
FPTコンサルティングジャパンの紹介と急成長の要因
コトラ吉田:
まずは、会社全体の概要と、ここまで急成長を遂げている背景についてお聞かせいただけますか?
長谷川様:
FPTコンサルティングジャパン(以下、FCJ)は、ベトナム最大手のデジタルコングロマリット企業であるFPTグループ唯一のコンサルティングファームで2019年に設立しました。
FCJは、FPTグループが持つベトナム側の豊富なリソースを活かし、FPTソフトウェアジャパンと連携しながら、ソリューション提案から実装支援までを担う“上流検討部隊”として機能しています。
アジア発の総合コンサルファームとして、これからもっと知名度を上げていきたいと思っています。
企画構想フェーズのビジネス戦略やビジネス課題解決(直近ではAIを活用した業務効率化)、共創ビジネス立ち上げ、さらには実装フェーズのシステム開発(要件定義、設計、製造)から運用・保守まで、”End To End”で一貫したサービスをグローバルで支援できる点を強みとしています。
コトラ吉田:
設立からわずか6年で、社員数はすでに700名規模に拡大されていますよね。

長谷川様:
現在は毎年100〜200名のペースで社員が増えており、急成長していると言えると思います。
実装部隊であるFPTソフトウェアジャパンおよびFPTソフトウェアと連携し、End-To-Endでのサービス提供ができている点が大きな特徴です。
コンサルティングのみならず、SIまで一貫して対応できるサービスラインを有しています。
コトラ吉田:
そのような急成長を実現できた要因について、どのように分析されていますか?
長谷川様:
一つの要因は、BPG(Business Producer Department)の設立です。
また、End-To-Endでのサービス提供は日本市場から高く評価されています。
加えて、FPTグループ本社が日本市場を最重要市場と位置づけて、積極的に投資をしていることも大きな後押しになっています。
実際、FPTソフトウェア全体の売上のうち約4割を日本が占めており、日本におけるSIおよびコンサルティングサービスが急成長していることに伴い、積極的な人材採用と市場開拓を進めています。
コトラ吉田:
投資について金額面やリソース等、具体的にご説明いただけますでしょうか。
長谷川様:
採用に関しては、質の高い人材を確保するためにリクルーティング費用を十分に投じています。
さらに、AI領域には300億円規模の投資を行い、NVIDIAとパートナーシップを結び、AIファクトリー(AI開発・運用基盤)を稼働させています。
こうした領域への投資に加えて、個別企業のコンサルティング案件も数多く手掛け、End-To-Endで多様なお客さまにサービスを提供しています。
コトラ吉田:
日本のお客様からも認知は広がっていますか?
長谷川様:
着実に認知が広がりつつあり、ブランディングやマーケティング活動も積極的に推進しています。
BPGの概要と設立の背景
コトラ吉田:
では次に、BPG(Business Producer Department)の概要や設立の背景等についてお伺いできますでしょうか?
長谷川様:
BPGは発足後約3年の若いチームで、社内でもトップクラスの収益性を誇り成長性の高い非常に勢いのあるチームです。
設立のきっかけは、私が前職を退職した後、FCJが売上の規模に対して十分な収益を上げられていないという課題に気づいたことでした。そこで社長や取締役に対して、「もう少し効率的かつ効果的なやり方があるのではないか」と提案したところ、「それならぜひやってみてください」と背中を押されたことが始まりです。具体的には、「ビジネスプロデューサー」と呼ばれる部門経営者のような役割を担う人材を採用し、その人たちをチームに組み込むという提案を行いました。そして、「この体制が実現できるのであれば、自分がリーダーとして取り組みたい」と申し出たところ、実際に数名のビジネスプロデューサーが採用されました。私自身も2022年1月に入社し、それ以降、徐々にコンサルタントも加わり始め、チームとしての体制が本格的に動き出しました。
コトラ吉田:
そこから現在、約100名体制にまで拡大されているのですね。
長谷川様:
発足から3年ちょっとで100名まで増えたのですが、今後はさらにその10倍規模まで拡大したいです。
コトラ吉田:
チーム体制としては、営業やコンサル要員のアサインを行うプロデュース側とプロジェクトに入り一緒に課題解決に向き合うデリバリー側で分かれているのでしょうか?
長谷川様:
2つのファンクションがありますが、基本的には一体となって動いています。
案件を獲得した後、すぐにデリバリーチームを組成して、支援できる体制を整えています。
BPGチームの特徴
コトラ吉田:
チームの特徴や、今後伸ばしていきたいところについてもお伺いできますでしょうか?
