
日本の産業競争力強化や業界再編を支える存在として注目される JICキャピタル株式会社。今回、コトラの直井が同社メンバーによる座談会に参加し、その内容を記事としてまとめました。現場で活躍するメンバーが語る“JICキャピタルのリアル”に触れられる、非常に貴重な内容となっています。ぜひご一読ください。
ご経歴とJICキャピタルを選んだ理由
Q:
まず、JICキャピタルに入社された理由からお聞かせください。
S・I様:
私は以前、投資銀行などの金融業界で働いていましたが、当時、国内では製造業のシャープの経営が悪化し、再建が必要な状況でした。私は理系出身で、シャープには多くの友人が勤めていたため、友人たちと共に再建に携わりたいという気持ちで入社しました。
K・I様:
私は前職で、民間の再生系投資案件を扱うPEファンドに在籍し、5社の再生案件を経験しました。その中で、根本的な課題は業界構造にあること、そして業界再編の必要性があると感じました。 そこで、産業再編を通じた競争力の強化を大きなミッションとするJICキャピタルで自分の経験を活かしたいと考え、入社しました。
M・T様:
私は直近が事業会社だったため、PE業界への転職は当初考えていませんでした。しかし、転職エージェントの方に相談する中で、最近はPE業界も女性の採用に注力するところが多いと聞き、私のキャリアにも需要があること、そして投資を通じて日本の産業競争力強化に貢献できることに魅力を感じ、2022年に入社しました。
JICキャピタルの強みと特徴
Q:
では次に、実際にJICキャピタルで投資業務をされる中で、JICキャピタルだからこそ可能になること(投資対象や規模など)があれば教えてください。

S・I様:
中立的な立場からフラットに判断できることは大きな強みです。 投資規模については、民間では数社しか入札できないような、製造業を中心とする大企業の大型案件に現在チャレンジできる点が、組織の強みだと感じています。
K・I様:
投資対象会社の中長期的な成長戦略に取り組めるのが、JICキャピタルの特徴です。業界再編や買収によって対象会社の企業価値を向上させるには時間を要しますが、民間のPEファンドでは中長期で保有することが難しい場合が多くあります。 一方、我々は「中長期的なサポートができるように設計された組織(ファンド)」であるため、時間のかかる成長戦略にも腰を据えて取り組むことができます。
M・T様:
民間ファンドとの違いとしては、中長期的な投資期間を設定できるところが大きな特徴で、企業の方に安心してご相談いただける要因の一つになっています。 また、PEファンドに不安を感じる企業の方でも、「政府系であれば一度話を聞いてみたい」と言っていただけることも多いです。 さらに、政策的な投資目的を非常に重視しているファンドなので、「日本の産業のためになることをしてくれる」という点に安心感を持ってご相談いただける場合も多くあります。
Q:
規模の大きな案件に投資を行い、産業を成長させたり、企業の構造改革などを担うことは大きなプレッシャーを伴う部分かと思いますが、いかがでしょうか?
S・I様:
大型案件の場合、従業員数が例えば1万人、2万人、グループ全体で10万人、20万人、さらにその方たちのご家族まで考えると、会社経営が立ち行かなくなって路頭に迷うことのないよう、強い責任感を持って仕事をしていかなければならないと感じています。 そのような責任感は感じつつも、現場では適切な判断を心がける形で対応しています。
K・I様:
私は、規模が大きいから難しい、あるいは小さいから簡単だとは思っていないので、規模の大小によってプレッシャーが大きく変わることはないと考えています。 民間のPEファンドも外部から資金を預かる責任感とプレッシャーのある仕事をしていますし、我々には公的資金を預かっているという責任感とプレッシャーがあります。 これは、良い意味でのプレッシャーであり、対象会社と方向性を一致させた上で投資を行い、「業界全体を良くしよう」というミッションを達成するために、我々チームが対象会社と一丸となって一つの目標に向かって取り組んでいます。
投資活動のやりがいについて
Q:
投資先の価値向上というお話がありましたが、最近は共同投資などもされる中で、投資先や共同投資家との関係性において、印象的なことや、工夫されていることがあれば教えてください。
S・I様:
共同投資を進める中で、お互いの良い点、足りない点について、非常に多くのことを学びながら投資活動をしています。
Q:
JICキャピタルで多様な投資活動をされる中で、ソーシングからクロージングまで、それぞれの投資プロセスの中にさまざまなやりがいがあると思いますが、特にどのような時にやりがいを感じますか?
S・I様:
基本的には、ソーシングから投資、バリューアップ、エグジット、クローズというプロセスを経て、対象会社の方に喜んでいただけた時や、世の中に公表できる時にやりがいを感じます。 一方で、そこからがまた新しいスタートだという気持ちもあります。
M・T様:
私はまだ投資案件のエグジットまで携われていないので、投資実行までについてお話しすると、ソーシングから投資に至るまでのプロセスは、大変な分、やりがいも大きいと感じています。 初めは提案を持っていっても躊躇される場合も多いですが、中長期的な視点で事業の成長を考えていただき、最終的に関係者を説得することができて、検討が前に進んでいく時には、やりがいを感じることができます。
K・I様:
JICキャピタル特有のやりがいとして感じるのは、例えばソーシングの段階で、我々の実績を評価していただいたり、ミッションに共感して向こうからお声掛けいただけることです。 我々から業界再編の提案をする場合もありますが、そのどちらもJICキャピタルらしさが起点となっています。民間のPEファンドが増える中でも、我々が役割を果たすべき案件の入り口に立てる時にやりがいを感じます。
JICキャピタルで求められるスキル
Q:
PE業界では、投資のプロフェッショナルとしてどのような力が求められるでしょうか?
S・I様:
JICキャピタルに関しては、基本的には全てのプロセスに全員が関わっているため、プロセス面も含めた総合力が求められると思います。
K・I様:
JICキャピタルに限らず、PEファンドではソーシングからエグゼキューションまで幅広いプロセスに関わるため、求められるスキルは多岐にわたると思います。 また、それらを全て一人で完璧にできる人はなかなかいませんので、チームワークも大切です。 JICキャピタルに関しては、業界再編という課題に対して当事者意識をしっかり持ち、自ら能動的に課題解決に向けて動けるマインドセットが非常に重要だと考えます。

