金融・コンサル業界情報

不動産金融業界

不動産金融ビジネスの今後

近年、ようやく日本に根付いてきた不動産金融ビジネスですが、サブプライム問題を機に資金調達難となり、現在は逆風にさらされています。
超低金利が続き、年金基金をはじめ、資産運用担当者は利回りを確保するために頭を抱えています。バブル崩壊後の不良債権処理が一段落し、地価が下げ止まってきた現在、資金の運用先として株式、債券といった市場連動型の伝統的資産だけではなく、 代替的資産(オルタナティブアセット) としての不動産に対する期待度は、依然高いと言えます。
不動産に注目しているのは機関投資家だけにとどまりません。個人投資家も、ペイオフ解禁を経て預金から投資への資金を移動させています。団塊の世代の集団退職を目前に控え、安定的に収益を生む不動産は特に退職後の個人投資家にとって魅力的な投資先として写っているのです。

 2006年3月期に減損会計が完全導入されたことで、 企業はバブル時に割高な価格で抱え込んだ不動産の処理を迫られています。こうした不動産を会社から切り離し(オフバランス) 、ファンドやデベロッパーを通じて処理することは、今や常識となっています。処理の受け皿となる不動産金融ビジネスへのニーズは、今後も無くなることはありません。
ただ、過剰流動性で資金が急速に流入し、市場が膨張していた中で発生した、今回のクレジットクランチにより、しばらくの間は停滞気味に推移する可能性が高いと思われますが、これを機に、より良い資産に注目した「良い案件」を中心とする洗練された市場に成長することが期待されます。

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不動産金融ビジネスへの期待

不動産金融ビジネスの仕事は不動産の証券化と結びついています。
不動産証券化と絡めて不動産金融ビジネスのプレーヤーを眺めてみましょう。

  • 1.アレンジャー

    オリジネーター(不動産証券化の対象となる資産の原保有者)と投資家、双方のニーズを汲み取り、オリジネーターと協力して案件の立案から、証券化商品の組成、取引の実行までプロジェクト全般をアレンジする専門家がアレンジャーです。

    アレンジャーには証券会社、投資銀行、銀行、不動産会社やアレンジ専門のコンサルティング会社等が存在します。

  • 2.銀行

    不動産の証券化においては、ノンリコースローンというローンが利用されます。このローンの貸し手として銀行は重要な役割を担っています。

    通常、デットファイナンスでは債務者の全財産が返済原資となりますが、不動産証券化において返済原資がファイナンスを利用する不動産に限定されるので、オリジネーターにとっては利用しやすい一方、レンダー(貸し手)は通常よりも高い利子を享受します。こういったローンをノンリコースローン(非遡及型ローン)といいます。

  • 3.機関投資家

    不動産金融ビジネスに関わる機関投資家には、銀行、保険会社、証券会社等の金融機関や一般事業会社、年金基金などが存在します。ファイナンスにはエクイティファイナンス(株式)とデットファイナンス(社債等)があり、リスク許容度や期待リターンに応じてさまざまな投資機会が用意されています。

    不動産証券化において特に重要なのがメザニンファイナンスと呼ばれるファイナンスです。メザニンは中二階の意味で、形式としてはデットファイナンス(社債や融資)なのですが、通常のデットファイナンスよりデフォルト時の支払いが劣後されます。その代わりに、高い利回り(8~10%)を確保できます。
    不動産証券化では良好な条件でメザニンレンダー(メザニンファイナンスの貸し手)を探してこられるかが成功の秘訣ともいわれています。

  • 4.アセットマネジャー(AM)

    アセットマネジャーはクライアントからの依頼を受けて、不動産のポートフォリオに関して不動産の売却処分を含めた運用に関するすべての業務を行います。具体的には不動産の改善を行って利回りの向上を図り、その成果を報告します。また、新たな投資戦略を立案し、クライアントに提案、実行することもあります。

    アセットマネジャーの中には投資家から資金を募り、銀行からノンリコースローンの提供を受けて、投資家のニーズに合わせた不動産ファンドを運用するファンドマネジメントを行う会社も多く見られます。

  • 5.プロパティマネジャー(PM)

    プロパティマネジャーは不動産の所有者やアセットマネジャーからの依頼を受けて、不動産の運営・管理の実務である物件管理・テナント管理を行います。

    不動産証券化においては通常の管理業務以外に、その知識や能力を駆使した詳細なレポーティングが求めらます。

  • 6.信託銀行

    不動産の証券化においては、信託銀行が不動産の法的な所有者となって実務を行い、利益は信託受益権を保有する特別目的会社が享受するというスキームが一般的に用いられます。そのため、信託銀行はアセットマネジャーの指示を受けて不動産の管理運営、売却処分などを執り行います。

