アリックスパートナーズ 企業インタビュー

アジア共同代表 深沢 政彦 氏 / 日本共同代表 野田 努 氏 / マネージングディレクター


アリックスパートナーズ。1981年の創業以来、業績不振の企業の事業再生による企業価値の向上 - ターンアラウンド - に強みを発揮し続けてきたコンサルティング・ファームだ。創業から36年経ち、グローバルでの従業員が1,700名を越えた今日でもなお毎年二桁成長を続ける同社の強さの秘密とは何か?また少数精鋭で知られるアリックスパートナーズが求めるのはどのような人材なのか?アリックスパートナーズのマネジングディレクターであり、アジア共同代表の深沢政彦氏、日本共同代表の野田努氏に話を聞いた。

■ 深沢 政彦氏( Masahiko Fukasawa )
マネージング ディレクター アジア共同代表 兼 日本共同代表
2012年にアリックスパートナーズに参画し日本共同代表就任。その後、アジア共同代表に就任。アジア、ヨーロッパ、北米のさまざまな企業に対して経営/組織戦略、事業再生、事業ポートフォリオのリストラクチャリング、買収・合併後の統合、など広範囲に亘る分野でプロジェクトに従事。一橋大学経済学部卒業。マサチューセッツ工科大学スローンスクール卒(MBA)。訳書に『明日の世界を読む力』(東洋経済新報社 2005年刊)があります。

■ 野田 努氏( Tsutomu Noda )
マネージングディレクター 日本共同代表
2007年にアリックスパートナーズに参画後、TMT(テクノロジー、メディア、通信)を中心に、業績不振の国内大手企業のV字回復や、中国の生産拠点の再建、大手通信企業の海外買収、など数多くのプロジェクトを指揮。慶応義塾大学経済学部卒業。ハーバード・ビジネス・スクールにてMBA取得。著書に『プロフェッショナル・リーダー~難局を突破する9つのスキル』(ダイヤモンド社)、『企業再生プロフェッショナル』(共著 日本経済新聞出版社)。

1. 企業の本当に重要な時に役立つファーム ー 再生案件は2割

― 本日は両代表のインタビューの第2弾になりますが(前回インタビューはこちら)、あらためてアリックスパートナーズとはどのようなファームであるのかについてお聞かせください。

深沢 政彦氏( Masahiko Fukasawa )
マネージング ディレクター アジア共同代表 兼 日本共同代表

深沢氏:

アリックスパートナーズのブランドのタグラインは”When it really matters”というものです。つまり、企業が大きな経営上の意思決定に直面し、本当に重要な時にお役に経ちたいと考えているコンサルティング会社です。

会社の大きな意思決定とは具体的には、買収を通じて大きく成長を狙っていくとか、国内企業同士が合併するとか、あるいは逆に業績が何らかの形で落ちてきて自己変革をしなければいけないという時です。

― アリックスパートナーズというと、一般的には企業再生のイメージが強いですが、ファームとしての強みはどういったところにあるのでしょうか?

深沢氏:

我々は企業再生を強みとしていますが、全体の案件の中で法的破綻の再生案件は2割程度です。破綻再生に限らず、それ以外の分野、抜本的かつ大規模な業績改善や大型買収の実行・統合も得意分野としています。また企業間の解決しなければならない大きな問題、たとえば特許に関わる紛争、損害賠償、あるいは公正取引委員会から合併の承認を得るなど、抜本的な変革時に発生しがちな問題解決に関わる様々な業務も行っています。

野田氏:

大きな変革の様々な局面に対処できる人材は企業内には非常に少ないものです。それに対し、我々は豊かな実務経験を持ったエキスパートを沢山抱えています。たとえば再生を行える人材、企業の業績改善をリードできる人材、海外M&Aを主導できる人材など、かなり短いタイムフレームで複雑な案件を解決する計画作りから経営陣との合意形成、速やかな実行を行うことのできるプロフェッショナルが沢山います。

大変な局面では日常的には起きないことが突発的に起こるものですが、そういう時に我々を呼んで頂いて、プロフェッショナルがそれを解決していくというのが我々の存在意義です。

2. ステークホルダーを巻き込み、経営上の結果を出す

― もう少し具体的に通常の戦略ファームとの違いを教えて頂けますか?