M・T様:
例えば、他の民間ファンドではIC(投資委員会)に参加させてもらえないといった話も聞きますが、JICキャピタルではフロントメンバー全員が参加し、質疑応答をすることができます。 求められるスキルという質問からは逸れますが、全員で議論をして、投資が決定されていくプロセスにダイレクトに携わる中で、若手でもさまざまなスキルを伸ばすことができます。
組織の雰囲気
Q:
JICキャピタルのICは誰でも意見を言いやすい雰囲気でしょうか?
S・I様:
皆、自由に発言しています。 年次や役職、経験などに関係なく、疑問を持った人が自分から手を挙げて、積極的に質問しています。
M・T様:
最近は、ICの前にプレICを実施し、単純な質問の確認などを事前に済ませることで、ICで時間が足りなくなってしまうのを防ぐ取り組みもしています。
Q:
上層部の方のお話がメインの静かな会議を想像していましたが、活発な議論がされているのですね。 それは、あえてそうした空気を作ろうというわけではなく、発言をする方たちが集まって自然とそうなっているのでしょうか?

S・I様:
マネジメント層が意識してその方向に導いた可能性もありますが、どちらかというと、臆せず自由に発言する人が多く、皆が積極的に発言する雰囲気が自然と作られていると思います。
M・T様:
オンラインで参加するメンバーも多いのですが、オンラインでも皆同じように積極的に発言しています。
K・I様:
さまざまな角度からメンバーからの質問やコメントは上がってきますが、私たちは政策的意義が本当にあるのかどうかを一つの投資尺度にしていますので、そこに対するメンバーの感度は高いと思います。 その感度の高さが、積極的な発言につながっているのだと思います。
政策的意義について
Q:
政策的意義という点では、社会課題の解決や産業構造改革などがあると思いますが、皆様はそういった意識をJICグループに入られてから持たれたのでしょうか?
S・I様:
JICグループに限らず、基本的にM&Aは、再編を通じて社会課題を解決したり、業界の産業力や事業の収益を向上させるために行われるものなので、そういった意識はもともとあります。 その中で、JICグループは公的な資金を投入しているため、政府が目指す方向性や日本経済が良くなる投資をするという責務を負っているので、それらを達成できるように検討し、実行しています。
K・I様:
私は前職の再生系ファンドで再生の仕事をしていく中で、業界構造そのものに課題がある状況では、日本で産業再生が自然に進んでいくのは難しいと感じていました。 JICキャピタルはそこに直接アプローチできるというのが入社のきっかけですので、私はJICキャピタルに入社後、そういった点を活動の主軸にして取り組んでいます。
M・T様:
産業や社会の課題を解決したいという思いは、学生時代から持っていました。 一方で、国策や経済産業省が掲げるような産業を国として重視し、注力していこうという点は、JICキャピタルに入ってからより意識しながらソーシング活動をしています。 若手の頃の漠然とした意識が、今置かれている自分のポジションでは明確なミッションに変わりました。
JICグループの推進するDE&I
Q:
JICグループとしてDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を推進されているかと思いますが、日常的にテレワークをされていて、業務に全く支障はないということでしょうか?
S・I様:
テレワークでも全く支障はないと思います。 コミュニケーション不足を防ぐために、「たまには出社しようかな」という感覚で出社しているのが実態で、ほとんどのメンバーがテレワークをしています。
Q:
現在、JICグループ会社でDE&Iを進める中で、最も積極的に取り組んでいることは、どのようなことでしょうか?
S・I様:
女性や、多様なキャリアを持つ方など、さまざまな方に仲間になっていただき、多様性を充実させることです。
K・I様:
多様な視点は組織を強くするので、多様性は非常に重要なキーワードだと考えています。 多様性を確保するために門戸は開かれています。 また、多様なバックグラウンドを持った人がすぐに活躍できるように、教育制度やキャッチアップできる体制の整備にも引き続き取り組んでいく必要があると思っています。
M・T様:
