アリックスパートナーズ 企業インタビュー

イントロダクション

アリックスパートナーズ。
1981年の創業以来、業績不振の企業の事業再生による企業価値の向上 ― ターンアラウンド ― に強みを発揮し続けてきたコンサルティング・ファームだ。

創業から36年経ち、グローバルでの従業員が1700名を越えた今日でもなお毎年二桁成長を続ける同社の強さの秘密とは何か?また少数精鋭で知られるアリックスパートナーズが求めるのはどのような人材なのか?

アリックスパートナーズのマネジングディレクターであり、日本共同代表である深沢政彦、野田努両氏に話を聞いた。

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企業インタビュー

2017年 スペシャルインタビュー vol.1

アジア共同代表 深沢 政彦 氏 / 日本共同代表 野田 努 氏 / マネージングディレクター

アリックスパートナーズ。1981年の創業以来、業績不振の企業の事業再生による企業価値の向上 - ターンアラウンド - に強みを発揮し続けてきたコンサルティング・ファームだ。創業から36年経ち、グローバルでの従業員が1,700名を越えた今日でもなお毎年二桁成長を続ける同社の強さの秘密とは何か?また少数精鋭で知られるアリックスパートナーズが求めるのはどのような人材なのか?アリックスパートナーズのマネジングディレクターであり、アジア共同代表の深沢政彦氏、日本共同代表の野田努氏に話を聞いた。

■ 深沢 政彦氏( Masahiko Fukasawa )
マネージング ディレクター アジア共同代表 兼 日本共同代表
2012年にアリックスパートナーズに参画し日本共同代表就任。その後、アジア共同代表に就任。アジア、ヨーロッパ、北米のさまざまな企業に対して経営/組織戦略、事業再生、事業ポートフォリオのリストラクチャリング、買収・合併後の統合、など広範囲に亘る分野でプロジェクトに従事。一橋大学経済学部卒業。マサチューセッツ工科大学スローンスクール卒(MBA)。訳書に『明日の世界を読む力』(東洋経済新報社 2005年刊)があります。

■ 野田 努氏( Tsutomu Noda )
マネージングディレクター 日本共同代表
2007年にアリックスパートナーズに参画後、TMT(テクノロジー、メディア、通信)を中心に、業績不振の国内大手企業のV字回復や、中国の生産拠点の再建、大手通信企業の海外買収、など数多くのプロジェクトを指揮。慶応義塾大学経済学部卒業。ハーバード・ビジネス・スクールにてMBA取得。著書に『プロフェッショナル・リーダー~難局を突破する9つのスキル』(ダイヤモンド社)、『企業再生プロフェッショナル』(共著 日本経済新聞出版社)。

1. 企業の本当に重要な時に役立つファーム ー 再生案件は2割

― 本日は両代表のインタビューの第2弾になりますが(前回インタビューはこちら)、あらためてアリックスパートナーズとはどのようなファームであるのかについてお聞かせください。

深沢氏:
アリックスパートナーズのブランドのタグラインは”When it really matters”というものです。つまり、企業が大きな経営上の意思決定に直面し、本当に重要な時にお役に経ちたいと考えているコンサルティング会社です。

会社の大きな意思決定とは具体的には、買収を通じて大きく成長を狙っていくとか、国内企業同士が合併するとか、あるいは逆に業績が何らかの形で落ちてきて自己変革をしなければいけないという時です。

深沢 政彦氏( Masahiko Fukasawa )
マネージング ディレクター アジア共同代表 兼 日本共同代表

― アリックスパートナーズというと、一般的には企業再生のイメージが強いですが、ファームとしての強みはどういったところにあるのでしょうか?

深沢氏:
我々は企業再生を強みとしていますが、全体の案件の中で法的破綻の再生案件は2割程度です。破綻再生に限らず、それ以外の分野、抜本的かつ大規模な業績改善や大型買収の実行・統合も得意分野としています。また企業間の解決しなければならない大きな問題、たとえば特許に関わる紛争、損害賠償、あるいは公正取引委員会から合併の承認を得るなど、抜本的な変革時に発生しがちな問題解決に関わる様々な業務も行っています。

野田氏:
大きな変革の様々な局面に対処できる人材は企業内には非常に少ないものです。それに対し、我々は豊かな実務経験を持ったエキスパートを沢山抱えています。たとえば再生を行える人材、企業の業績改善をリードできる人材、海外M&Aを主導できる人材など、かなり短いタイムフレームで複雑な案件を解決する計画作りから経営陣との合意形成、速やかな実行を行うことのできるプロフェッショナルが沢山います。

大変な局面では日常的には起きないことが突発的に起こるものですが、そういう時に我々を呼んで頂いて、プロフェッショナルがそれを解決していくというのが我々の存在意義です。

2. ステークホルダーを巻き込み、経営上の結果を出す

― もう少し具体的に通常の戦略ファームとの違いを教えて頂けますか?

深沢氏:
通常戦略コンサルですと、何かテーマを切り出してプロジェクトを設定し、そのプロジェクトに対して成果を出すという形で業務が進みます。しかしその方法ですと、残念ながらプロジェクトの成果が企業の業績、つまりPL(損益計算書)とBS(貸借対照表)に明確な形で現れてくるとは限りません。アリックスパートナーズのやっていることは正反対で、経営の結果を変えることを目的としたプロジェクトを行っています。

野田氏:
それに加え、スモールチームで動くという特徴もあります。マネジメント経験が豊かで、且つコンサルティングの経験を持つプロフェッショナルが少人数入っていって現場を巻き込むというスタイルです。

また戦略ファームは基本的にはPLしかみていません。しかし我々は企業再生が出自ということもあり、それ以外も見ます。企業再生で一番大事なのはキャッシュフローです。我々はキャッシュフロー、会社の健全の度合いを測るBS(貸借対照表)、そして稼ぐ力を表すPLの三方すべてを見ているのが特徴です。

野田 努氏( Tsutomu Noda )
マネージングディレクター 日本共同代表

さらに再生を出自としていることからいうと、アリックスパートナーズは色々なステークホルダー間の合意形成を得意としています。再生の時は、債権者、株主、サプライヤー、従業員、マネジメントなど様々なステークホルダーがおり、皆違う思惑を持つ中で一つの再生計画をまとめていきます。
企業の緊急性の高い状況では、同様のことが起きがちです。そうした状況に対する経験値が高いのは我々の強みだと思います。

― あくまでも企業再生は出自であり、強みは企業再生だけではないということでしょうか?

深沢氏:
大型の破綻再生案件では相変わらず当社が圧倒的なナンバーワンとして成長を続けていますが、そもそも破綻再生マーケットが急成長したら大変なことになります(笑)。私たちの強みは再生で培った色々な特徴を、再生以外の場面でも活かすことができることです。そしてそうした場面はどんどん増え続けてきています。

3. 急増する再生案件

― 景気がいい昨今も再生分野でも成長を続けているのですか?

深沢氏:
はい、そうです。確かに経済統計的には各国経済は全般的に悪くありません。ところがその割に給与水準は伸びていません。そのためマネーは潤沢であっても、消費が全体に伸びているわけではありません。国によっては人口動態の影響もあり、マーケットがすでにフラットになっているか、あるいは縮小してしまっています。個別業界で厳しい局面を向かえているところが増えてきていります。

そうした中、残念ながらアジアでは破綻再生案件が増える傾向にあります。その兆候は過去一年くらいに亘ってすでに出始めているので、アリックスパートナーズとしてもピュアな再生案件に対する陣容拡大も図っています。

― アジアには東京を含めて4つのオフィスがありますが、東京オフィスの方もアジアの再生案件にコミットしていくのですか?

深沢氏:
再生案件は間違いなく増えていき、我々へのニーズはかなり増えていくでしょう。それに加えて、再生の能力が役立つ局面も増え続けていくと思います。

― 再生の能力が役立つ局面とは?

