カスタマーサクセスとは?最新動向や未経験での転職についても解説

カスタマーサクセスとは?最新動向や未経験での転職についても解説
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28 - カスタマーサクセスとは?最新動向や未経験での転職についても解説

顧客が商品やサービスを利用することで、期待した成果や成功を手に入れられるように「顧客を成功に導く取り組み」である、カスタマーサクセスについて解説します。

カスタマーサクセスが重視されるようになった背景

カスタマーサクセスは、SaaS(Software as a Service)などのサブスクリプション型ビジネスの台頭により注目を集めるようになりました。
必要な期間だけ利用料を払う「サブスクリプション型ビジネス」においては、顧客の製品・サービスの継続的な利用が最も重要です。
収益の最大化のためには、製品・サービス利用を通して成功体験を与え、価値を実感することで、製品・サービスの継続利用を促すことが必要不可欠です。
そこで近年、顧客の成功体験実現に向けて伴走支援する「カスタマーサクセス」が重視されるようになったのです。
特に、大手企業や、クラウド企業、プラットフォーム企業では積極的に導入されています。

カスタマーサクセスとカスタマーサービスの違い

カスタマーサクセスとカスタマーサービスの最大の違いは、その目的です。

カスタマーサクセス・・・顧客の成功体験の実現
✔カスタマーサービス・・・顧客の課題・不満を迅速・効率的に解決

これらの目的の違いから、関わり方や求められるスキルも異なってきます。

カスタマーサクセスカスタマーサポート
目的顧客の成功体験の実現顧客の課題・不満を迅速・効率的に解決
関わり方能動的、継続的受動的、単発的
求められるスキル潜在的ニーズを先回りして予測するスキル迅速に課題、不満解決できるスキル
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カスタマーサクセスの仕事内容

カスタマーサクセスの具体的な仕事内容を紹介します。

  • サービスの導入サポート
    新しいサービスがスムーズに導入できるよう、アドバイスしたり業務フロー設計などを行います。
  • オンボーディングのサポート
    定期的なミーティング、使い方についての勉強会開催、メルマガやSNSでの情報発信を通じて、顧客のオンボーディングを支援します。
  • 契約継続のための利用促進
    LTV(顧客生涯価値)を最大化するため、積極的にサービスの利用を促進させるアプローチを行います。
  • アップセル・クロスセル
    アップセルやクロスセルを促し、購入単価を向上させてLTVを引き上げます。
  • 顧客の声をフィードバック
    顧客からの要望や不満などを社内にフィードバックすることで、より顧客のニーズにマッチしたサービスを作り出し、他社との差別化を図ります。

カスタマーサクセスのやりがい

カスタマーサクセスのやりがいを最も感じるのは、やはり、プロダクトの価値向上によって、顧客への貢献が実感できた時です。

成功の概念は、顧客によって様々で、それぞれの顧客に合わせて、総合的なアプローチを行うためには、幅広い業務が必要となり、容易ではありません。

しかし試行錯誤を重ね、粘り強く顧客に寄り添い続け、プロダクトの価値向上や顧客の満足を実感できたとき、さらに、成果が評価されて、契約更新に結びついたときの喜びはひとしおで、カスタマーサクセスとしてのやりがいを感じる瞬間でもあります。

未経験からカスタマーサクセスへの転職

「カスタマーサクセス未経験の人がカスタマーサクセスに転職することは可能なのか?」と疑問に思う方も多くいらっしゃると思います。しかし、未経験者や第二新卒者にも、カスタマーサクセスへの転職のチャンスは大いにあります。

その主な理由は、まず、カスタマーサクセスの需要が増えてきているからです。
SaaS企業の台頭や、新型コロナウィルスの影響を受けて、営業スタイルは、「売るまでが勝負」の時代から、「売ってからが勝負」の時代へと変化したためです。

また、現在のカスタマーサクセスの需要が高まりに反して、まだまだカスタマーサクセスに精通した経験者はあまりおらず、職業としての認知度もさほど高くありません。
このように、カスタマーサクセスの需要に対して、供給が全く追いついていない状況のため、未経験者や第二新卒者にもカスタマーサクセスの門戸は開かれており、十分にチャンスはある状況です。

カスタマーサクセスへの転職に有利となる資格

この項目では、未経験や第二新卒からカスタマーサクセスに転職する際に、有利となるスキルや資格を紹介します。もちろん資格がなくとも応募は可能ですが、より通過率を高めるという意味合いでぜひご参考にしてください。

