製造業コンサルタントとは?メーカーでの経験を活かす転職

製造業コンサルタントとは?メーカーでの経験を活かす転職
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昨今IoT・AI等デジタル技術の発達により、製造業において大きな変革が現在進行形で起こっています。このような変化に伴って発生している経営・現場の課題を解決するため、コンサルティングファームがメーカーに対してコンサルティングを行っています。

製造業メーカーに対するコンサルティングの需要が高まるに伴い、各コンサルファームは新たに人材を採用するため、採用活動を活発に行っています。

本記事では、製造業出身者の転職先としてメジャーになりつつある「製造業コンサル」の概要とその魅力についてお伝えいたします。

製造業出身者の主な転職理由

メーカーから転職を検討される方の理由としては以下の3つではないでしょうか。

製造業出身者の主な転職理由

・キャリアの展望が見えてしまった。

・汎用的なスキルが身につかず、今後のキャリアに不安を感じている。

・現場の無駄を削減する仕事をしたいが、一社員の裁量では限界がある。

メーカーは、まだまだ年功序列の文化が根強い業界です。そのため、〇〇歳で給与が△△万円・役職が課長クラスであと3年で部長・・などある程度、自分がどういったキャリアを進んでいくのか見通しが立ってしまいます。閉塞的な環境から外に出たいという思いから、転職を検討する方が多いようです。

また、メーカーは良くも悪くも役割分担の業務体制です。縦割り横割りで自分の業務がはっきりした状態で業務を進めます。そのため一社員の力で現場の業務体制を改善することは難しく、変わらない現場に対してやりきれない思いを持っている方もいるようです。

メーカーから他メーカーへの転職について

メーカーの方がまず検討するのが、他メーカーへの転職でしょう。しかし、他メーカーへの転職はいわば、針の穴に糸を通すような作業です。

メーカーからメーカーへの転職は一般的に、スキル・経験がぴったり合致していないと転職が難しいケースが多いです。例えば、自動車メーカーで部品の設計をしている人は、他メーカーの部品設計部署に、カメラメーカーで設計開発に携わっている人は、他メーカーの設計開発担当にという感じです。

基本的に転職をしても、会社の規模が変わっても携わる業務はほとんど変わらないというケースが非常に多いのが、メーカーからメーカーへの転職の特徴です。

「直接ものづくりに携わりたい」というこだわりがある方でしたらもちろん良い選択だと思います。しかし、キャリアチェンジを考えている皆さまは別の選択肢を考えたほうが良いでしょう。

自分の今までのキャリアを活かしつつ、キャリアチェンジをしたいという方には「製造業コンサル」への転職を強くおすすめいたします。

製造業向けコンサルタント/コンサルファームへの転職相談なら>

▼職種別の転職事情については下記の記事でも紹介しています。

製造業コンサルタントとは

製造業コンサルタントとは、その名の通り製造業・メーカーに対してコンサルティングを行うことです。

そもそもコンサルとは?という方はこちらで解説しています。

主な業務は、メーカー現場の業務効率化の改善支援です。生産工程の改善(リードタイムの削減・オペレーションの再検討など)や、プロダクトのライフサイクルの管理、コスト削減などが挙げられます。

メーカーに勤めている人が実際のものづくりを行う「職人」だとするならば、製造業コンサルタントは、「職人」がよりものづくりに集中できる環境を整えることがミッションだと言えます。

製造業コンサルタントが携わるプロジェクト事例を下記にまとめました。

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メーカーとの文化の違い

前述の通りメーカーは良くも悪くも、役割分担の業務体制です。大手であるほどこの傾向は顕著となります。

一方でコンサルタントは、プロフェッショナルとして成果を出すことが強く求められます。自分の作業だけを進めて、後の責任は誰かにとってもらうというわけにはいきません。クライアント先の現場の人間、時には経営陣と連携しプロジェクトを成功させることが求められます。