野田氏:
再生には狭義の再生と、広い意味での再生があります。後者は、今のままでは会社の存続が危ういので、どこかで変わらなければいけないという危機意識を持って変革に臨む企業です。

アメリカでチャプター11(アメリカの倒産法の倒産手続)となると必ずアリックスパートナーズの名前が出てくるので企業再生のイメージが強いですが、実際には我々は表には名前は出ませんが、広い意味での再生事業もたくさん行っています。

4. リスクを取りながら難局をマネジメントする豊富な経験

― 再生色の強い案件については他社も力を入れていると思いますが、アリックスパートナーズはどのような点で差別化を図っているのでしょうか?

深沢氏:
一つには、アリックスパートナーズ自体が当事者としてリスクを取る会社であるということです。

当事者になるとは意気込みとか気合の話ではなく、法的にも契約書上もそうなる仕組みを持っているということです。よって一人ひとりのコンサルタントもリスクマネジメントに長けています。企業の緊急時にはスピードが要求されるので、すべてのリスクを潰していっては何も進みません。

アリックスパートナーズのプロジェクトでは、基本的な姿勢として、各コンサルタントがそれぞれの責任分野で自ら判断してプロジェクトを進めて行きます。各コンサルタントは、主体的な立場をとりながらも、必要に応じて社内外の専門家からも情報を集めアドバイスを求めることが期待されています。

野田氏:
企業が緊急性の高い難局を迎えたときに、我々は税務・法務、買収、ターンアラウンドなどのエクスパティーズをもった人材を企業に派遣します。こうしたプロフェッショナルを企業が自前で揃えるにはかなり時間がかかります。さらに、それらの個人をチームとして機能させる体制を作り上げるのは、難局に間に合わせる時間軸ではまず不可能です。

アリックスパートナーズでは、そうしたプロフェッショナルがチームとして機能するために長年培ってきたカルチャーがあります。それを我々はコアバリューと呼んでいるのですが、コアバリューも含めたビジネスモデルを、日本だけではなく、アメリカ・欧州と脈々と36年かけて作り上げてきました。こうしたものはレポートライティングを主体としているリサーチ系のファームがいきなり真似しようと思ってもできるものではありません。

5. 定量的に分析し、V字回復を実現

― 具体的にはどのような案件を扱っているのでしょうか?

野田氏:
業績不振企業の立て直し、特に抜本的な構造改革を伴うような案件が最近増えてきています。そうした場合、我々はまず「クイックストライク」と呼んでいる初期診断を行います。通常6−8週間くらいかけて、その会社がどのような状態にあり、何が問題点であり、何を変えなければいけないのか、変えた結果どれくらいの改善が見込まれるかを定量的に出します。そしてどの改善施策を行ってV字回復させるのかという優先順位を決めます。

その上で経営陣、株主、金融機関などのステークホルダー間の合意形成を行います。たとえばこれだけの回復が見込めるので、特損を出すことの了承をステークホルダー間で取り、抜本的な構造改革に加え、業務の効率性改善や広範なコスト削減、営業改革による売上拡大などの一連のV字回復プログラムを作成します。。そのプログラムの実行に必要な合意がステークホルダー間で形成されたら、速やかに実行し、具体的な結果を出していきます。その期間は半年から1年位というのが典型的なケースです。

深沢氏:
業務内容は本当に多岐に渡っております。たとえばジョイントベンチャーの解消の場合、解消の交渉をしながら日々のキャッシュフローのマネジメント(入金と支払いの管理)をし、同時にマーケットから撤退する会社に変わる新たなスポンサー探しをすることもあります。

また国内の生産拠点を半数近くまで減らし集約しなければ競争力を維持できないという状況であれば、残す工場の選定から始まり、残した工場の生産ラインのデザイン、行政の許認可、新たな配送網の構築などすべてを設計します。

野田氏:
いずれの作業も数字に紐付いているのが特徴です。固定費を下げればいいというコンセプト的な話だけで終わらせることはりません。固定費のどの部分のどの項目をどうやって減らせばどれくらいのインパクトがあるかというところまで提示して、やるかやらないかを決めて頂きます。

回復の過程の中で痛みを伴う抜本的な施策をいくつか行わなければならないことがあります。そうした場合、一時費用がどれくらいかかり、その結果業績がどれくらいよくなるかを定量的に分析して計画の判断に入れます。それが我々のこだわりです。

6. アリックスパートナーズの6つのコアバリュー

― 先ほどコアバリューの話が出ましたが、アリックスパートナーズは「共通の価値観」を非常に重視している印象を持っています。「共通の価値観」について教えてください。

野田氏:
アリックスパートナーズには6つのコアバリューがあります。

一つ目がプロフェッショナリズム。アリックスパートナーズの一人ひとりが一人前のプロフェッショナルとしての挟持をもって仕事に臨んで欲しいということです。

次がコミットメント。どんなにつらい局面でも、仕事をやり遂げる意思です。我々の仕事は目に見える結果を出すことがほとんどで、大きな困難を伴うことが一般的です。その困難に正面から立ち向かい、完遂させる強い意思の力必要となります。

それからチームワーク。アリックスパートナーズでは個人がいくら優秀であっても、チームの力には敵わないと考えています。1+1を3にも4にも5にもなることを信じ、それを実現させるためのチームワークスピリットを重視しています。

そしてコミュニケーション。チームワークを成立させるためにも必要ですし、クライアントに対しても言うべきことはきちんと言うということです。特に企業が直面する緊急事態を克服するためには、遠慮している時間はありません。直裁な物言いで正しいことを言わざるを得ない場面も数多く起こります。

次がパーソナルリスペクトです。お互いを尊重しあうということです。アリックスパートナーズでは、アソシエイトなどの若手も一人前のプロとして扱います。その代わりプロとしての仕事を要求します。そしてそのような信頼関係の上にお互いをカバーし合っています。

最後がコモンセンス、常識です。日本の常識のみならずグローバルの常識もきちんと持ち、それに基づき素早く適切な決断を素早く行うことが私たちの仕事ではポイントとなります。

これらのコアバリューをグローバルで共通の認識として持つことが徹底されています。そのため、真の「One-Firm Firm」として機能することができています。例えば、困ったときにはグローバルの全員にメールを送って、関連する知識や経験を持つメンバーがすぐさまレスポンスしてくれる、などがその一例です。

深沢氏:
「One-Firm Firm」を表すことのもう一つが、ファーム全体のミーティングです。昨年は米国でファーム全員(1,700名)が参加するAll Firm Meetingが有りましたし、今年はアジアと欧州の全員がアテネで共同のミーティングを開催しました。アリックスパートナーズの一人ひとりがグローバルファームの一員であることの思いを強めると同時に、グローバルでのネットワークを広げるよい機会になったと思います。

野田がご説明した6つのコアバリューの中で「どれが一番重要か?」というアンケートを社員に取ったとしたら、「コモンセンス」を挙げる人が多いでしょう。僕もその一人です。コモンセンスという言葉には二つの側面があります。まず周囲にコモンセンスを共有してもらえるように色々な形で働きかける、コミュニケーションを取るということがあります。また、個人としては自分がこの会社のコモンセンスをもって自らジャッジして進んでいくという側面もあります。それは自らが任されている証でもあるので、コモンセンスという価値観が好きな人が多いんです。

アリックスパートナーズでは、アソシエイトなどの若手だからといって誰かの下に入るというような働き方はさせません。自分の責任分野を一人でもってもらう場合がほとんどです。ですからすべての社員には全社と共通の能力や価値観を持って頂き、その場その場でジャッジして進んでもらいたいと思っています。またそのような素養のある人に入社して頂きたいです。

― 皆さん多忙の中、どのようにしてそうした価値観を共有していっているのでしょうか?

