コトラ（広報チーム） 
デロイト トーマツの女性活躍推進へのビジョン
グローバル視点からの取り組み概要
デロイト トーマツは、グローバルな視点を持ちながら女性活躍推進に取り組んでいます。この取り組みは、経済の競争力を高めるうえで、多様性や公平性、包摂性（DEI）の促進が欠かせないという認識に基づいています。特に、女性管理職の育成に注力しており、シスターフッドやメンターシッププログラムを通じて、次世代のリーダーを支える強固な基盤を作っています。
さらに、デロイト トーマツは、ジェンダーギャップ指数で日本が大きく遅れを取っている現状をふまえ、グローバルで蓄積された知見を活用しながら、日本企業への適応と具体的な解決策の提供を行っています。こうした多国間でのナレッジシェアを通じ、女性活躍をグローバルレベルからローカルレベルにまで浸透させることを目指しています。
日本における女性活躍の現状と課題
日本の現状では、女性管理職の割合が課長相当職以上で12.7％にとどまっています。デロイト トーマツによる調査では、多くの上場企業で女性管理職比率が5％にも満たない現状があることが明らかになっています。これは、ジェンダーギャップ指数で日本が148ヵ国中118位となり、G7諸国の中で最下位にランクされていることとも一致します。
日本では、女性の管理職登用や制度整備に向けた取り組みが進んでいるものの、人材育成には時間がかかることや、職場における無意識のバイアスの存在が障壁となっています。また、ライフイベントに併せた柔軟な働き方や支援体制が十分でない企業も多いため、それらの課題解決が急務とされています。
2025年までの数値目標と期待される成果
日本政府は、2025年までに女性の役員比率を19%に引き上げる目標を掲げています。しかし、この目標は強制力のない努力義務に過ぎず、確実な達成が課題となっています。その一方で、デロイト トーマツは2025年までの具体的な目標を設定し、女性管理職の割合を大幅に引き上げる施策を強化しています。
特に注目すべきなのは、2024年10月に開始される「Toget-HER」プロジェクトです。この取り組みでは、ビジネスパーソンとしての成長を支える教育やメンターシップ、そしてナレッジ共有を通じて女性管理職比率の向上を目指します。このような長期的な取り組みにより、企業文化や社会全体へのポジティブな影響が期待されています。
組織文化の変革を支えるリーダーシップ
組織文化を変革する上で、リーダーシップの重要性はますます高まっています。デロイト トーマツでは、既存のリーダー層が意識改革の牽引役となり、女性が活躍できる環境を整備することを重視しています。これは、単なる取り組みを越えて組織としての責任の自覚を促し、持続可能な社会に向けた長期的なビジョンを示しています。
また、リーダーたちは、性別や背景を問わずすべての従業員が公平に評価される仕組みを導入することで、無意識のバイアスを排除する努力をしています。その結果、女性管理職の登用だけではなく、多様性のある職場を創り出し、企業としての競争力をさらに向上させることができます。
インクルーシブな職場づくりの具体的な取り組み
女性管理職の育成とネットワーク強化
デロイト トーマツでは、女性管理職の育成を企業の重要なアジェンダとして位置づけています。現在、日本の女性管理職比率は依然として低く、課長相当職以上の女性割合が12.7%と停滞している現状があります。この課題を克服するため、同社はシスターフッドを軸とした独自のメンターシッププログラムを提供しています。このプログラムでは、現役の女性管理職や役員が新たなリーダーの成長をサポートし、ナレッジ共有や情報交換を通じてビジネスパーソンとしての成長を促進します。ネットワークの強化は単なる個人のキャリア形成にとどまらず、企業全体のパフォーマンス向上にも寄与しています。
「Women Empowerment『Toget-HER』 project」の導入
2024年10月、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社と一般社団法人社外取締役女性ラボが共同で「Women Empowerment『Toget-HER』 project」を開始します。このプロジェクトでは、女性リーダーシップの強化を目的とし、メンターシップやナレッジシェアを通じて新たなキャリア構築支援の枠組みを提供します。オープニングイベントは2024年10月15日に開催され、多様な視点を共有し合う場として設計されています。本プロジェクトは、女性管理職比率を向上させると同時に、育成支援を通じた長期的な効果を目指し、持続可能な社会の実現を後押しします。
チームの多様性を高めるための研修プログラム
デロイト トーマツは、職場におけるチームの多様性向上を重要視し、全社員を対象とした包括的な研修プログラムを実施しています。このプログラムでは、無意識のバイアスを排除するためのトレーニングや、職場文化の多様性理解を深めるためのセッションが行われています。特に女性管理職の育成においては、男性社員を含む多様な視点を取り入れることが重要とされており、全体的な組織力の向上に繋がっています。多様性を尊重する組織文化を醸成することで、社員一人ひとりが最大限に能力を発揮できる環境を築いています。
