金融業界(銀行/保険/証券)でのセキュリティ転職市場

KOTORA JOURNAL | 金融業界(銀行/保険/証券)でのセキュリティ転職市場
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◆概要

この記事では、金融業界でのセキュリティ転職市場について説明いたします。
金融が業界は敷居が高いなどのイメージによって、なんとなく応募していないという方も多いかと思います。しかし実際には、セキュリティ領域であれば幅広く人材を募集しており、コトラ経由で金融機関にご転職された方々でも、金融未経験の方は多いです。

この記事を読めば、

・金融業界のセキュリティ市場
・他には無い金融業界の魅力
・金融業界でのキャリアパス

が分かります。金融業界への転職を検討している方は、この記事の内容をぜひ転職活動に役立ててください。

◆業界動向

「金融業界」と聞いて、どのようなイメージを持たれるでしょうか。お堅い、あるいは敷居が高いといったものでしょうか。確かにそういった側面があるのも事実ですが、違った見方をするとメリットにもなります。詳細を見ていきましょう。

金融業界ならではの特徴

最も大きな特徴は、金融庁の監査対象であるということです。一般事業会社であれば、業界ごとの特有のルールはあれど基本的に自社の業務ルール・システムに関しては自由に意思決定ができるかと思います。しかし、社会インフラの一部である金融機関は、金融庁からの監査を受ける必要があり、厳しい品質水準を満たした業務設計・システムでないと導入ができません。ここが、金融機関の敷居が高いとされる所以ではないでしょうか。
ただ、こういった特徴がある一方で、セキュリティ領域において金融機関は高い人気があります。理由を、いくつか挙げてみました。

金融業界を選ぶ理由(年収/セキュリティに割く予算の大きさ/セキュリティの堅牢さ)

一番の魅力は、高い年収レンジにあります。30代で1,000万円以上の年収になる方も少なくなく、セキュリティ領域で一定のご経験を積んだ方にとっては、非常に魅力的な転職候補先となります。
例えば、SIer/パッケージベンダー側でセキュリティの経験を積んだ方がユーザー側でのキャリアに身を移そうと思っても、それまでの年収が維持される企業は一般事業会社だと意外に少ないのが現実です。条件面から金融業界に興味を持つ方も、実は多くいらっしゃいます。

また高い年収を下支えするのが、セキュリティに割く予算の大きさです。金融機関のシステムは24時間365日停止することが許されず、だからこそシステムダウンを引き起こすリスクとなるセキュリティ周りに関しても、他業界と比べて大きな予算が割かれています。
多くの事業会社ではセキュリティ担当者は数名(多くても10名弱)ということがほとんどですが、金融機関では20名以上、メガバンクともなるとグループからの出向者を除いても50名ほど在籍しているというケースもあります。人員規模だけでなく、それに比例して動くプロジェクトの数も多くなるため、金融業界でセキュリティに割かれる予算の大きさが見て取れるかと思います。

加えて、セキュリティの堅牢さも魅力の一つです。上記の通り金融機関のシステムは不測の停止が許されないため、いわゆるサイバーセキュリティの導入技術以前に、社内の運用体制から厳格な仕組みを置いています。実際に大手金融機関の多くが3ラインディフェンス(参考:https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/column/viewpoint/grc-column001.html)と呼ばれる運用体制を敷いています。第一のディフェンスライン:一線である現場/システム部門、第二のディフェンスライン:二線であるリスク/ガバナンス/コンプライアンス部門、第三のディフェンスライン:三線である監査部門の分業体制にてセキュリティを担保しており、ハイレベルなセキュリティ体制を経験することができます。

キャリアパス

前述の通り、金融機関でのセキュリティ業務は多岐に渡っており、3つのディフェンスラインそれぞれの部門が密接に関係しながら業務遂行にあたっています。この結果、金融機関ではセキュリティ→リスク、監査→リスクなどの3ラインディフェンス間での部門異動がしやすくなっており、幅広いキャリアパスを描けることも特徴の一つです。
また、業務領域が部署ごとに分かれているため、例えば「システム経験をベースとして情報セキュリティの経験が少しある」といった方でも、広く採用の可能性があります。

実際に、これまでに私が担当した方々の転職軸を、いくつか例に挙げてみました。

・セキュリティの経験を昇華させて、システム監査に移りたい。
・監査法人でシステム監査をメインで担当していたが、より手触り感がある業務を志向し、セキュリティ/リスク領域へ転職したい。
・システムベンダーでの経験のみだが、ユーザー側でのセキュリティの企画業務をやりたい。
・金融機関でのインフラエンジニア経験のみだが、セキュリティ領域に移りたい。