深沢氏:
アリックスパートナーズは非常にしつこい会社です。やるとなったらとことんやります。人から人への直接のコミュニケーションで伝えていくのが一番ですが、グローバルで1,700名以上の規模になってきていますので、システムも必要です。

入社のときもコアバリューについての話もしますし、プロジェクトを行うときもコアバリューに則って、こういうところが素晴らしかったというようなフィードバックを行います。 また半年・年間のパフォーマンスレビューをする場でも、一人ひとりに対して6つのコアバリューのそれぞれの観点からどう見えたかを伝えていっています。しつこくリマインドしています。

7. アリックスパートナーズの求める人材像とは?

― アリックスパートナーズは、どのような人材を求めているのでしょうか?

深沢氏:
三点ほどあります。
1つは、何かの分野で一定の専門性を一定レベル持っていて欲しいと思っています。そうした専門性を指向する人がいいです。現在の専門性の水準がすぐに使い物にならなくても、専門性を蓄積し続けて自分を高められることは重要です。

2つ目は、人ときちんとコミュニケーションをとって、密な人間関係を築き上げながら仕事するというスタイルがとれるオープンな方。

3つめの要素は、ある程度ストレスフルな環境での仕事が多いのでオンオフを上手に作りながらコミットメントを継続できる方です。

野田氏:
私の方からも2点。
一つは、自分の役割を枠にはめない人です。緊急性の高い事象を扱うので、自分の役割を枠にはめてしまうと、次から次への起きうる色々な事に柔軟に対応ができなくなります。ある程度の大局観を持ちながら現場感覚を持って入っていける人がいいです。当然、若手の方が入社後すぐに仕事をこなすことは難しいと思いますが、社内でさまざまなトレーニングやコーチングを行う体制を整えていますので、ぜひ心配せずにチャレンジして頂きたいと思います。

もう一つが、素直な人です。自分の足りないところを素直に自己認識できて、強化すべきところに率先して取り組む方は成長のスピードが早いです。弊社の若手アソシエイトを見ていても、マネジメントからのフィードバックを素直に真摯に受け止め、実践で変えていくという取り組みをしている人は成長のスピードが早いです。

8. 自分の持っているスキルを足がかりにスタート

― スキルセットの面はいかがでしょうか?

深沢氏:
理想的には3つの要素があります。事業会社経験のある人が持っているオペレーション的要素、PLだけでなくBSもわかっているファイナンス的要素、そしてコンサルティング的要素です。この3つが備わっていれば最強ですが、一つだけでもなにかしらの素養があればスタートとしてはいいと思います。

コンサル経験もないし金融もわからないけど、事業会社で海外の工場の新設の時に頑張って新しいものを作り上げてきた人や、実際のオペレーションはやったことのないけれども、銀行に勤め取引先のBSやPLはたくさん見てきており、オペレーションもできるようになりたいと思っているような人などもいいですね。

野田氏:
先程もお話がでましたが、我々東京オフィスはアリックスパートナーズというグローバルファームの日本における拠点というだけで、日本国内の案件を取り扱うためにあるのではありません。世界中の専門家でチームを編成することもありますので、入社をして頂くと北米、欧州、アジアなどさまざまなオフィスと密に連携を取ることが求められます。

そういう意味でコミュニケーション能力、英語力は必須です。英語はネイティブである必要はありませんが、自分の考えを端的に述べ、先方の言っていることを大体理解して腹落ちさせるレベルは必要です。

深沢氏:
英語も含めた能力で足りないところは、入社したら伸ばしたくなってきます。そして会社としてもそうした能力を伸ばすことを積極的にサポートしています。

9. コンサルタントの成長にコミットするサポート体制

― サポートを含めた育成体制について聞かせてください。

深沢氏:
社員一人ひとりにキャリアコーチがアサインされます。キャリアコーチは様々な相談にのりサポートします。たとえば野田の申し上げた語学力で言えば、英語力を伸ばすためにオンライントレーニングを勧めたり、そのための会社からの支援を得るように助言したりします。キャリアコーチはグローバルのタレント・マネジメントチーム、いわゆるHR、や当社の経営陣とも情報を共有していますので、実践的な英語力を伸ばすべきだと判断したら海外のプロジェクトに参加してもらうようにすることもあります。

野田氏:
タレント・マネジメントチームは、各コンサルタントの成長には強くコミットメントしています。

どういう強みがあって、どういうデベロップメント・ニーズがあるか、トレーニング、OJTでもプロジェクトリーダーにも「こういうところに成長の余地があるから、そこに特に目を配って欲しい」「こういう指示の出し方をして欲しい」などとかなりきめ細かく指示を出しています。

トレーニングはマス向けのものを消化していくタイプのものではなく、個別に設計していっています。

10. 労働市場で極めて価値の高い人材に成長

― 入社後も成長が見込める環境ということでしょうか?

深沢氏:
はい、そうです。業務自体も成長につながります。
世の中一般のコンサルティングのプロジェクトは、やるべきことの意思統一が取れている中で行われます。そういう状況を作り出してから臨むようにするのが成功要因となります。

ところが、アリックスパートナーズの関わる案件の半分以上は指揮命令系統がはっきりしておらず、異なる目的・様々な意見を持った複数のステークホルダーがいます。

たとえば破綻再生についていえば、その会社の事業を担当している人もいれば、取引先もいるし、銀行、その他の債権者などがいます。それぞれのプレイヤーに対するベストのアンサーは違います。「何とかみんながまとまる案を作ってくれ」というくらいのコンセンサスしかありません。

複雑なステークホルダー間のニーズや利害関係を理解して調整し、その事業を生きながらえさせるのに、再生させるのにベストな解を見つけていくという能力が必要です。

この能力は事業会社で何か大きなことを成し遂げようとした時に本当に求められる能力です。

ですから我々の人材が事業会社に引き抜かれることもあります。しかも日本有数の大企業の最年少の部長、事業部門の責任者ということもままあります。本来は優秀な社員が引き抜かれるのは痛手なのですが、我々としても誇りと思うしかないような待遇で引き抜かれることもあります。

野田氏:
プロジェクトの中でも「暫定経営陣」としての機能を担うことがかなり多くあります。 たとえば調達ならChief Procurement Officerというタイトルを頂いて、前面に立ってサプライヤーと交渉を行っていくのですとか、暫定人事部長として人員削減の陣頭指揮を取るというようなこともします。実行できるかどうかで、企業が生き残れるかどうかが決まる瀬戸際です。

そのような緊急事態を経験した人は通常会社の中にあまりいないので、経験豊富な我々がそれを補完する形で人材を派遣しています。そういう人材は労働市場の中で、極めて価値の高い人間なります。

11. 一次面接は代表自ら

― 採用はどのようにしているのでしょうか?

深沢氏:
よく驚かれるのですが、余程のことがない限り99%最初のインタビューは僕か野田が行います。お互いの時間を無駄にしたくないですから、お互いに情報交換し、その時点でできる限りの判断をします。

またインタビューはお互いを知り合う場面だと考えているので、決して裏にアジェンダを隠し持って採点するというようなことはしません。オープンに「こういうところにギャップがあるように感じたけれども、どうでしょう?」といったような形で聞き、意識合わせをするスタイルで行います。

野田氏:
アリックスパートナーズは大人の会社だと自負しています。コアバリューにもある通り、パーソナルリスペクトの意識が徹底されているので、どの方であっても一人前のプロとして扱うという意識は相当高いと思います。それはインタビューでも同様で、お互いプロ同士で真摯に会話した上で一緒に働けるか判断することが必要だと考えています。

― その他の選考過程は?

深沢氏:
選考過程はできるだけ短くするよう心がけています。インタビューを数名が行い、アセスメントを行います。

12. 性格面を丁寧にフォローするアセスメント

― アセスメントとは?

