コトラ（広報チーム） 
りそな銀行における女性役員の現状
女性役員の割合とその役割
りそな銀行における女性役員の割合は、2024年6月24日現在で12.1%となっています。この数字は、国内主要銀行の中でも注目すべき成果であり、多様性を重視した経営方針の一端を示しています。女性役員の多くは、社外取締役として重要な視点を経営に提供するだけでなく、総合的な戦略立案や企業価値向上のためにも活躍しており、組織全体に新たな活力をもたらしています。
過去から現在までの女性役員数の推移
りそな銀行は、積極的に女性役員の登用を進めてきました。この取り組みの背景には、ダイバーシティ＆インクルージョン戦略に基づく、幅広い人材の活用を通じた競争力の向上があります。2020年代に入ってから、女性役員の数が着実に増加し、2025年4月時点では女性役員として野原佐和子氏が社外取締役を務めています。このような推移は、りそな銀行が性別にかかわらず能力を評価する組織文化を根付かせている証といえます。
取り組みの背景：なぜ女性役員が必要なのか
りそな銀行では、多様な視点を経営に取り入れることで、持続可能な成長を実現することを目指しています。女性役員の登用は、社会全体でのジェンダー平等への期待に応えるだけでなく、意思決定の質を向上させる役割を果たします。また、金融業界特有の顧客層の多様性を反映させるためにも、経営層に女性の視点を取り入れることが重要だと考えられています。さらに、りそな銀行はこうした取り組みによって、企業ブランドや社会的信用の向上にもつなげています。
他社との比較に見る特徴と課題
国内の金融業界において、女性役員の割合は依然として低い水準にとどまっていますが、りそな銀行はその中でも比較的先進的な取り組みを行っています。例えば、多様なキャリアパスを提供することで、女性社員が役員に昇進するための基盤を築いてきました。しかし課題もあります。他社と比較しても、女性役員の絶対的な人数はまだ少なく、今後さらに積極的な取り組みが必要です。また、男性中心の管理職が多い現状を変革し、全体的な意識改革を進める必要があります。
ダイバーシティ戦略の鍵となる施策
採用と育成の強化策
りそな銀行では、女性役員の増加を目指すために採用と育成の強化に力を入れています。特に、初期段階から多様なキャリアパスを提供し、女性が自分の能力を最大限に発揮できる環境を整えることを目的としています。その一環として、近年採用プロセスを見直し、女性候補者に向けた積極的なアプローチを行っています。
また、育成面では、女性管理職候補に対するリーダーシッププログラムやメンターシップ制度を充実させています。これらの施策により、女性社員がキャリアアップを目指す際の心理的なハードルを下げ、役員候補となる人材の層を厚くする取り組みが進められています。
女性支店長トレーニー制度とは？
りそな銀行が展開する「女性支店長トレーニー制度」は、次世代の女性リーダー育成を目的としたプログラムです。この制度では、女性社員が支店長クラスの役割を擬似的に体験できる場を提供し、実務を通じてリーダーシップスキルや意思決定能力を高めています。
このプログラムを通じて、女性社員が役職者としての責任を担う準備を整えると同時に、会社全体としても女性リーダーに対する信頼感を醸成しています。これにより、女性役員の輩出を支援する仕組みが着実に構築されています。
働きやすい職場環境づくりの支援策
女性が長期にわたって活躍できる職場環境を実現するために、りそな銀行では「スマート社員制度」や「復職支援プログラム」などの支援策を実施しています。特に、育児や介護と仕事の両立を支援するための柔軟な勤務体系は、多くの社員にとって大きな助けとなっています。
また、男性社員が育児休業を積極的に取得するよう推進している点も特徴的です。このような施策は、家族とのバランスを保ちながら働ける組織文化の醸成に寄与し、全社員にとって魅力的な職場づくりに貢献しています。
社員の意識改革に向けた教育プログラム
りそな銀行は、女性役員の増加を実現するためには、組織全体の意識改革が重要であると認識しています。そこで、性別や役職にかかわらず、全社員を対象とした教育プログラムを定期的に実施しています。
具体的には、ダイバーシティ研修やアンコンシャスバイアス（無意識の偏見）を排除するためのワークショップが挙げられます。これらの取り組みにより、社員一人ひとりが多様性の重要性を理解し、互いの違いを尊重する文化を育むことを目指しています。こうした意識改革の継続が、持続可能なダイバーシティ戦略の成功につながっています。
女性役員増加がもたらすプラスのインパクト
経営の多様性と新たな視点の導入
女性役員の増加は、りそな銀行の経営に多様性をもたらしています。従来、男性が中心であった経営層に女性が加わることで、意思決定の場における視点が広がり、これまでにない新たな発想や柔軟な政策が生まれています。特に、消費者目線や家庭との両立に関連する課題解決に関しては、女性役員の意見が重視されることで、顧客満足度の向上にも寄与しています。このような多様な経営戦略を持つ企業として、りそな銀行はその競争力をさらに高めています。
企業ブランド力向上への影響