長谷川様:
特徴としては、インダストリーやソリューションを問わないワンプール制を採用しており、
ハンズオンの伴走型支援を行っている点にあります。
そのため、SAPやMicrosoft等の特定の製品知識よりも、お客さまのさまざまなニーズや課題を解決するための地頭やコミュニケーション能力、お客さまに寄り添って一緒に汗をかきながら伴走して解決していける力が重要となります。
委託者と受託者という関係よりは、お客さまサイドに立って一緒に事を進めていくコンサル支援をしています。
コトラ吉田:
そのような支援方法のメリットはありますでしょうか。
長谷川様:
ソリューション提案で何回もディスカッションを重ねて、必要ならコンペにも参加するという形のコンサルは、お客さまの支援をするまでに時間がかかってしまいます。
我々は、そうしたスタイルとは異なり、基本的にコンペには参加せず、提案書も最小限で、仕事を受注しています。
この支援方法とFPTの親和性は非常に高く、ソリューションの受け皿を持っています。
ハンズオン型で支援をする中で、お客さまから「オフショアを依頼したい」とか、「基幹システムを導入したい」といったニーズが出てきた際に、社内の専門チームに受け渡すことができます。
これはやはり、End-To-Endでサービスを提供しているメリットが生かせる点だと考えています。
コトラ吉田:
案件の獲得に関しても、FCJの中でもBPGが先陣を切っているのでしょうか?
長谷川様:
先陣を切っているというよりも、それぞれのチームが自律的に動いていて、お客様のニーズに合わせてチーム間の連携をしているという形です。
コトラ吉見:
BPGの案件の獲得の仕方は、お客さまにかなり入り込んだ方法なのでしょうか?
長谷川様:
お客さまのところに訪問して、我々のスキルを紹介しながら課題を見つけ出し、ご興味を持っていただいたお客さまとはスピーディーに面談を設定し、契約につなげていきます。
最初はスモールスタートでも、お客さまと信頼関係を構築し、1年後2年後には数十人体制になっているケースもあります。
コトラ吉見:
新規のお客さまにアプローチをしているのか、それとも既に案件化しているお客さまに対してなのでしょうか?
長谷川様:
新規もありますし、既にFPTグループとお取引があるお客さまをご支援させていただくケースもあります。
ご経歴とFPTコンサルティングジャパンへのご入社の経緯
コトラ吉田:
では次に、みなさまのご経歴とFCJへのご入社の経緯についてお伺いできますでしょうか?
M・Y様:
私は新卒で国内の大手証券会社系のSIerに入社し、証券システムや分散系システムのインフラ運用・保守、フロントアプリの開発等に従事しました。
その後、日系のコンサルティングファームに転職し、国内の自動車メーカーを主要顧客としながら、業務改善や新規業務立ち上げの支援に一貫して携わってきました。
SIerからコンサルタントへとキャリアを移したのは、システムの要件定義からリリースに縛られず、最上流のビジネス検討やリリース後の工程にも関わってみたいと思ったからです。
前職では、比較的自由度高くさまざまなテーマに関われたことで、コンサルの仕事の面白さを実感する一方、組織が大きくなるにつれて、1人のコンサルタントとしての影響力が次第に限定的になっていくことも感じていました。
もっとコンサルタントとして成長し、自身の存在価値をより発揮できる環境を求める中で、立ち上げフェーズにあるファームであれば、より大きな役割を担えると考え、転職を考えました。
同じ規模のファームの中でも、BPGに対して私が何より魅力に感じたのは、さまざまな専門性を持ったチームが存在し、AIやオフショアを含む豊富なソリューションを活用して、幅広い提案ができる点です。
また、新卒時から「グローバル」というキーワードに強い憧れを持っていたこともあり、同規模のファームと比較して圧倒的にグローバル案件に関われるチャンスがあるFPTグループに大きな魅力を感じ、入社を決めました。
コトラ吉見:
ご入社前後で、何かギャップはありましたか?
