【DX領域への転職】業界動向と転職に求められるスキル

KOTORA JOURNAL | 【DX領域への転職】業界動向と転職に求められるスキル
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IT領域の転職市場では、DX関連ポジションが盛り上がりを見せている

ITは事業・業務の垣根を越え、あらゆる領域へ

IT領域で活躍する人材の転職トレンドが変わってきています。

<これまでのトレンド>
■立ち位置を変える:
事業会社サイドからサプライヤーサイドへの転職

■よりTierの高い企業へ行く:
同業界での業界内序列アップ

<新しいトレンド>
■事業・業務の垣根を超えたITへ:
個別の事業・業務に紐づくIT⇒あらゆる事業・業務をスコープに!

前者は、情報の正確な処理を要求する定型的業務が多く、いわば「守りのIT」と表現できます。一方で後者は必ずしも定型的な業務にこだわらず、これまでIT化が忌避されてきた業務が該当します。近年のAI、アナリティクス、クラウド環境、H/Wの大容量化等のNew Technologyの恩恵を受けて急速にシステム化のスコープに入ってきており、いわゆる「攻めのIT」「デジタルトランスフォーメーション(以下DX)」と呼ばれて久しい状況です。

後者であるDXの業務スコープは、必ずしも100%の正確な処理を要求せず、例えば95%の精度であったとしてもそこでの答えを返し、経営や業務の意思決定に用いられる業務も多くあります。
また、守りのITと攻めのITとでは前述の通りTechnologyの種類も違うことに加えて開発スタイルも異なることがしばしばあります。

世界的に著名なITリサーチ・助言企業であるGartner社では、従来型の守りのITをMODE1、対するDXをMODE2と定義し、今後MODE2の需要の多いなる拡大を予見し、その目測が現実化しようとしています。

ビジネス活用での事例

人工知能(AI)をビジネスに活用する主な方法として下記が挙げられます。

検索エンジンでユーザー体験を向上させる

ECサイトのようなウェブサイトで最も重要な要素は検索エンジンであり、検索エンジンは、ユーザーが探しているものをサイト内で素早く容易に見つけられるようにする機能です。直感的な関連結果を提供する強力な検索エンジンを構築すれば、顧客を囲い込む有効な手段のひとつとなります。

顧客の意見を理解するための感情分析

感情分析は、テキスト本文に示されている感情や意見を評価する手法を指します。ユーザー生成コンテンツに感情分析を用いることで、商品等に関する顧客の意見を評価することができ、市場戦略の改善に役立ちます。AIを利用して自動感情分析機を構築すれば、大量のユーザー生成コンテンツを素早く理解できます。

自動モデレーション

ユーザー生成コンテンツの公開を許可しているウェブサイトは、 センシティブな内容が含まれていないかどうかを検閲して一定の基準を維持する必要があります。ユーザー生成コンテンツの監視は、コンテンツの種類や量によって非常に時間がかかる場合があり、そのため、多くの企業は自動モデレーションに切り替えて、作業量を軽減しつつ、ポジティブなオンラインイメージを維持するようにしています。 

テキスト要約 

バックエンドで自動テキスト要約をうまく実装することにより、ビジネスにおいて生産性や効率性の向上に役立ちます。長時間、電話会議に参加する時間がない場合は、音声の文字起こしプログラムとテキスト要約モデルを利用、そうすることで出席できなかった全ての会議の最重要事項を含む簡潔かつ完全なレポート作成が可能となります。

機械学習の活用事例

 大手オンライン旅行会社は機械学習を用いて、検索エンジンの関連性を向上させる取組を実施しております。20万件の検索クエリを分類し、そのデータを利用し、複数の商品カテゴリーで結果を返すことができる検索エンジンを学習させました。

ディープラーニングの活用事例

画像認識技術を強みとしているある企業は、ディープラーニングを使って、トマトの収穫作業を自動化する技術を開発。教師データとなる作物の画像を収集し、実、枝、蔕などの部分をアノテーションし、モデルを学習させました。正確に実を認識できるようになった上で、実から何cm上の部分を切り取って収穫する、などといった作業がディープラーニングによって可能となりました。

DX領域への転職で考えるべきポイント

従来のIT領域とは求められるスキルが異なる

<MODE1に必要とされるスキル>
メインフレーム、基幹システム、オンプレミス、従来型のSOA発想<MODE2に必要とされるスキル>
クラウドファースト、機械学習・AI、アナリティクス、IoT、ブロックチェーンを始めとした要素技術、アジャイル開発

両者に必要なスキルは明らかに異なりますが、MODE2のスキルが必要とされるポジションでのMODE1人材のニーズは今後増えていきます。それは、今後の爆発的に増える人材ニーズに対する質・量における人材不足、最終的にはエンジニアリングを業務にどう活用するかというフレームワーク、マインドセットの親近性などからです。人材ニーズの増加はこのコロナ禍で後押しされ、より顕著なものとなっています。

