38歳からのキャリアの再出発
きっかけは夫の引退
山本浩実さんが住友生命でのキャリアをスタートさせたきっかけは、夫のオートバイプロライダーとしての引退でした。夫は早くに父親を亡くし、「大学進学」という夢を強く抱いていました。二人の子どもを育てながら家族を支える中で、夫の新たな挑戦を応援するために山本さん自身も再出発を決意します。その過程で家庭の生活を見直す中、保険という分野に関心を持つようになり、自らも保険業界で働きたいと考えるようになりました。
住友生命への入社と初めての挑戦
38歳という年齢で住友生命愛知南支社に営業職員として入社した山本さん。保険業界でのキャリアは未経験でしたが、家庭や社会の将来を支える保険という仕事に強い使命感を感じていました。彼女にとって入社は単なる職業変更ではなく、自らの人生をかけた大きな挑戦でした。住友生命は、女性が活躍できる環境整備やキャリア支援を積極的に行っており、山本さんもその恩恵を受けつつ、着実に足場を築いていきました。
営業職の経験がもたらした成長と学び
営業職員としてのキャリアは、山本さんに計り知れない成長をもたらしました。顧客と向き合い、保険を通じて人々の生活設計をサポートする中で、コミュニケーションスキルや課題解決力を磨きました。また、多くの困難や失敗を経験しながらも、社員表彰を受けるほどの成果を上げ、チームでのリーダーシップも発揮しました。この間に得た学びは、その後の管理職や執行役員としての役割を果たす上での貴重な基盤となっています。
管理職への道のりとリーダーシップ
女性管理職から見た職場環境の変化
住友生命では、女性管理職の比率向上を重要な目標として掲げており、2016年度には「女性活躍推進に関する行動計画」を策定しました。その成果として、現在営業現場の管理職における女性比率は過半数を超え、2025年度末には全社的な女性管理職比率を50%にするという高い目標が掲げられています。山本浩実さんは、こうした取り組みの中で女性管理職としてのキャリアを積み重ね、職場環境の進化を肌で感じてきました。
山本さんが入社した当初は、まだ女性管理職の割合は少なく、ロールモデルの不足が課題とされていました。しかし、現在では、多様な働き方や能力を尊重する企業文化が進行し、女性がリーダーを目指しやすい環境が整いつつあります。これにより「住友生命 女性役員」という存在もますます増えています。山本さん自身もこの流れの中で着実に成果を上げ続け、今では重要なロールモデルとなっています。
「スミセイなでしこ計画」と女性活躍の推進
住友生命では「スミセイなでしこ計画」と題した女性活躍推進の取り組みを展開しています。この計画は、女性が自らの能力を最大限に発揮できる環境を整えることで、組織全体の成長につながるという理念に基づいています。同時に、SDGsの「ジェンダー平等を実現しよう」という目標にも貢献しています。
山本浩実さんも、この計画の浸透に大きく寄与してきました。特に、女性管理職の育成や後進への知識共有を通じて組織全体の活性化を推進してきたのです。女性が多く活躍する営業現場では、こうした取り組みが大きな実を結び、住友生命の各部署で女性リーダーが次々と誕生しています。女性が安心してキャリアを追求できる文化を築くためにも、山本さんは積極的に現場の声を取り入れ、持続可能な組織作りに尽力しています。
リーダーとして直面した壁とその克服
リーダーとしての道のりは決して平坦ではありませんでした。山本浩実さんも数多くの壁に直面しました。特に、女性リーダーがまだ少なかった時代には、周囲からの期待とプレッシャーが交差し、自信を保つのが難しいこともあったといいます。また、多様な人材の意見を尊重しながら組織をまとめる難しさもありました。
しかし、山本さんは常に「チーム全体が輝く環境を作る」という信念を持ち続けてきました。職場のメンバー一人ひとりを深く理解し、適切なサポートを提供することで組織の結束力を高める努力を続けたのです。また、自らの挑戦を周囲に示すことで、女性リーダーとしての可能性を後進に伝える重要な役割も果たしました。このようにして、山本さんは住友生命の女性役員としての基盤を築き、組織全体に大きな影響を与えています。
執行役員としての責任と挑戦
役員としての使命と影響力
