コトラ（広報チーム） 
ユーグレナのビジョンと「サステナビリティファースト」の意義
「サステナビリティファースト」とは何か
「サステナビリティファースト」とは、持続可能な社会を第一に考えた事業運営の方針を指します。これは、環境、社会、経済において調和のとれた発展を追求する企業哲学です。ユーグレナはこの理念に基づき、化石燃料への依存を減らす次世代バイオ燃料「サステオ」の開発や、持続可能な資源利用の推進に取り組んでいます。このコンセプトは、地球環境だけでなく、人々の暮らしや社会全体にも前向きな影響を与えることを目指しています。
ユーグレナのパーパスとコーポレート・アイデンティティ
ユーグレナのパーパスは「人と地球を健康にする」ことです。この目的は、同社のコーポレート・アイデンティティを支える中心的な柱として掲げられています。具体的には、微細藻類ユーグレナを活用したヘルスケア製品の開発やエネルギー事業の推進を通じて、社会課題の解決に寄与しています。また、新しいCFO（Chief Future Officer）の存在もその企業文化を象徴しており、未来を担う若者たちによる視点を経営に取り入れることで、次世代に向けた持続可能なビジョンを実現しようとしています。
環境・社会・経済への包括的なアプローチ
ユーグレナは環境、社会、経済の3つの側面においてバランスの取れたアプローチを実践しています。環境面では、「サステオ」を用いたバイオ燃料技術の普及やCO₂削減の取り組みを進めています。社会面では地域社会との連携を重視し、地元経済の活性化や住民の生活向上を目指す活動を続けています。そして経済面では、収益性を確保しながらも、環境や社会に配慮したビジネスモデルを採用することで、持続可能な経済成長を成し遂げようとしています。このような包括的なアプローチが、ユーグレナの事業運営を支える中核的な戦略となっています。
従来の事業からの仕様変更と軸の転換
ユーグレナは設立当初から食品事業やサプリメント分野で基盤を築いてきましたが、現在では環境事業やエネルギー事業へ大きく軸足を移しています。その象徴が、次世代バイオ燃料「サステオ」の研究開発と市場展開です。この転換は、価値を消費者や企業に提供するだけでなく、地球の未来を見据えた挑戦でもあります。従来の石油由来の燃料を中心としたエネルギー供給に代わり、持続可能なエネルギーを提供することで、化石燃料に依存しない社会の構築に貢献しています。このような仕様変更は、ユーグレナの「サステナビリティファースト」の精神を具体化したものと言えるでしょう。
環境への取り組み：次世代バイオ燃料事業の挑戦
「サステオ」の研究開発とその可能性
ユーグレナ社は、「サステオ」と名付けられた次世代バイオ燃料の開発に注力しています。「サステオ」は化石燃料に代わる持続可能な燃料として設計されており、車両、船舶、航空機といった多様な用途での使用が可能です。
この燃料は化石燃料に比べて環境負荷が大幅に低減される特性を持っています。従来の石油由来燃料は燃焼時に大量のCO2を排出しますが、「サステオ」は植物由来のバイオ燃料の特性により、原料が光合成の過程で大気中のCO2を吸収しているため、炭素循環を実現します。このため、地球温暖化対策にも大きく貢献する可能性があります。
また、ユーグレナ社は「サステオ」を、HVO（Hydrotreated Vegetable Oil）を51%混合させたディーゼルエンジン車用の燃料規格に適合させることで、実用性をさらに高めています。さらに、バイオジェット燃料の供給や大規模商業プラントの建設も進めており、多様な分野での「サステオ」の普及に期待が寄せられています。
CO2削減への貢献：カーボンクレジットの活用
ユーグレナ社は「サステオ」の導入を通じて、CO2削減への具体的な貢献を目指しています。カーボンクレジットの活用により、環境負荷の軽減を数値として可視化する仕組みを構築しています。
具体的には、大型トラックや航空機への燃料供給によるCO2排出の軽減効果が期待されます。たとえば、「サステオ」を使用して配送すると、各車両のCO2排出量が削減され、その分カーボンクレジットとして還元されます。これにより、企業や自治体が行う持続可能なプロジェクトにも重要なインセンティブが与えられる形となります。