ライフスタイルの変化に対応した柔軟な働き方支援
女性が安心して働き続けるためには、ライフスタイルに適応した柔軟な働き方の支援が不可欠です。デロイト トーマツでは、妊娠や育児、さらには生殖医療や更年期といったライフイベントに応じたサポート制度を整備しており、社員の多様なニーズに応えています。また、テレワークやフレックスタイム制などの働き方改革も積極的に導入し、家庭と仕事の両立を実現可能にしています。これにより、特にキャリア形成期にある女性が長期的な業務継続を可能にし、管理職へのステップアップを後押ししています。柔軟な制度運用は、女性のキャリア成長だけでなく、職場のエンゲージメント向上にも繋がっています。
女性が直面する課題とその解決策
キャリア形成における障壁とは
女性がキャリア形成を進めるうえで直面する障壁の一つは、社会的および企業内におけるジェンダーバイアスです。特に、管理職や役員の階層においては、男性が主導する文化が根強く残っており、女性が役職に就くチャンスが限られています。デロイト トーマツの調査によれば、上場企業の約56%が女性管理職比率15%未満と、女性の進出が依然として遅れています。この状況を打破するためには、女性に活躍の場を提供するだけではなく、意識改革や制度整備が必要です。
メンターネットワークの役割
メンターネットワークは、キャリア形成における強力なサポートツールです。特に、すでに成功を収めた女性管理職が新たなリーダーを育成する「シスターフッド」のような取り組みは重要です。デロイト トーマツは、Women Empowerment 『Toget-HER』 projectの一環として、メンターシッププログラムを提供しています。このプログラムでは、ナレッジ共有や情報交換の場を活用し、経験豊富な女性リーダーが若手に知識や指導を提供することで、企業文化の多様性を高めることを目指しています。
育児・介護との両立を支援する仕組み
育児や介護の負担がキャリア形成の障壁となるケースは少なくありません。そのため、柔軟な働き方支援やライフサポート制度を導入することが重要です。デロイト トーマツでは、妊娠・育児・介護など、ライフステージの変化に応じた支援の提供を進めています。これにより、働く女性が家庭と仕事の両立を図りやすい環境を整備することができます。さらに、バイアスを排除した評価プロセスの構築や、透明性のある昇進の仕組みも、女性のキャリア継続を後押しする重要な要素といえます。
マインドセット改革による意識向上
女性のキャリア形成を支援するには、企業内外でのマインドセット改革も大切です。ジェンダーバイアスや固定的な性別役割の認識を解消し、多様性を尊重する意識を育成することが求められます。デロイト トーマツが推進する取り組みでは、多様性の重要性を学ぶための研修プログラムやフォーラムを開催し、組織全体の意識向上を目指しています。また、社会全体に対しても、バランスの取れた男女比率を推進するPanel Promiseのような取り組みを行い、社員一人ひとりが他者を学びと支えの源泉として認識する文化を育てています。
持続可能な社会を目指して——デロイト トーマツの展望
長期的視点でのDEI（多様性・公平性・包摂性）の推進
デロイト トーマツは、長期的視点で多様性、公平性、包摂性（DEI）の推進に取り組んでいます。特に、ジェンダーギャップの解消を重要課題として捉え、女性管理職の育成や昇進機会の拡大に力を入れています。現状では、ジェンダーギャップ指数で日本の経済分野における女性活躍が遅れている現状がありますが、こうした課題を打破するため、包括的な制度設計からマインドセット改革に至るまで、多角的なアプローチを展開しています。
他企業との連携による効果的な変革
持続可能な社会実現に向けて、デロイト トーマツは他企業との連携を強化しています。特に、各企業が抱える課題や成功事例を共有することで、共同で多様性推進の取り組みを加速させることを目指しています。この際、シスターフッドを基にしたメンターシッププログラムの活用や、ネットワークを駆使したノウハウ共有が成功の鍵となっています。他企業との連携を通じて、業界全体におけるポジティブな変革の波を広げています。
社会全体への波及効果
デロイト トーマツの取り組みは、組織内にとどまらず社会全体に波及効果をもたらすことを目指しています。たとえば、女性管理職の比率向上がもたらす経済的効果についての調査結果を基に、自社成功事例を広く発信しています。また、政府や教育機関、地域社会とも連携を深めることで、多様なステークホルダーを巻き込んだ包括的な社会変革を目指しています。これにより、より平等で活力ある社会の実現に寄与しています。
持続可能な成功基盤の確立
デロイト トーマツは、長期的な成功基盤の確立を目指して、柔軟な制度の設計と実施に注力しています。具体的には、妊娠や育児、介護といったライフイベントに柔軟に対応できる働き方支援制度の導入や、バイアスを排除した評価・昇進の仕組みの構築を進めています。また、多様性を尊重した組織を築くことで、企業全体の競争力を向上させるだけでなく、社員一人ひとりが持つ潜在的な能力を最大限に引き出す環境づくりを実現しています。