プライベートバンカー資格とは
富裕層コンサルティングのプロ
プライベートバンカー(PB)資格は、富裕層の資産管理・相続・事業承継を支援するための専門知識を持つことを証明する資格です。資産運用・税務・不動産・事業承継など幅広い分野をカバーしており、富裕層顧客への包括的なコンサルティングを担うプロフェッショナルとして認められます。
資格はプライマリーPBとシニアPBの2段階で構成されています。プライマリーPBは、顧客の資産状況や事業の課題を把握したうえで、税務対策や資産運用など最適な金融サービスを提案・実行する役割を担います。シニアPBはその上位資格で、プライベートバンキング部門のリーダーや管理職として活躍することを想定した最上位の位置づけです。
資格を取得することで、専門家としての信頼性が高まり、富裕層顧客との関係を深めながらキャリアを積み上げていけます。さらに上位資格を目指すことで、プライベートバンキング部門のリーダーや独立した資産コンサルタントとして活躍する道も開けてきます。
プライベートバンカーの役割
富裕層向けの資産運用
プライベートバンカーの主な役割のひとつが、富裕層顧客の資産運用です。市場動向に応じてポートフォリオを見直し、株式・債券・不動産など多様な金融商品を組み合わせながらリスクを分散させます。単に運用商品を提案するだけでなく、顧客の長期的な財務目標を把握したうえで戦略を立て、継続的にサポートしていくことが求められます。
相続対策と事業承継のサポート
相続や事業承継は、富裕層にとって資産を次世代へ守り渡すための重要な課題です。プライベートバンカーは、税制・法律の知識を活かしながら、納税負担を抑えつつ後継者へ円滑に資産や事業を引き継ぐための計画を立てます。顧客の家族構成や事業の状況はそれぞれ異なるため、一人ひとりの実情に合わせたプランを提案することが、長期的な信頼関係の構築につながります。
顧客との長期的な信頼関係の構築
プライベートバンカーの仕事は、金融商品を提案するだけでは成り立ちません。顧客一人ひとりの資産状況だけでなく、家族構成や事業の課題、将来のライフプランまで深く把握したうえで、長期にわたって伴走することが求められます。場合によっては、顧客自身がまだ言語化できていないニーズをくみ取り、先回りして提案することも必要です。こうした関係性を築けるかどうかが、プライベートバンカーとしての真価を問われる部分といえます。
資格の取得方法
プライマリーPB資格試験の概要
プライマリーPBは、PB資格の入口となる試験です。「資産運用」「資産承継」「事業承継」をはじめとする幅広い分野から出題され、富裕層の資産運用から事業承継まで包括的に対応できる知識が問われます。合格率は60〜90%台です。
試験は3つの単位で構成されており、各単位を個別に受験できます。最初の単位に合格した日から3年以内に残りの単位をすべて取得すれば、資格が認定されます。CBT(コンピューター試験)方式で通年実施されており、試験日程の融通が利きやすい点も特徴です。
富裕層営業の現場で顧客への提案・実行支援を担う担当者であれば、プライマリーPBの取得で実務上は十分対応できます。
シニアPB資格試験の概要
シニアPBは、PB資格の最上位に位置する試験です。合格率は20%台前半です。受験できるのはプライマリーPB資格保有者またはCMA(日本証券アナリスト協会認定アナリスト)に限られます。
試験形式はCBT方式のプライマリーPBとは異なり、「総合提案書」の作成を課す筆記試験で、年2回実施されます。総合提案書とは、顧客の資産・事業承継を含む課題に対して包括的な解決策を示す提案書のことです。筆記試験に合格したうえで、2年以上の実務経験を満たすことで資格が認定されます。
プライベートバンキング部門のリーダーや管理職を目指す人、あるいは税理士・公認会計士・FPといった専門家がさらに実践的なノウハウを身につけたい場合は、シニアPBまで取得する意義があります。
プライベートバンカーの年収
年収の実態
プライベートバンカーの年収は、所属する金融機関の規模や担当する顧客の資産規模、個人の実績によって大きく異なります。平均的には600万円から2,000万円程度とされており、外資系金融機関や大手銀行で多くの富裕層顧客を担当する場合、年収が3,000万円に達するケースも見られます。
また、外資系ではトップセールスになると1億円以上の収入も見込まれますが、その分、顧客を維持できないと厳しい評価を受けるリスクも伴います。インセンティブやボーナスが収入の大きな部分を占めるため、顧客との信頼関係を積み重ね、担当資産を増やしていくことが年収を上げる道筋となります。
収入を上げるために必要なスキルと経験
収入を上げるうえでまず土台となるのは、専門知識の深さです。富裕層の課題は複合的なケースが多く、一つの分野だけでは対応しきれません。
加えて、顧客との長期的な関係を維持するリレーションシップ・マネジメントのスキルが、新たな紹介や追加預かり資産につながり、収入に直結します。シニアPBやCMA(日本証券アナリスト協会認定アナリスト)といった上位資格の取得も、専門家としての信頼性を高め、担当できる顧客層や案件の幅を広げます。
また、富裕層ビジネスを取り巻く税制や市場環境は常に変化するため、資格取得後も継続的に知識をアップデートし続ける姿勢が求められます。
プライベートバンカーの今後の展望と市場動向
経済環境と富裕層市場の変化
日本の富裕層市場は拡大を続けています。野村総合研究所の推計によると、純金融資産1億円以上の富裕層・超富裕層の合計世帯数は149万世帯に達しており、2013年以降一貫して増加しています。背景には株価上昇や円安による資産価値の増加のほか、中小企業の経営者の高齢化に伴い、事業をM&Aで売却したり子どもに引き継いだりする際に大きな資産移転が生じるケースが増えていることがあります。また、スタートアップや投資で一代で財を成した「新富裕層」の台頭も市場を押し広げています。
大和総研の推計では、準富裕層以上の世帯が保有する金融資産は、2024年度末の713兆円から2035年度末には953兆円まで拡大する見込みで、ウェルスマネジメント市場は今後も拡大する可能性が高いとされています。富裕層の資産構成や投資スタイルが多様化するなか、プライベートバンカーには税制改正や市場動向を継続的に把握し、顧客一人ひとりの状況に合わせた提案ができる専門性がこれまで以上に求められます。
資格の需要と未来
日本証券アナリスト協会によると、現在のPB資格保有者は、プライマリーPBが2,308名、シニアPBが365名(2026年4月現在)にとどまっており、市場の拡大に対して専門人材の数はまだ十分とはいえません。富裕層市場が拡大し、事業承継や相続のニーズが増すなかで、PB資格を持つ人材への需要は高まっています。
また、従来の資産家に加え、スタートアップや投資で財を成した新富裕層が台頭しており、求められる提案の幅も広がっています。資産を守ることを重視する層と、積極的にリスクをとって資産を増やしたい層とでは、アプローチが大きく異なるため、プライベートバンカーには多様な顧客ニーズに対応できる柔軟な知識と経験が求められます。
日本証券アナリスト協会も2023年に教育プログラムを大幅に改定し、事業承継を含むファミリーとビジネス両面から顧客を支援できる人材の育成を目指しています。こうした動きからも、PB資格の社会的な位置づけは今後さらに高まっていくと考えられます。
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この記事を書いた人
コトラ(広報チーム)
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