金融サービスにおける変化の誘発

金融危機
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本記事は以下サイトの記事内容を翻訳・引用しています。
http://www.ukfintech.com/

金融危機の最中またはその直後において、金融サービスほど悪評高い部門はありません。しかし金融危機後においては、金融サービスの安定化を重視しているようです。

また、安定化を重視するだけでなく、不確実性が非常に高いため、金融サービス改革への投資はあまり行われていません。
そうした内向的な動きが目立つ機関の外側で、金融サービスや技術におけるイギリスの世界的リーダーとしての役割を利用しようと、スタートアップ企業がサービス開発・投資獲得を行っています。その多くはロンドンですが、イギリスやアイルランド中にまでその傾向は拡大しています。アイルランドに本社を置くコンサルティング会社であるアクセンチュアの最近の報告によると、イギリス・アイルランドのフィンテックスタートアップ企業は2008年から2013年にかけて約7億ドルの投資を獲得しており、その実態を浮かび上がらせました。このことから、大手金融機関が危機的状況になっている一方で、その外部では多くの改革が起こっている、ということが伺えます。

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フィンテックにおける新たな世界的リーダー

イギリスにおけるフィンテック事業の成長は、起業家、投資家、既存企業や政府などが一同に関心を集めている心を躍らせるような事柄であることは間違いありません。また、議論の余地はあるかもしれませんが、フィンテックの世界的リーダーであることはイギリスの金融部門にとって非常に重要だと言えます。なぜなら、フィンテックが競争を促進し、また一方ではさらなる革命をもたらす事ができるからです。これは消費者の選択にとってだけでなく、最終的にはイギリス経済全体にとって価値のあることです。ジョージ・オズボーン財務相は、最近この分野の成長を支えるさまざまな措置を発表し、「イギリスがフィンテックの発展において世界をリードする存在になってほしいと思っています。簡潔に言えば、それが私の野望です。」と述べています。

旧式のレガシーシステムに支配されないこうしたイノベーションを起こせる企業は、新たな技術を活用することでコストや参入障壁を低くし、大手銀行の重要な部門(支払い、貸付、FX)における優位性を徐々に崩し始めており、また、一方他部門では主導権を握り始めています(データ分析)。ファンディング・サークル (Funding Circle)、ゾーパ(Zopa)、トランスファー・ワイズ(Transferwise)、ナツメグ(Nutmeg)などの企業は、既存の銀行から見過ごされている、または十分なサービスを受けていると感じていない顧客や、提供される価格や商品に満足していない顧客への対応に注力しています。そして今後さらなる銀行離れの余地があることは明白です。

こうした圧力によってますます競争が激化し進化していく部門の中で、イギリスの既存金融機関は、最終的にはより大きな消費者需要を満たすためのソリューションを提供するよう後押しされ、強制的に対応を余儀なくされる可能性もあります。

しかしこうしたダイナミズムは、「イノベーティブ」企業の中だけでなく、既存の金融機関に革新的な技術ソリューションを提供できる企業においても明らかです。テクノロジーは固定化したすべての金融サービス部門を開放します。すなわち、新たなビジネスモデルの実現のみならず、金融サービスの全面的改善のためにオープン・フロンティア(開かれた領域)の提供を行っているのです。

フィンテック発展速度の改善

しかしながら、フィンテック革新者たちだけでは金融サービスが直面する全ての課題を解決することはできません。テックUK(techUK)は今年初頭のレポートの中で、デジタル近代化戦略の必要性について言及し、金融サービス部門は近代化と革新の足かせとなるレガシーなテクノロジープラットフォームを捨て去る必要があると述べています。事実、販売有効期限をはるかに過ぎている旧態以前のシステムの存在により、部門全体における大規模な変化を阻害しています。すなわち、システム投資の大半が、旧式のコアシステムを「いつまでも稼働させ続け」、維持していくことに使われているということであり、真の顧客(及びシステムの)利益を実現する新技術への投資を阻害してしまっているのです。

新技術の継続的な発展を考えると、コアバンキング(および保険)システムの活性化は、「リップアンドリプレース(取り外して取り替える)」プログラムを必要とせず、クラウド及び既存のe-インフラのやり方を参考にすることができます。テクノロジーは障壁にならずサプライヤコミュニティはソリューションを提供することができます。しかし、やむを得ない状況でなければ、既存の機関が、自らの意志で取り組むプログラムではないかもしれません。こうした革新的企業が業界全体の変化を誘発するため、フィンテック事業の成長は、おそらくやむを得ない状況であるとして考えることができます。こうした圧力によってますます競争が激化し、進化していく分野の中で、イギリスの既存金融機関は、最終的にはより大きな消費者需要を満たすためのソリューションを提供するよう後押しされ、強制的に対応を余儀なくされる可能性もあります。

イギリス中の消費者やビジネスのニーズにより的確に応えていくことができ、回復力、競争力、そしてさらなる透明性を併せ持った金融サービス部門が最終的に実現できれば大きな価値となります。そして継続的な投資とイノベーションにより、同国で生まれた技術企業は、そうした目標を達成する上で中心的な役割を担っていくでしょう。

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参照画像:http://www.ukfintech.com

この記事を書いた人

KOTORA JOURNAL | 金融サービスにおける変化の誘発

コトラ(広報チーム)