【未経験者向け】SIerってどんなことをしているの?事例と求人をご紹介します!

SIerとは何か?――「システムを請け負う」だけではない

System Integrator(システムインテグレーター)、略してSIerは、企業や官公庁が抱える課題をITの力で解決するプロ集団です。彼らの仕事は、いまや、設計、開発、運用、保守など、単にシステムを構築するだけにとどまらず、近年では要件定義も含めた、企業の効率性を左右するDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略の立案といった最上流から、下流の運用保守までをワンストップで担うSIerもあります。

国内の代表的な企業としては、NTTデータ、富士通、NEC、日立製作所、日本IBMが挙げられ、その売上高は軒並み数兆円規模に達します。SIer業界には、顧客から直接案件を請け負う一次SIer(プライムベンダー、その下請けを担う二次SIer(セカンダリーベンダー)、親会社のシステム開発・運用を手がけるユーザー系SIerなど、さまざまなレイヤーが存在します。

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 SIerとしての仕事の魅力

SIerの仕事には、以下のような魅力があります。

  1. 社会貢献とプロジェクト完遂の大きな達成感: SIerが手掛けるシステムは、金融機関の基幹システム、交通インフラ、医療システム、企業の生産管理システムなど、私たちの社会や経済活動の根幹を支えています。自身の仕事が社会の安定や発展に貢献しているという実感は、大きなやりがいと達成感につながります。
  1. 多様な業界知識とビジネス視点の獲得: SIerは特定の業界に限定されず、金融、製造、流通、サービス、公共機関など、あらゆる業種の顧客と仕事をします。これにより、多種多様な企業のビジネスモデル、業務プロセス、文化に深く触れる機会が得られます。顧客の課題をITで解決する過程で、幅広い業界知識やビジネス視点が自然と身につき、自身の知見を飛躍的に広げられます。
  1. 専門性の追求とキャリアパスの多様性: SIerでは、特定の技術領域(例:クラウド、AI、データ分析、セキュリティ)を深く掘り下げ、その道の専門家として高いスキルを磨くことができます。また、技術的な専門性だけでなく、プロジェクト全体を統括するプロジェクトマネージャー、顧客の経営課題をITで解決するITコンサルタントなど、多岐にわたるキャリアパスが用意されており、自身の志向に合わせた成長が可能です。

このように、SIerの仕事には、企業やプロジェクトの規模にかかわらず、多様な顧客と深く継続的に関わりながら、技術とビジネスの両面で成長し続けられるという魅力があります。

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主要プレイヤーの実例で見る「SIerの社会的インパクト」

SIerが手掛けるプロジェクトは、私たちの社会に計り知れない影響を与えています。

ここでは、大きなプロジェクトの一例をご紹介します。

  • NTTデータ × 地銀共同勘定系「MEJAR」 「MEJAR(メジャー)」は、NTTデータが構築し、地方銀行が共同利用する勘定系システムです。2010年に稼働を開始し、現在、横浜銀行、北海道銀行、北陸銀行、七十七銀行、東日本銀行、広島銀行の6行が参加しています(時期により参加行は変動する可能性あり)。 このプロジェクトの特筆すべき点は、長年メインフレーム上で稼働してきた基幹システムを、2024年1月にオープン系システムへ刷新したことです。これは、ITコストの低減やシステム運用の柔軟性向上を目的としており、地方銀行が「2025年の崖」に直面する中で、システム共通化による経営効率化と競争力強化を図る重要な取り組みと位置づけられています。将来的には、NTTデータ独自の国産クラウド上で複数の銀行が共同利用する「統合バンキングクラウド」への適用も計画されており、地方銀行の持続的な成長と生き残りの鍵を握るプロジェクトとして注目されています。 出典:
  • NEC × 全国空港の顔認証ゲート NECの顔認証技術は、日本の空港の出入国手続きを大幅に効率化しました。IC旅券(パスポート)のICチップに記録された顔写真と、ゲートのカメラで撮影した顔写真を照合することで本人確認を行い、「パスポート提示なし」でゲートを通過できる仕組みを実現しています。 これにより、年間1億人規模の旅客の入国審査待ち時間を大幅に短縮し、空港の混雑緩和に貢献しています。特に、世界トップクラスの認証精度を誇るNECの顔認証技術「Bio-IDiom」を活用することで、高いセキュリティを保ちながら、スムーズなウォークスルー認証を実現しています。このシステムは、羽田空港、成田空港、関西国際空港など、全国主要空港に導入が進んでおり、社会の利便性向上と「より安全・安心な社会」の実現に寄与しています。 出典:
  • 富士通 × サプライチェーンデジタルツイン 富士通が手掛ける「サプライチェーンデジタルツイン」は、現実世界のサプライチェーン(製造から物流、販売、消費までの一連の流れ)を仮想空間に精巧に再現する技術です。これは、富士通独自の技術群「ソーシャルデジタルツイン」の一部であり、実世界のデータに基づき、人や物の状態だけでなく、経済・社会活動までデジタルに再現することで、複雑な課題解決を支援します。 このシステムを導入することで、企業は災害やパンデミック、国際情勢の変化といったリスクが発生した際に、その影響がサプライチェーン全体にどう波及するかを秒単位でシミュレーションできるようになります。これにより、ボトルネックの特定、代替ルートの検討、在庫計画の見直しなどを迅速に行い、被害を最小限に抑えるための経営判断を適正かつ迅速化することが可能になります。企業のレジリエンス(回復力・強靭性)強化に大きく貢献し、予測不能な時代におけるビジネス継続の鍵となるソリューションです。 出典:

これらの巨大プロジェクトは、一社だけで完結するものではありません。多業種、多企業、多国籍のプロフェッショナルが数百〜数千人月規模で集結し、社会を動かす。これこそがSIerならではの醍醐味と言えるでしょう。

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どんな人に向いているか?

SIer業界は、以下のような人にとって特に魅力的な環境です。

  • 「課題解決」がしたい人: 企業の課題解決から、公共機関や金融機関といった国家レベルのプロジェクトに深く関わることも可能です。
  • 技術だけでなくビジネスも学びたい人: 上流工程で業務改革を提案し、下流工程で実装まで見届けるため、技術とビジネスの「両利き」スキルを習得できます。
  • チームで成果を出すのが好きな人: 数十〜数百名規模のプロジェクトをまとめ上げ、多様なメンバーと協力しながら、大きなゴールへと導くことができます。

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7本の転職体験記リスト:次のキャリアのヒントを探る

SIer業界や関連分野への転職、あるいはそこからのキャリアチェンジは、多様なバックグラウンドを持つ人々に新たな扉を開いています。ここで紹介する体験記から、キャリアパスの新たな選択肢を広げ、「自分にもこんな道があるかも?」「こんなキャリアがあるんだ!」という発見に繋がるかもしれません。

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この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)

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