深沢氏:

通常戦略コンサルですと、何かテーマを切り出してプロジェクトを設定し、そのプロジェクトに対して成果を出すという形で業務が進みます。しかしその方法ですと、残念ながらプロジェクトの成果が企業の業績、つまりPL(損益計算書)とBS(貸借対照表)に明確な形で現れてくるとは限りません。アリックスパートナーズのやっていることは正反対で、経営の結果を変えることを目的としたプロジェクトを行っています。

野田 努氏( Tsutomu Noda )
マネージングディレクター 日本共同代表

野田氏:

それに加え、スモールチームで動くという特徴もあります。マネジメント経験が豊かで、且つコンサルティングの経験を持つプロフェッショナルが少人数入っていって現場を巻き込むというスタイルです。

また戦略ファームは基本的にはPLしかみていません。しかし我々は企業再生が出自ということもあり、それ以外も見ます。企業再生で一番大事なのはキャッシュフローです。我々はキャッシュフロー、会社の健全の度合いを測るBS(貸借対照表)、そして稼ぐ力を表すPLの三方すべてを見ているのが特徴です。

さらに再生を出自としていることからいうと、アリックスパートナーズは色々なステークホルダー間の合意形成を得意としています。再生の時は、債権者、株主、サプライヤー、従業員、マネジメントなど様々なステークホルダーがおり、皆違う思惑を持つ中で一つの再生計画をまとめていきます。
企業の緊急性の高い状況では、同様のことが起きがちです。そうした状況に対する経験値が高いのは我々の強みだと思います。

― あくまでも企業再生は出自であり、強みは企業再生だけではないということでしょうか?

深沢氏:

大型の破綻再生案件では相変わらず当社が圧倒的なナンバーワンとして成長を続けていますが、そもそも破綻再生マーケットが急成長したら大変なことになります(笑)。私たちの強みは再生で培った色々な特徴を、再生以外の場面でも活かすことができることです。そしてそうした場面はどんどん増え続けてきています。

3. 急増する再生案件

― 景気がいい昨今も再生分野でも成長を続けているのですか?

深沢氏:

はい、そうです。確かに経済統計的には各国経済は全般的に悪くありません。ところがその割に給与水準は伸びていません。そのためマネーは潤沢であっても、消費が全体に伸びているわけではありません。国によっては人口動態の影響もあり、マーケットがすでにフラットになっているか、あるいは縮小してしまっています。個別業界で厳しい局面を向かえているところが増えてきていります。

そうした中、残念ながらアジアでは破綻再生案件が増える傾向にあります。その兆候は過去一年くらいに亘ってすでに出始めているので、アリックスパートナーズとしてもピュアな再生案件に対する陣容拡大も図っています。

― アジアには東京を含めて4つのオフィスがありますが、東京オフィスの方もアジアの再生案件にコミットしていくのですか?

深沢氏:

はい、東京オフィスは日本要員ということで採用されるわけではありません。アリックスパートナーズはオフィスごと運営をとっておらず、よりグローバルな形で広く活躍して頂けるようになっています。

― 日本の国内市場についてはいかがでしょうか?

深沢氏:

再生案件は間違いなく増えていき、我々へのニーズはかなり増えていくでしょう。それに加えて、再生の能力が役立つ局面も増え続けていくと思います。

― 再生の能力が役立つ局面とは?

野田氏:

再生には狭義の再生と、広い意味での再生があります。後者は、今のままでは会社の存続が危ういので、どこかで変わらなければいけないという危機意識を持って変革に臨む企業です。

アメリカでチャプター11(アメリカの倒産法の倒産手続)となると必ずアリックスパートナーズの名前が出てくるので企業再生のイメージが強いですが、実際には我々は表には名前は出ませんが、広い意味での再生事業もたくさん行っています。

4. リスクを取りながら難局をマネジメントする豊富な経験

― 再生色の強い案件については他社も力を入れていると思いますが、アリックスパートナーズはどのような点で差別化を図っているのでしょうか?