コンサルタントに求められるスキルについてはこちらの記事で解説しています。

メーカーでの業務経験を活かすことができる

多くの製造業コンサルファームは、現場を知っているメーカー出身者を求める傾向にあります。

コンサルタントの中には絵に書いた餅のような、現場を全く理解していない資料を渡すだけで、なんの解決にもならない提案をするだけの方もいます。もしかしたら、この記事の読者の中にも、経験者がいるかも知れません。そのようなことをなくすため、クライアントであるメーカーは、同じくメーカー出身者で構成された製造業コンサルにプロジェクトを依頼するのです。

例えば、中小の製造業コンサルファームに、誰もが知っている超一流メーカーからコンサルティングの依頼がくるということも少なくありません。現場の流れを理解し、課題について肌感を持って認識している方にお願いしたほうが、効果的な打ち手につながることが多いのです。

そういった意味で、製造業コンサルタントはキャリアチェンジでありながら、前職の経験を活かすことができる唯一の職業といっても過言ではありません。

年収面の充実

製造業向けに限らず、コンサルティング業界は給与が非常に高いです。

「企業四季報 業界地図 2019年度版」によると、コンサルティング業界の平均年収はなんと1316万円。メーカーの中でもトヨタ自動車の平均年収が約800万円であることを考えると、コンサルティング業界の高給さがよく分かるでしょう。

中小の製造業コンサルファームであっても、日本を代表する超一流メーカー並みの給与水準です。そのため、給与面は一つの魅力だと言えそうです。

経営側の視点を身につけることができる

メーカーからコンサルに転職するということは、オペレーション側から企画側に行くということです。優秀であれば若くして、企業の経営陣と仕事をするチャンスを得ることができ、経営幹部が何を考えながら会社の経営をしているのかを肌で感じることができます。

企業を客観的に見る力、ロジカルシンキングなどコンサルタントとしての基礎的なスキルを身につけることができ、経営側の視点を身につけることができます。

製造業コンサルタントも激務?

コンサルタントと聞いて、真っ先に「激務な労働環境」を想像する人もいるのではないでしょうか。「毎日タクシー帰り」「土日も休まず仕事」という噂を耳にしたことがある人もいることでしょう。

確かに、プロジェクトの期間中であればある程度の業務量は求められます。コンサルタントの業務が激務になる理由として、「知識集約型」のビジネスモデルをとっていることが挙げられます。知識集約型産業とは、頭脳労働や知識労働が事業の中心となる産業を指す言葉です。人間の知的労働力に頼る割合が大きい産業であるという理由から自動化などをすることができず、結果としてコンサルタントの労働時間が長くなってしまうのです。

プロフェッショナルとしての成果が求められるということも一つの理由です。クライアントが支払うコンサルフィーは、新卒のコンサルタントであっても月単価は200〜300万円と非常に高額です。ましてや、コンサルティングという目に見えないサービスにお金を払うことになるので、クライアントの期待を上回る結果を出すために、それ相応の時間を使うことになります。

一方で、最近では「働き方改革」の影響もあり、昔と比べるとだいぶ労働環境は改善されているようです。また官公庁がクライアントとなることも多くあり、あまりにも過度な労働環境であると咎められる恐れもあることから改善が進められているようです。

製造業コンサルタントの転職後のキャリアパス

コンサルタント経験者は「ポストコンサル」と呼ばれています。「ポストコンサル」は、20〜30代の若いうちから経営者視点で問題を解決してきた「問題解決能力」、組織を巻き込む「リーダーシップ」を買われ、業界内外のハイクラスポジションに転職することができます。

コンサルティングファームでしっかりと成果をだすことができれば、一気に市場価値を高めることができキャリアの幅に広がりが出るのです。

コンサルタントとしてポジションを上げる

メーカーの方がコンサルに転職される場合、まずコンサルタント・シニアコンサルタントのタイトルで採用されることが多いです。

コンサルタントとしてキャリアを築いていくことを決めた方は、マネージャー・ディレクターとタイトルを上げていきます。タイトルがあがるほど裁量が大きくなり、動かせる人・モノ・金が増え、仕事に対する満足度が上がります。