深沢氏:
性格テスト的な筆記試験です。我々のコアバリューに合っている人か、我々が対峙するであろうプロジェクトに向いていると思われる人かどうかを確認するためのものです。

これは全員が受けるテストで、僕も野田も受けています。入社後もそれに基いてフィードバックをもらいます。個人のサマリーと会社全体の結果を見せてもらいながら、あなたのこういうところがアリックスパートナーズにぴったりだとか、あなたのこういうところはユニークなので新しいバリューを吹き込んで欲しい、ただしこういう寂しさを覚えるかも知れないので気をつけて欲しい、というようなガイダンスをもらいます。

年間のパフォーマンスレビューでも、どんなアドバイスをするのが成長につながるのかを議論したり判断する材料に使います。ちょっとした問題にぶつかっている人がいれば、こういう悪いサイクルに入っていないかなどのチェックに使っています。

野田氏:
アリックスパートナーズでは性格面をとても重要視しています。今申し上げたアセスメントは、36年前から会社の中で作ってきたもので、改善に改善を重ねているものです。分析結果を見るアセスメントチームの心理学者が評価します。

たとえば普段は大丈夫だが、ストレスが極端に高い状況だとこういうことをする危険性がある、といったようなところまでフィードバックが来ます。

13. 一人称で、オーナーシップを持って取り組む

― どのような方がアリックスパートナーズに向いていると思いますか?

野田氏:
一言で言えば、「在り来たりのことに満足できない方」です。我々の仕事は、企業が抱える問題について「レポートを書くこと」ではなく、「その問題の解決に向け必要な解決策を提示し、ステークホルダー間で合意形成を行い、実際に改革を実現すること」です。改革の手法は様々で、企業ごとの特殊事情を勘案し、詳細にカスタマイズされたものです。抜本的な事業改革から、クロスボーダーの企業買収まで、同じケースは二つとなく、常にチャレンジの連続で、しかも毎回それを成功に導かないといけない。そのような刺激に満ちたプロセスを楽しみながら、ご自身の得意技を磨いていける方が、アリックスパートナーズにはふさわしいと思います。

深沢氏:
「何かを学びたい病」の人は向かないです。ただのお勉強はどこか別のところでやった方がいい。むしろ自ら積極的にアリックスパートナーズのプロジェクトや社内の様々な活動に取り組むことによって、自分の意識が広がり、結果として学べることはとても多いです。目の前のチャレンジを楽しめるメンタリティーを持っている方が向いています。

14. 「うちの会社を救ってくれてありがとう」

― 最後にアリックスパートナーズを目指す方に一言。

深沢氏:
アリックスパートナーズを受ける時は、ある程度ここで何を成し遂げたいかを明確にしてもらえるといいかと思っています。何かを成し遂げるということは究極的には自分はどんなインパクトを与えたいかということです。人によっては世の中にインパクトを与えたい人もいるでしょうし、関わったグループに対するインパクトということもあるでしょうが、目的意識を持っていないとキャリアは長続きしません。

僕はコンサルティング業界をこの20年間あまりイノベーションの起きていない業界だと思っています。その中アリックスパートナーズで成し遂げたいのは、コンサルタントの一人ひとりがユニークな価値を認められて活動することのできる「最先端」のコンサルティング会社を作ることです。すでに欧米では、アリックスパートナーズが行ってきた新しい事業モデルが証明されています。

それを日本のみならずアジアでも皆さんと実現できたらうれしいです。

野田氏:
アリックスパートナーズは、企業が緊急性の高い難局に入っていくことが圧倒的に多いです。困難を乗り越えて、プロジェクトを成功裏に終えた後に、企業の経営陣や従業員、株主などから、『うちの会社を救ってくれてありがとう』といってもらえるのは大きな喜びです。成功と失敗がはっきりしている厳しい世界ではありますが、我々はそれを成功で終わらせています。そしてそれはとても大きな喜びであり、やりがいとなります。アリックスパートナーズはそれが味わえる会社です。

― どうもありがとうございました(了)

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2017年 スペシャルインタビュー vol.2

種田 毅 氏

■ 種田 毅氏( Tsuyoshi Taneda )
種田毅 氏。東京大学法学部卒業後、三菱東京UFJ銀行に入行。同行で法人営業・米国派遣・産業アナリスト等を経験した後、アリックスパートナーズに参画。アリックスパートナーズでは、ハンズオンで業績改善やターンアラウンドを支援するプロジェクトを数多く経験。アリックスパートナーズ卒業後、事業会社に転職。事業開発チームのエグゼクティブマネージャーとして活躍中。

― アリックスパートナーズ入社前のご経歴についてお聞かせください。

種田氏:
新卒で三菱東京UFJ銀行に入行し、法人営業・米国派遣・産業アナリストを経験しました。銀行には約5年間勤め、金融面から企業の成長や業界再編を支援する経験を積みました。

― キャリアチェンジを考えるようになったきっかけは何だったのですか?

種田氏:
銀行で米国に派遣された際、現地の経営幹部やエリアマネージャーの極めて強いリーダーシップや大変優れたコミュニケーション力に、自分との圧倒的な差を感じたことがきっかけです。

彼らの話を聞いていると、かなり若い内から銀行で責任あるポジションを任されたり、コンサルティング会社等のプロフェッショナルファームで重要なプロジェクトをリードする経験を積んでいたことが分かりました。

こうした中、私はこのまま銀行に勤めて出世を目指すのか、若い内にリスクをとって外に世界に飛び出しプロフェッショナルとして生きる道を選ぶか、真剣に考えるようになりました。

考え抜いた結果、辿り着いた結論は後者でした。若い内にあえて厳しい環境にチャレンジした方が格段に成長できる、そう考えて転職活動をスタートしました。そして、様々な会社が存在する中で、クライアントの事業の本質を深く理解した上で経営に近い立場からより直接的に支援できる、経営コンサルティングファームに強く惹かれるようになりました。

― 最終的にアリックスパートナーズを選んだ理由を聞かせてください。

種田氏:
数ある経営コンサルティングファームの中から、アリックスパートナーズを選んだ理由は大きく3つあります。
まず1つ目は、戦略や計画の策定のみならずハンズオンで実行をサポートし、PL・BS・CFの改善やM&Aの成功といった目に見える成果の実現までコミットし支援できるところです。

2つ目は、ターンアラウンドの領域でグローバルトップファームであり、JALやGM等の日本や世界を代表する企業の再生を成功に導いた実績があり、それを実行した多くのシニアプロフェッショナルが存在することです。

そして3つ目は、グローバルワンファームであり、海外のプロジェクトへの参画機会や海外のコンサルタントとのインタラクションが非常に豊富にあるため、グローバルなプロフェッショナルとして成長できることです。

難局に直面している企業の業績改善を直接的に支援し成果を実現できる人になりたい、との銀行に入社した時から抱いていた想いを、アリックスパートナーズでなら実現できると感じました。また、仕事は非常にチャレンジングですが目標を達成した時のやり甲斐は計り知れないものがあると確信し、入社を決意しました。

― アリックスパートナーズで最初に経験したプロジェクトについて教えてください。

種田氏:
アリックスパートナーズに入社して最初のプロジェクトは、ある日系企業の業績改善プログラムの策定と実行支援でした。そこでは、任される仕事の範囲からスピード感、期待される成果まで、全てが自分の想定とは別次元でした。何とか成果を出そうと努めたものの、結果的には全く上手くパフォームできず打ちのめされました。

そのショックから冷めやらぬ間に、別の日系企業の構造改革プロジェクトで実行の陣頭指揮を執るよう命を受けました。入社半年でこれまでプロジェクトをひとつしか経験していない弱冠28歳のときでした。とんでもないプレッシャーに襲われましたが、それはブレイクスルーにも繋がりました。

プロジェクトでは、クライアントに貢献したい一心で誰よりも深く考え抜き、迅速に必要なアクションを導き出しクライアントと一体になって実行していった結果、次第に目に見える成果が出始めました。そして、最終的にプロジェクトは大成功に終わり、クライアントの経営陣・プロジェクトメンバーからも大変感謝して頂けました。

ここで成長のきっかけを掴んだことで、その後のプロジェクトでも重要な役割を任せてもらえるようになり、自分が期待していたよりも極めて短期間で飛躍的に成長することができました。