深沢氏:

一つには、アリックスパートナーズ自体が当事者としてリスクを取る会社であるということです。

当事者になるとは意気込みとか気合の話ではなく、法的にも契約書上もそうなる仕組みを持っているということです。よって一人ひとりのコンサルタントもリスクマネジメントに長けています。企業の緊急時にはスピードが要求されるので、すべてのリスクを潰していっては何も進みません。

アリックスパートナーズのプロジェクトでは、基本的な姿勢として、各コンサルタントがそれぞれの責任分野で自ら判断してプロジェクトを進めて行きます。各コンサルタントは、主体的な立場をとりながらも、必要に応じて社内外の専門家からも情報を集めアドバイスを求めることが期待されています。

野田氏:

企業が緊急性の高い難局を迎えたときに、我々は税務・法務、買収、ターンアラウンドなどのエクスパティーズをもった人材を企業に派遣します。こうしたプロフェッショナルを企業が自前で揃えるにはかなり時間がかかります。さらに、それらの個人をチームとして機能させる体制を作り上げるのは、難局に間に合わせる時間軸ではまず不可能です。

アリックスパートナーズでは、そうしたプロフェッショナルがチームとして機能するために長年培ってきたカルチャーがあります。それを我々はコアバリューと呼んでいるのですが、コアバリューも含めたビジネスモデルを、日本だけではなく、アメリカ・欧州と脈々と36年かけて作り上げてきました。こうしたものはレポートライティングを主体としているリサーチ系のファームがいきなり真似しようと思ってもできるものではありません。

5. 定量的に分析し、V字回復を実現

― 具体的にはどのような案件を扱っているのでしょうか?

野田氏:

業績不振企業の立て直し、特に抜本的な構造改革を伴うような案件が最近増えてきています。そうした場合、我々はまず「クイックストライク」と呼んでいる初期診断を行います。通常6−8週間くらいかけて、その会社がどのような状態にあり、何が問題点であり、何を変えなければいけないのか、変えた結果どれくらいの改善が見込まれるかを定量的に出します。そしてどの改善施策を行ってV字回復させるのかという優先順位を決めます。

その上で経営陣、株主、金融機関などのステークホルダー間の合意形成を行います。たとえばこれだけの回復が見込めるので、特損を出すことの了承をステークホルダー間で取り、抜本的な構造改革に加え、業務の効率性改善や広範なコスト削減、営業改革による売上拡大などの一連のV字回復プログラムを作成します。。そのプログラムの実行に必要な合意がステークホルダー間で形成されたら、速やかに実行し、具体的な結果を出していきます。その期間は半年から1年位というのが典型的なケースです。

深沢氏:

業務内容は本当に多岐に渡っております。たとえばジョイントベンチャーの解消の場合、解消の交渉をしながら日々のキャッシュフローのマネジメント(入金と支払いの管理)をし、同時にマーケットから撤退する会社に変わる新たなスポンサー探しをすることもあります。

また国内の生産拠点を半数近くまで減らし集約しなければ競争力を維持できないという状況であれば、残す工場の選定から始まり、残した工場の生産ラインのデザイン、行政の許認可、新たな配送網の構築などすべてを設計します。

野田氏:

いずれの作業も数字に紐付いているのが特徴です。固定費を下げればいいというコンセプト的な話だけで終わらせることはりません。固定費のどの部分のどの項目をどうやって減らせばどれくらいのインパクトがあるかというところまで提示して、やるかやらないかを決めて頂きます。

回復の過程の中で痛みを伴う抜本的な施策をいくつか行わなければならないことがあります。そうした場合、一時費用がどれくらいかかり、その結果業績がどれくらいよくなるかを定量的に分析して計画の判断に入れます。それが我々のこだわりです。

