社会人大学院の学費、親から支援を受けた人はどれくらいいる?20代の意外な実態とキャリアへの活かし方

社会人大学院の学費、親から支援を受けた人はどれくらいいる?20代の意外な実態とキャリアへの活かし方
社会人大学院の学費、親から支援を受けた人はどれくらいいる?20代の意外な実態とキャリアへの活かし方

社会人大学院やビジネススクールの学費というと、ともすると「会社員としての自分の稼ぎだけで工面するもの」というイメージがあるかもしれません。実際、進学を検討する際、多くの人がまず考えるのは自分の貯蓄や毎月の収入から学費をどう捻出するか、という点でしょう。学費が数百万円単位になることも珍しくないため、「自分の年収でやりくりできるだろうか」と一人で頭を悩ませてしまう人も多いはずです。

会社の学費支援や国の教育訓練給付金といった制度が話題になることは増えてきましたが、「親などの家族からの支援」については、あまり語られる機会がありません。学費の相談相手として家族が選択肢に入ること自体、あまりイメージされていないかもしれません。

しかし、学費の負担元は必ずしも自分の稼ぎだけとは限らないようです。国内最大級MBAスクールである、グロービス経営大学院が在校生・卒業生(回答者数708名)に行った学費負担に関する調査データから、その実態を見てみたいと思います。

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キャリアへの投資は、自分ひとりで完結するものではない

そもそも、キャリアに関わる大きな出費を家族に相談したり、支援を受けたりすること自体は、社会人大学院に限った話ではありません。資格取得のための予備校費用、留学費用、独立や副業の準備資金など、キャリアを前進させるための投資において、家族からの援助が絡むケースは意外と珍しくないものです。結婚費用や住宅取得費用、子育て費用と同じように、キャリアのための大きな支出も、家族というセーフティーネットの中で検討されることがある、という見方もできそうです。

「学費や投資は自分の稼ぎの範囲内で完結させなければならない」という思い込みが、進学や学び直し、ひいては転職を含めたキャリアの意思決定そのものを狭めてしまっている可能性もあります。実際のデータからは、そうした思い込みとは異なる実態が見えてきます。

親族からの支援、20代~30代前半では意外に多い

調査によると、MBA本科の学費において、親族から貸与または贈与という形で支援を受けた人は、回答者全体の約4.2%でした。数字だけ見ると、決して多くはない印象です。

しかし年代別に見ると、様子が変わってきます。20代に絞ると、親族からの支援を受けた人の割合は21.1%、実に5人に1人に達します。全体平均の5倍にあたる水準です。30代前半でも5.6%と、20代ほどではないものの一定数存在しています。

つまり、「社会人になってからの学費は自分の力だけで工面するもの」というよりは、特に20代のうちは、家族からのサポートを受けながら進学を決めている人が、意外に多いというのが実態のようです。実際、結婚費用、住宅取得費用、子育て費用等に、親族からの援助があるケースは決して珍しくはありませんので、社会人大学院というキャリアのための大きな投資において援助があるのも、確かに合理的かもしれません。

親族から支援を受けた人の主な年収層は400~800万円

親族からの支援を受けた人のうち、年収帯別の割合を見ると、年収400~600万円の層が36.7%と最多、次いで600~800万円の層が30%となっています。上述の「20代のうちに支援を受けるケースが多い」と合わせて考えると、まだキャリアの初期段階で年収がそれほど高くない時期に、家族のサポートを受けながら学び始める、というパターンが一定数あることがうかがえます。

これは、就職して間もない時期に資格試験の受験料や引っ越し費用などを家族に手伝ってもらう、といった感覚に近いのかもしれません。一般に、国内のMBAスクールの学費は、国立か私立かで幅があるものの、修了までの合計で100~400万円台が一般的です。金額の大きさから身構えてしまいがちですが、キャリアの初期段階における一つの投資として、家族も負担しているケースが一定数あるということです。

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家族等への相談も、キャリア戦略の一部として考える

「今の年収では学費を工面できない」と一人で結論づける前に、家族に相談してみるという選択肢自体を検討してみる価値はありそうです。特に20代・30代前半といったキャリアの初期段階では、学費に限らず、転職に伴う一時的な収入減や、独立・起業の準備資金など、キャリアの転換点で大きな出費が発生する場面は少なくありません。そうした場面で、家族との率直な資金相談ができるかどうかは、選択肢の幅を左右する要素の一つと言えそうです。

もちろん、家族に頼ることだけが正解ではありませんし、支援を受けられる状況は人によって異なります。それでも、「まず自分の年収だけで判断し、無理だと思ったら諦める」のではなく、会社の制度・国の給付金・家族への相談といった複数の選択肢を並べたうえで検討する姿勢は、学費に限らずキャリア全般の意思決定において役立つ考え方かもしれません。

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学びへの投資は、その後の転職やキャリアにどう活きるか

家族の支援を受けてでも学びに投資するという判断は、短期的な出費だけでなく、長期的なキャリアへのリターンを見据えたものと言えます。実際、転職活動の場では、なぜその学びに投資しようと考えたのか、そこで得た知識をどう実務に活かしてきたかというプロセス自体が、意思決定力や自己投資への姿勢として評価されることもあるようです。

もちろん、学費をどう工面したかという事実そのものが転職の合否を左右するわけではありません。しかし、限られたリソースの中でキャリアへの投資判断を行い、周囲を巻き込みながら実行してきたという経験は、面接の場で自身のキャリア観を語る材料の一つにはなり得るでしょう。学費の工面方法を柔軟に考えられること自体が、キャリア形成における一つの実践力とも言えそうです。

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まとめ

「学費は自分の稼ぎだけで何とかするもの」というのは、必ずしも当たり前の前提ではないのかもしれません。特に20代のうちは、親族からのサポートを受けながら学び始めている人が、思っている以上に一定数存在するというのが、今回の調査から見えてきた実態です。「今の年収では厳しい」と一人で結論づけてしまう前に、家族への相談も含めて検討の幅を広げてみるのも、自然な選択肢の一つと言えそうです。

学費の工面方法を柔軟に考えることは、そのまま転職やキャリアチェンジといった、その他の大きな意思決定にも通じる姿勢かもしれません。上記で触れた、国の教育訓練給付金制度については、詳しくはこちらをご覧ください。気になった方は、まずは説明会や体験クラスなど、コストをかけずに実態を確かめられ、キャリアについて相談できる機会を活用してみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

グロービス経営大学院

社会に創造と変革をもたらすビジネスリーダーを育成するとともに、グロービスの各活動を通じて蓄積した知見に基づいた、実践的な経営ノウハウの研究・開発・発信を行っている。
https://mba.globis.ac.jp/
・日本語(東京、大阪、名古屋、福岡、オンライン)
・英語(東京、オンライン)