M・Y様:
ギャップはないです。
むしろ、想像以上に責任のある役割を任せていただいており、自分の影響力を発揮できるチャンスが多くあると感じています。
当社では若くても主体的に難易度の高い案件にチャレンジして成果を上げ、お客さまの信頼を獲得していく機会が数多くあります。
前職ではこの先10年はなかったかもしれないような、役割を任せてもらえており、本当に恵まれていると感じます。
コトラ吉田:
前職では得られなかったやりがいを感じていらっしゃるということですね。
M・Y様:
はい。本当に最上流から携われているので、日々大きなやりがいを感じています。
もちろん、ポジティブな瞬間だけじゃなく、苦労したり悩まされたりする時もあります。
しかし、そうした苦難も成長につながっていくものですし、それもまた大きなやりがいに感じています。
コトラ吉田:
現職で、これまで従事されてきたプロジェクトで特に印象に残っていらっしゃる案件はありますでしょうか?
M・Y様:
お客さまが抱えている課題に対して、AIを使った解決法を検討し、推進するプロジェクトを担当させていただきました。
私はIT系出身なので、技術的には馴染みがあるものの、業務の中でどのように活かしていくのかについては、未熟な部分もありました。
ただ、FCJに入社を決めた理由の一つが、AIに特化した専門チームがあることだったので、そのチームと連携しながら、提案からデリバリーまで一貫して担当できたのは、自分にとって非常に大きな成長でした。
コトラ吉田:
前職にてAI領域のプロジェクト経験はなかったのでしょうか?
M・Y様:
案件としてはあったと思いますが、前職はAIの専門家がいたわけではなく、AIのシステムもつくることができなかったので、机上で学んだこと=AIのナレッジになっていました。
一方、FCJはAIのシステムに関して企画から設計、開発まですべて社内で行う体制を有しており、最適なソリューションを提供することが可能です。
長谷川様
当社のAI活用に対する温度感を象徴する例として、プライベートGPTを導入しているという点が挙げられます。オープンなChatGPTだと、あまり会社情報を入れられないですが、気兼ねなく使えるようにクローズドなものを使っています。
M・Y様:
会社全体として積極的にAI活用に取り組んでいる分、他社に比べてAIを活用して業務に活かしている社員が非常に多いという印象です。
コトラ吉田:
では次に、Y・M様お願いします。
Y・M様:
私は新卒で大手銀行に就職して、最初の2年間は営業、その後は本部のWebシステム部門に異動し、約15年PMとしてプロジェクトを推進していました。
2023年8月に前職を退職して、2023年9月にFCJに転職をしました。
転職のきっかけは、PMのプロフェッショナルをずっとやっていく中で、徐々に自由度がなくなってきたと感じたからです。
プロジェクトは、どう進めるのか、課題が出てきたらどう解決していくか、どうやればプロジェクトが成功するだろうかを考えて、決断して、関係者を巻き込んで進めていくのが醍醐味で、一番面白いところだと考えています。しかし、会社の方針が変わり、決まったやり方で全てのプロジェクトを進めていくようになってしまいました。
前職では、画一的な進め方が求められ、銀行という性質上、複数の監督ラインが存在し、関係者に同じ説明を何度も繰り返すような体制になっていました。その結果、肝心のプロジェクトの中身を考える時間がほとんど取れなくなってしまいました。
そうした中で、もっとプロジェクト推進のスキルを磨きたい、より自由度の高い環境でチャレンジしたいという思いから転職を考え、FCJを紹介していただきました。
FCJを選んだ理由は、最終的な意思決定はお客さまにありますが、自分の知見や考えをベースに議論をして、プロジェクトマネジメントをしながら自分も成長していける環境があると思ったからです。
また、End-To-Endで支援できるというところに魅力を感じました。
コトラ吉田:
大手銀行に15年間勤務されたということですが、金融機関ではなくコンサルへの転職を選ばれた理由についてお聞かせいただけますでしょうか?
Y・M様:
銀行から別の銀行に移っても、結局は銀行業界の枠の中でしか物事を見られないからです。
コンサルの中でもFCJは、業界ごと縛りがなく、さまざまな領域のプロジェクトにチャレンジできるところに魅力を感じました。
コトラ吉田:
金融業界に対するこだわりは特にお持ちではなかったのでしょうか?
Y・M様:
年齢的なこともあり、マーケット的にどう見えるかは多少考えましたが、自分としてはこだわりはありませんでした。
コトラ吉田:
コンサルティング業界は未経験でのご入社かと思いますが、キャッチアップには苦労されましたか?
Y・M様:
お客さまの現場に入り込み、寄り添いながら伴走するというスタイルは、前職でも長年やっていたことなので、今のところは非常にマッチしています。
その中で、やり方やプロジェクトの性質が違うところに関しては、銀行での知識や経験が活かせる点も多くある一方で、システム部門は新しいテクノロジーをキャッチアップする必要があります。ただ、半分挑戦、半分今までの経験という感じなので、そこまで負担には感じていません。
コトラ吉田:
印象に残っているプロジェクトについてもお伺いできますでしょうか?