多様性の観点では、事業会社や商社出身の方などにもPE業界の裾野は広がってきていると思います。 過去弁護士ファームから出向で来ていただいた方も、出向期間の中で非常に活躍されていました。 例えば、法律系のバックグラウンドのある方も十分素地はありますし、ご自身ができる分野から周辺領域にスキルを広げていただくことになると思います。 教育制度は個々に必要な領域が異なりますが、マネジメントに意見を出せば、それぞれのキャリアや成長プランを考えてくれると思いますので、ぜひ来ていただければと思います。
S・I様:
DE&Iを語るとき、「平等」と「公平」は違うと思っています。 平等な尺度で評価するのは良くありません。多様なバックグラウンドを持ち、それぞれの良さがある中で、同じ尺度(平等)で測ることはできないからです。 例えば、身体的な能力の差などもあるので、「公平な観点」をしっかりと持った上で対応していかないと、DE&Iと簡単に口で言うだけでは進んでいかないと思います。 全員がそれぞれの良さを持っており、平等である必要はなく、公平に見ていくという意識を持つことが、ダイバーシティの充実に近づく道だと考えています。
Q:
平等というのはずっと刷り込まれてきているので、言葉では理解していても常に意識していないと、「公平に見る」という視点を忘れてしまいそうですね。
S・I様:
例えば、産休明けの女性が仕事に戻ってきた初日と、育休・産休を取っていない私が同じ尺度で測られるのは違うと思います。その点を理解した上で対応しないといけませんが、きちんと理解しないと簡単には実践できないと思います。
JICキャピタルの働きやすさ
Q:
JICキャピタルも多様性を促進されていると思いますが、現状としては、フロントの投資のプロフェッショナルの女性は少ない状況にあるかと思います。 そうした中で、女性だからこそ大変だと感じることはあるのでしょうか?

M・T様:
女性だからこそ大変だと感じることはありません。 女性だからといって特別な扱いを受けることもなく、非常にフラットな組織です。 私の場合は、子供がまだ小さいので、時間的な制約を受ける部分はありますが、それは女性に限ったことではないと思います。 リモートワークが浸透していることが、働きやすさにつながっています。
Q:
PE業界は激務だというイメージがありますが、性別に関わらず、さまざまなライフイベントがある中で、皆さんが仕事を続けられているのは、リモートワークをはじめとするJICグループの文化があるからでしょうか?
S・I様:
PE業界に限らず、どのような仕事をしていても、プロジェクトに入って集中する時は、拘束時間が長くなることもあると思うので、どの業界も同じではないかと思います。 PE業界の中では、我々は比較的自由にプロフェッショナルとしての働き方ができていると思っています。テレワークやオンラインミーティングを活用し、ONとOFFのバランスを自分たちでうまく使い分けられるので、非常に働きやすい環境です。 特に私は毎日出社する金融業界で働いていたので、前職と比べると非常に働きやすく、自分の時間も仕事の効率性も追求できる、非常に良い環境だと感じています。
K・I様:
我々の組織の性質上、他の民間のPEファンドのように入札案件に積極的に参加するわけではなく、選別的に本当に政策的意義のある案件にしっかり取り組みます。そのため、ディールの時間を長く取れるという面はあるかもしれません。 また、テレワークも推奨されており、個々の裁量が大きいので、自分で調整しながら業務に携われています。
M・T様:
一般的に、産後の働き方に関して、テレワークが浸透する前は17時や18時で切り上げなければならないことが多かったと思いますが、テレワークが浸透してからは、18時から21時までは家庭の時間にして、その後また仕事に戻るという働き方ができるようになりました。 JICキャピタルはそれを許容してくれるカルチャーなので、時間の拘束が限られる仕事以外にも、キャリアの幅を広げることができるようになりました。 また、ファンドによっては常駐が必須など働き方も異なりますが、JICキャピタルは個々人の意向を尊重してくれる組織です。

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インタビュアー

株式会社コトラ
コンサルタント
直井 拓也
慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、KDDIに入社。通信事業の代理店営業を経て、デジタル領域の新規事業子会社に出向し、CS部署の立ち上げ、経営企画業務、新卒/中途採用等の人事業務等を経験。その後、コンサル業界専門の人材紹介会社を経て現職。








