コトラ（広報チーム） 
インフラエンジニアの職務経歴書作成の基本
職務経歴書の目的とは
職務経歴書の目的は、採用担当者に自分のスキルや経験を的確に伝え、自身がインフラエンジニアとしてのポジションに適していることをアピールすることです。特に未経験者であっても、自身の過去の経験や強みを職務経歴書で効果的に示すことで、専門的な知識をカバーし、採用に繋がる可能性を高めることができます。
インフラエンジニアの職務経歴書では、主に「過去に取り組んだ業務内容」「技術スキル」「保有資格」「自己PR」の4つの要素が重視されます。これにより、応募者がどの分野で貢献できるかを具体的に伝えることが可能になります。
未経験者がアピールすべきポイント
未経験者が職務経歴書でアピールする際には、具体的な技術経験がなくても、これまでのキャリアや学習過程の中で磨いた能力をしっかり記載することが重要です。たとえば、過去に取り組んだプロジェクトでの課題解決能力や、トラブル対応時の冷静な対処力を強調するのも効果的です。
また、インフラエンジニアに求められる基礎知識として「Linux」「Unix」「Windows」のOSに関する学習経験や、AWSやDockerなどのクラウドや仮想化技術についての自己学習や資格取得もアピールポイントとなります。具体例を挙げながら、自身の努力や将来の成長意欲を示すことが望まれます。
使用するテンプレートの選び方
職務経歴書を作成するにあたって、使用するテンプレートは非常に重要です。特にインフラエンジニアの経歴書では、採用担当者が必要な情報をスムーズに把握できる構成であることが求められます。選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
まず、プロジェクト単位で業務内容や使用技術を記載できるテンプレートが適しています。これにより、技術力や具体的な業務経験がわかりやすく伝わります。また、スキルや資格を視覚的に整理できるような、箇条書きや表形式が含まれたデザインも有効です。
無料でダウンロードできるテンプレートも数多く存在するため、それらを活用してカスタマイズすることも可能です。未経験者であれば、必要以上に項目を作り込まず、読みやすさを重視したシンプルなレイアウトを選ぶのがおすすめです。
魅力的な職務経歴書を作るための重要項目
自己PR部分の構成と注意点
インフラエンジニアとして未経験の場合でも、自己PR部分は職務経歴書の中で特に重要となります。基本的には「自身の強み」「その強みを活かしてどのように貢献できるか」「今後の目標や意欲」という3つの要素をバランスよく盛り込む構成が効果的です。
具体例として、自己学習や資格取得に取り組んでいることをアピールすると良いでしょう。例えば、AWSやLinuxの資格を勉強中、または取得済みであれば具体的にその旨を記載してください。また、過去の職務で培った論理的思考力や問題解決能力、コミュニケーション力などのビジネススキルを忘れずに記載しましょう。これにより、インフラエンジニアとして未経験でも、“即戦力として活躍できる可能性がある人材”と評価されやすくなります。
注意点としては、不自然に過剰なアピールを避けることです。特に未経験の場合は、具体的な根拠のない自己評価や数字を盛り込むと信用を損なうリスクがあります。
スキルや資格の記載方法
職務経歴書において、スキルや資格の記載は採用担当者への重要なアピールポイントになります。インフラエンジニアとして求められるスキルを明確に記載し、わかりやすく整理することが大切です。
記載する際は、以下の要素を意識してください：
- 技術スキル：例えば「Linux/Unix環境での運用経験」「Cisco製品の操作スキル」など。
- 資格：AWS認定試験やLPIC、CCNAなどの資格は積極的に記載しましょう。「受験予定」や「勉強中」の資格も記載しておくと意欲的である印象を与えられます。
- 新しい技術：Dockerコンテナ、VMware、クラウド（AWS/GCP/Azure）などの最新技術を学んでいる場合はしっかりアピールしてください。
また、スキルは一覧形式で見やすく整理し、習熟度も合わせて示すと採用担当者に伝わりやすくなります（例：「AWS（基礎レベル）」「Python（簡易ツール作成経験）」）。
プロジェクトの振り返りと例示
