営業を技術面からサポート!「セールスエンジニア」

営業を技術面からサポート!「セールスエンジニア」
11 - 営業を技術面からサポート!「セールスエンジニア」

昨今のテクノロジーの変化が目まぐるしい社会において、今後さらに活躍が期待される「セールスエンジニア」について解説します!

セールスエンジニアとは

セールスエンジニアは、技術的な側面から営業をサポートする職種です。 
実際の営業現場で製品の説明や提案、実演を技術的な知見や経験を基にサポートし、潜在的な顧客のニーズをも引き出すことで、商談成立に貢献します。 

例として、ソフトウェアや電子機器などの製品をセールスするにあたって、製品の説明や、クライアントのレビューをもとにした新たな提案などを行います。

また、不具合が生じた際には、その対応に当たることもあります。
製品・サービスに対する専門的な知識がない営業が対応した際には、レスポンスが遅くなってしまったり、不適切な回答をして、大きなトラブルに発展するケースもあります。

一方で、技術面を理解しているセールスエンジニアは、トラブルを効率良く解決するだけでなく、クライアントがもっている潜在的ニーズを引き出して、新たな営業に繋げたりすることができます。技術的な知識を生かして、クライアントと自社、双方にとって良い提案をするのが、セールスエンジニアの役割といえます。

近年では、特に目まぐるしく進歩するIT業界を筆頭に、技術的な専門知識を活かし、営業活動からアフターフォローまで一貫して手掛けられるセールスエンジニアの需要が高まっています

セールスエンジニアの仕事内容

「セールス」と「エンジニア」両方の要素を兼ね備えたセールスエンジニアが、具体的にどのような仕事を担うのか、代表的な仕事内容を紹介していきます!

製品・サービスの説明

セールスエンジニアの目標は、「売上向上」です。
自社の製品やサービスを技術面から売り込むためには、製品やサービスについて細部まで把握していることが大前提です。
製品やサービスのメリット・デメリットの詳しい説明や、クライアントからの疑問点をその場で説明・解消することで、商談成立に繋げます。
顧客との関係作りやクロージング、セールスのテクニックを磨くことによって売上向上を目指す一般の営業担当者とは違い、自社の製品について詳細に顧客に説明したり、顧客の話をもとに、より良い提案をし、販売促進に繋げるのがセールスエンジニアです。
また、製品や技術に詳しいことをアピールすることで、商品や企業の信頼度向上にも繋がります。

顧客への技術的な提案

営業は製品の商談だけではなく、顧客の課題を顕在化させ、その課題を解決する必要があります。
しかし専門的な内容で営業担当者だけでは対応が難しい場合には、セールスエンジニアが、技術的な専門知識を生かして、対応することができます。
顧客先へ訪問し、顧客が抱いている抽象的な課題を具体化し、明確な解決策を提示する役割も担っています。

商品・サービスの実演

商談成立のため、顧客先へ訪問し、自社の製品やサービスを実演することで、製品やサービスの良さをアピールします。
資料や口頭だけでのプレゼンテーションよりも、実演することで、直感的で分かりやすいプレゼンテーションをすることができ、商談の成功率もアップします。

商談成立後の営業部門と技術部門の連携

商談成立後も、営業部門や技術部門から追加の要望が出てくる場合があります。それらの要望に対し、関係部署と連携して、適切に対処していくことが必要です。
セールスエンジニアは営業部門と技術部門の橋渡し役として、各部署がスムーズに連携できるように努めます。

アフターサポート

商談が成立し、製品やサービスを納品して終わりということではありません。
その後のアフターサポートが非常に重要なポイントで、丁寧なアフターサポートを行うことで、会社の信頼度を向上させることが出来ます。
また、顧客が不具合や故障が発生したと思っていても、実際には設定が誤っているだけというケースも多く、セールスエンジニアが対応することで、迅速な判断、トラブル解決に繋げることができます。

12 1 - 営業を技術面からサポート!「セールスエンジニア」

セールスエンジニアに求められるスキル

専門知識・技術

技術的な面から営業をサポートするためには、自社製品やサービス、またはその関連事項に対して、幅広く深い専門知識を持っている必要があります。クライアント側の技術担当者と対等に会話したり、課題解決策を提示するためには、高いレベルの知識が求められます。また、目まぐるしく進化する現代社会においては、常に最新の知識や技術を身につけておくことが重要です。

プレゼンテーション能力

顧客に営業活動を行う際には、専門的な内容を分かりやすく説明する必要があります。
専門的な知識を持たない人に対して、製品の特徴やメリット・デメリットを噛み砕いて説明し、質問に対して的確に回答する能力が求められます。また、売上向上のためには、製品やサービスの強みやメリットを魅力的にプレゼンテーションする能力が必要です。

コミュニケーション能力

セールスエンジニアの実際の業務は、営業に近いものです。このため、クライアントとの信頼関係を築くコミュニケーション能力が高いと、商談の成功率も高くなり、活躍できる可能性が非常に高まります。

