銀行のリレーションマネージャー(RM)は、法人・個人顧客の資金ニーズに応え、長期的な関係構築を担う重要なポジションです。保険会社営業で培ったコンサルティング型営業、顧客深耕力、リスク感度は、銀行RMでも大きな武器となります。本記事では、保険会社営業出身者が銀行RMに転職するためのステップ、活かせるスキル、選考対策、志望動機・職務経歴書の記載例まで、実践的に解説します。
1. 保険会社営業と銀行RMの業務の違い
まずは両者の業務領域と求められる視点の違いを整理しておきましょう。
項目 | 保険会社営業 | 銀行リレーションマネージャー(RM) |
---|---|---|
主な目的 | 保険商品の提案・販売 | 融資・資産運用提案による顧客基盤拡大・収益向上 |
業務内容 | 保険設計、ニーズヒアリング、契約管理 | 融資提案、資金ニーズ対応、法人/個人営業 |
視座 | リスクヘッジ・将来設計支援 | 資金調達・資産形成・事業拡大支援 |
関与部門 | 本社商品部門、代理店 | 融資部門、リスク管理部門、商品開発部門 |
2. 保険会社営業で活かせるスキル
保険会社営業で培った以下のスキルは、銀行RMにおいても大きな武器となります。
- 顧客ニーズ把握・コンサルティング提案力
- 長期的なリレーション構築力
- リスク感度・リスク説明スキル
- クロスセル・アップセル提案力
- 目標達成に向けた計画策定・実行力
特に、顧客のライフステージや事業フェーズに応じた提案ができる力は重宝されます。
3. 転職成功のための5ステップ
- 銀行RM業務の理解:法人営業、個人営業、融資・資産運用提案の基本を学習
- 自身の強みの棚卸し:コンサルティング力、顧客深耕力、リスク管理意識を整理
- 金融基礎知識の習得:融資、預金、資産運用商品の基礎知識を習得
- 資格取得・学習実績の補強:銀行業務検定、FP資格、証券外務員資格の取得
- 面接対策:なぜ保険営業から銀行RMなのかをロジカルに語れるよう準備
4. 資格・知識面の補強ポイント
必須ではありませんが、以下の資格・知識があると転職活動で優位になります。
- ファイナンシャルプランナー(FP)2級以上
- 証券外務員一種資格
- 銀行業務検定(融資・財務・法務)
- 法人財務分析スキル(財務諸表の読み方)
また、日経新聞や金融機関の決算資料を読む習慣を持つと、金融リテラシー向上に役立ちます。
5. 職務経歴書の書き方
下記のように、提案営業力、リレーション構築力、リスク管理意識を強調して記載すると効果的です。
- 法人・個人向け保険提案営業実績
- 顧客ニーズ把握に基づくソリューション提案経験
- 長期リレーション構築による契約継続・拡大実績
- リスク説明・適合性確認対応経験
6. 志望動機の例文
コンサルティング力と顧客基盤拡大への意欲を中心に構成します。
【志望動機例】
私はこれまで、保険会社にて法人・個人向けのコンサルティング営業に従事し、顧客のライフプラン・事業計画に応じたリスクヘッジ提案を行ってまいりました。こうした経験を通じて、より幅広い金融ニーズに応え、資金調達支援や資産運用提案を通じて顧客の成長に寄与する銀行RM業務に魅力を感じ、キャリア転換を志望いたしました。これまで培った顧客深耕力、提案力、リスク管理意識を活かし、貴行の顧客基盤拡大に貢献していきたいと考えております。
7. まとめ
保険会社営業出身者は、コンサルティング提案力、リレーション構築力、リスク感度といった銀行RMに不可欠な素養を備えています。金融知識を補強し、自身の経験を具体的にアピールすることで、キャリア転換の成功を目指しましょう。
【職務経歴書(サンプル)】
氏名:佐々木 翔太 生年:1990年生まれ ■職務要約: 大手保険会社にて約8年間、法人・個人向けコンサルティング営業に従事。顧客ニーズ把握に基づく提案、リスク管理意識を重視した営業スタイルに強みを持つ。今後は、銀行においてリレーションマネージャー業務に携わり、顧客基盤拡大・成長支援に貢献するキャリアを志向。 ■職務経歴: 〇〇生命保険株式会社(2016年4月~現在) ・法人向け福利厚生プラン提案・導入実績(30社超) ・個人向けライフプラン提案・長期契約維持率95%達成 ・リスクマネジメント研修講師担当(年間5回実施) ・社内表彰(年間営業成績上位5%)受賞 ■保有資格: ・ファイナンシャルプランナー(FP)2級 ・証券外務員一種資格取得予定 ・TOEIC 750点 ■学歴: 中央大学 商学部卒(2013年3月)