【2026年最新】M&A転職で新規事業に関わるには?仲介・FAS・事業会社の違いを解説します

M&A転職で新規事業に関わるキャリアとは

M&A経験が新規事業で生かせる理由

M&Aの経験は、新規事業開発において多岐にわたる場面で活用できます。M&Aのプロセスを通じて培われる、企業や事業の価値評価、市場調査、リスク分析、交渉などのスキルは、新規事業の立ち上げや成長戦略の策定に直結するからです。例えば、デューデリジェンスで培った財務分析能力は、新規事業の事業性を客観的に評価する際に役立ち、交渉力はパートナーシップ構築や資金調達の場面で活かされます。

新規事業に関われる主な職種

M&Aの経験を持つ人が新規事業に関われる職種としては、主に以下のものが挙げられます。

  • 事業会社の経営企画
  • 事業開発
  • CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)
  • PMI(Post Merger Integration)担当

これらの職種では、M&Aの専門知識と事業への深い理解が求められ、買収後の統合や新規事業の創出に貢献できます。

M&A仲介・FAS・事業会社で異なる関わり方

M&A仲介、FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)、事業会社では、新規事業への関わり方が大きく異なります。

  • M&A仲介:主に売り手と買い手の間に立ち、M&Aの成立を支援します。案件の開拓から成約までの一連のプロセスを担当し、中小企業や中堅企業の事業承継案件が多いです。新規事業への直接的な関与は少ないですが、多様な業界のM&A案件に触れることで、事業モデルや市場動向に関する幅広い知見を得られます。
  • FAS:M&Aに関連する財務アドバイザリーサービスを専門的に提供します。企業価値評価(バリュエーション)、財務デューデリジェンス、PMI支援などが主な業務です。買い手または売り手のどちらか一方に付き、その依頼者の利益最大化を目指します。新規事業への関わり方としては、M&Aを通じた新規事業参入の検討支援や、買収後のPMIを通じて間接的に事業成長に関与します。
  • 事業会社:自社の成長戦略としてM&Aを推進し、新規事業の創出や既存事業の強化に直接的に関わります。経営企画や事業開発部門がその中心となり、買収後の事業統合やバリューアップ戦略まで一貫して担います。CVCではスタートアップ投資を通じて新規事業の種を見つけ、PMI担当は買収後の統合プロセスで事業の成長を推進します。

M&Aの成約だけでは新規事業経験にならない理由

M&Aの成約は、新規事業の「種」を獲得する段階に過ぎません。真の新規事業経験となるのは、M&A後の統合プロセス(PMI)を通じて、新しい事業を具体的に立ち上げ、成長軌道に乗せる部分です。M&Aの成約自体は取引の完了を意味しますが、その後の事業統合や組織再編、シナジー効果の創出といった実行支援が伴わなければ、新規事業としての成功には繋がりません。そのため、M&Aの「実行」だけでなく「実行後」の事業づくりに深く関わることが、新規事業経験を積む上で重要です。

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M&A仲介・FAS・事業会社の仕事内容と役割の違い

M&A仲介は案件の開拓から成約までを担う

M&A仲介は、売り手企業と買い手企業の間に入り、中立的な立場でM&Aの成立をサポートします。主な業務内容は、M&A戦略の策定、M&A候補企業のリストアップ・打診、企業価値算定、条件交渉、基本合意、デューデリジェンス、最終契約調整、経営統合のサポートなど多岐にわたります。中小企業や中堅企業の事業承継ニーズに対応することが多く、幅広い業界の案件に携わります。営業力や交渉力が重視され、成約件数や案件規模が評価や報酬に直結しやすいのが特徴です。

FASは買収の検討や実行を専門的に支援する

FAS(Financial Advisory Service)は、M&Aに関連する財務アドバイザリーサービスを専門的に提供するファームやサービスを指します。外資系投資銀行、大手金融機関、証券会社、BIG4(PwC、デロイト、KPMG、EY)系のコンサルティングファームなどが主なプレイヤーです。 FASの主な業務内容は以下の通りです。

  • M&A支援:財務デューデリジェンスの実施、企業価値評価(バリュエーション)、取引ストラクチャリング、交渉支援など。
  • 企業再生支援:事業再生計画の立案と実行支援、財務分析、金融機関との交渉支援。
  • 企業価値評価:企業や事業、無形資産、金融商品などの価値評価。
  • フォレンジック:不正調査や不正防止体制の支援。
  • PMI(ポストマージャーインテグレーション):M&A後の統合プロセスの支援、事業計画の策定と実行支援。 FASは、売り手または買い手のどちらか一方と契約を結び、その依頼者の利益最大化のために専門的なサポートを提供します。

事業会社の経営企画は買収後の成長戦略を担う

事業会社の経営企画部門は、自社の成長戦略の一環としてM&Aを主導します。M&A戦略の立案から対象企業の探索、デューデリジェンス、PMIまでを社内主導で行い、買収後の事業成長に直接的に貢献します。外部のFAやコンサルタントと連携しながら、自社の事業に合致するM&A案件を推進し、事業価値の向上を目指します。