Y・M様:
これまでウォーターフォール開発のプロジェクトを担当することが多かったのですが、アジャイル開発のプロジェクトに携わらせてもらっています。
継続して機能を追加する開発をしているため、終わりはないのですが、コミュニケーション能力を最大限発揮して、頭をフル回転させながら推進する必要があり刺激的な環境です。
コトラ吉田:
では次に、N・H様お願いします。
N・H様:
私は新卒で国内の大手メーカー系SIerに入社し、主に公共系のお客さま(自治体、消防、電力会社、大学、ファンド系等)のシステム導入を担当していました。具体的には、ネットワークやインフラ系のシステム構築、映像・音響システムの導入、SaaS型Webアプリケーションの企画等に携わり、要件定義から設計・構築までの全体をPM支援しつつ、実際の構築作業にも従事していました。
様々なタイミングが重なり、転職を考えるようになった際に、エージェントの方からFCJをご紹介いただきました。
内定をいただく中で、当初は別の企業への入社も検討していましたが、多様な業界のお客さまと伴走しながら、幅広い経験を積める点に大きな魅力を感じました。
また、チームを自ら大きくしていくフェーズに携われることにも面白さを感じ、最終的にFCJへの入社を決めました。
コトラ吉田:
ご入社された当時、チームの人数はどのくらいでしたか?
N・H様:
2023年4月に転職したのですが、そのときは40人ぐらいだったと思います。
コトラ吉田:
他にも選考を受けていた企業はありましたか?
N・H様:
はい、受けていたのは別業界の大手企業で、サイバーセキュリティの専門家を目指していました。
実は、コンサルタントとして応募していたのはFCJだけで、自分でもコンサルタントになるとは思っていませんでした。
コトラ吉見:
コンサル業界の中でFCJしか受けなかったのには、何か理由があったのでしょうか?
N・H様:
転職そのものが勢いだったというのもありますが、当時はセキュリティの専門職志望だったので、そもそもジェネラリスト的なコンサル業界はあまり見ていませんでした。
コトラ吉田:
コンサル未経験での入社ということで、キャッチアップにはご苦労されましたか?

N・H様:
入社後すぐに「戦略系の案件に挑戦してみたい」とお伝えしたところ、実際に戦略案件にアサインいただいたのですが、私の場合は完全に未経験でしたので、FCJのコンサルタント基礎研修を1週間受けて、基礎を身に付けつつ、過去の勉強会の録画を見て、実際に自分で勉強をしながら案件に参画しました。参画後も、上司からおすすめの書籍を紹介いただいたり、さまざまなサポートを受けながらキャッチアップしていきました。
コトラ吉田:
アサインについてはコンサルタントの希望を汲んでいただけるのでしょうか。
N・H様:
はい。タイミングにもよりますが、やりたいこと等を事前にお伝えしておけば尊重していただけます。
実際にアサインの前には、その案件に先に入っているマネージャー以上の方との面談があり、案件の内容や進め方等を詳しく伺ったうえで、自分のスキルや経験と照らし合わせて、マッチしていればアサインされる流れです。
希望を聞いた上で実際にアサインできるかを判断してもらえるので、自分のなりたい姿を尊重してもらえます。
コトラ吉田:
最初に戦略案件にアサインされたということでしたが、これまでどのような領域を担当されてきましたか?
