ゼンショーのサステナビリティへの基本的な取り組み
「世界から飢餓と貧困を撲滅する」という経営理念
ゼンショーグループの経営理念は「世界から飢餓と貧困を撲滅する」ことです。この理念のもと、ゼンショーは食品産業を通じて持続可能な社会の実現を目指しています。同時に「安全でおいしい食を手軽な価格で提供する」という創業からの想いを大切にし、全世界での活動を展開しています。この取り組みは、ゼンショーの「ゼンショーグループ憲章」にも明記されており、万人が真に平等で調和的に発展できる社会を実現するための指針として機能しています。
食のインフラとしてのゼンショーの役割
ゼンショーは単なる飲食業の枠を超え、食のインフラを担う存在としての役割を果たしています。例えば、はま寿司におけるタッチパネルとストレートレーンの導入など、効率的なオペレーションを追求することで、食品ロスの削減や、お客様への手軽で安全な食の提供を実現しています。さらに、食に関するプロセスを企画・設計し、持続可能な社会の基盤を支える重要な役割を担うべく、活動を続けています。
ゼンショーのサステナビリティ推進体制
ゼンショーのサステナビリティへの取り組みは、組織全体で推進される体制によって支えられています。グループ全体の経営戦略と連動させることで、環境保全や社会貢献を実現するための取り組みが一貫して行われています。また、従業員やお取引先様とのパートナーシップを大切にし、「共に成長する」という意識のもとサステナビリティを推進しています。このように、ゼンショーでは広範かつ統合的な取り組みを進めることで、持続可能な未来を目指しています。
環境問題への具体的な取り組み
脱炭素社会の実現に向けたゼンショーの挑戦
ゼンショーは、地球温暖化問題に向き合い、脱炭素社会の実現に向けた積極的な取り組みを進めています。同グループは2012年に株式会社ゼンショークリーンエナジーを設立し、翌年から本格的に太陽光発電事業を開始しました。現在では、はま寿司の242店舗や工場施設に太陽光パネルを設置し、年間約900万キロワットの電力を生み出しています。
また、電力消費を抑えるため、省エネ機器を店舗や工場全体で導入しています。例えば、10年以上使用された空調設備を最新機器に交換し、その結果電力消費量を約30%削減しました。さらに、牛脂からバイオマス燃料を精製し、ボイラー燃料として活用することで、より持続可能なエネルギー利用を目指しています。これらの取り組みは、ゼンショーが「サステナ」を重視し、脱炭素社会に向けて具体的な成果を上げている証とも言えるでしょう。
持続可能な資源利用と地球環境保全
持続可能な社会の実現には、天然資源の有効活用が欠かせません。ゼンショーでは、資源の無駄を防ぎながら効率的に活用する仕組みづくりを推進しています。例えば、食品製造から販売に至るまでのサプライチェーン全体において省エネルギーと資源効率の最適化を図っています。
さらに、自然エネルギーの利用を促進するだけでなく、その活用方法を絶えず改善し、地球環境への負荷を軽減しています。これらの施策は、「万人が真に平等で、持続可能な調和的発展を続ける社会の実現」というゼンショーグループの経営理念とも強く結びついています。
廃棄物削減とリサイクルへの貢献
ゼンショーは、食品ロスの削減をはじめとした廃棄物対策にも尽力しています。特に、はま寿司ではストレートレーンとタッチパネルを用いることで、注文された分だけ商品を提供する仕組みを導入し、食品廃棄物の削減に成功しています。また、未利用食品を適切に分類しリサイクルへと繋げることで、持続可能な廃棄物処理を実現しています。
このほか、グループ全体でリサイクル活動に積極的に取り組み、店頭や工場から出る廃材の再利用を進めています。これによって廃棄物そのものの量を減少させ、資源循環型社会の構築に寄与しています。ゼンショーが目指す「サステナ」の姿は、こうした小さな取り組みの積み重ねによって実現されているのです。
社会への貢献を目指したゼンショーの取り組み
多文化共生とフェアトレードの推進
ゼンショーグループは、「世界から飢餓と貧困を撲滅する」という理念のもと、多文化共生を重要なテーマとして掲げています。地域や国を超えた協力体制の構築を通じて、多様性を尊重した持続可能な社会の実現を目指しています。その一環として、2007年からフェアトレードを推進しており、生産者と対等なパートナーシップを築きながら、社会開発資金を通じて教育施設や医療設備の整備支援を行っています。これにより、多くの生産者が安定した生活を営む基盤を確立し、地域コミュニティの活性化にも寄与しています。
地域社会と連携した災害支援活動
ゼンショーグループは、地域社会との絆を深めるため、災害支援活動にも積極的に取り組んでいます。特に海外で発生した大規模な災害時には、被災地支援を迅速に行い、食材提供や財政的な支援など幅広い支援活動を展開しています。具体的には、トルコ・シリア地震やパキスタン洪水被害、ソマリア難民支援などの際に、現地のニーズに応じた支援を実現しました。こうした活動を通して、ゼンショーは「食のインフラ」として地域社会と共に歩む企業であることを示しています。