― 入社後に感じたアリックスパートナーズの魅力を教えてください。

種田氏:
様々な面でユニークなファームだと思いますが、若手の観点から特に挙げるとすれば次の3つです。

まず1つ目は、かなり若い内からリーダーシップをとる経験を積み重ねることができることです。アリックスパートナーズは、経験豊富なシニアコンサルタントを中心とした大人の会社です。そのおかげか、若手コンサルタントであっても年齢やポジションに関係なく一人のプロとして扱われます。そこには当然厳しさもありますが、重要な仕事を任せてもらえることで、高い目標に自らがリスクをとってチャレンジする喜びや大きなやり甲斐を味わうことができます。

私自身、ある日系企業の構造改革プロジェクトの陣頭指揮や海外工場移転プログラムの全体設計を任された経験などを通じて、コンサルタントとしても人間としても飛躍的に成長することができました。他のコンサルティングファームでもある程度の仕事は任せてもらえると思いますが、アリックスパートナーズでは任される仕事の範囲・深さ・期待成果の次元が全く違います。

2つ目は、経験豊富なシニアコンサルタントによるOJTやフィードバックを通じた成長機会が、他のファームとは比較にならないほど充実していることです。オフィシャルなフィードバックやカジュアルな面談などを通じて、シニアコンサルタントならではの情と理を組み合わせたフィードバックをもらえる点は、アリックスパートナーズの大変優れたカルチャーの一つです。

3つ目は、一人ひとりのコンサルタントが6つのコアバリュー(プロフェッショナリズム、コミットメント、チームワーク、コミュニケーション、パーソナルリスペクト、コモンセンス)を常に意識している点です。一人ひとりのコンサルタントが、プロジェクトの成果にコミットするだけでなく、クライアントやチームメンバーとのコミュニケーションや関係構築に非常に強く配慮している点も、アリックスパートナーズ特有の大人のカルチャーを形作っています。

― 種田さんはアリックスパートナーズ卒業後、事業会社に転職されました。アリックスパートナーズでの経験がどのように活かされていますか?

種田氏:
アリックスパートナーズ卒業後、私は事業会社のエグゼクティブマネージャーとして事業開発に取り組んでいます。この仕事は私にとって未経験の領域ですが、アリックスパートナーズ時代にプロジェクトの都度迅速にキャッチアップし最終的には成果を出すということを何度も経験していたため、全く躊躇することなく挑戦できています。

また、アリックスパートナーズで養った徹底的なプロフェッショナリズム、混沌とした現場を再生に導くリーダーシップ、当事者意識を持って物事を考え抜く姿勢等は、どのような会社においても、あらゆる局面で適用できる普遍的なスキルだと感じています。私がこのようなスキルを短期間で体得することはできたのは、アリックスパートナーズで若い内から重要な役割を任せて頂き、ハンズオンで実行支援する経験を積むことができたからだと思います。バンカーからのキャリアチェンジを考えた際に、アリックスパートナーズでチャレンジする道を選んで良かったと心底思います。

― 転職を考えている方へメッセージを。

種田氏:
金融機関や事業会社で働いている方の中には、「戦略や計画の策定のみならず実行まで支援し目に見える成果を実現したい」、「クライアントのターンアラウンドやM&Aを成功に導きたい」、「若い内からグローバルなフィールドでチャレンジングな仕事がしたい」といった高い志を持っていても、ご自身のポジションや企業風土が原因で実現に結びついていない方も多いと思います。

そのような方々には、アリックスパートナーズはピッタリのフィールドだと思います。また、コンサルティングの経験がない方でも、ご自身の事業領域に関する深い知見や定量分析・ファイナンス等の優れたスキル、プロジェクトをリードして成果を出した経験や企業の変革をサポートした経験等があれば、そこで習得したスキルはアリックスパートナーズのプロジェクトにおいても必ず活かすことができます。

そこに、アリックスパートナーズで必要とされる問題解決の高い素養や人を動かすリーダーシップ、プロジェクトマネジメント等のスキルを付加することで、ご自身の強みを飛躍的に伸ばすことができると思います。これまでお伝えしたような魅力に共感される方は、是非アリックスパートナーズに参画して頂きたいと思います。

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2013年 スペシャルインタビュー

アジア共同代表 深沢 政彦 氏 / 日本共同代表 野田 努 氏 / マネージングディレクター

1.有事の企業を『暫定経営陣』として立て直すプロフェッショナルファーム、アリックスパートナーズ

Q:貴社と他のコンサルティングファームとの違い、貴社がお客様に提供している最大の価値は何でしょうか?

野田氏:
私たちアリックスパートナーズがお客様に提供している価値の特徴を一言で言い表しますと、『暫定経営陣』です。
アリックスパートナーズは、クライアント企業が今まで直面したことのないような緊急性の高い「有事」の際に、一時的なCレベルのマネジメントや事業部長などの役割でクライアント企業の一員となり、改革を実行していきます。

「有事」でも、企業内にそのような状況に対応したことがある人材が不足している場合に、我々が補完的にキーポジションに入り、暫定経営陣としてやるべきことを実行します。暫定経営陣には、最初から正式な役職を与えられて入る場合と、プロジェクトを実行していく中で、自然と企業の中での実行をリードする役割が与えられる場合の二通りがあります。いずれの場合も、企業が直面する緊急性の高い課題を迅速に解決していくという位置づけは変わりません。

企業が破綻に向かう時、多くの場合に急速に業績が悪化しますが、その予兆を適切に察知して、危機感を持つことができる企業は少ないものです。その予兆を見逃し、状況の悪化を放置した結果、取りうる戦略の打ち手が少なくなり、さらに業績の悪化が加速度的に進んでいくことになります。
我々はそのような企業を数多く見ておりますので、クライアント企業がどのようなステージにあり、どのような手を打つべきなのか、概ね見当がつきます。このように本当の「有事」になる前に我々が企業の内部に入って、予め打つべき手を打つというケースがあります。これをアリックスパートナーズでは予防的再生と呼んでいます。

深沢氏:
会社全体が存続の危機に瀕している場合は、当社が依頼を受ける典型的なケースです。破綻企業の再生がアリックスパートナーズの出発点であり、現在でも主要事業の一つでもありますし、その業界の中で当社は圧倒的ナンバーワンのポジションを占めています。

しかし、クライアント企業から、企業再生で用いられる考え方や手法をもっと広く活かしてもらいたいという要望も沢山頂いております。例えば、会社全体は健全でも子会社の一つが有事にある場合や、大型の買収や投資を実行した後に戦略のアライメントや生産拠点・営業拠点の再編統合・オペレーションの最適化を行う場合などは、企業再生と同じプロセスを踏むことになりますので、我々にお声掛け頂くことも多いです。

2.危機に陥る企業は、『甘い見立て』が多い

深沢氏:
『甘い見立て』というのが、業績不振企業の共通の症状です。
破綻に至った企業の中期経営計画のテーマを追いますと、本当に目に見えて数字が悪化する5年以上前の時点から、課題認識の甘さ、対策の甘さが滲み出ていることがわかります。

最初は経営構造改革・事業構造改革を謳うケースが多いです。その時点でアクションをとる企業は良いのですが、その後苦境に至る企業はそこで実質的なアクションをとりませんので、中計テーマと実際の数字を見比べると、経営数値が改善されないという状況になります。

例えば生産キャパシティと従業員数が変わらず、売上は急減していく。結果として利益が出ませんから、内部留保を吐き出すというサイクルに陥ります。

その次の段階になると従業員の削減や、海外拠点の再編集約を謳いつつ、一方で将来への布石として新たな事業創造といったものが中期経営計画のテーマとなります。実際に数字を見ると、この段階でも従業員数はほとんど減らず、事業の取捨選択も一番末端の事業を売却するに止まり、問題の根源はそのまま存続してしまうという状態が続きます。 結果を追いますと、見立てが甘く、意味あるアクションがとられない状況が続いているのです。

ですからアリックスパートナーズにお声が掛った際に最初にお見せするのは、痛いぐらいの現実です。脂汗が出るくらい、現実をじっくり再認識することが、再生に向けての第一歩です。

3.ロイヤルブルネイ航空の再建、ある医療機器メーカー日本販社の再生。

Q:可能な範囲内で結構ですので、今までの再建事例を教えていただけますか?