N・H様:
まだ入社してから2つしか案件を経験していないのですが、1つ目が銀行のIT人材計画の立案と、資産管理を整備するという案件でした。
ITの人材に関しては、Job Descriptionの作成と、中長期の要員計画立案等に行員の方と一緒に取り組みました。
資産管理に関しては、管理がほとんどできていない状態からスタートし、契約書を探し出して、全部Excelに入力するところから、行員の方と一緒になって業務を進めました。
2つ目の案件は、受発注システムの更改案件でした。
インフラを担当していた経験を活かして、インフラ領域を中心に、マスターや共通、販売統計領域の担当者の補佐として、PM的な立場で、業務ベンダーの進捗管理、課題や見積もりの作成、クラウドの選定、経営層向けの資料作成支援等を行いました。
コトラ吉田:
最後に、長谷川様お願いします。
長谷川様:
私が就職したのはバブルの絶頂期だったので、どこへでも就職できる時代だったのですが、メーカーや研究所等はあまり興味がなく、大手航空会社を選びました。
情報システム本部に配属され、グローバル通信ネットワークの企画を担当しながら、通信プロトコルやUNIX等には相当詳しくなり、技術を覚えたところで、官民交流の一環で中央省庁の通信関連部門に2年間出向することになりました。
当時はまだインターネットの黎明期だったので、今後のインターネットについて検討するメンバーの一員として、有名な方々との人脈も築くことができました。
また、役所だったため、法律にも詳しくなり、APECやG7、OECD等の国際的な電気通信政策の検討を担当する等、非常に面白い経験を積むことができました。
その後、外資系の大手コンサルティングファームに転職し、十数年にわたり多様なコンサルに携わりました。私は性分として人から言われた仕事をするよりも、自分で営業して回りたいタイプなので、営業する習慣が身につきました。
当時の所属先はまだ社員数500~600人規模と小さく、非常に身軽な会社だったので、希望した案件を担当することもできましたが、会社が大きくなるにつれてガバナンスが厳しくなり、国内外の承認を取る機会が増えてきたので、そういった息苦しさから日系のコンサルティングファームに転職しました。
当時はまだ小さい会社で、オーナーにさえ話せば何でもできました。
厳しさという点では前職以上でしたが、自身で営業も経験していたため、顧客基盤を広げていきました。
最初の頃はコンサルタントがあまりにも少なかったので、1年くらいは自分で全部担当していましたが、その後はチームメンバーを増やし、案件ごとに適切な人材をアサインするスタイルへと移行していきました。会社が成長し、3000人規模まで達したところで、やはり承認プロセスが息苦しくなり、2020年の4月末に退職しました。
コトラ吉田:
様々な組織の黎明期をご経験されていますが、ご自身で立ち上げられた現在のチームと比べて、何かギャップは感じますか?
長谷川様:
FCJグループ自体が自由にさせる風土があるので、非常にやりやすいです。
どのお客さまにアプローチするとか、単価をどうするとか、そういった制約は全くないので、全て自分で決めることができます。
元々自分が社長のつもりでこのチームを立ち上げるつもりだったので、全く違和感なく会社も自由にさせてくれるのはありがたいです。
本社のあるベトナムの風土なのか、現場に権限委譲する形で動いています。
コトラ吉田:
ベトナム側からの数字に対するプレッシャーはさほどないでしょうか?
長谷川様:
私が自分で中期計画や、年度計画を作っているのでプレッシャーは全くありません。
KPIや売上等も含めて、会社が求める水準以上に自分自身で野心的なプランを立てて、実際に一番高い成果を上げているので、特に干渉されませんし、社長も優しくとても働きやすい環境です。
チームの雰囲気やカルチャー
コトラ吉田:
チームの雰囲気やカルチャーはいかがでしょうか?

Y・M様:
前職と比べれば若い会社で、様々な業界から多様な方が来ているので、それぞれの専門性を尊重しながら役員クラスの方とコミュニケーションを取りやすく、自由闊達に過ごせる環境です。
また、年に何回かある飲み会で知り合ったメンバーとは直接連絡し、意見交換をしています。
M・Y様:
基本的には客先常駐がメインなので、「気になることがあれば話し合おう」という文化です。案件によってはリモート勤務もできますが、会社に来て直接顔を見て話すことは多いですね。
コトラ吉田:
オフィスに出社する頻度はどのくらいなのでしょうか?
M・Y様:
最優先はお客さまへのデリバリーなので、基本お客さまのオフィスに出社しています。
コトラ吉田:
全体での懇親会等はありますか?
長谷川様:
夏と冬にチームの経営報告も兼ねた懇親会を開催していて、全員で集まっています。
コトラ吉田:
年齢的に若いチームですよね?
長谷川様:
平均年齢は35歳くらいで、割合としては20代30代が一番多いです。
プロモーション(昇給・昇格)について
コトラ吉田:
昇給昇格等プロモーションに関しても教えていただけますでしょうか?
長谷川様:
定量評価と定性評価それぞれでクォーターごとに人事評価をしています。
稼働率や売り上げ、利益等は定量的な数字として評価されますし、各プロジェクトにおける上司からのフィードバックや、お客さまからの評価も踏まえて、総合的に判断します。年次評価自体は年末12月から1月にかけて行い、その結果をもとに2月頃に昇給、昇格が決定されます。
優秀な方であれば、毎年職位を1つ上げるということも実現しています。昇給についてはメリハリを付けており、大幅に上げている方もいます。
毎年の昇格人数は決めておらず、絶対評価のため、若手でも毎年昇給していくことが可能です。
入社後のキャッチアップについて
コトラ吉田:
未経験の方も多いということですが、育成環境についてはいかがでしょうか?