安全な食を届けるための基準と検査体制
ゼンショーグループは、全ての人々に安全で安心な食を届けることを優先課題としています。そのため、徹底した品質管理と検査体制を整備しています。食材の選定から製造、流通、店舗での提供まで、各段階で厳格な基準を設け、細心の注意を払っています。また、独自の検査制度を導入し、定期的なチェックを行うことで、不備やリスクの早期発見に努めています。このような取り組みを通して、高品質で安全な食材を手軽な価格で提供し、多くの人々に信頼される「食のインフラ」としての役割を果たしています。
社員の働きがいを高める組織づくり
ゼンショーにおける「人財」への投資
ゼンショーグループは、従業員を「人財」として捉え、働きがいを高めるための積極的な投資を行っています。全ての従業員が自己成長を実現できるよう、多岐にわたる教育制度を整備しています。例えば、スキル向上のための研修プログラムや、日本文化や多国籍な知識を深める研修など、幅広い学びの場を提供しています。
さらに、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みも進め、2021年にはDX認定を取得しました。これにより、デジタル技術を活用した効率的な業務環境を構築し、多様な従業員が活躍できる職場作りを推進しています。ゼンショーグループは、サステナブルな経営の要となる「人財」への投資を引き続き強化しています。
多様な人々が活躍する職場環境の構築
ゼンショーグループでは、多様な人々が活躍できる職場環境を構築することを重要視しています。国内外から集まった約16万人の従業員が在籍しており、それぞれの個性やバックグラウンドを尊重することで、多文化共生のモデルとなる組織運営を実現しています。
また、性別や育児などのライフステージに左右されない働き方の実現にも力を入れています。妊娠中や育児休業後の相談窓口を設けることで、女性が安心してキャリアを築ける環境を整えています。このようにゼンショーは、サステナ観点からも豊かな職場環境を維持し、多様な従業員が互いに支え合いながら活躍できる基盤づくりを進めています。
働きがいを向上させるための取り組み
ゼンショーグループでは、働きがいの向上を目指した取り組みを積極的に行っています。その一例が、従業員一人ひとりに寄り添ったキャリア支援です。個別相談や評価制度を通じて、本人の努力やスキルに見合ったキャリアパスを設計し、やりがいを感じられる職場を提供しています。
加えて、産業界の課題解決や社会への貢献を目指す「ゼンショーグループ憲章」に基づいた活動も重要なポイントです。従業員がサステナビリティに関わる実感を得られるよう、環境保全やフードロス削減といった課題解決プロジェクトへの参加機会を提供しています。これにより、社会的意義を感じながら働ける環境を整えています。
ゼンショーグループは、社員一人ひとりが充実感を持って働けるよう、多面的な支援体制を構築しており、今後も「働きがい」の向上に努めていきます。
未来への展望:ゼンショーが描くサステナビリティのビジョン
ゼンショーのマテリアリティ(重要課題)の再定義
ゼンショーグループは創業以来、飢餓と貧困の撲滅を目指し、経営理念に基づきサステナビリティへの取り組みを強化してきました。現在、社会や環境を取り巻く状況が大きく変化する中で、ゼンショーは新たなマテリアリティ(重要課題)の再定義を行っています。この再定義では、脱炭素社会の実現、持続可能な資源利用、安全で公平な食の提供など、地球規模で取り組むべき分野が反映されています。これにより、ゼンショーがサステナに配慮した事業運営をさらに深め、地域社会や環境への貢献度を高める狙いがあります。
サステナビリティボンドによる社会的インパクト
2022年、ゼンショーグループはサステナビリティボンドを発行し、社会課題の解決に向けた資金を調達しました。このボンドは、環境保全や社会的課題解決に寄与する取り組みを支援するためのものです。例えば、グリーンエネルギーの推進や食品ロス削減施策への資金活用が進められています。この取り組みによって、ゼンショーは環境負荷の低減に貢献するとともに、持続可能な社会の実現に向けたリーダー的役割を果たしています。加えて、このボンドは投資家にとっても社会的価値を生む資金運用の選択肢となり、ゼンショーのサステナに対する取り組み姿勢を広く支持されています。
ゼンショーのグローバルな挑戦と次世代への約束
ゼンショーグループは、国内のみならず世界各国での食のインフラ構築を通じて飢餓と貧困の解決に挑む活動を続けています。特にフェアトレードの推進や海外災害支援活動は、グローバルな課題への取り組みの象徴的な事例です。また、太陽光発電やバイオマス燃料の活用といった取り組みを活かし、資源の有効活用と次世代への環境保全を約束しています。これらの挑戦を通じ、ゼンショーは「すべての人が平等に機会を享受できる社会」の実現に向け、これからも積極的に貢献し続ける姿勢を示しています。