確認します。そのため、履歴書に記載する情報は正確かつ簡潔でなくてはなりません。
基本的に履歴書に含むべき項目は「氏名」「生年月日」「住所」「電話番号」「メールアドレス」「写真」「学歴」「職歴」「免許・資格」「志望動機」などです。特に氏名や連絡先情報は採用担当者が連絡する際の基礎情報となるため、間違いのないよう記載しましょう。なお、最近では厚生労働省の履歴書様式によると「性別」や「扶養家族数」などの記載が省略可能となっています。
学歴と職歴欄を正確に記載するコツ
学歴と職歴は、応募者がこれまでどのような環境で何を学び、どのような経験を積んできたかを採用担当者が知るための重要な情報です。この欄を記載する際には、まず時系列を守ることが基本です。古いものから順に記載し、最終行には「以上」と記載するのが一般的なマナーとなっています。
学歴の記入例としては、「〇年〇月 〇〇高等学校 入学」「〇年〇月 〇〇高等学校 卒業」といった形式が推奨されます。また、職歴については、正式名称の会社名や所属部署、業務内容を簡潔に記載することが重要です。採用担当者にとって分かりやすく、応募先企業に関連性のある内容を選んで記載すると効果的です。
自己PR欄と志望動機欄の重要性
履歴書内の自己PR欄と志望動機欄は、応募者が採用担当者に自分をアピールする上で最も重要な部分です。自己PRでは、自身の強みやスキル、過去の経験を具体的に書くことで、どんな場面でその能力を発揮したかをエピソードとともに伝えると良いでしょう。
志望動機欄では、応募する企業や職種に対する熱意や理由を端的かつ具体的に記載します。PREP法（結論、理由、具体例、まとめ）を使用すると構成がまとまりやすく、伝わりやすい内容になります。例えば「御社の〇〇事業に共感している」という結論から始め、なぜそれに興味を持ったのか、具体的なエピソードを述べ、最後に入社後の目標で締めくくると効果的です。
資格・免許欄の具体的な書き方
資格・免許欄は、応募者の専門性やスキルをアピールできる項目です。この欄には取得した順に「資格名」「取得年月」の形式で記載します。たとえば「2022年3月 普通自動車第一種運転免許取得」といった具体的な記入が基本です。
もし応募する職種に関連する資格があれば、必ず記載しましょう。特に、資格がその職種で必須条件となっている場合、漏れがないかしっかり確認することが重要です。なお、関連ない資格を記載することは基本的に控えた方が、採用担当者に好印象を与えることにつながります。また、資格の取得予定がある場合には「〇〇資格取得予定（2023年12月）」と記載することで、ポジティブなアピールができます。
2. 履歴書の種類と選び方
手書き履歴書 vs パソコン作成：どちらを選ぶべきか？
履歴書を作成する際、手書きとパソコン作成のどちらを選ぶべきか悩む方も多いでしょう。それぞれにメリットとデメリットがあり、応募先企業の文化や使用目的に応じて選択することが重要です。
手書き履歴書は、担当者に丁寧さや真剣さをアピールするのに適しています。手書き特有の筆跡や感情が伝わりやすい損もありますが、その反面、誤字や書き直しの手間がデメリットとなることもあります。
一方で、パソコン作成の履歴書は、短期間での仕上げや修正が容易です。また、きれいで整った文字で見やすさを重視できます。特にIT関連やデジタルスキルをアピールしたい場合には、パソコン作成が推奨されることもあります。
いずれの方法を選ぶ場合でも、「履歴書自体の見やすさ」や「記載項目の正確さ」は最も重要な要素です。応募先の会社文化やポジションに応じて、適切な選択をしましょう。
厚生労働省の履歴書様式の特徴と活用法
厚生労働省が公表している履歴書様式は、応募者が必要な情報を簡潔に整理できるように設計されています。以前推奨されていたJIS規格の履歴書とは異なり、現在の様式では「性別」の記載が任意であり、「通勤時間」や「扶養家族数」などの情報が削除されています。これにより、多様な応募者が公平に評価される仕組みが整っています。