長谷川様:
OJTでしっかり成長していただきたいと考えています。
まだまだベンチャーのため、きっちりした研修カリキュラムが用意されていて、入社後1、2ヶ月みっちり研修をうけていただくというわけではありません。
未経験の方はまずOJTとしてプロジェクトに入ってもらいます。その中で必要に応じて、会社全体のコンサル研修やチームでのロジカルシンキング、コミュニケーション研修等に参加していただきます。
ただ、自らのパフォーマンスの低さを他責にせず、分からないことは自分で学ぼうとする姿勢を持っている方に来てほしいと思っています。
コトラ吉田:
チャレンジできる環境で活躍したいという方にとっては非常にいい環境ということですね。
長谷川様:
そうですね。「経験したことはないけど何とかなるでしょう」という前向きな捉え方をする方は大歓迎ですね。
コトラ吉田:
BPGではさまざまな業界・領域のプロジェクトがあると伺いましたが、キャリアとして、どのような専門性を高めていくイメージでしょうか?
長谷川様:
専門性を一点特化で高めるというより、ジェネラリスト志向の方が成長できると思います。
市場の動きやお客さまの予算状況によって案件の種類も変わるため、特定領域に特化して長くコンサルをやり続けるのはなかなか難しいと考えています。
シニアコンサルタントぐらいまでであれば、与えられたプロジェクトの役割の中できちんと仕事をこなして欲しいです。
一方で、マネージャー以上は、お客さまの支援をする中で、営業メンバーとうまく連携しながら会社やチームの拡大に繋げる動きをしてほしいと考えています。
グローバルプロジェクトについて
コトラ吉田:
グローバルプロジェクトに関しては、どのような取り組みをされているのでしょうか?
長谷川様:
チーム全体として、グローバル案件を積極的に獲得しようという戦略はありませんが、様々なプロジェクトを進めていくと、必然的にグローバル案件に発展するケースがあります。
現在も、グローバルの複数の拠点を連携するようなシステムの要件定義から、最後のリリースまでを行う超大型プロジェクトを粛々と進めています。
そういった案件にアサインされれば、海外出張や開発の主力部隊であるベトナムとの連携等、グローバルな経験を積むチャンスも大いにあります。
とはいえ、基本的には目の前の日本のお客さまに深く入り込んで支援する、ハンズオン型のコンサルティングを大切にしています。

M・Y様:
コンサルファームならではだと思うのですが、FCJはグローバルな働き方を作れると思っています。
例えば、私の場合は、お客さまの課題に対して、あるツールを用いたソリューションがはまりそうだなという時には、ベトナムの専門部隊と英語でコミュニケーションをとります。
また、マネージャー以上になると、支援先のお客さまにグローバル視点を求められることも多く、日本語だけで情報が完結するような案件は少ないため、手を伸ばせばすぐそこに海外があると思っています。
FCJは、ぱっと目の前に用意できるグローバル案件は現状そんなに多くはないかもしれませんが、グローバルな働き方を作れる素地は、おそらく他のファームと比較して遥かに多いです。ドアを開けてフロアに出たら皆外国の方ですし。
ベトナムに行くチャンスも定期的にありますし、グローバルな環境を自分で作り出してやろうという気概があれば、グローバルに働ける環境だと思います。
コトラ吉田:
日本以外にはどちらに拠点がございますでしょうか?
長谷川様:
欧米、中国、ベトナム等、30カ国、約90拠点に展開しています。
売上の構成比は、日本が40%、アメリカが30%、欧州が10%ぐらいです。
そのため、ベトナム側も日本市場を一番重視してくれています。
コトラ吉田:
日本市場を一番重視されているからこそ、AIの投資に多額の費用を投入するという話も上がっていると理解しました。
BPGの今後の展望
コトラ吉田:
これまでのお話と重複する面もあると思いますが、今後のBPG様の展望や実現していきたいことはございますでしょうか?
長谷川様:
今のスタイルをそのままに大きくしていくことによって、FCJ全体の業績にも、チームの業績にも、何より各社員の昇給や昇格にも寄与し、今の組織の三角形をどんどん大きくしていきたいです。
今後も今の仕事を愚直に進めていくだけかなと思っています。クライアントの数も、クライアントに入るコンサルタントの数も増やしたいです。
コトラ吉田:
現在金融系のクライアントが多い印象を受けましたが、金融業界に特化していらっしゃるのでしょうか?
