社会課題は「人」の問題に行き着く。最上流の政策立案から現場の伴走までを一気通貫で担う、EY新日本のHR領域の挑戦

EY新日本有限責任監査法人 インタビュー

政策立案(マクロ)から民間企業の伴走支援(ミクロ)までを一気通貫で行い、あらゆる社会課題の終着点である「人」の問題に真正面から向き合うEY新日本有限責任監査法人 FAAS事業部 ガバメントパブリックセクター(GPS)のHR(人材活躍)領域。同領域では、「政策と現場のリアルを循環させる一気通貫の支援体制」を強みに、シンクタンク、官公庁、事業会社など多彩なバックグラウンドを持つプロフェッショナルが、それぞれの専門性を活かして柔軟に活躍しています。今回は、HR領域を牽引する池田様と森川様に、GPSチームリーダーの中務様も交え、現場のリアルを政策に活かすプロジェクトの奥深さや、AI時代にこそ求められる「コンサルティングの本質的な価値」についてお話しいただきました。

ゲスト紹介

ゲスト

EY新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー 池田宇太子様

EY新日本有限責任監査法人
シニアマネージャー

池田 宇太子

[ 経歴 ]
大学、大学院にて教育社会学を専攻。ジェンダー研究等をテーマとする。修了後、シンクタンク研究員として教育テーマやダイバーシティ等に関する調査研究に従事。EY新日本有限責任監査法人 ガバメントパブリックセクター(GPS)参画後、現在はHR(人材活躍)領域でシニアマネージャーとして、ダイバーシティ推進、女性活躍、人的資本経営等の分野において、官公庁の政策調査から民間企業への伴走支援まで幅広くプロジェクトを牽引している。

EY新日本有限責任監査法人 マネージャー 森川岳大様

EY新日本有限責任監査法人
マネージャー

森川 岳大

[ 経歴 ]
工学部で医療工学を学んだ後、大学院で公共政策を専攻。修了後はシンクタンクにて、介護・医療領域の政策調査に従事する。その後、EY新日本有限責任監査法人 ガバメントパブリックセクター(GPS)に参画。外国人材の受入れ・共生、イノベーション、子育て・福祉、人的資本、防災など、幅広い政策分野の業務に携わる。現在はHR領域をテーマに、マネージャーとして人材に関する調査研究に加え、自治体・業界団体・民間企業向けの戦略策定や実行支援をリードしている。

EY新日本有限責任監査法人 プリンシパル 森川岳大様

EY新日本有限責任監査法人
プリンシパル

中務 貴之 様

[ 経歴 ]
大学にて原子力工学を専攻後、金融系の民間シンクタンクに入社。原子力関連の安全解析や科学技術政策のコンサルティングに従事し、文部科学省科学技術・学術政策研究所への出向も経験。2013年にEYのコンサルティング部門へ入社し、官公庁系の政策上流領域のチームを牽引。その後、EY新日本有限責任監査法人へ転籍。現在はGPS(ガバメント)のチームリーダーの1人として、科学技術、人材活躍、新興国支援を柱としたアドバイザリー業務に従事している。

誰もが活躍できるポジティブな未来を描く。HR(人材活躍)が挑む本質的な課題解決

コトラ川島:
EY新日本有限責任監査法人 FAAS事業部ガバメントパブリックセクター(GPS)のHR(人材活躍)領域でご活躍されている池田様と森川様にお話を伺いたいと思います。また、中務様にもご同席いただいております。まずは、池田様と森川様のご経歴、どのようなバックグラウンドをお持ちなのか、大学時代から遡ってお伺いできますでしょうか。

池田様
私は大学の教育学部、そして大学院で教育社会学を専攻していました。その頃からジェンダー研究などをテーマにしており、現在のダイバーシティや女性活躍といった仕事にそのままつながっているような感覚があります。大学院を修了した後は、シンクタンクに入社しました。そこで教育テーマやダイバーシティに関する調査研究などに携わっており、中務とは当時からの同僚です。

コトラ川島:
森川様はいかがでしょうか。

森川様
私はもともと理系の工学部出身で、医療機器について学ぶ学科にいたのですが、夏休みにフィリピンの保健省や市役所でインターンシップをする機会があり、そこで大きな転機を迎えました。

