コトラ（広報チーム） 
住友ゴムの「はずむ未来チャレンジ2050」とは
サステナビリティ長期方針の概要
住友ゴムグループは、2050年を見据えたサステナビリティビジョンとして「はずむ未来チャレンジ2050」を掲げています。このビジョンでは、持続可能な社会の構築を目指し、「環境」「社会」「経済」の3つの視点から長期的方針を策定しています。特に環境面では、カーボンニュートラルを実現するための具体的な目標や、持続可能な原材料の使用割合を向上させる計画が盛り込まれています。また、社会貢献やESG経営を軸に、企業価値向上と地球環境の調和を目指して取り組みが進められています。
「はずむ未来チャレンジ2050」の策定背景
「はずむ未来チャレンジ2050」は、住友ゴムグループが地球規模での環境問題や社会課題に対処するための長期的な視野で策定されました。同グループの400年の伝統を引き継いだ「住友事業精神」を基盤に、企業としての責任と目標を明確化することを重視しています。特に気候変動や資源の持続可能な利用が世界的課題となる中、2021年8月にこのビジョンが策定され、事業運営と環境負荷低減が両立可能であることを示す重要な指針となりました。
事業と環境改善を調和させる理念
住友ゴムは、すべての事業活動において「Our Philosophy」を基本理念とし、事業を通じて社会や環境への貢献を目指しています。「はずむ未来チャレンジ2050」でもこの理念を反映し、環境改善とビジネス成長の調和を重視した方針が策定されています。例えば、タイヤ事業ではバイオマスやリサイクル材料を活用することで環境負荷の低減に取り組む一方、経済的価値の創造に努めています。また、製造工程においてもエコイノベーションを推進し、環境に優しい製品開発を通じて持続可能な未来を実現することを目指しています。
ESG経営と企業価値の向上
住友ゴムグループは、ESG（環境・社会・ガバナンス）の視点を取り入れた経営を通じて企業価値の向上を追求しています。2020年には中期計画のバリュードライバーとして「ESG経営の推進」を掲げ、同分野への積極的投資と取り組みを進めてきました。これにより、地球環境の保護だけでなく、社会的な課題解決にも寄与し、ステークホルダーからの評価や信頼性の向上にもつながることを目指しています。また、同グループではサステナビリティ推進委員会が設立されており、経営層が活動をモニタリングしつつ、目標達成に向けた進捗を管理する仕組みが整っています。
主力事業におけるサステナブルな挑戦
バイオマスとリサイクル材料の活用
住友ゴムでは、環境への配慮を重要視し、バイオマス材料やリサイクル材料の使用を積極的に進めています。特に、2023年までには原材料に占めるこれらの割合を25%まで引き上げるという目標を掲げ、2050年には100%を目指しています。この取り組みは、環境負荷を低減し、持続可能な社会を実現するための大きなステップです。住友ゴムのサステナビリティビジョンでは、環境問題解決の一環としてバイオマス技術の研究開発を強化し、リサイクル材も効率的に活用することで、自然資源の節約と廃棄物削減の両立を図っています。
タイヤ事業の未来像
住友ゴムの主力であるタイヤ事業においては、未来を見据えた環境負荷削減と性能向上の両立を目指すスマートタイヤコンセプトの開発が進められています。例えば、製造過程でのCO2排出をゼロにするタイヤの実現を計画しており、2023年にはその実現に向けた具体的なプロジェクトも始動しています。また、燃費を向上させる低燃費タイヤや、持続可能な原材料を活用した次世代タイヤなど、ユーザーの満足度を高めながら環境負荷を軽減するプロダクトイノベーションを推進中です。
製造拠点でのエコイノベーション
住友ゴムでは、製造拠点においてもエコイノベーションを推進しています。特に、工場からのCO2排出削減を積極的に取り組み、2030年には50%削減、2050年にはカーボンニュートラルの実現を目指す具体的な目標を掲げています。これを実現するために、再生可能エネルギーの利用拡大や最新の省エネルギー設備の導入などを進めています。また、各拠点での廃棄物削減活動やリサイクル率向上の取り組みも進行中であり、全社的な環境負荷削減の基盤を強化しています。
サステナブル商品認定制度の導入
住友ゴムは、環境や社会に与えるポジティブな影響を顕彰するため、独自の「サステナブル商品認定制度」を導入しました。この制度を通じて、製品が生産・使用・廃棄の全ライフサイクルでどれだけ環境に配慮しているかを評価し、社内外に広く発信しています。これにより、製品開発部門のモチベーション向上だけでなく、顧客にも住友ゴムの商品がいかにサステナブルであるかをわかりやすく伝えることができます。この取り組みは、住友ゴムが掲げる「サステナビリティビジョン」の推進に向けた重要な一環となっています。
気候変動対応とカーボンニュートラルの実現
Scope3削減目標の推移と到達までの道のり
