リスクマネジメント関連用語2

FSOC (金融安定監督評議会)

FSOC(Financial Stability Oversight Council:金融安定監督評議会)

ドッド=フランク法の下創設され、米国金融機関の安定性を確保するための包括的な監視を実施する。評議会は米国の金融安定性に対する脅威を同定し、市場規律を促進し、米国金融システムの安定性に対するリスクに対応する。連邦金融監督者と州規制監督者、そして大統領によって任命された保険の専門家で構成される。

銀行の自己勘定取引を制限するボルカー・ルールの実施方法に関する提言書の作成及び公表等を行っており、ボルカー・ルールが禁止する自己勘定取引と、マーケットメイクという銀行が果たす重要な役割とを切り分けるうえで関連する様々な要因を考慮する。

FSB (金融安定理事会)

FSB(Financial Stability Board:金融安定理事会)

世界の主要国や地域の金融当局で構成する理事会。各国の金融当局や国際基準の設定団体の国際的な働きをまとめるため、また効果的な規制や監督、他の金融政策の実行の促進のために設立された。重要な国際金融センターの金融安定性を担当する各国当局、国際金融機関、特定セクターに特化した国際規制監督者集団、中央銀行の委員会を一つにまとめる。

世界の金融システムにとって重要な金融機関を決定し、それに対する資本の上乗せ規制などを設定する。2011年11月、システム上重要な金融機関に対処するための政策手段と題した文書を公表。この中で、G-SIFIsに関する政策枠組みの概要と、世界中の銀行のうちグローバルにシステム上重要な金融機関として当初特定された29行を指定している。

国際金融システムの脆弱性に取り組み、金融安定のための強い規制、監督や他の政策を作成し実行するために創設された。

ESFS(欧州金融監督システム)

ESFS(European System of Financial Supervision:欧州金融監督システム)

EUの金融システムの監督を確実なものにする機構で、2011年1月に発足した。マクロ・プルーデンスの観点からの監督組織(欧州システミック・リスク理事会、ESRB)とミクロ・プルーデンスの観点からの監督組織(欧州監督当局、ESAs)から成る。

ESRB (欧州システミック・リスク理事会)

ESRB(European Systemic Risk Board:欧州システミック・リスク理事会)

2010年11月設立。EUの金融システム監督を担当するESFSの中にあって、マクロ・プルーデンスの観点から金融監督を支持する機関。世界的な金融危機に対応して、EU域内で監督機関がどのように市民保護や金融システムの信用再構築を達成するかという議論の中で、金融システム全体の安定を確保する必要性が認識され、それを目的とする組織として設立された。

ESRBは総合委員会、起草委員会、諮問専門委員会等の組織から成り、EBA、EIOPA、EMAなどの代表をはじめとしたリスクや金融に関する各国の専門家によって構成される。システミック・リスクの同定、および同定されたシステミック・リスクが何によって引き起こされているかについての警告を発すること等が具体的な機能である。

ESAs (欧州監督当局)

ESAs(European Supervisory Authorities:欧州監督当局)

それぞれ銀行、保険・企業年金、証券を担当するEBA(欧州銀行監督局)、EIOPA(欧州保険・企業年金監督局)、ESMA(欧州証券監督局)からなる、EUの金融システムのミクロ監督を担当する機関のこと。EBA、EIOPA、ESMAの各機関はそれぞれCEBS(欧州銀行監督当局委員会)、CEIOPS(欧州保険・企業年金監督当局委員会)、CESR(欧州証券監督当局委員会)を発展的に継承する機関である。各金融機関の直接的な監督権限は加盟各国の監督官庁が握り、ESAsに属する3つの監督局は「監督当局の監督」者として行動するのが原則である。

EBA = European Banking Authority, 欧州銀行監督局

ESMA = European Securities and Markets Authority, 欧州証券市場監督局

CEIOPS (欧州保険・年金監督者会議)

CEIOPS(Committee of European Insurance and Occupational Pensions Supervisor: 欧州保険・年金監督者会議)

2003年11月に設立された、EU各国の保険・企業年金監督当局で構成される組織。2011年1月、名称がCEIOPSからEIOPAに改称された。

EIOPA (欧州保険・年金監督局)

EIOPA(European Insurance and Occupational Pensions Authority、欧州保険・年金監督局)

CEIOPSの機能を引き継ぐ組織であり、EUの金融セクターの監督組織の改革の結果設立された。マクロ・プルーデンスの観点からの監督とミクロ・プルーデンスの観点からの監督の2種類の監督組織からなるESFS(欧州金融監督システム)の中の1組織であり、ミクロ・プルーデンスの観点から保険・企業年金セクターの監督を担当する。

この組織の主な責任は金融システムの安定性、市場と金融商品の透明性、株主や年金資格者・受給者の保護を確保することにあり、EUにおける金融機関と金融市場のルールの統合を進め、一貫性のある適用を目指している。特に、諮問書やQISなどの実態調査を元にした新たなソルベンシー規制の枠組み作りに取り組んでいる。