CVCは投資を通じて新規事業の種をつくる

CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)は、事業会社が戦略的な目的を持ってスタートアップ企業に投資する仕組みです。M&Aの一形態として、将来的な事業連携や買収を見据えて、新規事業の「種」となる技術やビジネスモデルを持つ企業に投資を行います。CVCでは、投資先の選定、デューデリジェンス、投資実行後のモニタリングを通じて、新規事業の創出や既存事業とのシナジー効果を追求します。

PMIは買収後の統合と事業成長を進める

PMI(Post Merger Integration)は、M&A成約後に、買収した企業と既存事業の組織・制度・システム・業務プロセスを統合し、狙ったシナジーを実現する支援です。M&Aの成功を大きく左右する重要なフェーズであり、「M&Aは成約後が本番」とも言われます。PMI担当者は、統合計画の策定から実行、進捗管理までを担い、組織文化の融合やITシステムの統合などを通じて、買収後の事業成長を推進します。

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新規事業に関わりやすい転職先の選び方

経営企画でM&Aと事業戦略の両方に携わる

事業会社の経営企画部門は、M&Aを新規事業創出や既存事業強化の戦略的手段として活用します。M&A案件の検討段階から関与し、事業戦略との整合性を図りながら、買収後の成長戦略の立案と実行を担うため、M&Aの知識と事業戦略の両方を活かしたい人に適しています。

事業開発で提携・買収・新規事業を推進する

事業開発職は、M&Aだけでなく、提携やライセンス契約など多様な手法を用いて新規事業を推進します。市場ニーズの特定、ビジネスモデルの構築、パートナーシップの探索・交渉、買収・提携先の選定など、幅広い業務を通じて新規事業の立ち上げから成長までをリードします。

CVCでスタートアップ投資と事業連携を行う

CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)は、事業会社がスタートアップ企業への投資を通じて、新規事業の探索や既存事業とのシナジー創出を目指す部門です。投資先のビジネスモデルや技術を深く理解し、自社事業との連携を模索することで、M&Aの専門知識を活かしつつ、ベンチャー投資という形で新規事業に間接的に関与できます。

PMI担当として買収後の事業づくりに入る

PMI(Post Merger Integration)担当者は、M&Aが完了した後に、買収した企業と既存事業の統合プロセスを主導します。組織、システム、業務プロセスの統合を通じて、買収後のシナジーを最大化し、新たな事業価値を創造する役割を担います。M&Aの成約後の「事業づくり」に直接関わりたい人にとって、非常にやりがいのある職種です。

配属先だけでなく事業成長への関与範囲を確認する

転職先を選ぶ際には、単に配属される部署名だけでなく、M&Aを通じて事業成長にどの程度深く関与できるかを確認することが重要です。特に、新規事業創出を目指す場合、M&Aの実行だけでなく、買収後の事業戦略立案、組織統合、バリューアップ施策の実行まで一貫して携われる環境を選ぶことが、より実践的な経験を積む上で有利となります。面接時には、具体的なプロジェクト事例や、M&A後の事業の動き方について積極的に質問し、自身の関与範囲を明確にしておきましょう。

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M&Aから新規事業へ転職するために必要な経験とスキル

案件推進力と関係者をまとめる力

M&A案件の推進では、売り手と買い手、弁護士、会計士など多様な関係者を巻き込み、共通の目標に向かってプロジェクトを進行させる能力が求められます。これは新規事業においても同様で、社内外のステークホルダーと連携し、事業を前に進めるために不可欠なスキルです。

市場調査と事業性を見極める力

M&Aにおけるデューデリジェンスや企業価値評価を通じて、対象企業の市場環境や事業性を深く分析する能力は、新規事業の市場ニーズを特定し、その事業が成功する可能性を見極める上で非常に重要です。

数字を基に事業計画をつくる力

財務デューデリジェンスやバリュエーションで培われる、財務三表の理解や、DCF法、マルチプル法などの企業価値評価手法は、新規事業の事業計画を数字に基づいて具体的に作成する際に活かされます。実現可能な収益モデルや投資計画を立案する能力は、新規事業の成功に直結します。

買収後の成長施策まで考える視点

M&Aの成功は、単に成約させるだけでなく、買収後のシナジー創出や事業の成長まで見据えることが重要です。このPMIの視点は、新規事業を立ち上げる際にも、初期の戦略立案から中長期的な成長施策までを考慮に入れるために役立ちます。

自身のM&A経験を新規事業向けに伝える方法

M&A経験を新規事業向けにアピールする際は、単なるM&Aの「実行」だけでなく、その経験が新規事業の「創造」や「成長」にどう繋がるかを具体的に伝えることが重要です。例えば、「M&Aで培った市場分析力により、新規事業の潜在市場を特定し、事業計画を立案できます」「PMIの経験から、買収後の組織統合をスムーズに進め、新規事業を早期に立ち上げることが可能です」といったように、具体的な成果と新規事業への貢献を紐付けて説明しましょう。