6. アリックスパートナーズの6つのコアバリュー

― 先ほどコアバリューの話が出ましたが、アリックスパートナーズは「共通の価値観」を非常に重視している印象を持っています。「共通の価値観」について教えてください。

野田氏:

アリックスパートナーズには6つのコアバリューがあります。

一つ目がプロフェッショナリズム。アリックスパートナーズの一人ひとりが一人前のプロフェッショナルとしての挟持をもって仕事に臨んで欲しいということです。

次がコミットメント。どんなにつらい局面でも、仕事をやり遂げる意思です。我々の仕事は目に見える結果を出すことがほとんどで、大きな困難を伴うことが一般的です。その困難に正面から立ち向かい、完遂させる強い意思の力必要となります。

それからチームワーク。アリックスパートナーズでは個人がいくら優秀であっても、チームの力には敵わないと考えています。1+1を3にも4にも5にもなることを信じ、それを実現させるためのチームワークスピリットを重視しています。

そしてコミュニケーション。チームワークを成立させるためにも必要ですし、クライアントに対しても言うべきことはきちんと言うということです。特に企業が直面する緊急事態を克服するためには、遠慮している時間はありません。直裁な物言いで正しいことを言わざるを得ない場面も数多く起こります。

次がパーソナルリスペクトです。お互いを尊重しあうということです。アリックスパートナーズでは、アソシエイトなどの若手も一人前のプロとして扱います。その代わりプロとしての仕事を要求します。そしてそのような信頼関係の上にお互いをカバーし合っています。

最後がコモンセンス、常識です。日本の常識のみならずグローバルの常識もきちんと持ち、それに基づき素早く適切な決断を素早く行うことが私たちの仕事ではポイントとなります。

これらのコアバリューをグローバルで共通の認識として持つことが徹底されています。そのため、真の「One-Firm Firm」として機能することができています。例えば、困ったときにはグローバルの全員にメールを送って、関連する知識や経験を持つメンバーがすぐさまレスポンスしてくれる、などがその一例です。

深沢氏:

「One-Firm Firm」を表すことのもう一つが、ファーム全体のミーティングです。昨年は米国でファーム全員(1,700名)が参加するAll Firm Meetingが有りましたし、今年はアジアと欧州の全員がアテネで共同のミーティングを開催しました。アリックスパートナーズの一人ひとりがグローバルファームの一員であることの思いを強めると同時に、グローバルでのネットワークを広げるよい機会になったと思います。

野田がご説明した6つのコアバリューの中で「どれが一番重要か?」というアンケートを社員に取ったとしたら、「コモンセンス」を挙げる人が多いでしょう。僕もその一人です。コモンセンスという言葉には二つの側面があります。まず周囲にコモンセンスを共有してもらえるように色々な形で働きかける、コミュニケーションを取るということがあります。また、個人としては自分がこの会社のコモンセンスをもって自らジャッジして進んでいくという側面もあります。それは自らが任されている証でもあるので、コモンセンスという価値観が好きな人が多いんです。

アリックスパートナーズでは、アソシエイトなどの若手だからといって誰かの下に入るというような働き方はさせません。自分の責任分野を一人でもってもらう場合がほとんどです。ですからすべての社員には全社と共通の能力や価値観を持って頂き、その場その場でジャッジして進んでもらいたいと思っています。またそのような素養のある人に入社して頂きたいです。

― 皆さん多忙の中、どのようにしてそうした価値観を共有していっているのでしょうか?

深沢氏:

アリックスパートナーズは非常にしつこい会社です。やるとなったらとことんやります。人から人への直接のコミュニケーションで伝えていくのが一番ですが、グローバルで1,700名以上の規模になってきていますので、システムも必要です。

入社のときもコアバリューについての話もしますし、プロジェクトを行うときもコアバリューに則って、こういうところが素晴らしかったというようなフィードバックを行います。 また半年・年間のパフォーマンスレビューをする場でも、一人ひとりに対して6つのコアバリューのそれぞれの観点からどう見えたかを伝えていっています。しつこくリマインドしています。

7. アリックスパートナーズの求める人材像とは?

