マラトンキャピタルパートナーズ ■第2弾【PEファンドの業務とは。マラトンキャピタルパートナーズの詳細な業務内容に迫る】

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ゲストのご経歴

マラトンキャピタルパートナーズ
取締役 共同パートナー

和田 耕太郎 様

早稲田大学 商学部卒業
野村證券にて資産運用業務や事業承継支援、米国ゼネラル・エレクトリック(GE)の金融部門であるGE Capitalにて国内中堅企業向けの資金調達業務に従事した後に、国内独立系ファンドである日本創生投資に参画。
投資フロント主要メンバーとして、主に事業承継・再生に関するバイアウト投資に従事。
その後、製造業のM&Aを推進するセイワホールディングスにてM&A部門の責任者に就任し、役員としてチームの立ち上げと事業承継に関するバイアウト投資を推進した。
ファンドによる投資と事業会社による投資を合わせて、合計18件(スモール・マイクロキャップ中心)のバイアウト投資を経験。中小企業診断士。

マラトンキャピタルパートナーズ アソシエイト

佐藤 宏樹 様

横浜国立大学 経営学部卒業
有限責任監査法人トーマツにて、ノンバンクをはじめとする金融機関や投資事業有限責任事業組合、暗号資産交換業者への法定監査業務に従事した。
また同社にて、ベンチャー企業に対するショートレビューや内部統制構築支援等の上場支援業務に従事した経験も有する。入社後合計3件(スモール・マイクロキャップ中心)の投資を経験。公認会計士協会準会員。

インタビュアー

株式会社コトラ
エグゼクティブコンサルタント

加賀 達也

[ 経歴 ]
一橋大学商学部を卒業後、大手生命保険会社に入社。投資用不動産におけるリスク管理の業務に従事。その後、現職に至る。

[ 担当業界 ]
保険業界、不動産業界

株式会社コトラ
コンサルタント

網中 響太郎

[ 経歴 ]
明治大学政治経済学部卒業後、新卒でコトラに入社。入社時からコンサルタント業務に従事。入社2年目で大手監査法人パートナー等と共にウェビナーを主催し、ファシリーテーションも務める。現在はESG、財務会計アドバイザリー、金融ミドルバック全般、コンサルティングファーム全般を担当。

[ 担当業界 ]
ESG領域、財務会計アドバイザリー、金融ミドルバック、コンサルティングファーム、FAS

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コトラ加賀:
いま、お二人がどんな業務に従事されているか、教えてください。

和田様:
私は、役員であり、投資の意思決定の1票を持っている投資委員でもあるので、主担当ではなくても全案件の投資決定に関わっております。
また、私が主担当の案件は、メンバーの助けを得ながらも多くを私が進めているものもありますし、佐藤や他メンバーにもついてもらって一緒に進めている案件もございます。今だと4件くらい新規投資で前向きに検討を進めていて、投資先(PMI)は4社担当しています。

コトラ加賀:
担当はどのように割り振られるのでしょうか。

和田様:
1号ファンドは代表が全案件を薄く広く見ながら、各案件には私を含むディレクター以上が最低1名、VP以下のメンバーが最低1名入る様な形で投資をしていきます。
例えば、アソシエイトの佐藤がM&A仲介会社様から紹介を頂けたら、それは基本的には佐藤が進めながら、私を含むディレクター以上のメンバー1名も付きます。
M&A仲介会社様によっては、毎週の定例会議でまとめてご紹介していただけるところもありますので、その場合は私やディレクターの方で、それぞれのメンバーの忙しさを見て調整したりしています。

コトラ加賀:
そのときに、メンバーのバックグラウンドも勘案するのでしょうか。例えば、佐藤様は金融にお強いから、金融の素養が必要な案件をご担当いただくなどです。

和田様:
ほとんど勘案しませんが、例えば(アソシエイトの)菊池は商社出身なので、商社時代得た知識や経験を活かせる案件を寄せようかといったことや、愛知出身なので東海案件を担当してもらったほうが喜ぶかな、というのは多少あります。

佐藤はM&A仲介会社様とのリレーションができてきたので、私がまったく知らない案件を進めていて、ある程度進んだところで私が知る、ということもあります。

バリューアップの要は100日プラン

コトラ加賀:
次は、佐藤様の担当されている業務をお聞かせください。

佐藤様:
ディレクター以上が1案件に最低1名は居てアドバイス等は受けながらも、一気通貫してディール全体を担当しております。具体的には、ソーシング(案件獲得)から始まって、その案件の評価の材料を投資委員に提示し、投資委員が評価し、進められそうな案件であればトップ面談の形でオーナー様に会いに行きます。そのあとに、意向表明、独占交渉権取得、DDを経て、投資が完了しましたら、PMIという形で会社に入っていくことになります。

和田様:
PMIに関しては佐藤は経験がなく入社したのですが、私の案件を何件か見てもらったのもあって、主体的にプロジェクトを進めてくれています。
現在は3社担当してもらっているのですが、3社とも問題はなく進んでいますので素晴らしいと思います。