女性役員の登用は、りそな銀行の企業ブランド力向上にも直結しています。多様性を積極的に推進している企業であることは、社会的評価を高める要因となります。実際、同社は2020年12月に内閣府から「女性が輝く先進企業表彰」を受賞しており、この受賞はりそな銀行が女性活躍推進に真摯に取り組んでいる証と言えます。こうした実績により、社会的責任を果たす企業というポジティブなイメージが醸成され、顧客や投資家に対して強い信頼感を与える効果があります。
従業員満足度とエンゲージメントの向上
女性役員の増加は、りそな銀行内での従業員満足度やエンゲージメントの向上にも影響を与えています。特に若い社員や女性従業員にとって、トップマネジメントの中に自分と同じ性別のリーダーが存在することは、大きな励みとなります。それによって、キャリア展望が開けるだけでなく、企業内での公平感や安心感が向上します。また、ダイバーシティ推進の取り組みが周知されることで、性別や背景に関わらずすべての従業員が働きやすい環境が整備され、結果として全社的なモチベーションアップと生産性向上につながる好循環が生まれています。
他業界のケーススタディとの比較
女性活躍を推進するリーディング企業の特徴
女性活躍を推進する企業の特徴として、明確な数値目標の設定や、それを実現するための具体的な施策が挙げられます。例えば、大手日系メーカーや外資系企業の中には、女性管理職比率を一定の数値に引き上げる方針を掲げ、実現に向けたトレーニングやメンタリングプログラムを実施している企業があります。また、社内育成にとどまらず、女性リーダーを目指す候補者を早期に発掘し、各種業界イベントや外部研修を支援することで、能力開発を強化しています。
りそな銀行でも、女性役員比率の向上に向けた積極的な取り組みが進められており、自社独自の施策を展開することで注目を集めています。特に他業界を参考としつつ、女性役員の役割を多方面に広げ、多様な視点を経営に取り入れる点がりそなの特色といえるでしょう。
国際的基準における日本の位置づけ
国際的に見ると、日本の女性役員の比率はまだ低い水準にあると言えます。たとえば、欧米諸国では、企業の取締役会における女性比率の最低基準を法律で定めている場合もあり、フランスやノルウェーではすでに役員の40%以上が女性であることが義務づけられています。一方で、日本では35%以上が男性役員に占められている状況が続いており、りそな銀行が示す12.1%という女性役員比率は、国内において一定の進展と捉えることができますが、世界基準ではまだ道半ばであると言えます。
りそな銀行はこの現状を踏まえ、日本の課題解決に向けたリーディングカンパニーとなるべく、多様性を重視した戦略を進めています。国際基準と比較しながら、国内の状況の改善に貢献することを目標とし、女性役員登用だけでなく、職場環境の整備や全従業員の意識改革に取り組む姿勢が見受けられます。
りそな銀行が目指す未来のビジョン
ダイバーシティ推進を取り巻く今後の課題
りそな銀行が目指すダイバーシティ推進には、課題の克服が欠かせません。女性役員の割合が増加しているとはいえ、全役員の中で女性が占める割合は2024年6月時点で12.1%にとどまっています。これは進展が見られるものの、日本全体の金融業界と比較しても課題が残る水準です。さらに、女性役員候補を育成するための具体的施策や期間の拡大、実際に意思決定に参加できるポストを増やす体制づくりが急務となります。また、ステレオタイプや無意識のバイアスを排除するための教育や、進捗を定量的に評価する指標を構築することも不可欠です。りそな銀行はこれらの課題をクリアしていく中で、金融業界のリーディングバンクとしての地位を確立していくことを目指しています。
顧客と社会への新たな価値提供
女性役員が増加することで、りそな銀行が社会に提供できる価値にも大きな変化が期待されます。多様な視点が経営の意思決定プロセスに組み込まれることで、より幅広い顧客層のニーズを正確に捉えることが可能になります。たとえば、家事や育児と両立しながら経済活動を行う女性顧客向けの金融サービスを拡充するための施策は、女性役員の視点によってより実効性のある提案が可能です。また、取引先企業に対してダイバーシティ推進を積極的に支援する姿勢を示すことを通じて、社会全体に対して新しい価値を創出していく役割も期待されています。これらにより、りそな銀行は金融サービス提供者としての枠を超え、社会的責任を果たしていく企業へと成長していくでしょう。
女性リーダーが果たす役割の展望
未来のりそな銀行において、女性リーダーは重要な役割を担う存在としてさらなる活躍が期待されます。女性役員の増加に伴い、多様なリーダーシップスタイルが持ち込まれることで、組織全体の柔軟性や革新性が向上します。具体的な役割としては、意思決定プロセスでのバランス感覚の発揮や、次世代を担う女性リーダーの育成が挙げられます。また、女性リーダーは他の従業員にとってロールモデルとなり、多くの女性社員がキャリアアップの道筋を描くうえでの指標になるでしょう。このように、りそな銀行が描く未来には、女性リーダーの貢献が欠かせない要素として位置づけられています。