現地の公立病院を回ってみると、日本製やドイツ製の最新の医療機器ではなく、数十年前の古いものが使われていたのです。資金がなければ、必要な機器を導入することはできず、最先端の医療を受けられない。当たり前のことですが、その現実を目の当たりにしたのです。その時に「どれほど優れたものを開発しても、限られた資源の中で適切に分配する仕組みがなければ人々の役には立たないのではないか」と強く感じたのです。

それをきっかけに技術そのものよりも「政策」や「合意形成」のプロセスに興味を持つようになりました。大学院では公共政策学を専攻し、医療政策や介護政策の研究に没頭しました。

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より良い未来の実現に向けた 社会課題解決を目指して

コトラ川島:
海外の医療の現場を見たことで、社会の仕組みや政策の重要性に気づかれたのですね。お二人とも日系のシンクタンクでキャリアを積まれた後、現在のEYへ参画されています。どのようなきっかけや理由があったのでしょうか。

池田様:
前職ではさまざまなテーマに携わっていましたが、私が追究したいテーマであった教育やダイバーシティの領域にはなかなか本格的に取り組めない状況が続いていました。

ちょうどその頃、先にEYのコンサルティング部門に転職して官公庁向けのチームを立ち上げていた中務の姿を見る機会がありました。中務は、EYに移って生き生きと自分の好きなテーマを追いかけており、本当に楽しそうに仕事をしていました。その姿を見て、志を共にする仲間と、社会のあり方を真摯に考えられる環境で働きたいと思い、私もEYへの入社を決めました。

コトラ川島:
森川様が転職を決意された背景には、どのような思いがあったのでしょうか。

森川様
大学院修了後は、日系のシンクタンクに入社しました。そこで携わっていたのは、介護報酬の点数配分に関する調査や、限られた予算と人員の中で、いかに効率的に地域医療・介護を提供していくかといったテーマです。

ただ、医療や介護の領域は、日本の人口減少や財政難を背景に、「人が減り、お金もない中で、どう無駄を削るか」という“削減の論理”が先行しやすい世界でもあります。もちろん、それ自体はとても重要な政策課題です。

一方で、日々削減や効率化を考えているうちに、次第に「もう少しポジティブで、未来につながる仕事がしたい」と思うようになりました。

実は大学院時代に、北海道の自治体でインターンシップをした際、フィリピンから北海道へ外国人材を受け入れる事業に携わったことがありました。地域に新しい人が来て活気が生まれていく。そのプロセスが非常に面白く、自分の中に原体験として強く残っていました。

転職活動をする中で、EYが「イノベーション」や「外国人材」といったテーマに注力していることを知り、その奥深さに惹かれて入社を決めました。

コトラ川島:
シンクタンクでは政策領域の調査にとどまることが多い中、EYでは現場の実行支援まで関われることも魅力だったのでしょうか。

森川様
おっしゃる通りです。一般的なシンクタンクでは、政策領域の調査に終始することが少なくありません。

その点、EYの私たちのチームは、国の上流の政策づくりから、業界団体や個別の企業の実行支援まで一気通貫で関わることができます。そこは、他のコンサルティングファームやシンクタンクにはない大きな強みだと感じています。

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GPS HR領域のビジネス:外国人材とダイバーシティの最前線

コトラ川島:
現在、お二人のHR(人材活躍)領域では、具体的にどのようなプロジェクトを展開されているのでしょうか。

森川様
近年、私たちのチームの大きな柱になっているひとつが、「外国人材」の領域です。官公庁向けのプロジェクトとしては、大きく2つの調査を行っています。

1つ目は、東南アジアや南アジア諸国の外国人材の送り出し国における実態調査や教育環境の調査です。実際に現地を訪れ、表に出にくい情報も含めて知見を蓄積しています。

2つ目は、他の先進国がどのように外国人材を受け入れているのかを把握する政策動向の調査です。

加えて、自治体が外国人材を受け入れるための事例整理やガイドライン作成、建設業などの業界団体に対する定着支援にも取り組んでいます。

また、最近は、企業からのニーズも非常に高まっています。例えば、外国人材を雇用する際に、どの国のどの機関と提携すべきか、どのように透明性の高い受け入れスキームを構築するかといったご相談があります。実際に現地にも行き、スキーム作りに向けた交渉も含めて支援しています。

また、外国人材を紹介する企業の買収時におけるリスクチェックなど、官公庁向け調査で培った知見を活かしたコンサルティングの機会も増えています。

コトラ川島:
外国人材のテーマは今後もさらに拡大していきそうですね。単なる労働力確保以外の視点もあるのでしょうか。

EY新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー 池田宇太子様

池田様
はい。今後の展望としては、単に労働力として受け入れるというテクニカルな話にとどまらず、少し大きな目線で、社会的なインクルージョン(包摂)をどうやって実現していくか、という点まで捉えて検討していきたいと考えています。