― アリックスパートナーズは、どのような人材を求めているのでしょうか?

深沢氏:

三点ほどあります。
1つは、何かの分野で一定の専門性を一定レベル持っていて欲しいと思っています。そうした専門性を指向する人がいいです。現在の専門性の水準がすぐに使い物にならなくても、専門性を蓄積し続けて自分を高められることは重要です。

2つ目は、人ときちんとコミュニケーションをとって、密な人間関係を築き上げながら仕事するというスタイルがとれるオープンな方。

3つめの要素は、ある程度ストレスフルな環境での仕事が多いのでオンオフを上手に作りながらコミットメントを継続できる方です。

野田氏:

私の方からも2点。
一つは、自分の役割を枠にはめない人です。緊急性の高い事象を扱うので、自分の役割を枠にはめてしまうと、次から次への起きうる色々な事に柔軟に対応ができなくなります。ある程度の大局観を持ちながら現場感覚を持って入っていける人がいいです。当然、若手の方が入社後すぐに仕事をこなすことは難しいと思いますが、社内でさまざまなトレーニングやコーチングを行う体制を整えていますので、ぜひ心配せずにチャレンジして頂きたいと思います。

もう一つが、素直な人です。自分の足りないところを素直に自己認識できて、強化すべきところに率先して取り組む方は成長のスピードが早いです。弊社の若手アソシエイトを見ていても、マネジメントからのフィードバックを素直に真摯に受け止め、実践で変えていくという取り組みをしている人は成長のスピードが早いです。

8. 自分の持っているスキルを足がかりにスタート

― スキルセットの面はいかがでしょうか?

深沢氏:

理想的には3つの要素があります。事業会社経験のある人が持っているオペレーション的要素、PLだけでなくBSもわかっているファイナンス的要素、そしてコンサルティング的要素です。この3つが備わっていれば最強ですが、一つだけでもなにかしらの素養があればスタートとしてはいいと思います。

コンサル経験もないし金融もわからないけど、事業会社で海外の工場の新設の時に頑張って新しいものを作り上げてきた人や、実際のオペレーションはやったことのないけれども、銀行に勤め取引先のBSやPLはたくさん見てきており、オペレーションもできるようになりたいと思っているような人などもいいですね。

野田氏:

先程もお話がでましたが、我々東京オフィスはアリックスパートナーズというグローバルファームの日本における拠点というだけで、日本国内の案件を取り扱うためにあるのではありません。世界中の専門家でチームを編成することもありますので、入社をして頂くと北米、欧州、アジアなどさまざまなオフィスと密に連携を取ることが求められます。

そういう意味でコミュニケーション能力、英語力は必須です。英語はネイティブである必要はありませんが、自分の考えを端的に述べ、先方の言っていることを大体理解して腹落ちさせるレベルは必要です。

深沢氏:

英語も含めた能力で足りないところは、入社したら伸ばしたくなってきます。そして会社としてもそうした能力を伸ばすことを積極的にサポートしています。

9. コンサルタントの成長にコミットするサポート体制

― サポートを含めた育成体制について聞かせてください。

深沢氏:

社員一人ひとりにキャリアコーチがアサインされます。キャリアコーチは様々な相談にのりサポートします。たとえば野田の申し上げた語学力で言えば、英語力を伸ばすためにオンライントレーニングを勧めたり、そのための会社からの支援を得るように助言したりします。キャリアコーチはグローバルのタレント・マネジメントチーム、いわゆるHR、や当社の経営陣とも情報を共有していますので、実践的な英語力を伸ばすべきだと判断したら海外のプロジェクトに参加してもらうようにすることもあります。

野田氏:

タレント・マネジメントチームは、各コンサルタントの成長には強くコミットメントしています。

どういう強みがあって、どういうデベロップメント・ニーズがあるか、トレーニング、OJTでもプロジェクトリーダーにも「こういうところに成長の余地があるから、そこに特に目を配って欲しい」「こういう指示の出し方をして欲しい」などとかなりきめ細かく指示を出しています。

トレーニングはマス向けのものを消化していくタイプのものではなく、個別に設計していっています。

10. 労働市場で極めて価値の高い人材に成長

― 入社後も成長が見込める環境ということでしょうか?