山本浩実さんが58歳で住友生命の執行役員に就任した背景には、多くの経験と挑戦が積み重ねられてきました。執行役員としての使命は、多様な従業員が持つ力を最大限に引き出し、会社全体の成長に寄与することにあります。山本さんは営業職員としてのキャリアの中で、一人ひとりの価値を尊重しながら結果を出す重要性を深く学びました。その経験を活かし、今では全社的な戦略を策定し、職員たちが主体的に働ける環境を生み出す役割を担っています。
また、住友生命では女性役員の登用を重視しており、山本さんはその象徴的な存在です。彼女のキャリアは「誰もが挑戦できる環境」を具現化するものであり、後進のロールモデルとしてもその影響力を発揮しています。
働きがいを生む組織文化の構築
山本さんが特に心を砕いているのは、職員一人ひとりが「働きがい」を感じられる組織文化の構築です。住友生命では、エクイティ(公平性)を重視し、多様な価値観やライフスタイルを尊重した制度を導入しています。こうした取組みには山本さんの経験が反映されており、例えば育児をしながら働く女性やキャリアの再出発を目指す人々が安心して力を発揮できる環境作りが進められています。
特に、「スミセイなでしこ計画」など、女性の活躍を推進する具体的な目標や取り組みを通じて、職員たちのキャリアパスを明確にし、モチベーションを引き出しています。このような文化の中で、多くの職員が成長し、自分の能力を最大限に発揮しています。
ダイバーシティとインクルージョンの実現に向けて
住友生命が目指すのは、多様性を尊重した職場環境の実現です。山本さんはダイバーシティを単なる方針ではなく、企業成長のための核心的な要素として位置付けています。女性管理職の比率を現在の約40%から50%に引き上げる目標の達成に向け、多様な感性を活かす仕組み作りをリードしています。
さらに、ジェンダー平等を含むSDGsの達成に向けた具体的な施策にも力を入れています。例えば、女性だけでなく年齢や文化的な背景が異なる全ての職員が平等にチャンスを得られる環境作りに取り組んでいます。これにより、多くの人が住友生命で働くことに誇りと意義を感じられるようになっています。
山本さんのキャリアとその取り組みは、住友生命の女性役員としての存在価値を強調するとともに、多様性と包括性が企業の競争力を高めることを実証しています。
これからのキャリアと後進へのメッセージ
58歳を迎えた今、描く未来のビジョン
58歳で住友生命の執行役員に就任した山本浩実さんは、これまで歩んできたキャリアを振り返りつつ、今後にはさらなる挑戦を見据えています。特に、多様な人材が活躍できる職場環境の構築と、従業員一人ひとりが働きがいを感じられる文化づくりに力を注いでいます。住友生命が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)、特に「ジェンダー平等を実現しよう」という目標を推進する中で、山本さんは女性管理職比率50%の達成を目指し、組織全体をリードする役割も担っています。未来は、社員全員がその多様性を活かしながら、共に成長していける企業文化を実現させるビジョンで形作られているといえます。
次世代女性リーダーへの期待
山本さんは、自らが住友生命でロールモデルとなることで、次世代の女性リーダーたちへの道を開いてきました。女性が管理職として職場環境を整え、組織を動かしていく中で、多様な感性や価値観がチームの強みとなることを確信しています。彼女は、若い女性たちが自信を持って挑戦し、管理職へのステップを踏み出せるよう、さらに支援体制を充実させたいと考えています。その中で、女性が自らのキャリアビジョンを描き、住友生命の中でリーダーとして成長する姿を期待しています。
人生100年時代におけるキャリアの考え方
人生100年時代といわれる現在では、柔軟で多様なキャリアのあり方が求められています。山本さんは、自身が38歳で住友生命に入社し、そこから新たなキャリアを築いてきた経験を通じて、どの世代でも自分の可能性を追求することができると常々語っています。キャリアとは一度決まった道をただ歩むものではなく、人生の様々なステージにおいて再構築できるものだというメッセージを発信し続けています。「一歩踏み出すことに遅すぎるということはない」という彼女の生き方は、すべての人に示唆を与えています。特に家庭や社会変化が当たり前になった現在、柔軟な環境を整え、社員一人ひとりの挑戦を応援することが企業の使命であるとも語っています。