コトラ加賀:
PMIは、どのようなことを行うのでしょうか。

和田様:
一番大事なのは100日プランといって、投資した直後3ヵ月くらいは特に濃密に関わります。デューデリジェンス(以下、DD)で指摘された事項を改善するとか、オーナー様がいなくなったあとの組織体制(ガバナンス)を整えるとか、そういった活動です。これはどこのファンドもまず初めに行うことです。

そのあとは経営モニタリングやロールアップ、顧客紹介、ビジネスマッチング、採用活動支援といった、バリューアップにつながることはなんでも行っていきます。

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経験する案件数が多く、ファンドマネージャーのキャリアにプラス

コトラ網中:
和田様は投資の意思決定をされていると伺ったのですが、佐藤様がソーシングをした案件が、どのタイミングで上がってくるのでしょうか。

和田様:
当社のルールとして、トップ面談(オ―ナー様に会う初回の面談)を最初のハードルとして設けています。
これは、非常に案件が多く、全ての案件で面談を進めてしまうとメンバーのキャパシティがあっという間に埋まってしまうため、厳選した会社様のトップ面談にしか訪問できないということです。
流れとしては、メンバーが案件を自身で検討して、トップ面談に行くべきと考えたらslackの投資検討チャンネルに上げてもらいます。内容は、企業概要や案件背景、要約した財務データ、初期的な想定リターン等です。
当然ながら地域経済や業界、社会の中で果たす役割が高いか、なども昨今のSDGs的な観点からも考えております。代表と私のOKが出たら、そこで初めてトップ面談に行くことができます。

コトラ加賀:
そこである程度、厳選されるということでしょうか。

和田様:
そこに上がってくる前の段階でだいぶ厳選されています。というのも、案件として取り上げる基準はメンバー間で共有されていて、判断基準も数値や案件背景等で決まっているので、検討が明らかに難しい案件がslackに上がってくることは少ないです。

slackに上がってくる案件へのフィードバックも、経験豊富なメンバーの過去の経験から失敗を避け成功確率を上げる為のアドバイスをしています。入社してすぐは、そのあたりの判断基準がしっかり腹落ちしてなかったりするので、ミスをしてしまう可能性もあるのですが、それを防ぐ仕組みがあります。

とはいえ、slackのチャンネルに上げる前にも、代表と私には必ず事前相談はしているので、上げる時点では非常に厳選されていますね。

コトラ網中:
この段階でのDDは、簡易的なものなのですか。

和田様:
そうですね。DDとは呼ばないくらいかなと。当社独自のフォーマットがあり、ある程度スピーディに検討ができるように仕組化をしています。 

そのようにしていかないと年間1,000件は検討できないので。

コトラ加賀:
検討する案件数、投資する案件数とも、年間でかなり多いわけですが、そのメリットとデメリットを教えてください。

和田様:
投資メンバーのメリットとしては、数多くのトラックレコードが積めるので、ファンドマネージャーとして一番大事な、再現性の担保になります。
代表と私がファンドレイズの営業をするときに特に重要になってくるのが、過去どれくらい成功しているファンドマネージャーなのかというところなのですが、過去2件だけやってリターンを出しています、というファンドマネージャーよりも、40件やってリターンを出して国内最高レベルの実績があります、という方が説得力がありますよね。
リターンの高さも大事ですが件数も大事なんです。佐藤は未経験で入社し、1年の経験で年間3件の投資をやっていますし、来年は5件かそれ以上はできるペースです。件数が積めるというのは、ファンドマネージャーのキャリアとして非常にプラスだと思います。

それに、様々な業種、業態を見ることができますので、知識としても広がりがあります。知的好奇心が強いタイプには魅力的かと思います。こんな商売があったんだ、みたいなことも頻繁にあります。単純に仕事としてとても楽しいです。

ファンドとしての投資という意味でのメリットですが、ファンドの投資はポートフォリオなので、1社1社の投資ではなく、ファンド全体でパフォーマンスを見られるわけです。
そうなった時に、5社に投資するファンドよりも、25社に投資するファンドのほうがポートフォリオとして分散がきいていて相対的にリスクが低いです。我々は、小さく、多く投資しますので、代表や私の過去のトラックレコードも安定しています。

一方、社員としてのデメリットは、担当する会社様が多くなってくると、とても忙しいことです。オーナー様が人生全てをかけた会社様を預かる訳ですから我々も生半可な気持ちでは仕事が務まりませんが、その数がどんどん多くなっていますので。

PMIも重なってくるので、マルチタスク能力がないと大変ですね。
また、なんでも自分一人で抱えてしまう人は向かないと思います。ファンドマネージャーはプロデューサー業だと表現する方も多いのですが、投資においてはいかに協力者を集めてマネジメントするかがとても大事で、そこを自分でプロジェクトとして組めるかどうかで差がつくと思います。
オーナー様、プロ経営者様、投資先の社員の皆様とコミュニケーションを深める必要がありますので、決してファイナンシャルなだけの仕事では無いのです。

