サステナビリティ・ESG・GX採用市場が2022年も前年比”200%”成長
〜2022年の振り返りと2023年のフォーキャスト〜

サステナビリティ・ESG・GX採用市場が2022年も前年比”200%”成長〜2022年の振り返りと2023年のフォーキャスト〜
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2017年からここ数年の間、毎年「倍増」を続けてきたサステナビリティ・ESG・GX(グリーントランスフォーメーション)に関する求人が、2022年も前年比”200%”成長となりました。

以下に挙げるようなビジネスや経済の動向が、求人という形で顕在化したと考えています。

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  • 財務情報主義から非財務情報との統合主義への企業価値の変化
  • 環境・社会価値と経済価値のトレードオンという考え方の浸透
  • カーボンニュートラル(脱炭素)を実現するためのGX(グリーントランスフォーメーション)、サーキュラーエコノミー(循環型経済、資源循環)、人権とサプライチェーン、生物多様性・自然資本など、これらのビジネスとしての取り組みの進展
  • トランジションファイナンス、インパクトファイナンスなど新たなファイナンス手法の拡大
  • 人材を企業成長の資本と捉え投資を継続的かつ積極的に行う人的資本経営の機運の高まり
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コンサルティングファーム

コンサルティングファームにおいては、新しいビジネスの取り組みが求人となって最初に顕在化しやすい特徴がありますが、従前からのカーボンニュートラル、環境・エネルギーの分野に加えて、生物多様性、人的資本といった分野での求人も2022年下期あたりから活発化の兆しが生じました。

また、財務と非財務の統合において、非財務データを収集し活用していくことが必要であるが、これらを進めるサステナビリティ・データエンジニアといった職種も生まれました。

監査法人やBig4コンサルティングファーム、シンクタンクに加えて、IT・デジタルを生業とするコンサルティングファームにおいても、サステナビリティのチーム立ち上げの動きも進みました。
「サステナビリティ・ESGコンサルタント」が活躍するフィールドはより一層広がりを見せています。
また、「サスティナビリティ・ESG第三者保証」といった情報に関する保証に従事する業務も一層重要性が高まっています。

金融機関

金融機関においては、メガバンク、信託銀行、証券会社(投資銀行部門)、アセットマネジメント会社、格付会社・評価機関での採用が引き続き積極化。加えてインパクトファイナンスに関するポジションがベンチャーファンドなどで生じたことも印象的でした。

また、メガバンクなどでは、経営企画部門でのサステナビリティ推進といった企画・管理のセクションに加えて、トランジションファイナンス、事業投資、事業開発といったビジネス面での求人も強化しており、新規ビジネスへの積極的な姿勢の現れとも感じています。

「サステナブルファイナンサー」「インパクトファイナンサー」「ESGアナリスト」「ESGバンカー」といった専門職が金融機関において存在感を高めています。

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事業法人

2022年は事業法人の求人が最も伸びており、サステナビリティに関してビジネスとして本気で取り組む企業が増加した現れであると考えています。

統合報告・TCFDなど非財務情報開示、CDP・DJSIなどESG評価・格付機関対応、Scope3を含むGHG排出量の計測業務など企画・管理部門での業務に加えて、サステナビリティに関する事業開発に取り組む求人も増加しました。

サステナビリティ事業開発とは具体的には、商社やエネルギー企業での水素やアンモニアといった新たなエネルギーキャリアや燃料のサプライチェーン開発、メーカー等における蓄電池・グリーンケミカル・SAF(持続可能な航空燃料)などに関する事業開発、IT・デジタル企業におけるサステナビリティ情報の可視化にかかるITサービスの開発などです。
「サステナビリティ企画」「サステナビリティ推進」「サステナビリティ事業開発」といった職種が事業会社において、より増加していくことが想定されます。

求職者においても、サステナビリティ領域のキャリアを志向する動きがより加速。転職マーケットは、「求人ニーズ>>経験者」という状況であり、経験者の転職に加えて、ポテンシャル人材の採用も2022年は増加しており、短期的には状況は変わらず2023年も引き続きそうした状況が続くと考えています。

サステナビリティ情報開示

サステナビリティ情報の開示に関しては、米国のSEC(米国証券取引委員会)、欧州のEFRAG(欧州財務報告諮問グループ)、IFRS財団のISSB(国際サステナビリティ基準審議会)において、グローバルな動きが急速に進展しており、これらの制度面がビジネスの動きを促進していくと考えます。

コトラでは、2023年もサステナビリティ・ESG・GX転職を最重要テーマの一つとして認識し、最新の業界情報のアップデート、求人企業とのリレーションの構築と求人ニーズに対する支援、プロフェッショナルのキャリア構築の支援に、全社的に取り組んでいく所存です。

求人を考えている企業の人事部門、管理部門や事業部門の皆様、転職をお考えの皆様とお話できることを一同、楽しみにしていますので、お気軽にコトラにご連絡ください。

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KOTORA JOURNAL | サステナビリティ・ESG・GX採用市場が2022年も前年比”200%”成長</br>〜2022年の振り返りと2023年のフォーキャスト〜

宮崎達哉

信州大学工学部卒、ゼネコンでの施工管理者を経験した後、三重県庁にて産業政策の企画・運営業務に従事。県庁在籍中に、経済産業省資源エネルギー庁及びNEDOにてエネルギー政策に係る新規事業立案や規制・制度の合理化に従事。デロイトトーマツグループでの地方創生及び教育分野のコンサルティング業務を経て現職。
【担当業界 】ESG/サステナビリティ領域、シンクタンク、コンサルティングファーム、監査法人、パブリックセクター、教育、経営層、管理系人材、技術者