【保存版】IT経験者のための銀行「部署」選定ガイド:DX・IT・経営企画…全10部署のリアルを解説

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銀行業界は今、歴史的な転換点にあります。中途採用市場においても、IT・デジタル人材のニーズはかつてないほど高まっています。しかし、一口に「IT系」といっても、配属される部署によってミッション(使命)、求められるスキル、そして歩めるキャリアパスは全く異なります。

「自分の経験を活かせると思ったのに、入ってみたら事務規定の整備ばかりだった」
「ビジネス側とやり取りできるかと思ったら、ベンダーコントロールが主業務だった」
といったミスマッチを防ぐため、金融業界で23年の支援実績を持つコトラが、銀行内の主要なIT系ポジションを徹底解説します。

1. DX系部署(CDO:チーフ・デジタル・オフィサー配下)

~デジタル技術を活用したビジネスモデル変革と新規事業開発~

デジタル戦略部、デジタル企画部、デジタル推進部などが該当します。

  • 【3つの主要アジェンダ】
    • データ活用: 行内に蓄積された膨大な決済データや顧客属性を解析し、マーケティング精度向上や新たな与信モデルの構築を行う
    • 業務効率化(AI含む): 生成AIやLLMを活用した行内業務の自動化、ペーパーレス化を推進し、コスト構造を抜本的に改善する
    • 新規事業(AI含む): BaaS(Banking as a Service)や、非金融領域を含めたプラットフォームビジネス等の非金利収益源を創出する
  • ミッション: テクノロジーによる既存ビジネスの変革と、デジタルを起点とした新たな収益機会の創出
  • 具体的な業務内容:
    • 社内DXコンサルティング: 各事業部門の課題に対し、デジタル技術を用いた解決策の企画・提案
    • 能動的な社内案件の獲得: 現場の要望を待つのではなく、各部門のニーズ探索〜直接提案を実施
    • 内製開発・エンジニアリング: 外部ベンダー依存を減らし、クラウド基盤(AWS/GCP)等を用いて自らプロダクト開発を行う
    • デジタル人材育成: 全行員のITリテラシー向上プログラム策定やDXマインドの醸成
  • 前職イメージ: ITコンサル、戦略コンサル、メガベンチャーのPdM、フルスタックエンジニア、事業開発
    ※業界経験は問われない傾向にあり
  • 志向性: 「伝統的組織をデジタルで改革したい」「最新技術の実ビジネス適用をリードしたい」という能動的/トップライン向上のマインドを持つ方

2. IT系部署(CIO:チーフ・インフォメーション・オフィサー配下)

~銀行基幹システムの安定稼働とITガバナンスの最適化~

IT推進部やシステム企画部などが該当します。

  • ミッション: 24時間365日のシステム安定稼働の維持。およびIT投資の最適化とレガシーシステムの近代化(モダナイゼーション)
  • 具体的な業務内容:
    • 要件定義: 事業部門のニーズを収集・整理し、正確な要件定義・要求定義へ落とし込む
    • IT戦略・ロードマップ策定: 中長期的なシステム投資計画や次世代基盤への移行戦略の立案
    • ベンダーコントロール・保守運用: 外部ベンダー(大手SIer等)の進捗・品質・予算管理。障害発生時の迅速な復旧指揮
    • インフラ・データセンター管理: ネットワーク基盤構築およびデータセンターの物理的・仮想的運営
    • 海外システム開発: 海外拠点で稼働するシステムの共通化や、現地の規制に合わせたシステム導入
  • 前職イメージ: 大手SIerのPM/PL、金融系SE、インフラエンジニア、事業会社の社内SE
  • 志向性: 大規模かつ複雑なシステムの全体像を捉え、堅実なプロジェクト管理とインフラ維持にプロフェッショナルな責任感を持てる方。SEとしての箔をつけたい方

3. 金融犯罪対策部(AML/CFT)

~マネーロンダリング対策・不正検知システムの高度化~

  • ミッション: マネーロンダリング(AML)、テロ資金供与対策(CFT)、および不正送金等の検知・防止体制の構築
  • 具体的な業務内容:
    • AI活用による異常検知: 大量の取引データから不審な動きを抽出するモニタリングシステムの構築(機械学習の適用)
    • フィルタリングシステムの管理: 制裁対象者リストとの照合アルゴリズムの精度向上と誤検知の削減
    • 最新手口の調査: サイバー犯罪のトレンド分析や外部インテリジェンスを活用した防御策の策定
  • 前職イメージ: セキュリティエンジニア、データサイエンティスト、SIer
  • 志向性: 金融犯罪に興味がある方。CAMS(公認AMLスペシャリスト)等への関心

4. リスク統括部・コンプライアンス部

~計量手法とITによるリスク管理の高度化~

  • ミッション: 信用リスク・市場リスク等の可視化と、テクノロジーを用いた管理体制(RegTech)の推進
  • 具体的な業務内容: AIを用いた信用スコアリングモデルの構築、リスク計量システムの保守・開発、法令遵守プロセスの自動化
  • 前職イメージ: クオンツ、データアナリスト、SIer
  • 志向性:リスク領域で専門性を高めたい方、将来リスク業務の実務(ビジネス側)に興味がある方

5. 監査部(システム監査)