長谷川様:
結果としてそうなっていますが、特定の業界にこだわっているわけではありません。
課題を抱えているお客さまに対して支援しているため、結果として今は金融が多くなっていますが、印刷、不動産、メーカーといった他業界のプロジェクトもどんどん増えています。
求められる人物像
コトラ吉田:
チームの構成について改めてお伺いしたいのですが、コンサル出身者や金融機関出身者等、幅広いバックグラウンドの方がいらっしゃると思います。実際に、どういったご経歴の方が活躍されているのでしょうか?
長谷川様:
コンサルファームの出身の人は割と多いですし、事業会社出身の人やSIer出身の人もいますし、経理だけを担当していましたというような方もいますが、特定の業界出身者が活躍しているというわけではなく、「何でもやってやるぞ」という思いの強い方のほうが全般的に活躍しています。
自分で仕事を取ったり、課題を見つけられる能動的な姿勢で臨むことができたりと、「ガツガツしている人」が活躍していると思います。
コトラ吉田:
面接でもそういったところを重視しているのでしょうか?
長谷川様:
そうですね。ただ1時間ぐらいの会話でそれを見極めるというのはなかなか難しいので、事前に受けていただくテストで、地頭や性格、志向性等を確認しています。あとは、ファーストインプレッションも重要です。
面接だと、皆さん準備して来られるのですが、準備して臨んで発する言葉はあまりこちらには響かなかったりするので、自分の言葉で喋ってくれる人の方が良いかなと思います。
コトラ吉田:
ITやデジタルに強い方のほうが活躍しやすい印象があるのですが、実際はいかがでしょうか?
長谷川様:
活躍できる1要素ではありますが、航空会社のグランドスタッフや商社出身者など全く異なるバックグラウンドから入社されて活躍している方も多いです。
やる気も大事ですが、「臨機応変に動く能力」も活躍に大きく影響すると考えています。たとえば上司から「こんな資料を作って」と依頼された時に、自分ですばやくカタチにして、積極的にレビューに回せるかどうか。そんな瞬発力が重要です。
コトラ吉見:
そういった素養がある方であれば、バックグラウンドはそんなに重視しないのでしょうか?
長谷川様:
はい、そんなに気にしないですね。
転職希望者へのメッセージ
コトラ吉田:
最後に、皆さまから転職希望者に向けてメッセージをお願いします。
長谷川様:
チャレンジ精神があって何でもやってみたい方、環境を変えて新しいことをやってみたい方はどんどん歓迎します。
M・Y様:
キザな言い方をすると、「俺ならまだやれる」という方には、すごく適した環境だと思います。
パートナーになりたい、昇進したいということではなく、単純に自分ならもっとできるんじゃないかという思いを持った方には、適した環境だと思います。私は実体験を通して実感していますし、大手にこだわる必要はないと思います。
Y・M様:
私は銀行から転職して、現在は障害対応等もしていますが、コンサルから転職した人は、銀行でシステム障害が発生した際の対処方法は知らないのではと思います。
事業会社出身の方もコンサル出身の方も、それぞれ違った形で活躍できるのがFCJの良さです。金融機関での経験を、異なる視点で活かしたいという方には、ぜひ一度挑戦していただきたいと思います。
N・H様:
私はFCJで働く中で実感していることが2つあります。
1つ目は、成長意欲がある人にとっては、自分の有りたい姿を実現するための選択肢がいくらでもあることです。
2つ目は、お客さまの側に入って仕事をするからこそ、直接お客さまから評価をいただけるため、大きなやりがいを感じられるところです。
未経験からの転職は不安もあると思いますが、足りない部分はこれからキャッチアップしていけばいいので、面白そうだと思ったらぜひチャレンジしていただきたいと思います。

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■業務概要
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もちろん、専門性を高めたい方は特定業界を中心にコンサルティングスキルを磨いていただくことが可能です。
・コンサルタントは、当社が支援する既存顧客(国内・海外の大手企業)や新規顧客に対する様々な支援プロジェクトに参画し、クライアントファーストのコンサルティング業務に従事していただきます。
【業務】
・業務内容は、経営戦略、事業戦略、DX戦略、業務高度化、事務効率化、CIOサポート、IT企画支援、システム開発・運用支援など多岐に渡っております。
・基本的には、一つのクライアントに100%アサインを基本としています。なお、若手であっても実力があれば、リーダやサブリーダなどのポジションにて業務を行うことも可能です。