この様式は公式なガイドラインを基にしているため、初めて履歴書を書く方や特定のフォーマットに迷っている方にとって非常に役立ちます。ハローワークでもこの様式に基づいたアドバイスが行われているため、不明点があれば相談することをおすすめします。
また、履歴書作成時にどのような内容をどのように記載すればいいのか迷う場合にも、厚生労働省の提供する資料やパンフレットを参考にすることで、見やすく的確な履歴書が作成できるでしょう。
市販のテンプレートの使い方
市販の履歴書テンプレートは、多種多様なニーズに対応した便利なツールです。これらのテンプレートは、文具店やオンラインストアなどで購入でき、一般的な形式から企業独自の仕様を対象としたものまで幅広く展開されています。
テンプレートを選ぶ際には、求職者として記載したい情報とテンプレートの設計が合致しているかを確認しましょう。また、記載する欄が多すぎる場合や少なすぎる場合には、企業側が期待する情報をカバーできなくなる可能性があるため注意が必要です。
特にハローワークが推奨しているフォーマットは、必要最低限の情報を簡潔に伝える作りになっているため、活用しやすいです。また、市販テンプレートには使いやすさを向上させる工夫が多く盛り込まれており、記載例や説明があるものも少なくありません。これらのアドバイスを活用しながら、必要情報を漏れなく記載することを心がけましょう。
3. 採用担当者が注目するポイント
求められる「読みやすさ」と「端的さ」
履歴書は採用担当者に短時間で自分を伝える重要なツールです。そのため、読みやすく端的に情報をまとめることが求められます。特に、学歴や職歴欄は時系列に沿って整然と記載し、必要事項を簡潔に伝えるよう意識しましょう。余白や改行を効果的に使い、項目ごとの区切りを明確にすることで、採用担当者にとって見やすいレイアウトとなります。
また、具体的な数値や成果などを記載することで説得力を持たせる工夫も有効です。履歴書の作成に悩んだ場合は、ハローワークで提供される添削サービスを活用するのもよいでしょう。
採用担当の視点で見る好印象な書き方とは
採用担当者が履歴書で注目するポイントは、スキルや経験が応募職種にマッチしていること、さらに応募者自身の人柄が伝わる内容になっていることです。志望動機や自己PR欄では、単なる自己表現ではなく、応募先企業の特徴や求める人材像を意識した文章を心がけましょう。
たとえば、志望動機では「貴社の〇〇という取り組みに共感しました」といった具体的な事例を挙げると説得力が高まります。さらに誠実さや丁寧さが感じられる言葉遣いも好印象につながります。ハローワークでは履歴書の書き方に関するセミナーも開催しているため、参加してアドバイスを受けるのもおすすめです。
誤字脱字が与える印象と注意点
誤字脱字は採用担当者に対して非常に悪い印象を与える要因となります。たとえ小さなミスでも、履歴書のチェックに時間をかけない応募者と思われてしまいかねません。特に企業名や担当者名などを間違えると、入念な準備不足や失礼といった印象を与えてしまう可能性があります。
履歴書作成後は、必ず丁寧に見直しを行いましょう。可能であれば第三者に確認してもらうと、より客観的に誤字や表現の誤りを指摘してもらえます。また、オンラインツールやハローワークの履歴書添削サービスを利用するのも、ミスを防ぐための有効な手段です。
4. 履歴書作成の際に知っておくべき注意点
写真選び：適切な表情と服装のポイント
履歴書に貼る写真は、応募者の第一印象を決定づける重要な要素です。好印象を与えるためには清潔感が求められます。写真は3ヶ月以内に撮影されたもので、サイズは履歴書用に適した横3cm×縦4cmを選びましょう。表情は自然な笑顔で、真っ直ぐカメラを見ることが大切です。また、服装は職種に関わらずスーツが基本となります。シャツやブラウスはシンプルで無地のものを選び、奇抜な色やアクセサリーは避けてください。背景は白や淡い色が無難であり、全体のバランスが良くなるように整えましょう。