住友ゴムは、気候変動に対応するため、Scope3を含む幅広いCO2排出削減目標を掲げています。Scope3とは、企業のサプライチェーン全体で発生する温室効果ガスの排出量を指し、取引先や顧客との協力が重要な要素となります。
2021年には、2030年までに工場排出のCO2を50%削減し、2050年にカーボンニュートラルを実現する計画を発表しました。さらに、バイオマス材料やリサイクル材料といった持続可能な原材料比率の向上も重視しており、2050年には100%にする目標を掲げています。これらの取り組みは、ひいては住友ゴムの「はずむ未来チャレンジ2050」の達成に向けた一環です。
サプライチェーン全体での協力体制
住友ゴムは、サステナビリティを推進するうえでサプライチェーン全体との協力を重視しています。同社の事業活動は「Our Philosophy」に基づいており、取引先やパートナー企業との連携を密にしてCO2削減を目指しています。
具体的な施策として、調達段階から廃棄までを網羅したライフサイクル全体での環境負荷低減を目指しており、温室効果ガス削減に寄与する輸送ルートの見直しや物流効率化を推進しています。このような取り組みは、供給の安定性を確保しつつ、持続可能な生産体制を構築するための重要な役割を果たしています。
気候変動リスクに備える経営ガバナンス
住友ゴムでは、気候変動によるリスクに対応するため、経営ガバナンスを強化しています。気候変動リスクは、工場や物流システムの稼働に影響を与えるだけでなく、顧客ニーズの変化にもつながるため、長期的な視点でのリスク管理が求められます。
会社全体のサステナビリティ活動は、サステナビリティ推進委員会によってモニタリングされています。この委員会は年2回開催され、経営層が進捗を確認し、必要に応じて新たな方針や施策の導入を検討しています。また、気候変動リスクに強い企業基盤を築くべく、ESG経営を積極的に進めることで企業価値の向上を目指しています。
プロジェクトTREEの取り組み
住友ゴムは、「プロジェクトTREE」という独自の取り組みを通じて環境保護活動を進めています。このプロジェクトは、植樹活動や緑化事業を中心に地球環境への貢献を目指しており、持続可能な社会の実現を支援する重要な役割を担っています。
プロジェクトTREEは、従業員のみならず、地域社会やパートナー企業とも協力して実施されます。その一環として、住友ゴムは植樹活動だけでなく、周辺地域の生物多様性の維持・向上につながる取り組みにも力を入れています。これにより、企業としての環境価値を高めるだけでなく、住友ゴムが将来の世代にも貢献するサステナブルな存在であり続けることを目指しています。
未来に向けた社会的価値の創造
多様性と包摂性がもたらす社会課題の解決
住友ゴムグループは、多様性と包摂性を重視することで、社会課題の解決に取り組んでいます。グローバルに展開する企業として、性別や国籍、年齢、価値観の違いを尊重し、多様な視点やアイデアを取り入れることが、社会的価値を生み出す原動力であると考えています。この取り組みは、住友事業精神に基づいた持続可能な社会の実現を目指す方向性とも一致しています。また、多様性を尊重することで、全ての従業員が安心して働ける職場環境の整備にも力を入れ、イノベーションをさらに促進しています。
住友ゴムにおける人権方針の取り組み
住友ゴムは、人権を尊重することを企業活動の基本姿勢に据えています。ESG経営を推進する中で、従業員や取引先をはじめとしたあらゆるステークホルダーに対する人権保護を重視し、具体的な方針や施策を打ち出しています。特に、労働環境の改善や差別の排除、ハラスメント防止に注力しており、これらの取り組みを通じて、社会全体における人権意識の向上にも寄与しています。さらに、サプライチェーン全体での人権尊重活動を推進し、責任ある調達・生産を実現することで、より持続可能で公正な社会の構築に貢献しています。
より強固なサステナビリティ基盤の構築
住友ゴムグループでは、サステナビリティの基盤を強化するための仕組み作りに取り組んでいます。「はずむ未来チャレンジ2050」の目標達成を支えるために、ガバナンスの透明性向上やモニタリング体制の充実を進めています。具体的には、サステナビリティ推進委員会を定期的に開催し、経営層が直接レビューや意思決定を行う体制を整えています。このような取り組みを通じて、企業価値の向上だけでなく、環境問題や社会課題に対してより確実な解決策を提供できる企業組織の構築を目指しています。
第4回サステナビリティ表彰式の意義
住友ゴムが実施するサステナビリティ表彰は、環境や社会への貢献活動を評価し、企業内外における取り組みを広めるための重要なイベントとなっています。2023年に行われた第4回サステナビリティ表彰式では、社員や関連企業による優れた活動が表彰され、その意義を再確認する場となりました。この表彰は、住友ゴムのサステナビリティビジョンに基づく取り組みを奨励し、さらなる挑戦を促す動機付けとして機能しています。また、こうした活動の共有を通じて、住友ゴムの全体的なESG経営の推進力を高める役割も担っています。