職務経歴書では過去の経験を振り返り、特にプロジェクトに関する具体的なエピソードを明記することがポイントです。仮にインフラエンジニアとしての直接的なプロジェクト経験がない場合でも、以前の職場で関与した業務やプロジェクトを「どのように考え、何を克服し、どのような成果を得たか」という観点で振り返ってみましょう。
例えば、過去にメンテナンススケジュールの効率化を提案し承認された経験や、トラブル発生時の迅速な情報共有によって問題解決に貢献したエピソードがあれば、それらを具体的な数値と共に記載することをお勧めします。こうした例示は、インフラエンジニアとしての即時適応力や問題解決能力をアピールする要素となります。
既存のプロジェクトを振り返る際には、「業務内容」「役割」「使用した技術」「最終的な成果」などを明確に書き込むことが必要です。記載方法として、「プロジェクト名」「規模」「期間」「技術環境」を具体的に記述すると説得力が増します。
未経験者が陥りやすい職務経歴書作成のミス
スキルや経験の過不足記載
未経験者が職務経歴書を作成する際、多くの方がスキルや経験の記載において「過剰記載」または「過少記載」に陥る傾向があります。例えば、インフラエンジニアとしての直接的な経験がない場合でも、関連する知識や実績を記載せずに省いてしまうことがあります。一方で、経験がない分野について過剰にアピールを行うと、面接時に深掘りされた際に対応できなくなるリスクがあります。重要なのは、嘘をつかずに、スキルの習得意欲や学びを強調しつつ、これまでの経験からインフラエンジニアとして活かせる要素を誠実に記載することです。特にクラウド技術やDockerの学習状況など、未経験でも取り組める技術の習得は魅力的に映ります。
フォーマットや見た目の不備
職務経歴書を作成する際、フォーマットや見た目に配慮しないと、採用担当者に対する印象が悪くなる可能性があります。例えば、情報が箇条書きではなく冗長になっていたり、段落の整列が乱れている場合、内容を正確に伝えることが難しくなります。また、インフラエンジニア職の職務経歴書には、運用環境や扱った技術をわかりやすく表形式や箇条書きで記載することが推奨されます。テンプレートを活用し、スッキリと見やすいレイアウトを心がけることが重要です。
曖昧な表現による誤解
未経験者の職務経歴書では、「概要的で曖昧な表現」を使ってしまうことがよくあります。たとえば、「サーバの管理経験あり」といった一文では、具体的に何をどのように管理したのかが伝わりません。「Linuxサーバの構築手順書を基にテスト環境をセットアップし、動作確認を行った」など、具体的な内容を盛り込むことで、採用担当者にクリアなイメージを持ってもらうことができます。インフラエンジニアとして取り組みたい具体的な分野や役割を明示的に記載するとよいでしょう。
過去の経験を過少評価する危険性
未経験者が職務経歴書を作成する際に見落としがちな点として、これまでの仕事や学習経験を過少評価してしまう傾向があります。たとえ異業種であっても、業務改善を図るために行った効率化や、自己学習で身につけたExcelやPythonのスクリプト作成スキルなど、インフラエンジニアとして活用できる経験は多々あります。それらを評価せずに記載を省いてしまうと、あなた独自の強みを採用担当者に伝えることが難しくなります。これまで積み重ねた経験がどのようにインフラエンジニアの職務に活かせるのかを具体的に掘り下げて書き加えてみましょう。
採用担当者に響くインフラエンジニアの職務経歴書にするコツ
具体的な成果を強調する書き方
インフラエンジニアの職務経歴書では、具体的な成果を明確に伝えることが重要です。採用担当者が興味を持つのは「どの業務を通じて、どんな結果を達成したか」という点です。例えば、「運用プロセスの見直しを行い、障害対応にかかる平均時間を50％削減しました」などの具体例を盛り込むことで、インフラエンジニアとしての貢献度が伝わりやすくなります。また、プロジェクトの規模や成果を数値化して示すことで、客観的な評価を得やすくなります。
未経験者ならではの強みを伝える
未経験者の場合は、他の分野で培ったスキルや経験を活かしてアピールすることが効果的です。例えば、異業種での顧客対応経験を「トラブルシューティング時の対応力に活かせる」と言及することで、インフラエンジニアとして求められる柔軟性を示すことができます。また、未経験者は学びながら業務を進める姿勢や吸収力の速さといった点を強調するのも良いでしょう。採用担当者は未経験者の前向きな意欲を評価する傾向にあります。