深沢氏:

はい、そうです。業務自体も成長につながります。
世の中一般のコンサルティングのプロジェクトは、やるべきことの意思統一が取れている中で行われます。そういう状況を作り出してから臨むようにするのが成功要因となります。

ところが、アリックスパートナーズの関わる案件の半分以上は指揮命令系統がはっきりしておらず、異なる目的・様々な意見を持った複数のステークホルダーがいます。

たとえば破綻再生についていえば、その会社の事業を担当している人もいれば、取引先もいるし、銀行、その他の債権者などがいます。それぞれのプレイヤーに対するベストのアンサーは違います。「何とかみんながまとまる案を作ってくれ」というくらいのコンセンサスしかありません。

複雑なステークホルダー間のニーズや利害関係を理解して調整し、その事業を生きながらえさせるのに、再生させるのにベストな解を見つけていくという能力が必要です。

この能力は事業会社で何か大きなことを成し遂げようとした時に本当に求められる能力です。

ですから我々の人材が事業会社に引き抜かれることもあります。しかも日本有数の大企業の最年少の部長、事業部門の責任者ということもままあります。本来は優秀な社員が引き抜かれるのは痛手なのですが、我々としても誇りと思うしかないような待遇で引き抜かれることもあります。

野田氏:

プロジェクトの中でも「暫定経営陣」としての機能を担うことがかなり多くあります。 たとえば調達ならChief Procurement Officerというタイトルを頂いて、前面に立ってサプライヤーと交渉を行っていくのですとか、暫定人事部長として人員削減の陣頭指揮を取るというようなこともします。実行できるかどうかで、企業が生き残れるかどうかが決まる瀬戸際です。

そのような緊急事態を経験した人は通常会社の中にあまりいないので、経験豊富な我々がそれを補完する形で人材を派遣しています。そういう人材は労働市場の中で、極めて価値の高い人間なります。

11. 一次面接は代表自ら

― 採用はどのようにしているのでしょうか?

深沢氏:

よく驚かれるのですが、余程のことがない限り99%最初のインタビューは僕か野田が行います。お互いの時間を無駄にしたくないですから、お互いに情報交換し、その時点でできる限りの判断をします。

またインタビューはお互いを知り合う場面だと考えているので、決して裏にアジェンダを隠し持って採点するというようなことはしません。オープンに「こういうところにギャップがあるように感じたけれども、どうでしょう?」といったような形で聞き、意識合わせをするスタイルで行います。

野田氏:

アリックスパートナーズは大人の会社だと自負しています。コアバリューにもある通り、パーソナルリスペクトの意識が徹底されているので、どの方であっても一人前のプロとして扱うという意識は相当高いと思います。それはインタビューでも同様で、お互いプロ同士で真摯に会話した上で一緒に働けるか判断することが必要だと考えています。

― その他の選考過程は?

深沢氏:

選考過程はできるだけ短くするよう心がけています。インタビューを数名が行い、アセスメントを行います。

12. 性格面を丁寧にフォローするアセスメント

― アセスメントとは?