カスタマーサクセスの資格・スキル

  • SUCCESSGAKO 実践カスタマーサクセス(主宰:SUCCESSLABO 弘子 ラザヴィ)
  • SUCCESSGAKO 認定カスタマーサクセス(主宰:SUCCESSLABO 弘子 ラザヴィ
  • Pulse + by Gainsight(主宰:Gainsight)

CRMやMAツールの資格・スキル

  • Salesforce 各種認定資格(主宰:Salesforce)
  • Marketo Engage認定資格(主宰:Adobe)
  • Hubspot認定資格(主宰:Hubspot)

ITの資格・スキル

  • ITパスポート試験(主宰:IPA 情報処理推進機構)
  • TOEFL(主宰:ETS)
  • IELTS(主宰:IDP Education)

統計学・ビジネス数学

  • 統計検定(主宰:一般財団法人 統計質保証推進協会)

カスタマーサクセスに向いている人

まず、カスタマーサクセスに向いている人は、顧客に寄り添って、顧客の成功体験のために、忍耐強く、尽力できる人です。

しかし、感情や感覚だけでカスタマーサクセスを進めようとしても、顧客が求める成功体験を実現することはできません。
データ分析などを行い、原因を客観的に判断して、論理的に考え、中長期的な視点を持ち、解決方法などを提案できる人がカスタマーサクセスに向いています。

また、カスタマーサクセスは一人で進めて成果を出す仕事ではないので、コミュニケーション能力に長け、チームワークを円滑に進めていける人に向いています。 

さらに、カスタマーサクセスという仕事は、まだ日本では導入されたばかりで、これからどんどん普及していく仕事です。そのため、新しいことを自分でどんどん進めていきたい、というチャレンジ精神旺盛な人が向いている仕事だと言えるでしょう。

カスタマーサクセスの年収

国内企業

カスタマーサクセス職を積極的に採用しているベンチャーやスタートアップ企業では、メンバークラスのカスタマーサクセス職は、平均年収はだいたい300〜500万円です。
一方で、メガベンチャーなどでは、平均年収は500〜600万になります。

また、リーダー職やマネージャー職など役職がついた場合には600〜700万となることが多いです。

しかし近年では、数十億といった巨額の資金調達をするSaaS等のベンダーも多く、予想以上に高い年収を得られるケースもあります。

外資系企業

外資系企業では、カスタマーサクセスの平均年収は、約800〜1500万円となります。

外資系企業では、高いパフォーマンスが求められますが、その分年収も高くなっています。日本でも、外資系企業がグローバルで提供している、Microsoft製品やGoogle製品などの、SaaSやクラウドツールを使う機会も増えてきており、外資系企業の採用活動は活発になっています。

グローバルに急成長中の「MT SaaS(Microsoft、Twillio、Shopify、Amazon、Adobe、Salesforce)」も積極的にカスタマーサクセスの採用を行っており、外資系企業でカスタマーサクセスとして活躍したい方にとっては、絶好のチャンスとも言えます。

カスタマーサクセスの動向と将来性

日本国内では最近注目を浴びるようになった「カスタマーサクセス」ですが、まだ認知度も低く、ノウハウを持っている企業が少ないのが実情です。一方ここ3年間で、「カスタマーサクセス」の求人数は約12倍に増加しています。これは、カスタマーサクセスが需要の多さに反し、供給がまったく追いついていないことを意味し、現在、市場価値が高いポジションの職種となっています。

現在、急成長を遂げているSaaSビジネスにおいて必要不可欠な「カスタマーサクセス」ですが、今後もSaaSビジネスのさらなる拡大に伴い、顧客の成功体験に大きく関わるカスタマーサクセスの需要や重要度は、益々高まると考えられます
これからカスタマーサクセスとしてのキャリアを積むことで、さらにその先の転職市場においてもその経験が有利に働くこととなるでしょう。

カスタマーサクセスのプロフェッショナル人材はどの企業でも必要とされているので、大企業からスタートアップまで、ご自身の経験と志向に沿ってキャリアアップしていくことが可能です。

カスタマーサクセスの最新求人情報

この記事を書いた人

KOTORA JOURNAL | カスタマーサクセスとは?最新動向や未経験での転職についても解説

加藤大政

[ 経歴 ]
福島大学経済経営学類卒業後、新卒でコトラに入社。入社前よりインターンとして、コンサルタント、リサーチャー業務を経験。現在は、ベンチャーキャピタル、データサイエンティスト、金融機関ITなどの領域を専門として、ミドル・ハイクラス層を対象に転職の支援を行う。

[ 担当業界 ]
ベンチャーキャピタル、データサイエンティスト、金融機関IT、IT業界、経営幹部人材(IT企画等)