    不動産を多く扱う信託銀行には不動産のノウハウや人材が蓄積されているというのも信託を用いたスキームが多く使われる理由です。

  • 7.デューデリジェンス会社

    不動産の証券化を行う際には、金融商品としての信頼性を保つため、不動産に対する詳細調査(デューデリジェンス)が行われ、アレンジャー、投資家、オリジネーターなど関係者に公開され、重要な判断基準となります。

    デューデリジェンスは多くの専門家が行います。不動産の法的関係については法律事務所が行い、価値評価は不動産鑑定士が鑑定評価書を発行します。建物自体の耐久性や土壌汚染などはゼネコンや環境コンサルタントが調査を行います。

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求められる人材とは

アセットマネージャー

仕事内容

運用管理戦略、実施施策の策定

運用資産のPM会社の選定、指示、監督

運用資産の運用と管理業務

コストマネジメント、コンストラクションマネジメント等

必要スキル

商業用不動産のAM、PM経験

不動産業界の経験・知識、または金融業界でアナリスト経験者

信託銀行、大手不動産会社で売買・賃貸の仲介業業務

宅建主任者、鑑定士・ビル経営管理士・建築士・建築設備士・CPA資格等尚可

部門別予実管理経験、コーポレート財務分析・デューデリジェンス業務経験のいずれかある方優遇

アセットマネージャー

仕事内容

REIT(投資法人)の経理全般

ファンド組入れ物件の賃料管理(PM会社との連携)

ファンドの決算

必要スキル

経理業務経験者(決算経験望ましい)

経理スキルが十分であれば金融経験不問

簿記2級以上

アレンジャー

仕事内容

不動産の流動化・証券化

事業系不動産、オフィスビルなどのマーケット分析/評価/購入(アクイジション)

選定から購入までの一連のデューデリジェンス業務

ファンドストラクチャリング

必要スキル

証券化・ストラクチャードファイナンス・不動産ノンリコースローンなどの経験者

不動産取得・開発・運営の業務経験者

不動産鑑定士、ビル経営管理士、不動産コンサルティング技能士

銀行・機関投資家

仕事内容

ノンリコースローンの審査、案件発掘業務を含む。

不動産ノンリコース・エクイティ/メザニンファイナンスの営業(融資先、出資先の開拓)

不稼動債権投資、事業再生を目的とした不動産への投資、事業再生ファイナンスの提供、不動産ノンリコースローンなどの際の審査業務

不動産証券化・不動産ファンド組成等のファイナンスのアレンジ業務

必要スキル

不動産に関する基礎知識(不動産鑑定士、鑑定士補など歓迎)

金融機関での不動産担保融資の営業経験のある方または不動産ファイナンス専業企業で営業経験のある方

金融機関等で業界特化型(特に不動産業界)ストラクチャード・ファイナンスの運用・組成などの経験

不動産物件に関する将来価値の判断ができる方優遇

不動産を通じたアレンジメント経験のある方優遇

PM

仕事内容

ファンド組入・物件のハードウェア管理及び価値向上施策に立案・実施

ファンド利回りを考慮した年度修繕計画・ハードウェア施策の立案・実施

優良テナントの開発

仲介業者との業務関係やネットワークの拡大

必要スキル

不動産会社資産運用業務、一般事業会社資産運用管理業務(生保等)

信託銀行、大手不動産会社で売買・賃貸の仲介業業務

デベロッパーでの開発事業関連業務

建設会社等で建築・設計等の営業・企画業務

宅地建物取引主任者もしくは資格取得予定者

デューデリジェンス

仕事内容

不動産や債権の価値に影響を及ぼす法的、物理的、経済的事実関係を詳細に調査する。

売主からの提供資料の精査

登記関係の調査

商業用ビル等実物不動産評価

必要スキル

不動産売買、融資または信託受託業務におけるデュー・デリジェンス業務経験者

不動産評価業務経験のある方

不動産鑑定士

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    各国の大規模な金融緩和・低金利政策で、大量の低金利の資金が市場に流入し、資産運用業務がフォーカスされ、そのため人材ニーズが拡大しています。 アセットマネジメント投資信託業務では、2014年1月にNISAがスタートし、投資信託への新規資金導入を促すための、商品開発業務・ホールセラー・販売用資料作成業務を始め多数の新規ポジションが増加しています。

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