野田氏:
社名を公開できる案件が少なくて恐縮ですが、ここ2、3年の事例ですと、ロイヤルブルネイ航空が挙げられます。5~6年前にJALの再建に関わりましたので、同じ航空業界ということで同社からお声が掛かりました。

厳密な意味での暫定経営陣として、日本とアジアの拠点のメンバーがチームを組んで、複数のCレベルのポジションに入り、プロジェクトがスタートしました。支援内容としては、採算性を勘案した路線の選別、機材の調達計画の見直し、資材の調達コストの削減など、複数の改善施策を並行して行い、大幅な業績改善を実現することができました。

また、現在手掛けている案件の一つに、米国の医療機器メーカーの日本販社の建て直しがありますが、こちらも6か月程度でV字回復を実現しています。

同社は設立以来赤字が継続していたため、短期間で収益改善を実現することが急務でした。そのため、短期間で人員を3割削減し、同時に売上を2割伸ばすための施策を検討し、人員削減完了直後にその実行に着手しました。プロジェクト開始から6か月で早くもその成果が現れ、営業担当者の生産性は2倍に改善しています。

4.戦略ファームではなしえないこと。アリックスパートナーズが価値を出せる3つのポイント。

Q:一般的な戦略ファームとの決定的な違いは何でしょうか?取り組むテーマが重複することもありますか?

深沢氏:
取り組むテーマは重複することもありますが、取り組み方やお客様からいただくフィードバックは、全く異なります。
私自身、経営コンサルティングの世界を経験した後にアリックスパートナーズに参加しましたので、両方の世界を見ておりますが、アリックスパートナーズの仕事では、組織の中が今までバラバラな状態だったのが、つながって有機的に動き始めたということを以て喜んでいただけるケースが多いのです。

クライアント企業の複雑で大きな組織が連動して初めて結果に繋がりますので、アリックスパートナーズでは、それを成立させるように働きかけたり、欠けている機能を直接補完したりするという役割を果たしています。先ほど野田が申し上げた「暫定経営陣」が、それにあたります。

対象とするクライアント企業の悩みや課題は戦略ファームと重複することがありますが、解決をもたらす方法論が、会社が『実行するべきことを伝える』という一般的な経営コンサルタントのスタンスとは非常に異なっています。

Q:組織内部の連動を促すと一言で言うと短い言葉になりますが、それを実行する上でのポイントは何でしょうか?

深沢氏:
第一に、問題の根源、アクションが取れない理由を見つけることです。

第二に、それを動かすために、欠けているものを創り出すことです。再生の現場は時間の勝負ですから、創り出すフェーズで、人材が欠けている場合はアリックスパートナーズのメンバーをそこに配置するしかないわけです。それが暫定経営陣であったり、経営陣のすぐ下の部門長レベルであったりします。

メンバーを配置しましたら、そのメンバーが会社の一員として他の社内の方を動かしていきます。

第三に、課題の見つけ方や目標設定を非常に現実的に行うことです。その組織が今日の時点で吸収して、明日から結果を出し始められる最大レベルに目標設定を行い、やり方も変えるというスタンスを徹底しています。
有事の企業に対しては、「3年経ったらここまで行きましょう」という目標を一生懸命書いていても、どうしようもないのです。1ヶ月後の目標を、明日の改善策を伝えて、実行に導く必要があります。

この3点が、通常のコンサルティングとは違う点だと考えています。

5.結果がすべて。分析や理論だけでは価値がない。実行して、結果を出してこそ価値がある。

野田氏:
もう少し具体的なことを付け加えますと、例えばコンサルティングの仕事として一般の方がイメージされている調査・分析作業とレポートライティングに費やす時間は、極端に短いです。普通のファームが3ヶ月かけるところを、我々は恐らく半分くらいの期間で行っています。むしろその後、いかに実行するかというのが我々のフォーカスであり、バリューなのです。そこが、戦略ファームとの最も大きな違いだと思います。

短期間で何故レポートを書けるかと言いますと、まずは課題の本質に優先的に取り組むようにし、それ以外の細かいことは優先順位を下げて取り組むというスタンスを徹底しているからです。

多くの場合、問題の8割はおおよそ2割の重要な原因に起因しますから、その重要な2割に的を絞って調べるというスタンスを徹底しています。 特に会社が難題や難局に直面しているときは、素早く課題を認識し、仮説を立てなければなりません。プロジェクトが始まって一週間で仮説を出し、それを検証し、修正し、クライアント企業の中で合意を形成し、実行する、そしてまた仮説を出し・・・というサイクルを極めて短期間で回していきます。レポートを書き終わって、あるいは書き終わる前にでも、どんどん出来ることを進めていく。そういうスピード感でやっています。

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6.無用なレポートは必要ない。プロジェクトの最終発表会すら、やらない。

野田氏:
アリックスパートナーズでは、結果に繋がることだけに取り組むことができるよう、必要のないレポートを極力作成せず、その分実行支援に時間を使うようにしています。 我々が提供する価値は、どのような調査分析を行い、どのようなレポートを提出したかではなく、何を実行したか、その結果どのようなインパクトを企業にもたらすことができたか、ということであり、その価値観がファーム全体に共有され、徹底されています。

深沢氏:
通常コンサルティングファームが行うようなプロジェクトの最終報告会をやらないケースも多いです。企業の中に入って、初めは我々が主体的に動かしていきますが、しばらくするとイニシアティブを社内の通常業務に位置づけていきますので、進捗管理も我々から提出するのではなく、社内レポートという形になります。
通常のコンサルティングファームのように、最終報告会でレポートを発表して、プロジェクトを締めるということは少ないですね。

我々がやるべきことをやってお見せして、それを教えて出来るようになって頂いて、その過程で少しずつイニシアティブを社員の方々に移動していき、すっとフェードアウトするようにプロジェクトが終了する、そんなスタイルが理想です。

Q:おおよそ戦略ファームの方は、ロジックを組み立てるところにかなり時間を使いたいという基本的なモチベーションがある人が多いですが、そことは一線を画すということでしょうか。

深沢氏:
おっしゃるとおり、そこを卒業した方、それだけでは物足りなくなった方がアリックスパートナーズに来ていただけると、非常に満足していただけると思います。
時間をかけ、手間をかけ、非常に精密なレポートを提出したけれども、それが結局実行されないままになっていることも多いわけです。
それに対して問題意識を持っている方が我々のところに参加してくれるケースが多いですね。

7.ロジックはもちろん大切。けれども、現場を巻き込むのに肝要なのは、やっぱり人間力。

Q:戦略立案というのは比較的座学で習得しやすいところだと思いますが、実行に際して重要な点は何でしょうか?またそれはどのように習得していくのでしょうか?

