コトラ（広報チーム） 
女性役員比率向上に向けた三菱電機の取り組み
「30％ Club Japan」への加盟とその意義
三菱電機は、多様性と包括性の推進を目指し、日本の企業文化における女性役員比率の向上を目指す「30% Club Japan」に加盟しています。同クラブは、2030年までにTOPIX100企業の役員のうち30%を女性にすることを目標に掲げています。三菱電機がその目標達成をサポートする取り組みに参画したことは、企業としての責任感とビジョンの表れです。この加盟により、社外の多様性推進事例を学ぶ機会を得るだけでなく、自社での女性役員比率を向上させるための新たな基盤を構築することが可能になります。さらに、三菱電機としても、他業界のネットワークを活用し、女性リーダーシップの重要性を社会全体に広げていく意義を持っています。
女性管理職比率向上のための制度と目標
三菱電機は女性管理職比率向上を重要なテーマと位置付け、2030年度までに現行比約9ポイント増の12%を目指しています。この目標達成に向け、人材育成と働きやすい環境構築に注力しています。具体的な取り組みとして、育児休業制度やフレックス制度を導入するとともに、アンコンシャスバイアス研修を定期的に実施し、無意識の偏見を取り除く意識改革にも取り組んでいます。また、キャリア支援休職制度や社内求人制度を活用し、女性社員が自らのキャリアを構築しやすい環境づくりを推進しています。これらの施策は、企業文化そのものの変革を促進し、より多様で柔軟な組織運営を実現することを目的としています。
世界的視野で進化する女性役員の役割
グローバルな競争が激化する現代において、女性役員は新たな視点と戦略を組織にもたらす重要な存在です。三菱電機においても、女性役員は企業の経営戦略における多様性を代表し、イノベーションの加速に寄与しています。例えば、竹内敏恵氏は研究者出身というバックグラウンドを活かし、技術革新とともに組織の成長をリードしています。このように、これまでとは異なる視点を持つリーダーが参画することで、経営施策における選択肢が広がり、企業の競争力が強化されることが期待されています。
固定観念を打破する新しい企業文化の創造
三菱電機では、男性中心の企業文化を打破し、働きやすい環境を整えるための企業文化改革を進めています。2023年10月には「ウェルビーイング推進グループ」を新設し、社員一人ひとりが安心して能力を発揮できる職場づくりを推進しています。また、キャリアフォーラムの開催など、社員同士や経営層との対話を通じた関係構築にも力を注いでいます。これにより、従来の固定観念に囚われず、多様な価値観を歓迎する企業文化が形成されつつあります。これらの取り組みは、女性活躍推進にとどまらず、企業全体の活性化に寄与するものです。
現場で輝く女性役員のストーリー
竹内敏恵氏：研究者から役員への道
竹内敏恵氏は、三菱電機において長年挑戦を続けてきた女性リーダーです。同社のFAシステム事業本部長として上席執行役員に就任した彼女は、研究者から企業のトップを担うまでのキャリアを築き上げました。竹内氏は、女性の職場進出がまだ珍しかった時代に真空遮断器を世界で初めて開発するという画期的な成果を達成し、技術分野での功績が高く評価されています。
母子家庭で育ち、幼少期から働くことの大切さを学んだ竹内氏は、仕事と家庭との両立にも挑戦しながら、三菱電機の技術革新を支えてきました。その背景には、挑戦を恐れず新たな価値を生み出すという彼女の強い信念があります。同社が進めるDE&I（ダイバーシティ、公平性、包摂性）の方針においても、竹内氏のキャリアは象徴的な役割を果たしています。
松原公実氏：デザイナー視点による組織改革
デザインの専門家として経験を積んできた松原公実氏は、三菱電機でのキャリアを通じて、ビジネス課題にデザイナーの視点を取り入れることで組織改革を推進してきました。彼女の取り組みは、製品デザインだけでなく、業務プロセスにも新たな視点を加えることで、企業の多様性や柔軟性を高める土台作りに貢献しています。
松原氏が率いるプロジェクトでは、従来の固定化された男性中心の企業文化に新風を吹き込み、社員が自分らしく輝けるような職場環境の創出を目指しています。彼女は常に「社員一人ひとりが自由な発想で考える場を提供すること」を重要視しており、その姿勢は三菱電機におけるイノベーション文化の浸透にも寄与しています。
製造業界でキャリアを築く女性たちの座談会
近年、三菱電機では女性役員や管理職だけでなく、製造業界で活躍する女性たちのキャリアを支援する取り組みが進められています。例えば、社内では女性社員が自由に意見を共有し、抱える課題や成功体験を語り合う座談会が開催されています。この取り組みは、製造現場における具体的な課題を共有することで、今後の支援策や改善点を見出すきっかけとなっています。
座談会では「三菱電機 女性役員」たちの体験談や、仕事と育児を両立するためのノウハウが共有され、若手女性社員にとってのロールモデルとなる存在が明確化されています。参加者同士のつながりを深めるだけでなく、組織全体にポジティブな影響を与える場として、定期的にこの取り組みが続けられています。
企業競争力を高める多様性の取り組み