~ITガバナンスの独立評価と内部統制(SOX・CAATs)の担保~

  • ミッション: 第三者の立場からのIT資産管理、セキュリティ、および開発プロセスの妥当性評価
  • 具体的な業務内容:
    • SOX監査(J-SOX対応): 財務報告の信頼性を担保するためのシステム上の内部統制(IT全般統制・IT業務処理統制)の有効性評価
    • CAATs(データ監査): コンピュータ支援監査技法を用いた、不正・エラーの全件検証
    • ITガバナンス監査: クラウド環境や外部委託先の管理体制、サイバーセキュリティ対策の妥当性評価
  • 前職イメージ:SIer、ITコンサル、 監査法人(IT監査)、内部監査人、CISA(公認情報システム監査人)保有者
    ※高度なプログラミングスキルよりも、志望動機を問われる傾向にあり
  • 志向性:特定の技術に特化するより、これまでの開発・運用・管理といった幅広い経験を俯瞰的な視点で活かしたいベテラン層。より上流でIT全体を俯瞰したい、若手IT経験者

6. 市場企画部

~マーケット部門における運用・取引システムの開発~

  • ミッション: 運用収益の向上を支える高度な取引環境の構築
  • 具体的な業務内容: アルゴリズム取引の開発、市場リスク管理システムの構築、マーケットデータの高度利用
  • 前職イメージ: 証券・運用会社エンジニア、数理物理学等のバックグラウンド。数学に強い他業界の方(データサイエンス・製薬/医療/製造等のデータ分析など)
  • 志向性: ビジネスとテクノロジーが直結した、シビアな収益環境を楽しめる方。内製開発(自分で手を動かしたい)したいエンジニアの方

7. 経営企画部

~全社アーキテクチャの推進と全体最適を主導する経営参謀~

  • ミッション: 全行的なデータ利活用の推進、および事業部門を横断するシステム最適化・全社アーキテクチャ(EA)の策定
  • 具体的な業務内容:
    • 全社最適プロジェクトの主導: 事業部門の個別最適に陥りがちな投資を整理し、共通基盤化やデータ統合をトップダウンで推進。銀行は事業部門が強く全体最適がなされない場合が多いため、経営企画部が主導
    • グローバル最適化: 国内外の拠点がバラバラに持つシステム資産をグローバルレベルで最適化・共通化するためのガバナンス構築
    • 経営管理BI: 役員がリアルタイムに経営判断を下すためのデータダッシュボード構築
  • 前職イメージ: 戦略コンサル、ITコンサル、大手事業会社の経営企画。SIerでの大規模PM経験者
  • 求められるスキル・志向性: 高いITケイパビリティに加え、役員層や各部門長との高度な「調整力」が必要。定性的なソフトスキルを重視

8. 国際向け部署(国際統括部、グローバル統括部、国際事務企画部等)

~グローバル拠点のITガバナンスとネットワークの最適化~

  • ミッション: 海外拠点におけるIT戦略の統一、および現地の法規制と銀行全体の標準化のバランス維持
  • 具体的な業務内容:
    • グローバルシステム統合: 海外拠点システムの共通基盤化やクロスボーダーでのベンダー管理
    • 海外拠点ガバナンス: 各国のデータ保護法(GDPR等)や当局規制に合わせたシステム対応の指導
  • キャリアの特徴: 海外拠点への駐在の機会も多く、グローバルリーダーとしてのキャリアパスが開かれている
  • 前職イメージ: グローバル企業のIT部門、SIerのPM。ITコンサル
  • 志向性:海外駐在、英語を活かしたい等の志向性

9. その他事業部門(事務企画・リテール部門等)

~特定業務ドメインにおけるIT活用とプロセスの最適化~

  • ミッション: 担当領域(融資、為替、営業等)における業務プロセスの徹底的な効率化
  • 具体的な業務内容: BPR(業務再設計)の推進、RPAやローコードツールを用いた現場主導の自動化、特定業務向けSaaSの導入
  • 前職イメージ: 事業会社のBPR推進担当、RPAエンジニア、金融実務経験者
  • 志向性:よりビジネスに近く、トップライン向上を目指したい。より手触り感のある小規模なDXをハンズオンで実施したい

10. 現場のリアル:やりがいと苦労(対比表)

ポジションやりがい(光)苦労する点(銀行特有の作法)
DX系予算規模が大きく、最新技術を迅速に実装できる伝統的な「事務規定」を重視する現場の説得
IT系社会インフラを支えているという大きなやりがい。予算規模がトップクラスの業界での経験が積める障害時のプレッシャーと重厚なドキュメント文化
経営企画役員と近く、銀行の構造自体をITで変革できる部門間の対立を調整し、全体最適へ導く政治力
国際系海外駐在を含め、グローバル基準の経験を積める時差、言語、国ごとに異なる複雑な規制対応

11. キャリアマトリクス:前職別・転身のスムーズさ

現職推奨ポジション評価されるポイント
IT/戦略コンサルDX系 / 経営企画/国際系ロジカルシンキング、PMO、合意形成力、英語力
大手SIerIT系 /DX部/ 監査部/その他事業部門金融の非機能要件、品質管理、大規模開発経験。ユーザーとの直接のコミュニケーション経験。開発経験を活かしたベンダーコントロール
Web/ベンチャーDX系 /市場企画部スピード感、内製開発力、データ分析スキル、最新技術への知見、高度な開発技術
事業会社社内SEIT系 / 事業部門ユーザー部門との調整力、大規模PMスキル、社内政治力

12. まとめ:ポジション選択を間違えないために

銀行のITポジションは多岐にわたります。自身のスキルが「攻め」のDXか、「守り」のCIO組織か、「全体最適」の経営企画か。コトラは、求人票には載らない「部署のカラー」や「役員のビジョン」まで踏み込み、あなたの最適なキャリアを提案します。

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この記事を書いた人

山本千里

[ 経歴 ]
立命館大学産業社会学部卒業。金融業界を中心に、ミドルバック・DX・IT・コンサルを担当。

[ 担当業界 ]
金融、IT業界を中心に金融ミドルバック、金融IT、IT、コンサルティングファーム