また製造業の枠を越え、様々な業界をクライアントに持つ総合コンサルファームや戦略コンサルファームに転職することもあり活躍の幅は様々です。

メーカーに戻る

コンサルの経験を活かして、メーカーに戻るというキャリアもメジャーな選択肢です。

メーカーに戻る際は技術職としてではなく、経営企画・マーケティング・開発部長など上流工程のポジションで転職される方が多い印象を受けます。

起業

コンサルタントとしての業務で培ったロジカルシンキング・課題設定能力を活かし、経営者として起業される方もいます。DeNAの南場智子氏(マッキンゼー)、エムスリーの谷村格氏(マッキンゼー)、ライフネット生命保険の岩瀬大輔氏(BCG)、アイスタイルの吉松徹郎氏(アクセンチュア)などが代表的な例です。

また個人事業主として、フリーのコンサルタントになるのも良いでしょう。

製造業コンサル経験者のキャリアパス事例

メーカーからコンサルに転職した方のキャリアパス事例を4つほどまとめました。

◆国内家電メーカー → 製造業コンサルティングファーム → 戦略コンサルティングファーム

国内家電メーカーにて、組み込みソフトウェアの開発に従事。製造業コンサルティングファームに転職後、開発プロセスの再構築・定着支援や、開発品質向上支援を目的とした上流工程改革などを実施。

その後、戦略コンサルに転職し、一部門だけでなく、全社改革に取り組み、年単位のPJの推進を担う。

◆国内電機メーカー → 国内総合コンサルティングファーム → 中堅ケーブルメーカー

国内電機メーカーにて、組み込みソフトウェアの開発に従事。国内総合コンサルティングファームに転職後、開発プロセスの再構築・定着支援や、開発品質向上支援を目的とした上流工程改革などを実施。

その後、戦略コンサルに転職し、一部門だけでなく、全社改革に取り組み、年単位のPJの推進を担う。

◆国内自動車メーカー → 外資系総合コンサルティングファーム → データマーケティング企業

国内自動車メーカーにてエンジン解析・最適設計提案・MBD推進に従事。外資系コンサルティングファームに転職し、自動車セクターのコンサルティングにあたる。

その後、データマーケティングソリューションを扱う企業にて、データ活用を促すコンサルティングに従事。

◆国内精密機器メーカー → 外資系総合コンサルティングファーム → 品質認証機関

国内精密機器メーカーにてプリンタの研究開発(機械系)に従事し、グローバルPJに関わる。その後外資系コンサルティングファームに転職し、シニアマネージャーまで昇進、PMとして大手エンタメ企業・完成車メーカーなどに向けてコンサルティングを提供。

その後、品質認証機関にて執行役員を務める。

製造業コンサル業界の転職市場動向

製造業コンサルの採用は継続中

コンサルティング内容が開発や生産のプロセス改善であり、製造業のモノづくりの根幹に関わるところです。改善による生産性向上が実現出来れば、今後の開発・生産に水平展開出来るためメーカーにとっての生命線とも言える活動を緩めることは有りません。

従って、製造業へのコンサルティングは今も変わらず、採用も継続しております。

製造業向けのコンサルティングに強みを持つ企業

メーカーに向けてコンサルティングを行っている企業を、サービスラインとインダストリーに分けて図解しました。

各社の特徴・求人情報・PJ事例などにつきましては、弊社コンサルタントまでお問い合わせ下さい。

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・コンサル企業一覧はコチラ

▼「製造業コンサル」最大手の1社である「株式会社O2」様のインタビューはこちら

製造業コンサルの求人例

製造業コンサルタントの求人をご紹介いたします。ご興味ありましたら、以下のボタンよりぜひご応募ください。

■求人:
製造業の変革を成功に導くプロフェッショナルファームでの製造業コンサルタント
■年収イメージ:
〜1200万円(経験・能力を考慮の上当社規定により決定)
■必要スキル:
【必須要件】
●大学卒業以上
【必須業務経験】
以下いずれかに当てはまる方:
●製造業領域でのエンジニア経験(開発、設計、生産技術 等)
●製造業向けコンサルティング経験