社員同士の協力促進と新たな発想の創出
三菱電機では、多様性を企業競争力の強化に結び付けるため、社員同士の協力促進に注力しています。具体的には、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン（DE&I）を実現するための施策を展開し、社員間の相互理解を深める環境を整備しています。多様な背景を持つ社員同士が協力し合うことで、新しい視点や発想が生まれ、それが製品やサービスの革新につながっています。また、定期的なアンコンシャスバイアス研修を通じて、固定観念や無意識の偏見を取り除くことで、より円滑なコミュニケーションやチームワークを育んでいます。
女性活躍の推進がもたらす経営改革
女性活躍の推進は、三菱電機が進める経営改革の中核を成す重要な取り組みです。管理職女性比率を2030年度までに現行比約9ポイント増加させる目標を掲げることで、性別に関わらず能力を発揮できる職場の実現を目指しています。この変革は、男性中心の企業文化を打破し、多様な意見が経営戦略や意思決定に反映される基盤を形成します。さらに、女性社員がその持ち味を活かして活躍することで、顧客へのよりきめ細やかな対応や、新市場の創造に貢献している点も見逃せません。
挑戦を支えるキャリアアップ支援プログラム
三菱電機は、女性社員のキャリア形成を支援するためのさまざまなプログラムを提供しています。2006年にはCP-Plan推進センターを設立し、女性活躍を推進するための基盤を築き上げました。例えば、育児休業やフレックス制度といった柔軟な働き方の導入や、キャリア支援休職制度を通じて、社員が挑戦しやすい環境を整えています。また、2023年11月には、入社5-10年目の女性社員を対象に社長との対話型キャリアフォーラムを初開催しました。このような取り組みにより、社員一人ひとりが自信を持って新しい業務や責任に挑戦できる土壌を作っています。
若手女性社員へのメンター制度の重要性
三菱電機では、若手女性社員の持続的な成長を支援するためにメンター制度を活用しています。この制度により、経験豊富な社員が若手女性社員のキャリア形成をサポートし、職場適応やスキルアップを促進します。この仕組みは、個別の悩みや課題に対して深い洞察を持った助言が得られる環境を提供し、若手社員が自身のキャリアゴールを明確にすることを支えています。また、メンターから受ける励ましや実務的な指導は、彼女たちの職務に対する自信を高めるだけでなく、将来的に管理職や役員への道を目指す女性の育成にも寄与しています。
未来へ向けた指針とビジョン
管理職に占める女性比率のさらなる向上
三菱電機では、2030年度までに管理職に占める女性比率を現行比約9ポイント増の12%に引き上げる目標を掲げています。この目標を達成するため、育児休業やフレックス制度の導入、アンコンシャスバイアス研修の実施など、さまざまな施策が進められています。さらに、2023年10月には「ウェルビーイング推進グループ」を設置し、働きやすい環境づくりを通じて、女性管理職の比率向上を目指しています。こうした取り組みは、男性中心だった企業文化からの脱却を示し、より多様性に富んだ経営を目指す上で重要なステップとなっています。
多様性を企業価値に転換する戦略
三菱電機は、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン（DE&I）の推進を通じて、多様性を企業価値へと変える戦略を展開しています。「30% Club Japan」への加盟はその象徴的な取り組みであり、2030年までにTOPIX100企業の役員に占める女性比率が30%に達するという目標を掲げています。また、DE&I施策をさらに浸透させるため、キャリアフォーラムの開催や若手女性社員へのメンター制度の強化も行っています。こうした施策を通じ、三菱電機は、多様性を強みにした新たなイノベーションの創出を目指しています。
他業界企業との連携による女性ネットワークの拡大
三菱電機は、他業界の企業とも連携しながら、女性ネットワークを拡大する取り組みを進めています。特に「30% Club Japan」内での活動を通じて、業界を超えた交流やノウハウの共有が行われており、これらが女性役員や管理職の飛躍的な増加につながると期待されています。また、これにより、三菱電機内部だけでなく、社会全体における女性のリーダーシップ発揮の促進にも貢献しています。他業界との協力による視点の多様化とネットワーク力の強化は、企業の競争力を向上させるための重要な課題とされています。
2030年に向けた目標と課題
三菱電機は2030年に向けて、女性役員の割合を大幅に引き上げるとともに、ダイバーシティへの取り組みを浸透させることを目標としています。しかし、現時点で管理職に占める女性の割合は2.9%と依然として低く、これを大きく改善するためにはさらなる制度改革や意識改革が求められます。また、女性社員が長期的にキャリアを築ける環境づくりやロールモデルとなる人材の育成も課題となっています。これらの目標達成に向けた具体的な取り組みを強化することで、真に多様性を尊重した企業文化への進化を実現し、グローバル市場でも戦える競争力を養っていくことが期待されています。