野田氏:
企業の業績改善や改革を進めていく上での共通言語はロジカルシンキングですから、いかに論理的に客観的に事態を把握して、状況解析をしてそれを説明できるか、改善策がこれだときちんと説得できるか、これは勿論重要です。

しかし、論理だけでは人は動きませんから、様々な手法を駆使し、企業内のステークホルダーとコミュニケーションをとっていけるかどうかが、もっと大切ですね。自分が正しいと思っている意見や仮説でも、ストレートに言った方が良い場合と、少し婉曲に伝えた方が伝わる場合がありますし、異なる意見の方々、異なる利害関係の方々の意見を調整して、一つの方向を向いて頂くというのは非常に難しいことではあります。

戦略ファームなどが得意とする「尖ったアイディア」も重要ですが、アリックスパートナーズでは、どのようなアイディアも実行されて結果に現れないと意味がないと考えていますから、いかにクライアント企業のメンバーと同意形成し、実行を引っ張っていけるか、が重要です。

戦略ファームとアリックスパートナーズの重要な違いはもう一つあります。それは、対峙するオーディエンスが複数いるということです。会社が有事のときは、社内外の様々なステークホルダーと利害調整を図らないといけません。株主、銀行は勿論のこと、支払い期限を伸ばすためにサプライヤーとも話し、売掛金を早く回収して資金を作り出すためにはクライアント企業の顧客や営業担当者とも話をするわけです。 また、そのような施策を実行する際には、クライアント企業の中で協力者を見つけ、巻き込んでいくことも必要です。

これらのことは、現場を経験していくと勘所が徐々にわかっていくのですが、逆に言うと、教えてもわかりません。
試行錯誤を繰り返しながらですけれども、何ヶ月もプランニングしてやるのでは間に合わず、プロジェクトに入って2、3週間で本質的な問題点は把握しながら、実行施策を考え、そのための協力者を見つけるといったやり方は、実際に現場に入って体感することで、そのノウハウを吸収できると思います。

実際にプロジェクトに入って、シニアなメンバーに支えられながら、試行錯誤をしながら実行してみて、何かしら結果が出たらフィードバックをもらって、またやり方を変えて実行してみて、というサイクルを回すこと、その結果として小さな成功を積み重ねて自信をつけること、これが両輪となって、個人の成長が加速すると考えています。

8.辛抱強く、しかも時にクリエイティブに。

野田氏:
我々が扱うプロジェクトは緊急性が高いケースが多く、時には存亡の危機に晒されているクライアント企業の資金繰りのマネジメントをしなければならない場合もあります。そんな場合に、自分の分析に誤りがあって、万が一会社の資金繰りが赤字になってしまったら・・・

そのようなプレッシャーにさらされながら、しっかり状況分析をして、キャッシュの見込みをきちんと計算していく。そして、その分析に基づいて、いろんな対策を打っていく。言葉にすると簡単なように聞こえますが、極めて責任の重い、しびれる仕事です。場合によっては、そのプレッシャーに長期間さらされることもあります

また、社内の抵抗勢力が存在するケースも多いですから、そのような方々に対して、合意形成に努め、時には対峙していかなければなりません。そうすると、多少色々なことを言われても、めげずにきちんと、直線でダメだったら変化球で対応するような柔軟性が問われます。
自分がどこに到達しないといけないかをしっかり認識し、辛抱強くしかも時にクリエイティブに、そこに向かってきちんと前進して行けるかどうかという、精神的な成熟やタフネスも重要ですね。

深沢氏:
アリックスパートナーズのメンバーはオン・オフの切り替えが上手ですよ。すごくサイクルが短いです。土日までオフを待っていると、ウィークデーがまずもたないですから(笑)。アリックスパートナーズのプロジェクトは緊急事態が多いですから、土日がオフにならないこともあります。オフィスの中でも皆大声で雑談して笑っているのに、次の瞬間には、出来上がった書類抱えて走って出ていったりしています。修羅場の中でも、一瞬一瞬で、気持ちの切り替えを行っているんです。

野田氏:
場数を踏んでいくとだいたいこんな感じで良いのだとわかってきて、集中すべきポイントがだんだんとわかってきますよね。
ある程度緩急をつけないと、自分が疲弊するだけでなく、クライアント企業のメンバーをも疲弊させてしまいますから。上手く彼らを巻き込むには、重要な点だけにフォーカスする、やることとやらないことをはっきりさせるということも時には重要だと思います。

9.再生現場は時間との勝負。1年後の正解は無意味。明日の正解が求められる。

深沢氏:
アリックスパートナーズの仕事のスタイルについて、プランニングなのか実行なのかという対比で問われるケースが多いですが、アリックスパートナーズの場合、プランニングよりも実行、かつ実行よりも結果です。それからもうひとつのこだわりは、時間。

1年後の正解は無意味。明日の結果がほしい。

極端な表現ですけれども、このような感覚が求められます。『結果』と『時間』、この二つを以て物事をドライブできるかどうか、ということが極めて重要です。結果と時間を両手に抱えて、改革を実行するべくひたすら走れること、そのスピード感に周りを巻き込める人間力があることが大切です。

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10.マニュアルに出来ないところに、ノウハウがある。人と人との繋がりこそが価値の源泉。

深沢氏:
アリックスパートナーズは人と人が直接繋がることを非常に重視していまして、それを可能にするために大きな労力を払っています。

例えば他のコンサルティング会社にもグローバルや地域ごとの会議がありますが、アリックスパートナーズの場合は他社の倍以上の時間をかけていると思います。またそれによってひとりひとりが繋がり、仕事のやり方が伝わっていくように仕向けるようなプログラムを、ものすごく労力をかけて作っています。

プロジェクトを遂行する上でも、人と人との繋がりが必要になってきます。 なぜなら、短時間に結果を出すとなると、エクスパティーズを持った人を集めて課題にあたるということが必要ですが、ある企業のある特定の課題にベストなタレントが東京に全員いるとは限りません。そのため、グローバルに人と繋がることができるかどうかが、極めて重要です。

どこのコンサルティング会社でも、ノウハウを持っている人にグローバルにリーチアウトする仕組みを持っていますが、アリックスパートナーズほどそれを活用している会社も珍しいと思います。
普通の会社ではリーチアウトしても反応があまりないので、マニュアル化して紙のレベルに落とし、それをグローバルのノウハウとして共用するというやり方をとることが多いです。アリックスパートナーズは、紙に落とせるレベルのノウハウではないところで勝負をしたいので、自分が関わっているプロジェクトのある特定の課題の解決方法を本当に知っているメンバーを直接巻き込むことが極めて重要になります。

課題に直面した時に、その業界やそのテーマを実際にやったことがあるメンバーに直接リーチアウトして、一緒に取り組む、場合によってはその人をチームに引き入れる。 これがアリックスパートナーズの日常です。

11.毎回ドリームチームを組みたい、世界中からその道のプロフェッショナルを集める。

深沢氏:
究極的には、どのプロジェクトでも、毎回ドリームチームを組みたいわけです。世界中から、その課題に対処するのに最もふさわしい人材を集めてチームを結成したい。従って、プロジェクトチームがグローバルの混成チームになることは極めて多いです。

現場に近い話題になればなるほど、エクスパティーズが重要になってきます。勿論エクスパティーズを持っていても、ある程度の語学力がなければ議論ができませんから、一定の英語力は求められます。

私が担当している仕事のいくつかも、国内産業ですが、関連する重要な知恵を持っている人間がアメリカ人だったりドイツ人だったりします。そのようなメンバーを含めた混成チームでプロジェクトをやっている、こういうスタイルで物事を進めます。

12.徹底した『ワンファーム主義』。最高の結果を出すために、全員が知恵を惜しみなく出しあう。

野田氏:
付け加えますと、アリックスパートナーズの場合、誰かに聞きたいと思う内容が非常にスペシフィックなんです。
スペシフィックであるがゆえに、ノウハウやノウフー(know who)のデータベースを作ったりするよりも、メンバーに直接質問を投げかけた方が、早く課題が解決します。

ですから毎日、「この業界を知っているか?」「こういった業務をやったことがあるか?」という質問メールがグローバルで企業再生をやっているメンバー全員に届きます。

一斉メールで聞きたいことを送ると、それが分かる人がきちんと返信してくれる、これがアリックスパートナーズのグローバルファームでありながら、ワンファームである素晴らしいところです。

Q:本当に一つのオフィスのようですね。それは先ほどおっしゃっていたグローバルやリージョナルの会議に他のファームの倍の時間をかけるということが一つの工夫なのでしょうか?