森川様
私も同感です。特にエッセンシャルワーカーや人手不足が深刻な職種については、これまで培ってきた働き方改革やダイバーシティ推進の知見と掛け合わせながら支援していきたいと考えています。

コトラ川島:
池田様が担当されている領域についてはいかがでしょうか。

池田様
私はおもに「ダイバーシティ(多様性)」や「女性活躍」「人的資本経営」といったテーマを担当しています。2010年代から継続して国の調査等に関わっており、経済産業省の「なでしこ銘柄」やダイバーシティ経営企業などの事業を通じて知見を蓄積してきました。

現在力を入れているのは、そうした国のノウハウを活かした民間企業への伴走支援です。大企業だけでなく、売上数百億円規模の中堅企業に対しても、「そもそもなぜ自社に人的資本経営が必要なのか」というストーリー(ナラティブ)を一緒に考えるところから支援に入っています。

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上流の政策立案から民間企業の伴走支援までを一気通貫で

コトラ川島:
パッケージ化されたソリューションを提供するのではなく、本質的な部分から一緒に考えていくのですね。

池田様
その通りです。また直近の新しい事例としては、企業の監査部門から「DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)の取り組みについて内部監査を行いたいが、何をどう評価すればいいか分からない」というご相談を受けることもあります。

リスク管理の観点だけでなく、監査室としてどのようなフレームワークを作るべきか。まだ手探りの状態で答えがないテーマなので、お客様とディスカッションを重ねながら一緒に作り上げていくアプローチをとっています。

コトラ川島:
官公庁と民間企業の両方を支援されている強みについて、改めてお伺いできますか。

池田様
官公庁の仕事だけに特化してしまうと、どうしても民間企業の現場の生々しい声や課題を拾いきれない部分があります。一方で私たちは、民間企業の伴走支援を通じて現場のリアルな悩みや実態を把握し、そこで得た気づきを再び国への政策提言や調査研究にフィードバックするという「循環」を生み出すことができます。この両輪を回せることは、社会にインパクトを与える上で非常に大きな武器になります。

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部署の垣根を越えた連携と、多様なバックグラウンドを持つメンバー

コトラ川島:
社会の変化に合わせて、常に新しいテーマを開拓されているとのことですが、他部署との連携や、テーマの広がりを感じるようなプロジェクトはありますか。

中務様
私たちが扱う「人」のテーマは、他チームとの連携も活発です。例えば、サステナビリティの情報開示を支援するチームでは、人権や労働安全衛生などを扱っていますが、ダイバーシティ等の領域はまだ開示の難易度が高くカバーしきれていない部分があります。そうした領域を私たちのチームがサービス提供することで、互いに補完し合っています。

EY新日本有限責任監査法人 マネージャー 森川岳大様

森川様
ST(科学技術イノベーション)とのコラボレーションもあります。例えば、STが防災スタートアップの支援を進める中で、災害時に特に大きな影響を受けやすい高齢者や障害のある方、日本語に不慣れな外国人の方々を、いかに円滑な避難につなげるかという課題が浮かび上がりました。

平時からどのような情報を共有し、災害時にどのように支援へ結びつけるのか。これはまさに「人」に関わるテーマであることから、HRチームがプロジェクトを主導した事例もあります。

コトラ川島:
部署の垣根を越えて、ダイナミックにテーマが連携していくのは素晴らしいですね。そうした幅広い業務を担うチームは、どのようなメンバーで構成されているのでしょうか。

池田様
現在、HRには私ともう1名、外国人材領域を広く見ているシニアマネージャーがおります。マネージャー以下のメンバーについては、シンクタンク出身者が半数ほどで、別のコンサルティングファーム出身者、事業会社で社内プロジェクトとして女性活躍などを経験した者、さらには官公庁や自治体の元職員などがおり、バックグラウンドは本当に多様です。

カチッとした役割分担に縛られず、それぞれが持つ専門性や興味に応じて、プロジェクト間を柔軟に行き来しながら活躍しています。

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コンサルティングにおいて「人」に向き合う本質的な意義

コトラ川島:
コンサルティングにおいて「人」に向き合う意義についてお伺いします。最初から「人ありき」でテーマを設定されているのでしょうか。

池田様
実は最初から「人ありき」で進めているというよりは、さまざまな政策領域の課題に向き合っていく中で、最大公約数として浮かび上がってくるのが「人」だという感覚に近いです。