さらに、こうした取り組みは、エネルギー分野だけでなく、サステナブルな社会の実現に向けた全体的なムーブメントを牽引する役割を果たしています。
石垣島でのユーグレナ栽培の環境的意義
ユーグレナ社は、沖縄県石垣島を拠点に微細藻類ユーグレナの栽培を進めています。この取り組みは、単なるバイオ燃料製造の一環ではなく、環境保全の観点からも重要な意味を持っています。
微細藻類ユーグレナは、光合成によってCO2を吸収し酸素を放出する特性を持つため、石垣島での栽培活動が地球規模での温暖化対策に寄与しています。また、バイオ燃料原料の生産過程において森林破壊を伴う問題が起きにくい点も特筆すべきです。食用作物や土地利用との競合を避けるため、微細藻類の大規模生産は環境にも優しい選択となっています。
石垣島の豊かな自然環境と気候条件は、微細藻類栽培に最適な環境を提供し、この地域の生態系と調和を保ちながら資源の循環利用を実現しています。
地域連携と持続可能な未来への架け橋
ユーグレナ社の活動は地域社会との連携によって支えられています。特に石垣島での取り組みにおいては、地元の雇用創出や地域経済の活性化を図ると同時に、持続可能な社会づくりのモデルケースとなっています。
「サステオ」を含むバイオ燃料ビジネスの拡大は、地域と共に成長し、グローバルな環境問題に果敢に挑戦する姿勢を示しています。このような持続可能性を重視した事業モデルは、国内外の多くの企業や自治体にとって一つの指針となることでしょう。
また、地域連携型のプロジェクトを通じて、ユーグレナ社は社会におけるサステナビリティ普及の架け橋として機能しています。これによって未来世代へと続く持続可能な経済基盤が構築されることを期待されています。
社会的価値の創造：パートナーシップと地域貢献
佐川急便との共同取り組み事例
ユーグレナは「サステナビリティファースト」の理念のもと、物流業界最大手の一つである佐川急便と連携し、環境負荷低減を目指す取り組みを進めています。このパートナーシップでは、ユーグレナ社の次世代バイオ燃料「サステオ」を配送トラックに活用することで、物流におけるCO₂排出削減を実現しています。特に、2023年には「サステオ」を活用したサステナブル配送プロジェクトを実施し、2,000km走行するトラック6台に年間3,000リットルのバイオ燃料を供給。その結果、燃料使用による二酸化炭素排出量の大幅削減が期待されています。このような事例を通じて、ユーグレナはエネルギーと物流の持続可能な未来に寄与しています。
次世代物流への移行とそのインパクト
佐川急便とのコラボレーションを通じ、ユーグレナは次世代物流の実現に向けた革新的なアプローチを提案しています。物流業界では、化石燃料依存から脱却し、再生可能燃料への移行が喫緊の課題となっており、「サステオ」の導入はこの課題解決に直接的なインパクトを与えています。また、ユーグレナのバイオ燃料は軽油規格に適合しているため、既存のディーゼルトラックの改造が不要であり、物流事業者のスムーズな切り替えを可能にします。これにより、燃料サプライチェーン全体の効率化と持続可能性の向上が期待され、物流業界全体の脱炭素化が促進されています。
持続可能な観光モデルの開発と展望
地域社会と連携するユーグレナは、観光分野においても持続可能なモデルを提案しています。その一例が、バイオ燃料を活用した観光輸送サービスの展開です。観光地では移動手段の多様化が進む中、環境に配慮した交通手段の導入が求められています。ユーグレナが提案するモデルは、地元の交通事業者や自治体との協力により推進され、観光客の移動時に使用する車両に「サステオ」を導入する取り組みを展開しています。これにより、観光地全体のCO₂排出量削減だけでなく、「サステナ」をキーワードにした地域のブランド価値向上も期待されています。さらに、このような観光モデルが他の地域へと広がれば、全国的な持続可能な観光業の発展にもつながるでしょう。
経済性の追求と持続可能なビジネスモデル
ユーグレナの収益モデルとその革新