深沢氏:

性格テスト的な筆記試験です。我々のコアバリューに合っている人か、我々が対峙するであろうプロジェクトに向いていると思われる人かどうかを確認するためのものです。

これは全員が受けるテストで、僕も野田も受けています。入社後もそれに基いてフィードバックをもらいます。個人のサマリーと会社全体の結果を見せてもらいながら、あなたのこういうところがアリックスパートナーズにぴったりだとか、あなたのこういうところはユニークなので新しいバリューを吹き込んで欲しい、ただしこういう寂しさを覚えるかも知れないので気をつけて欲しい、というようなガイダンスをもらいます。

年間のパフォーマンスレビューでも、どんなアドバイスをするのが成長につながるのかを議論したり判断する材料に使います。ちょっとした問題にぶつかっている人がいれば、こういう悪いサイクルに入っていないかなどのチェックに使っています。

野田氏:

アリックスパートナーズでは性格面をとても重要視しています。今申し上げたアセスメントは、36年前から会社の中で作ってきたもので、改善に改善を重ねているものです。分析結果を見るアセスメントチームの心理学者が評価します。

たとえば普段は大丈夫だが、ストレスが極端に高い状況だとこういうことをする危険性がある、といったようなところまでフィードバックが来ます。

13. 一人称で、オーナーシップを持って取り組む

― どのような方がアリックスパートナーズに向いていると思いますか?

野田氏:

一言で言えば、「在り来たりのことに満足できない方」です。我々の仕事は、企業が抱える問題について「レポートを書くこと」ではなく、「その問題の解決に向け必要な解決策を提示し、ステークホルダー間で合意形成を行い、実際に改革を実現すること」です。改革の手法は様々で、企業ごとの特殊事情を勘案し、詳細にカスタマイズされたものです。抜本的な事業改革から、クロスボーダーの企業買収まで、同じケースは二つとなく、常にチャレンジの連続で、しかも毎回それを成功に導かないといけない。そのような刺激に満ちたプロセスを楽しみながら、ご自身の得意技を磨いていける方が、アリックスパートナーズにはふさわしいと思います。

深沢氏:

「何かを学びたい病」の人は向かないです。ただのお勉強はどこか別のところでやった方がいい。むしろ自ら積極的にアリックスパートナーズのプロジェクトや社内の様々な活動に取り組むことによって、自分の意識が広がり、結果として学べることはとても多いです。目の前のチャレンジを楽しめるメンタリティーを持っている方が向いています。

14. 「うちの会社を救ってくれてありがとう」

― 最後にアリックスパートナーズを目指す方に一言。

深沢氏:

アリックスパートナーズを受ける時は、ある程度ここで何を成し遂げたいかを明確にしてもらえるといいかと思っています。何かを成し遂げるということは究極的には自分はどんなインパクトを与えたいかということです。人によっては世の中にインパクトを与えたい人もいるでしょうし、関わったグループに対するインパクトということもあるでしょうが、目的意識を持っていないとキャリアは長続きしません。

僕はコンサルティング業界をこの20年間あまりイノベーションの起きていない業界だと思っています。その中アリックスパートナーズで成し遂げたいのは、コンサルタントの一人ひとりがユニークな価値を認められて活動することのできる「最先端」のコンサルティング会社を作ることです。すでに欧米では、アリックスパートナーズが行ってきた新しい事業モデルが証明されています。

それを日本のみならずアジアでも皆さんと実現できたらうれしいです。

野田氏:

アリックスパートナーズは、企業が緊急性の高い難局に入っていくことが圧倒的に多いです。困難を乗り越えて、プロジェクトを成功裏に終えた後に、企業の経営陣や従業員、株主などから、『うちの会社を救ってくれてありがとう』といってもらえるのは大きな喜びです。成功と失敗がはっきりしている厳しい世界ではありますが、我々はそれを成功で終わらせています。そしてそれはとても大きな喜びであり、やりがいとなります。アリックスパートナーズはそれが味わえる会社です。

― どうもありがとうございました(了)

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2017年 スペシャルインタビュー

アリックスパートナーズ 企業インタビュー

種田 毅 氏

種田毅 氏。東京大学法学部卒業後、三菱東京UFJ銀行に入行。同行で法人営業・米国派遣・産業アナリスト等を経験した後、アリックスパートナーズに参画。アリックスパートナーズでは、ハンズオンで業績改善やターンアラウンドを支援するプロジェクトを数多く経験。アリックスパートナーズ卒業後、事業会社に転職。事業開発チームのエグゼクティブマネージャーとして活躍中。

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