コトラ加賀:
プロ経営者さんにどの程度お任せするかということも、裁量をどう使うかというところですね。

和田様:
はい、ただし案件の背景にもよります。
オーナー社長様が必ず引退するため、プロ経営者様が承継することが必須、という案件がありますが、当社の強みとして「日本プロ経営者協会」という、当社の小野が代表理事を務める協会があります。
そこに現時点で1,400人くらいの登録者様がいるので、適切な人材をスムーズにアサインすることが可能です。ファンドマネージャーの観点からみると、可能な限りプロ経営者様にお任せできる方が自分のエネルギーを他の会社様の問題解決に向けられるので、多くの案件に取り組むことが出来ます。
そこの判断や想定の初期検討も主担当者に任せているので、自主性も必要ですし、裁量を活かす能力とかアイデア、何より全ての方々との上手く物事を進めるコミュニケーション能力が必要です。
これを、やりがいを持ってやれないと、大量の案件に取り組むのは大変かなと思います。

代表が経験したM&A案件数は国内トップクラス

コトラ加賀:
ここまでお伺いすると、案件の量の大切さがわかってきます。案件提案の経路を、差し支えない範囲で教えてください。

和田様:
85〜90%はM&A仲介会社様です。

コトラ加賀:
M&A仲介会社各社様は、スモール・マイクロキャップの案件を大量に抱えていて、マッチングに困ることもあるのでしょうか。

和田様:
はい、そのようなこともあると思います。スモール・マイクロキャップの案件は、基本的には事業会社同士のマッチングです。事業会社同士のマッチングは、実は結構大変で、資本を引き継ぐ事業会社の方はシナジーや社風の融合をしっかり考える必要がありますし、M&A自体が本業ではないのでなかなか話が進まないこともあります。
それに比べて、ファンドはそもそもM&Aが仕事なのでスピード感と確実性をもって進めていくことができます。

そして、1社1社に対しての投資はシナジーを検討する必要がないので、あくまで対象会社様だけを見て優良な案件かどうか、と言う目線になります。
そのため、M&A仲介会社様としてもマラトンのことを、事業会社とは違う有望な買い手候補として考えることが出来るのだと思います。

コトラ加賀:
そういう貴社の考え方を、各仲介会社様にご認識いただいているのは、どういう背景からなんですか。

和田様:
代表も私も、以前所属していたファンドで過去沢山のM&Aを行ってきています。
特に代表の小野は主担当として行ったM&A案件が40件以上と、恐らく国内トップであるとともに、国内でも最高のリターンを上げてきた一人で、業界知名度は非常に高いです。更に、我々が投資先様とご一緒した後も、ご一緒した会社様との友好的な関係を築いてきたことから、M&A仲介会社様にとって「オーナー様に最もお勧めしやすいファンド」という地位を、長年かけて確立してきたからだと思います。

また、他のファンドは全く投資対象としないですが、多数の事業承継を必要とするマイクロキャップの投資を、社会ニーズに合わせて行うことも、案件をより多くご紹介いただけるようになった理由の一つかと思います。

コトラ加賀:
M&A仲介会社様とのやり取りは、小野様、和田様以外にも、佐藤様もされているんですよね。

和田様:
基本的には投資メンバー全員でやります。佐藤も菊池もそれぞれやっていますし、その他のメンバーも自身でソーシングをしてますし、我々から引き継いだものもやります。徐々に、小野や私に直で来る案件は減らしていきたいですね。

コトラ加賀:
ちなみに、M&A仲介会社様以外の、残りの10〜15%の案件はどこから来るのでしょうか。

和田様:
それは、ファイナンシャル・アドバイザリー(FA)と呼ばれる、M&A仲介会社様ではないM&Aアドバイザリー会社様や銀行様、オーナー様から直接、というのもあります。
個人で活動している方や公認会計士や弁護士といった士業様からの案件もありますね。

また、ファンド業界では当社しかないですが、プロ経営者協会に直接的にオーナー様が後継者を求めてこられたり、1,400人を超える後継者候補の方が後継者になる前提で事業承継の案件を当社に持ち込む場合も出てきています。

これまでは我々のメンバーが少なく工数を掛けられなかったですし、十分に案件のご紹介を頂けていたので、あまりM&A仲介会社様への能動手的な営業活動はしてこなかったのですが、これからメンバーが増えていったら、勉強会や懇親会をやってリレーションを更に深めていくことも大事だなと思います。

コトラ加賀:
さらに御社の強みを伸ばすわけですね。

和田様:
はい、先ずは知ってもらうことが大切ですからね。

コトラ網中:
EXITのパターンは、どういうものがあるのですか。

和田様:
基本的にはトレードセール(他の優良企業やファンドへの株式譲渡)です。
PEファンドのEXITのやり方としては基本的にはIPO、MBO、トレードセールのいずれかですが、当社の場合は案件サイズや案件背景的にも、トレードセールが一番多くなると思います。
トレードセール先は、シナジーが見込めて、投資先様にとって相性等が最も良いと思われる事業会社様を選定することが多いですが、IPOを目指して伸び続けている投資先様であれば、他のファンドさんに引き継ぎ、上場に繋げる、ということもありえます。

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