ユーグレナは「サステナ」を軸とした革新的な収益モデルを構築しています。微細藻類から抽出されるバイオ燃料「サステオ」に代表されるように、環境負荷を軽減する商品を提供することで、持続可能性と利益追求を同時に実現しようとしています。同社の収益モデルは、従来の化石燃料に依存した経済構造から脱却し、再生可能エネルギーを活用する新しい枠組みを提案しています。
三菱UFJ信託銀行とのサステナ投資
ユーグレナは三菱UFJ信託銀行と共同でサステナブルな投資にも着手しています。この取り組みは、企業の持続可能性を重視する投資家と連携し、資金調達を通じて未来志向のプロジェクトを推進することを目的としています。これにより、環境や社会課題への貢献と経済成長を両立させ、投資家にも魅力的な収益の提供を目指しています。
HVO混合燃料の商業化と市場拡大
ユーグレナはHVO（Hydrotreated Vegetable Oil）を51%混合した「サステオ」を開発し、その商業化を進めています。「サステオ」は軽油規格に適合しており、ディーゼルエンジン車両でも問題なく使用できるため、市場拡大が期待されています。さらに、HVOを活用することで国際的な持続可能性認証（ISCC）を受けるなど、環境への配慮が評価されています。これにより、ユーグレナは次世代燃料市場でのポジションを強固なものとしています。
利益循環モデルと社会的インパクト
ユーグレナは利益循環モデルを採用し、そのリソースを持続可能な社会の実現に再投資しています。例えば、バイオ燃料の普及を通じて二酸化炭素排出の削減に貢献するほか、地域社会との連携を強化し社会的価値を創出しています。このアプローチは、単なる短期的な利益の追求ではなく、長期的な視点で地球や人々に貢献することを目的としており、企業としての社会的影響力を高めています。
未来展望：ユーグレナの目指すサステナブルな社会
「人と地球を健康に」の実現へ
ユーグレナ社は「人と地球を健康にする」という使命のもとで事業を展開し、この目標の実現を目指しています。「サステナ」という概念を基盤に、地球環境の保全と人間社会の健康な成長を同時に実現することを追求しています。具体的には微細藻類の研究から生まれた次世代バイオ燃料「サステオ」、環境に優しいサステナブルな燃料の活用などを通じて、CO₂排出削減や気候変動問題の解決へと貢献しています。持続可能性をビジネスの中心に据えたこの取り組みは、企業としての責任を超え、社会全体の未来を見据えたアプローチと言えます。
テクノロジーと共創によるイノベーション
ユーグレナ社では、最先端のテクノロジーを活用し、さまざまなパートナーとの共創によるイノベーションを推進しています。バイオジェット燃料やバイオディーゼル燃料「サステオ」の開発をはじめ、微細藻類の産業利用という新たな可能性を切り拓いています。また、HVO（Hydrotreated Vegetable Oil）との混合燃料の商業化を進めることで、化石燃料への依存度を減らし、地球に優しい燃料供給を実現しています。これらの取り組みを通じて、持続可能な社会の構築に向けたイノベーションが加速しています。
国際的なサステナビリティトレンドの牽引
ユーグレナ社は、日本国内のみならず、国際的なサステナビリティトレンドを牽引する立場を目指しています。例えば、バイオ燃料のグローバル展開や、国際持続可能性カーボン認証（ISCC）を取得したエネルギー事業の推進を通じて、世界規模での環境貢献を果たしています。また、マレーシアでの大規模バイオ燃料プラントの建設プロジェクトを進めるなど、グローバル市場での影響力を拡大しています。このような活動によって、ユーグレナ社は持続可能性の重要性を世界へ広げる役割を果たしています。
次世代の企業モデルとしての挑戦
ユーグレナ社は「サステナビリティファースト」を企業哲学として採用し、持続可能な社会を実現するための次世代型企業モデルの確立に挑戦しています。その一環として、ユニークな取り組みであるCFO（Chief Future Officer）の設置などを通じて、未来世代の声を経営に反映させています。また、「サステオ」プロジェクトをはじめとする環境重視の取り組みと、地域社会との連携を強化することで、経済的な価値創造と社会的責任を両立させています。この挑戦は、持続可能性を企業モデルの中心に据えた新しい経営戦略として注目されています。