◆各業界での動向

さて、ここまでは金融業界の全体像について触れてきました。ただ実際に応募する時には各求人ごとに検討する必要があり、どのように求人をセグメント分けすれば良いのか困ることも多いかと思います。
金融と一口に言っても、その中のどの業界なのかによって、それぞれ特徴や転職市場動向も異なります。そこで、より細かく切り分けた時の各業界の違いについて解説します。

銀行

銀行は各金融機関の中で最も運用体制が厳しいとされています。そのため、セキュリティに割く人員も金融業界内で最も多く、3ラインディフェンスの一線、二線、三線のライン分けについても色濃く組織構成に反映されています(金融機関の中でも一線と二線を混成チームとして組織している企業もあります)。このことから、特定の領域を極めていきたい、あるいはセキュリティ→監査などのキャリアチェンジを志向する方にオススメです。

保険/証券

保険/証券業界は、銀行ほど金融庁からの規制が厳しくないと言われており、サービス企画まわりの動きも活発です。
またセキュリティに割く人員は銀行ほど多くなく、10〜20名ほどのセキュリティ部隊がほとんどです。結果として一線:現場/システム部門、二線:リスク/ガバナンス/コンプライアンス部門が合わさったようなミッションを持っていることも少なくありません。
このことから、セキュリティの中でも幅広く業務を担当していきたい方にオススメの業界と言えます。

事業会社(金融領域に新規参入)

最近は一般事業会社の中でも、決済機能などの金融領域に新しく参入する会社が増えています。特にメガベンチャーと言われる企業が多く、こういった会社でもセキュリティの需要は非常に大きくなっています。
金融庁の監査対象に新たに参入するという点で、業務体制を改革/再設計する必要が出てきます。そのため、金融庁対応やリスク・セキュリティガバナンスの経験がある方のニーズが増えています。
事業の変革期に入社するため大変ではあるものの、0→1のフェーズを経験できることや、新規性のある業務に携われるメリットがあります。また、最近のメガベンチャー企業では、セキュリティ人材に対して1000万円以上の年収を提示するケースも珍しくなく、新たなキャリアの選択肢として、注目を集めています。

Fintech(ITベンチャー)

多くの企業があり、一概に業界特徴として語れないのがFintech領域です。最終的には組織へのフィット感で判断される方がほとんどですので、自分が何を組織に求めるのかを考えられた上で、各企業とまずは直接会話してみることをオススメします。コトラであれば、カジュアル面談の設定などもご要望に応じて実現可能です。

◆まとめ

今回は、金融業界でのセキュリティ転職市場について解説しました。

セキュリティ領域の新たな転職先として注目が集まる金融業界ですが、業界未経験で転職される方も多く、ぜひ一度ご検討されてみませんでしょうか。
より詳細に検討を進めたい場合は、ぜひコトラへご相談ください。企業の現場部門とも直接会話していますので、あなたのご志向に最も合うポジションを、一緒に考えさせていただきます。

◆金融業界への転職はコトラへ

金融業界への転職をお考えでしたらコトラにご相談ください。
コトラの特徴は、転職支援を行うコンサルタント自身が業界出身者であることです。金融業界・セキュリティ業界の経験者も在籍しており、金融業界でのセキュリティの転職支援においても実績を残しております。弊社でしか取り扱っていない、非公開求人も多数ございますので、あなたにピッタリの求人を見つけることができます。

転職エージェントの枠を超え、業界出身として転職のご支援をさせていただきますので、ぜひお気軽にコトラまでご相談ください。

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この記事を書いた人

KOTORA JOURNAL | 金融業界(銀行/保険/証券)でのセキュリティ転職市場

中川貴史

[ 経歴 ]
金沢大学大学院を卒業後、大手通信企業に入社。SEとして海外向け金融システムプロジェクト、およびホワイトリスト/PCI-DSS対応など複数のセキュリティプロジェクトに従事。コトラに転職後は、セキュリティ/インフラエンジニア/デジタルフォレンジック領域を専門として、ハイクラスを対象に転職・採用支援。

[ 担当業界 ]
セキュリティ、インフラエンジニア、デジタルフォレンジック
コンサルティングファーム、事業会社、金融機関、SIer、ITベンダー