深沢氏:
はい、アリックスパートナーズでは、ワンファームであり続けるためにそのような工夫をしています。
ワンファームにこだわる理由は、ドリームチームを組みたいからですが、そのためには国境や言葉の壁を作らせないことが重要ですので、ファーム全体として壁が出来ないように努力をしています。

ファームの価値観として、チームワークを極めて重視しています。
チームワークを大切にしてもらうための様々な仕組みがあるのですが、それ以前に、必ずしも自分の利益に直結しないことであっても自分が協力できることは最大限協力する、というカルチャーが根付いています。

13.プレゼンテーションで初めてお客様の前に出るのではなく、毎朝自分がステージに立つ。

Q:若手の方はどのように壁に突き当たり、それを乗り越えて成長していかれるのでしょうか?

野田氏:
ケースバイケースではありますが、若手の方は、クライアントチームのメンバーをどのように実行に向けてリードしていくか、という場数をまだ踏んでいないので、そこで壁に突き当たることも多いです。
自分は正しいことを言っているのだけれども、頑張っているのだけれども、現場がついてきてくれない。
なかなか動いてくれない現場に対して、様々な方法をトライしてみる。あるいは、一緒にプロジェクトに入っているディレクターやバイスプレジデントからのアドバイスを受けて、さらに実行してみる。場数を踏むということは、様々な手法を試し、失敗の中から自分なりの成功手法を見つけ、それを覚えていくことなんです。

深沢氏:
そもそもチーム編成が、とにかく場数を踏むことが出来るようになっています。 多分通常の戦略ファームであれば、プロジェクトマネージャーの下にアソシエイトやアナリストの方がいて、その2~3人がセットで、プロジェクトに入るというケースが多いと思いますが、アリックスパートナーズの場合、えてして時間がないケースが多いので、カバーする範囲が広いのに、極めて少人数でプロジェクトに入るということになります。 ですから若手であっても、プロジェクトマネージャーの傘の下で働くのではなく、プロジェクトマネージャーは自分自身のタスクがあり、若手は若手で自分自身のタスクを持っていて、自分が表に立ってそれに取り組む必要があるケースがほとんどです。 ですから、まとまったプレゼンテーションで初めてお客様の前に登場するのではなく、毎朝自分がステージに立つのです。

それがストレスになる方であれば大変だと思います。しかし、その機会が作れないということをコンサルファームのジレンマとして持っていた方も多く、そのような方はアリックスパートナーズの中で活き活きと仕事をしています。

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14.アドレナリンが放出される3つのステージとは?

Q:先ほど苦労する点をお伺いしましたが、逆にアドレナリンが出るような点というのは。

野田氏:
実際にクライアント企業に結果が出ているときですよね。
先ほど申し上げた医療機器の会社のケースで言いますと、毎日売り上げがレポーティングされてくるのですが、毎日こまめに、「この部署のこの担当者は、もっとこのお客さんを訪問するべきだ」というレベルでフィードバックをするんです。具体的なフィードバックをすると、そこがグッと改善されて、売り上げが伸びていきます。
実際に結果が出ているとクライアント企業の業績改善に役立っていることが明確にわかりますので、彼らにも喜んで頂けますし、我々も嬉しいですね。

深沢氏:
3つステージがあると考えておりまして、今野田が申し上げたのはファーストステージですね。アリックスパートナーズが入ったばかりの時は、お客様の社内の機能を我々が補うことによって、無理やりにでも結果を引き上げていくというステージ。

どの会社のCEOの方も、本来だったらそれが内部の力で回り始めるところを見たいと思っていらっしゃるので、ファーストステージを通過すると、我々は少し引き始めて、舞台の裏方となり、もう少し社内の方の自発的なやりとりや活動、連携が増えてきます。

それを見て喜ぶCEOを見て、我々も喜ぶというのがセカンドステージです。私のあるクライアント企業は今その段階にありまして、昨日もそう言って頂けて大変嬉しかったですね。

最後は撤収ステージというのがあります。例えば野田が去年関わっていたあるグローバルな企業の海外再編の例ですと、アリックスパートナーズのチーム自体が再編統合の核となっていたのですが、おおよそ道筋が見えてきて、新しいリーダーを選んで、引き継いで、無事に撤収が完了しました。撤収したということは成功したということですから、非常に嬉しいですよね。
撤収がないということは失敗ですからね。

15.お客様の問題をトータルで解決するために。破綻企業の再生に端を発した2つのサービスラインナップ。

Q:企業再生や経営改善以外のサービスは、どのようなものがありますか?

深沢氏:
財務アドバイザリーサービス(FAS)とインフォメーションマネジメントサービス(IMS)という2つのサービスラインがありまして、もともとは、破綻企業の再生に端を発したサービス分野です。

破綻に際するような時は、経済損失を客観的に測定する必要がある場合や不正がその中に含まれている場合がありますので、FASができ、経済分析や不正調査をするには、過去の膨大な取引データを見なければならないので、大量のデータを解析するサービスであるIMSができました。

出発点は全部ターンアラウンドサービス。ターンアラウンドを実行する中で、必要なサービスを作り、育てていったという経緯です。

野田氏:
FASでは不正調査のほかに、移転価格、訴訟、規制対応などのサポートを行っています。
例えば、訴訟対応の際には、極めてリアルなビジネスの観点からモデルを組んで説得材料を整える、あるいは腐敗防止法(FCPA)に対する予防策を打つなどのサービスも展開しています。
いずれのサービスも、日本企業がグローバルに進出する上での課題に関連がある業務が非常に多いですね。
昨年から東京オフィス独自のチームを立ち上げまして、順調に育っています。

IMSはFASほどターンアラウンドとの関連性が分かりにくいかもしれません。 例えば、ブリティッシュ・ペトロリアムがメキシコ湾に原油流出事件を起こした際には、何十万という訴訟のクレームが出てきました。その際に、、それらのクレームを網羅的に整理をして、支払いの優先順位を決める必要があり、その作業では大量のデータを処理しなければなりません。

さらに、膨大なデータを処理するサービスは、他の分野、例えばコストダウンのためにグローバルでサプライヤーを統一したいというケースでも有効です。膨大な数のサプライヤーや調達品目について、それぞれのコストや品質評価を並べて、そこでどこが一番安くて品質がいいかを分析をすることができます。

IMSは今のところグローバルのチームで日本の案件にも対応していますが、いずれは東京専属のチームを作っていきたいと考えています。

16.ロゴに込められた想い~『when it really matters』~お客様が本当に一大事のときに、頼れる存在であれ。

野田氏:
これは今のCEOであるフレッドが考えたフレーズですが、まさにアリックスパートナーズのメンバーの想いを一言で表していると思います。
クライアント企業が本当に困っていらっしゃるとき、本当に一大事のときに、常に傍にいる存在でありたい、常に頼って頂ける存在であり続けたいと、アリックスパートナーズのメンバー全員が心から願っています。

一大事の際に頼って頂ける存在であり続けるためには、我々自身、常に目に見える結果をお客様に提供し続ける必要がありますし、そのような結果を出すために進化し続ける必要があります。

アリックスパートナーズの東京オフィスは2005年末に設立いたしまして、現在30名程度の規模に成長しておりますが、より多くのお客様の一大事にお役に立つことができるように、アリックスパートナーズの価値観やミッションを共有できる仲間を、さらに増やしたいと考えているところです。

17.『結果>論理』『時間と闘う』。そんな方が私たちの仲間です。

深沢氏:
アリックスパートナーズが仕事をする上で重視しているポイントは、『結果』と『時間』です。

ロジックを固めて精緻なレポートを作るよりも、実行を大切にしたい方、そして何かを実行したということに甘んじることなく、結果を出すことにコミットしたいとお考えの方。
一年先の正解ではなく、明日の結果を提供したい方、DAY1から価値を出したいと思う方。

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この記事を書いた人

羽鳥健太

青山学院大学法学部卒業後、コトラに入社。現在業界調査ならびにマーケティングを担当。