【主なクライアント】
・国内・海外の金融業、製造業、流通業、通信・ハイテク業、エンターテイメント業など大手企業が中心となります。
ITコンサルティング会社での新規事業/テクノロジーコンサルタントの求人
■業務概要
・当社に、業界やソリューションセグメントを設けない1プール制によるコンサルタント及びテクノロジーコンサルタントの新組織を立ち上げます。
・テクノロジーコンサルタントは、国内外の大手企業への営業により獲得した様々なAI・テクノロジーに関するプロジェクトに参画していただき、クライアントのプロジェクト成功に向けたテクノロジー業務に従事していただきます。
・上位職のテクノロジーコンサルタントは、営業と一緒にビジネス拡大の営業活動に参画頂く場合もあります。また、全てのコンサルタントは、クライアントの現場における営業活動を通じて、陣容の拡大に向けた活動をすることが求められます。
・特定の業種やソリューションに偏ったプロジェクトアサインしかできない、ということはなく、幅広いプロジェクトに携わる機会を持つことができます。
【業務】
・プロジェクト内容は、DX戦略策定、デジタルプラットフォーム検討・活用、ITアーキテクト、CIOサポート、システム構築支援など、多岐に渡っております。
・基本的には一つのクライアントへの100%アサインを基本としています。
・上位職については、複数プロジェクトを兼務する可能性はあります。
・若手であっても実力があれば、リーダポジションの業務を行うことも可能です。
【主なクライアント】
・国内の金融業、製造業、流通業、等々多岐にわたる大手企業がクライアントです。
・メガバンク、大手都市銀行、大手保険会社、大手証券会社、大手物流会社、大手印刷会社、大手自動車会社、大手通信会社、大手ゲーム会社 等
コトラでは、業界動向やキャリアに関するご相談を無料で承る「キャリア相談会」を開催しております。
最新の採用動向や非公開求人情報をご提供するとともに、ざっくばらんな意見交換・ご相談を通じて、ご希望やお悩みに寄り添ったアドバイスをさせていただきます。
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登壇者紹介
ゲスト

FPTコンサルティングジャパン株式会社
執行役員
マネージング・ディレクター
長谷川 洋司 様
新卒で国内大手航空会社に入社。情報システム本部でのグローバルの通信ネットワークの企画業務、中央省庁への出向を経験。その後、大手グローバルコンサルティングファームに転職して十数年さまざまなコンサル業務に従事した後、日系独立コンサルティングファームでの営業業務を経て現職。BPGを立ち上げ、End-To-Endのサービス提供に貢献。

FPTコンサルティングジャパン株式会社
Business Producer Department
シニアマネージャー
M・Y 様
新卒で国内の大手証券会社系のSIerに入社。証券システム、分散系システムのインフラの運用保守、フロントアプリの開発等を経験した後、コンサルティング会社に転職。国内の自動車メーカー向けに、業務改善や新規業務の立ち上げ支援を担当した後、FCJに転職。現職では、AIを用いた課題解決プロジェクト等に従事。

FPTコンサルティングジャパン株式会社
Business Producer Department
マネージャー
Y・M 様
新卒でメガバンクに入行。2年間の営業業務、本部のWebシステム部門での約15年間のPMプロジェクトの推進業務を経て、FCJに転職。現職では、アジャイル開発プロジェクトの推進等に従事。

FPTコンサルティングジャパン株式会社
Business Producer Department
シニアコンサルタント
N・H 様
新卒で、国内の大手メーカー系のSIerに就職。公共系のシステムの導入を、要件定義から実際の構築まで幅広く担当。その後FCJに転職し、銀行のIT人材計画の立案と資産管理の整備案件、受発注システムの更改案件等の戦略からITまで幅広い案件に従事。
インタビュアー

株式会社コトラ
エグゼクティブコンサルタント
吉田 宗平
慶應義塾大学総合政策学部卒業後、外資系ITコンサルに入社。某総合商社向け業務システム刷新プロジェクト等に従事した後、コトラに入社。コトラ入社後は、コンサル転職、ポストコンサル転職を中心に、主にハイクラス層の転職・採用支援に従事。

株式会社コトラ
コンサルタント
吉見 春樹
大学卒業後、中部電力へ入社。高圧電力・特別高圧電力を受電する大口顧客に対しての法人営業を担当。顧客のカーボンニュートラル実現に向けたソリューション提案などを経験し、現職。