森川様
その通りで、どんな政策領域でも最終的には必ず人に行き着きます。良い政策を打つためには、人々がどのような課題を抱え、どのような支援や環境があればより良い方向に進めるのかを把握する必要があります。

中務様
私が以前の職場で「人」をテーマにした政策領域のビジネスに入ろうとした際、周囲からはかなり批判されました。当時、コンサルティングビジネスの中で、そこで勝負するのは最後の手段だといった見方があり、ビジネスとして収益の確保が難しい領域だと言われていました。

しかし私は、どんな政策課題であっても、最終的には人の問題に行き着くと考えていました。そこに真正面から向き合わなければ、社会の本質的な課題は解決しません。だからこそ、安直なパッケージに逃げず、人の問題にしっかりと向き合う組織を作りたかったのです。現在、池田や森川を中心としたメンバーがその思いを体現し、お客様と本質的な議論をしてくれていることは本当に頼もしいです。

森川様
中務の言う通りです。私たちは、テンプレートに当てはめるような進め方ではなく、「そもそもそれをやる意味は何か」「御社にとって本質的な課題は何か」というところからお客様と議論します。

もしかすると、最初は面倒くさいコンサルタントだと思われるかもしれません。

それでも、その面倒なプロセスに本気で向き合うからこそ、クライアントにとって本質的な変化が生まれ、ひいては社会にとっても意義のある成果につながっていくのだと考えています。

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求める人物像と、転職希望者へのメッセージ

コトラ川島:
最後に、EYのHRに関心を持っている転職希望者の方々へ向けて、どのような方と一緒に働きたいか、メッセージをお願いいたします。

池田様
先ほど森川が申し上げた、面倒くさいアプローチを楽しめる方にメンバーに加わっていただきたいと思っています。「そもそもどうあるべきか」という本質的な議論やディスカッションを厭わない方です。世の中にある通例やテンプレートを使ってショートカットすれば楽かもしれませんが、それでは面白みがなくなってしまいます。

答えのない課題に対して、時間と労力をかけてじっくりとお客様と一緒に考え、作り上げていくことに面白みを感じてくれる方にとっては、非常にやりがいのある環境だと思います。

森川様
「自分が解決したい課題」や「やりたいことの軸」をしっかり持っている方とご一緒したいです。社会課題は常に変化していくからこそ、日頃から幅広く情報にアンテナを張り、知的好奇心を持って情報を比較しながら、次に来る課題やニーズを捉え、周囲を巻き込みながら議論できる方が向いていると思います。

自分は何に向き合いたいのか、どのような社会課題を解決したいのかという問題意識を持ち、それを自分の言葉で発信できる方と一緒に働きたいと考えています。

生成AIが広がる今、情報を整理したり資料を美しくまとめたりすること自体の価値は、相対的に下がっていくでしょう。重要なのは、一次情報に粘り強くアクセスし、現場の実態や背景を踏まえて本質的な課題を見極め、解決の道筋を描ける力です。

EYのFAAS GPSは、意欲と根拠を持って「自分はこれをやりたい」と発信すれば、それに挑戦しやすい職場です。非常にやりがいのある環境だと思います。

中務様
少し補足すると、チームワークを重んじるあまり待ちの姿勢になってしまうことのないよう、バランスを重視しています。自らこれをやりたいと手を挙げて発信してくださる方であれば、結果的にチーム全体も円滑に回りますし、そういった自発性のある方にぜひ来ていただきたいですね。

コトラ川島:
「削減」ではなく、人が活躍する「ポジティブ」な未来を描き、本質から逃げずに伴走する。さらに、自発的に手を挙げて挑戦できる環境があるという非常に熱く、魅力的なチームであることが伝わってきました。本日は貴重なお話を誠にありがとうございました。

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EY新日本有限責任監査法人 インタビュー

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インタビュアー紹介

インタビュアー

株式会社コトラ エグゼクティブコンサルタント 川島奈穂

株式会社コトラ
エグゼクティブコンサルタント

川島 奈穂

【 経歴 】
慶應義塾大学経済学部卒業。横浜市役所で、国民健康保険や健診事業、企業誘致事業に従事。また、在籍中に民間企業へ出向し、環境経営に関する社内教育や展示会への出展業務に従事。国家資格キャリアコンサルタント。

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この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)

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