ハッカソンにより変わりつつある銀行の体質

ハッカソン
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本記事は以下サイトの記事内容を翻訳・引用しています。
http://www.cio.com/article/3120304/innovation/banks-find-big-innovation-payoff-in-hackathons.html

U.S.BankはCoding jamsなどのイノベーションにより知名度を高めてきましたが、アナリストの一部の人々には、実質的に意味があるイベントか疑問視されています。

ヴィシャル・スリヴァスタバ氏は、週末に徹夜でコーディングをして新しいアプリケーションを発明しました。複数人で食事をした際に、「レストランの支払い」という厄介なことを誰が行うかをゲーム感覚で解決するUndutchlyというアプリケーションです。画面上でモンスターが食べ物を食べ尽くして、全額支払うべき人の写真の前で最終的に止まるというソフトウェアで、クレジットカードのルーレット方式を面白くしたものです。

U.S.BankとMasterCard主催のカリフォルニア州で開催されたハッカソンで一位になったUndutchlyは米ドル15,000を獲得しました。ハッカソンは、シリコンバレーの才能を発掘する目的でU.S.Bankが主催して、100名の開発者から成る23チームが参加しました。U.S.Bankのイノベーション研究・開発部のシニアヴァイスプレジデントのダッグ・ニールソン氏は、「シリコンバレーの頭脳明晰な人材にAPIを利用したソリューションを構築してもらうのが最善策だと考えました。」とCIO.comに発表しています。

規制が厳しい官僚的体質の大手の銀行で、かつてはリスクがあると毛嫌いされてきたハッカソンも今は金融業界において必須になっています。ITシステムへの先入観と元々のリスク回避する性質により、銀行はイノベーションを生み出すには苦戦してきました。幼児期からデジタルに触れているミレニアル世代を魅了しようと必死な銀行では、FacebookやGoogleや他のシリコンバレーの企業の開発者が開催している夜通しでコーディングを競い合わせるイベントを模倣するのが近年の傾向です。

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中小企業の為のハッカソン

U.S.Bankの最近のハッカソンでは、経理と日々の業務を同時に同じ人がやりくりしなければならないパン屋やレストランなどの中小企業をターゲットにしました。テーマは、「大きく考え、小さくハックする」です。「小規模レストランでは、銀行口座の状況や社内で不正が行われているかより、今日の忙しいランチ時間までにテーブルクロスのクリーニングが無事に仕上がって届けられるかという方が遥かに重大であるのです。」とニールソン氏は考えます。

多くの中小企業は、マーケティングに時間を費やすことができない為、Undutchlyの活用が役に立つと予想されます。レストランはソフトウェアを利用して割引券を発行するなど、アプリを通して顧客との繋がりを強化することができます、とソフトウェアの開発者の一人のハーヴェイ・チャン氏は意見を述べています。Undutchlyは各プレーヤーの暗号化されたカード情報を保管し、MasterCardがハッカソンの為に考えたAPIを利用して決済をします。

コード作りやデータを利用できるようにするのはハッカソンには必須事項であり、シリコンバレーのシェアリングする気質の前提でもあります。U.S.BankとMasterCardは、スタートアップのAkanaのソフトウェアプラットフォームを使用して外部のディベロッパーにAPIを公開しました。参加者は、アプリケーションに使用するAPIをAkanaで管理したのです。

Akanaは「ハッカソンの改善」を促し、U.S.BankのプログラマーにもREST APIに慣れてもらうことにしました。以前は、U.S.BankはSOAPを基盤としたAPIを利用し、手動でシェアしていましたが、ニールソン氏は彼等にもAPIのシャアリングする方法を最新のものに変更するべきだとアドバイスしました。「我々も、21世紀に突入し、他のテクノロジー会社のようにAPIを公開するべきです。」と銀行側は述べ、リテールバンキングビジネスの為のソリューションを目的とするハッカソンをAkanaと共に開催しました。イベントでは、ホーム・エクォティ・ライン・オブ・クレディットの新アプリケーションを考え出し、次回発表することになりました。

ハッカソンの真の意義とは?

ハッカソンは流行りの響きの良い言葉のように聞こえ、改革を好まない官僚的な体質の銀行にトレンド感を与えます。「ハッカソンは比較的安い」手法で変革を促し、ビジネスに新しいアイディアを投入する良い機会を与えてくれています、とCelentのバンキングアナリストのステファン・グリール氏は述べます。栄冠を磨く機会を与える他、ハッカソンはマーケティング戦略の一つです。

銀行はfintechのスタートアップ企業への投資で知名度をあげているが、実は高い失敗率と人材育成にかかる費用で想像以上に利益は得ていないとグリール氏は指摘しています。ハッカソンの場合、勝者がもたらした新しい発想とビジネスとを結びつけるのに頭を抱える為、「ハッカソンは、必ずしも全ての成功物語に繋がるわけではなく、PR戦略にすぎないと議論されることすらあります。」とグリール氏は述べています。

大手銀行がハッカソンから実質的に何かを得ているかはまだ明確ではありません。ただ、ソフトウェアの新しいアプローチを求めてか、新しい人材を求めてか、Citibank,Barclays,BNY Mellon, First National BankやRoyal Bank of Canadaなどの世界有数の金融機関は挙ってハッカソンは開催し続けています。

ハッカソンを通して社員や外部の有望な人材に対してデジタル経済で銀行は遅れをとっていないのである!と、主張するための手助けをしてくれているとニールソン氏は述べます。シリコンバレーの開発者に、U.S.Bankにも実用的なAPIがあり開発者や小規模な金融テクノロジー企業にビジネスを提供できると警鐘を鳴らすPR効果もあると彼は主張します。「我々はGoogleやFacebookのレベルにはまだ達していないが、その方向性には進んでいます。」とニールソン氏は述べています。

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KOTORA JOURNAL | ハッカソンにより変わりつつある銀行の体質

コトラ(広報チーム)