セールスエンジニアのやりがい

「営業」と「エンジニア」の要素を持ち併せる

セールスエンジニアの醍醐味は、「営業」と「エンジニア」、両方の楽しさや面白さを味わえるところです。
顧客とコミュニケーションを取りながら、専門知識や、技術力を武器にできる仕事がしたい、という人には特に最適な仕事と言えるでしょう。
顧客と信頼関係を築く中で、よりよいサービスを提案したり、売上に貢献したりできることは、セールスエンジニアの大きなやりがいの一つです。

顧客の課題解決に貢献できる

セールスエンジニアは、商品やサービスをただ売るのではなく、顧客の課題解決の提案をすることが仕事です。

ヒアリングを通して顧客の抱えている課題を明確にし、エンジニアとしての知識や経験を生かしながら、課題解決のための最適な手段を考え、顧客に自社の商品やサービスを提案していきます。
場合によっては、製品やサービスの導入を見送るという判断に至るケースもありますが、顧客から直接感謝される機会も多いため、役に立っているという実感も得やすく、やりがいも感じやすい仕事です。

顧客から信頼され、社内でも重宝される

セールスエンジニアは、製品やサービスの導入後も、アフターフォローやメンテナンスなどでお客さまと継続的な接点があります。
このため、セールスエンジニアは、コツコツと長期的に信頼関係を築きながら仕事がしたい人にとっては、やりがいを得やすい職種です。

さらに、社内の設計エンジニアや研究開発部門と連携して、顧客の課題解決に向けた商品やサービスを開発することもあり、エンジニアと顧客の橋渡し役として社内でも重宝されます。

セールスエンジニアの将来性

DX(デジタルトランスフォーメーション)化など、変化の著しい社会において、専門知識を持ったセールスエンジニアの需要は、今後さらに高まっていくものと予想されます。
このため、セールスエンジニアとしての基礎スキルに加えて、専門知識にもより一層磨きをかけ、常に最新の知識を取り入れたり、IT技術などの幅広い知識も身につけておくことで、今後さらに活躍の場は広がっていくでしょう。

セールスエンジニアの年収

深い専門知識や経験を生かし、顧客に提案やサポートを行うセールスエンジニアは、営業職とエンジニア職のスキルを併せ持つハイレベルな職種と言えます。
このため、年収は一般営業職と比べると、高めの傾向です

また、セールスエンジニアにも、営業職と同様に「インセンティブ報酬」を用意している会社もあります。インセンティブ報酬制度では、セールスエンジニアの提案活動によって見事案件受注に繋がった場合などに、成果に応じてプラスαの報奨金が支給されることになります。

このような場合、本人の努力次第では、収入を大きく伸ばせる可能性があります
ただし、インセンティブ報酬を導入している会社では、営業職と同様にセールスエンジニアに対しても売上目標などを設定し、成果が問われるケースもあるという点は、理解しておく必要があります。

セールスエンジニアへの転職

技術職からセールスエンジニアへ

例えばソフトウェア系の企業で現場経験を積んだのちに、セールスエンジニアに転職するパターンがあります。セールスエンジニアには高い技術的な専門知識が求められます。また、知識に加えて、エンジニアの現場での実際の経験は、セールスエンジニアとして働く上で、大きな強みとなります。 

営業職からセールスエンジニアへ

営業職からセールスエンジニアになるためには、自身で勉強して、技術的な専門知識を得る必要があります。この場合、資格取得を目標にすると学習も進めやすく、転職活動にも役立ちます。

例えば、経済産業省主催の「ITパスポート試験」に合格すると、IT関連の職種で働くにあたって、もっとも基本的な知識があることが証明できます。また、同じく経産省主催の「基本情報技術者試験」に合格すると、エンジニアになる上での基本知識があるとみなされ、セールスエンジニアに転職する上で、高い評価を得られるはずです。

まとめ

営業現場において営業を技術面からサポートするセールスエンジニアは、IT技術をはじめとする幅広いスキルや知識を併せ持った人材として重宝されています。
今後、様々な業務は、AIによる代替が進んで行くと予想されていますが、顧客とのコミュニケーションが重要なセールスエンジニアの業務においては、AIに置き換わる可能性は低いと考えられています。
むしろ、加速するIT化社会において、最新の知識やノウハウを生かして、顧客の課題解決、より良い提案を行うセールスエンジニアの活躍の場は、今後さらに拡大していくものと思われます。

セールスエンジニアの最新求人情報

この記事を書いた人

KOTORA JOURNAL | 営業を技術面からサポート!「セールスエンジニア」

伊藤駿成

[ 経歴 ]
東京工業大学にて修士課程修了後、大手財閥系メーカーに入社。プロセスエンジニアとしてプラント設計に従事。その後米系金融機関にて個人・法人営業を経て、現職。

[ 担当業界 ]
メーカー、製造業、コンサル、金融機関等