明治安田生命が目指すダイバーシティと女性活躍推進
女性管理職比率の向上:10年間で10倍の実績
明治安田生命は、ダイバーシティ推進の一環として女性管理職の登用に大きな成果を上げてきました。この10年間で女性管理職比率を3.8%から34.9%にまで引き上げるという目覚ましい実績を達成しています。この成功の背景には、経営トップによる明確なコミットメントと、女性社員一人ひとりのキャリアを見据えた支援体制が存在します。また、この取り組みは、厚生労働省の「グッドキャリア企業アワード2022」の受賞という形でも評価されました。
女性執行役員登用の背景と狙い
女性役員の増加は、明治安田生命におけるダイバーシティ推進戦略の重要な柱となっています。2024年には、長谷川誓子氏が同社の生え抜き女性役員として2人目の就任を果たしました。同氏は法人営業部門で20年以上の経験を持ち、本社でダイバーシティ推進室長の役割も歴任しました。女性執行役員の登用は、意思決定における多様な視点を取り入れることで、柔軟性と競争力を高める狙いがあるといえます。
ダイバーシティ戦略としての多様な人財活用
明治安田生命では、多様な人財が活躍できる職場環境の構築を重点的に進めています。性別や年齢、地域、役割にとらわれることなく、それぞれの強みを組織の力につなげることを目指しています。また、男性職員の育児休職取得率が2年連続100%という実績は、同社が従業員全体のワークライフバランスを尊重しながら、多様性を活かしている象徴ともいえます。
明治安田NEXTチャレンジ・プログラムの取り組み
明治安田生命では「明治安田NEXTチャレンジ・プログラム」により、女性管理職をはじめとした人財育成に注力しています。このプログラムは、キャリア形成をサポートするための教育研修の充実を図り、社員一人ひとりが次のステップに挑戦できる仕組みを提供しています。これにより、社員のスキルアップだけでなく、将来のリーダー層の安定した確保にもつながっています。
企業文化としてのダイバーシティ&インクルージョン
明治安田生命が目指すのは、単なるダイバーシティ推進ではなく、組織としてのインクルージョンを実現することです。すべての社員が自分らしく働ける環境をつくることで、互いを尊重し、協力し合う企業文化を育んでいます。このような文化は、単なるCSR活動の枠を超え、経営理念である「確かな安心を、いつまでも」に直結する取り組みといえます。今後もこの方針を軸に、社員一人ひとりが安心してキャリアを築ける職場を目指しています。
注目の女性執行役員が語るキャリアの歩み
地方から本社へ:多様な経歴を持つ女性役員
明治安田生命では、多様な経歴を活かしてキャリアを積み重ねてきた女性役員が注目を集めています。その一例が、女性の生え抜き職員として役員に就任した長谷川誓子氏です。彼女は地方の現場での法人営業部門を中心に実績を重ね、後に本社で人事部ダイバーシティ推進室長などの役職を歴任しました。地方勤務と本社業務の双方を経験したことで、顧客視点と組織運営の両面に精通している点が大きな強みとなっています。
現場から本社業務までの知識と経験
女性役員のキャリア形成において、現場から本社までの幅広い業務経験が重要なカギとなります。たとえば、長谷川氏は20年以上にわたり法人営業部門で実績を築き、現場のニーズを肌で感じる経験をしてきました。その後、本社業務にシフトし、組織全体の視点からダイバーシティ推進や社員支援の取り組みに尽力しました。こうした知識と経験の蓄積が、役員としての判断力やリーダーシップを強化する基盤となっています。
キャリア支援の中で見いだしたヒントとは
明治安田生命のキャリア支援制度が、女性役員の成長に寄与していることも見逃せないポイントです。長谷川氏が特に強調するのは、社員一人ひとりの個性と目標を尊重しながら進められるキャリア形成の仕組みです。メンター制度やダイバーシティ推進室のサポートが、彼女自身の可能性を引き出し、新たな道を切り開くきっかけとなりました。また、失敗を恐れずトライする企業文化も、キャリアの節目での決断を後押ししたと言います。
課題と自己成長をどのように乗り越えたか
キャリアを形成する中で直面した課題について、長谷川氏は「自分の限界を決めつけないことが重要」と語ります。たとえば、法人営業の現場では高い成果を求められる中で、日々の積み重ねと顧客の声を聞く姿勢を磨きました。また、本社業務への転換に際しては、業務内容の違いや新たなスキル習得の必要性に対応する柔軟性が求められました。このような経験を通じて自己成長を実現し、大きな成功へとつなげています。
後輩へのアドバイスとメッセージ