最新技術を習得しているアピール
採用市場では、新しい技術に関する知識や実績が高く評価されます。インフラエンジニアの分野であれば、AWSやDockerなどの最新技術に関する学習経験や、小規模プロジェクトでの実践経験を積極的に職務経歴書に記載しましょう。「個人で構築したDocker環境で、自動化スクリプト作成の実験を行いました」など具体的な取り組みを書くと、学びへの積極性が採用担当者に伝わります。また、未経験者でも資格取得や学習中の内容について記載することで、努力している姿勢を効果的にアピールできます。
ポジティブな自己表現に切り替える
職務経歴書における自己PR部分では、積極的かつポジティブな表現を心がけることが大切です。たとえば、「未経験ですが」というフレーズを避け、「業界未経験ながら前職で培った業務効率化スキルを活かし、インフラエンジニアとして顧客価値向上に貢献したいと考えています」といったように、前向きで具体的な目標を示します。また、課題に対する姿勢や成果を導き出すためのプロセスを明確化することで、自信を持った印象を与えるでしょう。
実践！インフラエンジニア職務経歴書の成功例とテンプレート活用のポイント
具体例：自己PRとスキル部分
インフラエンジニアの職務経歴書において、自己PRとスキル部分は採用担当者に強い印象を与える重要な要素です。例えば、自己PRでは「未経験ながらも自らPythonやAWSなどの最新技術を学び、小規模プロジェクトでリーダーシップを発揮した実績」や「手順書作成を通じて業務効率を30％向上させた」など、実績や具体的な成果を組み込むと効果的です。
スキル部分では、運用業務に関連する「Linuxサーバの運用管理経験」「Dockerコンテナの利用」などの実績を、プロジェクト経験や学習意欲と合わせて記載するとよいでしょう。例えば、「個人で作成した仮想環境を用いてサーバ構築の学習を実施」や「Excelでの運用ログ分析を自動化し、月間20時間の業務削減に貢献した」など具体的な取り組みを記述すると、採用担当者に対して強いアピールにつながります。
おすすめ職務経歴書テンプレート紹介
職務経歴書を作成する際には、内容を効果的に伝えるためにテンプレートを活用することが有効です。一般的に、以下の項目がバランスよく含まれるテンプレートが推奨されます：
– 職務要約（簡潔に現在までのキャリア概要を記載）
– 職務経歴（プロジェクトごとの内容を記述）
– テクニカルスキル（使用した技術やツールを具体的に列挙）
– 保有資格（技術に関連する資格を明記）
– 自己PR（成果や強み、未経験でも意欲を示す内容を記載）
テンプレート選定時には、見やすさやフォーマットのバリエーションがあるものを選ぶのがおすすめです。参考サイトや企業の採用ページからダウンロード可能なものを活用するのもよい方法です。
テンプレートに情報を埋め込む具体的ステップ
職務経歴書テンプレートを活用する際には、以下のステップで情報を埋め込んでいくと効果的です：
- 職務要約： 現在に至るまでの簡単な経歴や学びの成果を、2～3行程度でシンプルに記述します。例えば、「未経験ながらもLinuxサーバの自己学習を進め、小規模環境での運用経験を積みました」といった内容がおすすめです。
- 職務経歴： プロジェクトごとに業務内容、使用技術、成果を詳しく記載します。規模や期間、役割も明記しましょう。未経験の場合は、仮想環境での自己学習プロジェクトなどを具体的にアピールします。
- テクニカルスキル： インフラエンジニアとして身につけたスキルやツール（例：AWS、Excel、VBA、Python）と、それらを使用した実績を記載します。同時に、今後習得を計画している技術も盛り込むとさらにプラスになります。
- 自己PR： これまでの経験や強みを中心に、業務改善や学習意欲をアピールします。たとえば、「手順書作成やツール導入によってプロジェクトの効率化に成功した経験」や「独学でDockerやAWSの技術を習得した意欲」などを記載しましょう。
職務経歴書は見た目の美しさや情報の伝わりやすさも重視する必要があります。フォーマットを崩さず、箇条書きや空白を活用して読みやすく整えることも忘れないようにしましょう。