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新規事業経験からM&A職へ転職する場合のポイント

新規事業で培った事業分析力を生かす

新規事業の立ち上げや運営で培った事業分析力は、M&A職において企業価値評価やデューデリジェンスの際に大いに役立ちます。特に、ビジネスモデルの理解、市場環境の分析、成長戦略の立案といった経験は、M&Aの対象企業が持つ潜在的な価値やリスクを深く見極める上で強みとなります。

営業経験が生きるM&A仲介の仕事

新規事業開発の過程で培われる、パートナーシップ構築や顧客開拓の営業経験は、M&A仲介の仕事で特に活かされます。M&A仲介は、案件のソーシングから売り手・買い手のマッチング、交渉のリードまで、強い営業力と人間関係構築力が求められるため、新規事業で対人折衝の経験が豊富な人は有利です。

財務・会計の知識が求められやすいFASの仕事

FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)の仕事では、企業価値評価、財務デューデリジェンス、税務アドバイスなど、高度な財務・会計知識が重視されます。新規事業経験者がFASを目指す場合は、簿記2級以上の知識や、USCPA(米国公認会計士)などの資格取得を通じて、財務・会計の基礎力を補強することが求められます。

未経験から補うべきM&Aの基礎知識

新規事業経験者がM&A職へ転職する場合、M&Aのプロセス、企業価値評価の基本(DCF法、マルチプル法など)、契約書(SPA:株式譲渡契約書など)の主要な条項など、M&Aに特化した基礎知識を学ぶ必要があります。関連書籍の学習やセミナーへの参加を通じて、体系的に知識を習得することが、選考突破に繋がります。

年代や経験別に考える転職の難しさ

M&A業界への転職難易度は、年代やこれまでの経験によって異なります。

  • 20代~30代前半:ポテンシャル採用のチャンスがあり、新規事業での実績や学習意欲が評価されやすいです。
  • 35歳以上・40代:即戦力性や専門性が重視されます。新規事業でのマネジメント経験や、特定の業界への深い知見など、M&A業務に直接活かせる経験を具体的にアピールすることが重要です。

自身の年代や経験を客観的に見つめ直し、M&A業界でどのように貢献できるかを明確にすることで、転職の成功確率を高めることができます。

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M&A転職で新規事業に関わる際の年収・働き方・注意点

M&A仲介は成果報酬の比重が大きい

M&A仲介の年収は、成果報酬の比重が非常に大きいのが特徴です。基本給は比較的低めでも、成約件数や案件規模に応じたインセンティブが加算されるため、実績次第で高収入を目指せます。ただし、成果が出ない場合は年収が伸び悩むリスクもあります。成果が明確なため、個人の能力が正しく評価されやすい環境ですが、M&A市場の動向にも左右されるため、安定性には欠ける側面があります。

FASは専門性とプロジェクト対応が求められる

FASの年収は、M&A仲介と比較すると固定給の割合が高く、専門職として安定した高収入が期待できます。役職が上がるにつれて年収も上昇し、パートナーレベルでは億単位の報酬も視野に入ります。業務はプロジェクト型であり、M&A案件の繁忙期は長時間労働となることもありますが、近年はリモートワークや裁量労働制の導入が進み、働き方改善の動きも見られます。高い専門性を継続的に学び、プロジェクトを推進する能力が求められます。

事業会社は中長期で事業を育てやすい

事業会社のM&A担当や経営企画部門は、M&Aを通じて自社の中長期的な事業成長に貢献するため、安定した給与体系が基本です。外部のアドバイザーと異なり、M&A後のPMIや事業育成に深く関われるため、短期的な成果だけでなく、長期的な視点で事業を育てたい人に向いています。年収は企業の規模や業績によって異なりますが、一般担当者で600万~900万円程度、マネージャーや部長クラスで1,000万~1,500万円程度が目安です。

新規事業に関われない転職先を避ける確認項目

M&A転職で新規事業に関わりたい場合、以下の確認項目を参考に、希望するキャリアパスと合致する転職先を選ぶことが重要です。

  • M&A後の事業への関与度:M&Aの成約だけでなく、PMIや事業開発、成長戦略の実行まで一貫して関われるか。
  • 組織体制:新規事業開発を専門とする部門があるか、M&Aが事業部門と密接に連携しているか。
  • 企業のM&A戦略:M&Aを単なる規模拡大だけでなく、新規事業創出やイノベーションの手段として捉えているか。
  • 過去の事例:M&Aを通じて新規事業を成功させた具体的な事例があるか。
  • 配属先のミッション:配属予定の部署が、新規事業や事業成長にどのように貢献しているか。

M&Aと新規事業のどちらを軸にするか判断する

M&Aと新規事業、どちらをキャリアの軸にするかによって、選ぶべき転職先や身につけるべきスキルは異なります。

  • M&Aの専門性を深めたい場合:FASや投資銀行など、M&A業務そのものを専門とするプロフェッショナルファームが適しています。
  • 新規事業創出に直接関わりたい場合:事業会社の経営企画、事業開発、CVC、PMI担当など、M&Aを手段として新規事業を手掛ける部門が望ましいです。

自身のキャリア目標、得意なスキル、興味関心を踏まえて、M&Aと新規事業のどちらに重きを置くかを明確にすることで、後悔のない転職を実現できるでしょう。

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この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)

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