製造業コンサルタントの選考と求める人材像

求める人材

■メーカーでの一連の業務の流れを理解していること

前述の通り、製造業コンサル企業はコンサル業務の経験者よりも、メーカーでの一連の業務の流れを理解している人材を求める傾向にあります。そのため、コンサル業務の未経験者であっても転職のチャンスは十分にあります。弊社において、30代後半コンサル未経験の方の製造業コンサルへの転職を支援した事例もございます。

一方で、コンサル経験があってもメーカーでの業務経験が無いと書類が通過しないこともあり、コンサル業界の中でも現場経験を重視する傾向にあるようです。

■コンサルタントになりたいという明確な意思がある方

書類は通過するが、面接で落ちてしまう方の理由として「コミュニケーション能力も高くて、持っているスキルもいいんだけど、どうしてコンサルタントを目指しているのがわからない」と企業様からフィードバックをいただくことがあります。

なんとなくコンサルタントになりたいという思いだけでは、コンサルタントとして活躍することはできません。プロフェッショナルであるという自覚・自分が企業の経営を改善するんだという当事者意識・強い熱意を持った人材を企業は求めています。

コンサルタントとして活躍するためのスキルはこちらで解説しています。

選考

コンサルティングファームは、自己成長に貪欲で結果にこだわって主体的に行動できる人材を求める傾向にあります。また、AI・IoTなど前例がないことへ取り組むため、非定型的で自らゴールと到達方法を設定して進めていく必要のある業務が多くあります。それゆえ、柔軟な考え方ができるだけでなく、ストレス耐性も必要です。

また、総じて地頭・論理的な思考力をしっかりと見られます。例えば、通常書類選考後、場合によっては一次面接後にSPIがあり、面接の中でケース面接的な質問や、過去の経験についても定量的な側面をしっかりと聞かれます。

ケース面接などはコンサル特有の選考ですので、身近にコンサルファームに勤務している方がいれば相談に乗ってもらうなどして、一人で乗り切ろうとせず様々な人からの協力を仰ぎましょう。

製造業コンサルへの転職ならコトラ

メーカーからコンサルファームへの転職は、キャリアチェンジを考える方にとっては非常に良い選択となることでしょう。しかし、コンサルファームの選考ハードルは決して低くありません。コンサルファームは人気も高く、選考内容も特殊なことから、企業の情報収集やケース面接対策などをすべて一人で行うことは、非常に困難と言えます。

コトラであれば、業界に精通したコンサルタントがあなたの転職活動を支援することができます。

コトラの特徴は、転職支援を行うコンサルタント自身が業界出身者であることです。長年メーカーで幅広く従事していたコンサルタントも在籍しております。コンサルファーム出身者も多数在籍しており、生の情報や面接対策も万全です。

製造業人材の転職支援においても実績を残しており、以下のようなお声を頂戴しています。

メーカーでの業務経験を持つコンサルタントが、自らの業務・転職経験、これまで製造業人材の転職を多数支援した経験、転職先企業とのリレーションを生かして転職支援を行っています。弊社でしか取り扱っていない、非公開求人も多数ございますので、あなたにピッタリの求人を見つけることができます。もちろんコンサル以外にも幅広く求人をご紹介いたします。

転職エージェントの枠を超え、業界出身として転職のご支援をさせていただきますので、ぜひお気軽にコトラまでご相談ください。

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この記事を書いた人

KOTORA JOURNAL | 製造業コンサルタントとは?メーカーでの経験を活かす転職

並木雄助

大学卒業後、大手計測器メーカーに入社。自動車試験装置の設計開発に従事した後、自動車部品(tier1)メーカーに転職。防振製品の研究開発や自動車メーカーへの出向を経験した後、現職
[ 担当業界 ]
メーカー、製造業