本人希望記入欄の効果的な使い方
履歴書の本人希望記入欄は、基本的に希望がない場合には「特になし」と記載するのが一般的です。ただし、特定の勤務地や労働時間の希望がある場合は、簡潔かつ丁寧に記載しましょう。その際、企業側に配慮した内容を心がけることが肝心です。例えば、「子育て中のため、9時から16時の勤務を希望致します」といった具体的な理由を述べることで相手に誠意が伝わります。過度な個人的希望を書き込むのは避け、採用担当者が不快感を抱かないよう配慮しましょう。
履歴書の守るべきマナー
履歴書は、採用担当者にとって応募者の第一印象を形成する重要な書類です。そのため、基本的なマナーを守ることが必須です。まず、日付は提出日または郵送日を記載し、西暦または和暦のいずれかに統一しましょう。また、氏名や住所、連絡先は正確に記載し、誤字脱字には十分注意してください。特にハローワークで提供される添削サービスを活用すると、無意識のミスを防ぐのに役立ちます。また、履歴書を郵送する際には余裕を持って準備し、折り目や汚れがつかないようクリアファイルを使用するのがおすすめです。こうした細かな配慮が採用担当者に良い印象を与えるポイントとなります。
5. 役立つ履歴書作成ツールとサービス
無料テンプレートの活用事例
履歴書を初めて作成する方や、効率的に書類を準備したい方にとって、無料テンプレートは非常に便利です。インターネット上には多数の履歴書テンプレートが公開されており、厚生労働省の公式サイトをはじめ、一般的な求人情報サイトでも簡単にダウンロードすることができます。テンプレートは各項目の配置が整っており、見栄えよく作成できるため、採用担当者に好印象を与えやすいです。また、手書きだけでなく、パソコンで入力することを前提にした編集可能なファイルもあります。これらを活用すれば、誤字脱字のリスクを軽減することができる点もメリットです。
ハローワークの履歴書添削サービス
ハローワークでは履歴書や職務経歴書の作成に不安を感じる方のために、添削サービスを行っています。専任の職員が書類の内容や表現方法、レイアウトについてアドバイスをしてくれるため、応募する企業に適した履歴書に仕上げることができます。多くのハローワークでは「履歴書・経歴書作成セミナー」や個別相談を実施しており、特に初めて応募書類を準備する方にとって心強いサポートです。また、このサービスを活用して、わかりやすい自己PR欄や志望動機の具体的な書き方についてプロの意見を受けることで、採用担当者からの印象を向上させる可能性が高まります。
オンラインツールで履歴書を効率的に作成する方法
近年、履歴書作成を効率化するオンラインツールが多く登場しています。これらのツールは、入力フォームに情報を記載すると、自動的にフォーマットに沿った履歴書を生成してくれるため、時間を大幅に短縮できます。また、文字数制限に応じて自己PRや志望動機を調整してくれる機能や、誤字脱字をチェックする機能が搭載されているものもあります。特に急ぎで応募書類を準備したい場合や、パソコン作業が得意な方にとって、こうしたオンラインツールは非常に有効です。一部のツールではクラウドにデータを保存できるため、今後も履歴書を更新しやすいという利点があります。
実際にダウンロードできるおすすめのフォーマット
履歴書作成に役立つフォーマットは、厚生労働省の公式サイトや主要な求人情報サイトで提供されています。特に注目すべきは、厚生労働省が推奨する新しい履歴書様式です。このフォーマットでは「性別」の記載が任意となり、「扶養家族数」や「配偶者」の有無といった項目が削除されるなど、より多様性に配慮した内容となっています。また、市販のエクセルやPDFフォーマットでは、保存や編集が容易で、見た目も整っているため企業側からの好印象を得やすいです。用途に応じてテンプレートを選び、必要に応じてハローワークの添削アドバイスを受けることで、理想的な履歴書を完成させることができます。