明治安田生命の若い世代に向けて、長谷川氏は「チャンスを恐れず、自分らしいキャリアを築いてほしい」とメッセージを贈っています。また、キャリア形成は一人で行うものではなく、周囲のサポートを得ながら進むものだとも強調しています。その中で明治安田生命の制度が後押しとなり、多様な価値観と個性を持つ社員が共に成長できる環境があることを伝えています。「挑戦する姿勢」と「周囲との協働」を信念として、次世代の女性リーダーたちへの励ましを込めています。
明治安田生命におけるキャリア支援の仕組み
役員との定期的なメンタリング機会
明治安田生命では、役員と社員が直接対話する定期的なメンタリング機会を設けています。これにより、社員は経営層とキャリアや会社の方針について意見交換を行い、貴重なフィードバックを得ることができます。特に女性役員が増加している現在、ダイバーシティと働きやすさをテーマにしたメンタリングは、次世代リーダーの育成に寄与しています。
一人ひとりに合わせた研修プログラム
明治安田生命では、社員一人ひとりのキャリア目標や能力に合わせた研修プログラムを提供しています。新人研修から中堅社員向けのスキルアップ研修、さらにはマネジメント層を対象としたリーダーシップ研修まで、多岐にわたる内容を用意しています。これらの研修は、社員の能力開発だけでなく、ダイバーシティ推進の基盤作りにも大きく貢献しています。
OJD(On-the-Job Development)の重要性
日々の業務を通じて成長するOJD(On-the-Job Development)は、明治安田生命における人材育成の柱です。特に現場での経験が、将来の本社業務や管理職としてのスキルに直結する仕組みを構築しています。女性役員の多くも現場業務の経験を積み、そこで習得した知識を活かしてキャリアを形成してきました。
人事部門の支援チームとその役割
明治安田生命の人事部門では、社員のキャリア支援を専門的に行うチームが設置されています。このチームは、キャリア形成に関するアドバイスや、適材適所の配置、個々の能力に応じた育成プランの策定を担当します。女性管理職比率の向上を実現した背景にも、この支援チームの継続的な取り組みが大きく寄与しています。
個々のキャリアを支える評価制度
明治安田生命では、社員一人ひとりのキャリアを公平に評価するための制度を導入しています。この制度は、業績だけでなく、部下の育成やチームへの貢献度など、総合的な視点で評価を行います。特に、ダイバーシティ推進の観点から、女性の活躍を妨げる固定観念を排し、多様な成果を正確に評価することが重視されています。
これからの目指す未来とキャリア支援の進化
女性役員比率の向上に向けた次のステップ
明治安田生命は、これまでに10年間で女性管理職比率を約10倍に引き上げるという成果を実現してきました。この成功を土台に、今後はさらに女性役員比率の向上を目指します。2024年には新たに女性執行役員が登用されるなど、着実に進化を遂げており、多様性のある経営陣を形成することが期待されています。今後も将来を見据えた施策を通じて、女性のキャリア形成を後押ししていきます。
ダイバーシティからインクルージョンへの展開
これまで明治安田生命は、ダイバーシティ推進に力を入れてきましたが、今後はさらに「インクルージョン(受容)」に重点を置いた取り組みを展開します。多様な価値観や背景を持つ人材が互いに尊重し合い、活躍できる組織文化を根付かせることが目標です。この方針には、経営トップの強いコミットメントが反映されており、日本社会全体においてもポジティブな影響を与えることを目指しています。
新しい世代への支援と育成戦略
次世代を担う若手社員の育成は、企業存続にとって非常に重要な要素です。明治安田生命では明治安田NEXTチャレンジ・プログラムなどの研修制度を活用し、若手社員にスキルとキャリアビジョンを提供しています。これにより、若手が自身のキャリアをより主体的に設計できるような環境を整備しています。今後も新しい世代を積極的に支援し、未来のリーダーを輩出していく方針です。
キャリアと家族生活の両立支援の拡大
働き方改革が社会全体のテーマとなる中、明治安田生命はキャリアと家族生活の両立支援にも注力しています。例えば、男性育児休職取得率100%を達成するなど、性別を問わず社員が家族生活を大切にしながら働ける環境づくりを推進しています。また、リモートワークや柔軟な働き方の導入も進めており、個人のニーズに応じたサポート体制を強化しています。
明治安田生命が目指す社会的な影響力
明治安田生命は、個々の社員だけでなく、社会全体にポジティブな変化をもたらすことを企業の使命として掲げています。「確かな安心を、いつまでも」という経営理念のもと、健康寿命の延伸や地域活性化など、多くの人々に恩恵をもたらす活動に取り組んでいます。女性役員をはじめとした多様なリーダーシップの強化を通じ、さらなる社会的影響力を発揮していくことでしょう。