たとえ未経験の業務領域、技術、開発手法であったとしても関連する資格取得などを武器に臆せずチャレンジしていけば、新たなキャリアが開ける可能性が今後十分あります。

事業会社サイドとサプライヤーサイドではDX活用事例が異なる

現に「DX領域への転職」と言ってもポジションによって様々な違いがあり、転職の上で考えるべきポイントはいくつもあります。DX領域の転職で考えるべきポイントの一つとして、事業会社サイドとサプライヤーサイドの違いがあります。実際のプロジェクト例とともに説明します。

総合商社による高品質なマグロの安定した供給を目指した取り組み。

 

■画像認識技術を用いたマグロの個体数の把握

■マグロの尾部断面の画像解析技術によって品質を把握多角的金融サービス業による農業ICTクラウドサービス
■農園ハウス内に設置している温度・湿度・炭酸ガス濃度・照度・水温等をセンサーから収集し、遠隔地からデバイスでリアルタイムに把握する事で、農作物の品質を向上させると共に生産性を向上させ人件費の削減を実現、また定量化してナレッジ活用する事で生産ノウハウの共有を容易にした。建設業界中小零細業界を対象にした立替金プラットフォーム提供企業での与信判断
■与信条件に作業現場での建機稼働実態を盛り込み、IoTやドローンを用いて、自動で同実態を取り込み与信判断モデルへ組み込む。河川のコンクリート性の護岸の劣化状況を検知
■河川の災害対策として重要な役割を担うコンクリート護岸の劣化状況(コンクリートのひび割れなど)を画像解析から自動で判断できるアルゴリズムをAI、アナリティクス技術で開発し、熟練した技術者による目視点検によるコストを削減

どの事例も、事業会社サイドではテクノロジーの活用による企業価値向上を実感することができます。一方でサプライヤーサイドでは、テクノロジーの横展開や、企業個別の様々な状況化でのハイブリッド案、更に飛躍した活用事例をより多く経験することができます。

考えるべきポイントは他にもありますので、転職に際してのご自身のご志向を踏まえて最適な選択をしていくことが大事となります。

「DX領域」に強みのピックアップ企業・事例

ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング

2002年に設立されたビッグツリーテクノロジー&コンサルティング(以下BTC)はDX事業の注力サービスとしてAIビジネスにも力を入れておられます。

<プロジェクト事例:保険薬局の在庫効率向上に向けたAI活用の実用化に向けて取り組み開始>

BTCは、現在AIを活用した保険薬局の在庫適正化ソリューションの実用化に取り組んでおります。
保険薬局は、医薬品の供給を担う医療機関としてたくさんの種類の医薬品を備えています。保険薬局の薬剤師は、処方箋に従った患者さんへの薬の提供・服薬指導だけでなく、応需した際に欠品を発生させぬよう発注し、受入検品をし、管理を行う負担をも抱えています。

また、過剰在庫にならぬように適正な発注をする実務経験も求められます。これらを軽減するAIソリューションを実用化することは、薬剤師の間接的業務時間を削減して服薬指導の時間に振り向けるなど、薬剤師業務の「モノから人への転換」を加速することができます。

BTCは、小売業の需要予測やダイナミックプライシング、機械装置のパラメータ最適化等において、AIを実用化させた実績を持っており、保険薬局の在庫適正化にAIを活用するにあたっては、実際の在庫、発注等のデータを用いたPoC(Proof of Concept)を保険薬局向けのソフトウェア開発会社と共同で行ってまいりました。その結果、一定の期間の実運用において、人手による発注に比べて、発注回数、月末在庫、欠品回数のいずれも良好な値となることが検証できました。

これを深化させ、より多くの保険薬局様でご利用いただくためのアーキテクチャの検証や、発注精度の向上を図り、実用化に向けたアプリ開発が現在進行中です。

・参考:ユニケと協業 保険薬局の在庫効率向上に向けたAI活用の実用化に向けて取り組み開始

サインポスト

これまで金融機関向けのサービス支援を強みとされていたサインポストですが、AIビジネスサービスを開始されました。

<プロジェクト事例:ウォークスルーの次世代お買い物体験 無人AI決済店舗を実現>

サインポストは、JR 東日本スタートアップ株式会社と無人 AI 決済店舗の開発 を進める「株式会社TOUCH タッチ TO トゥ GO ゴー」を設立。2020 年春のダイヤ改正日に開業 する JR 山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」構内に、無人 AI 決済店舗の第 1 号店となる「TOUCH TO GO」 をオープンしました。

 TOUCH TO GO は、ウォークスルー型の完全キャッシュ レス店舗で、カメラなどの情報から入店したお客さま と手に取った商品をリアルタイムに認識して、決済エ リアにお客さまが立つとタッチパネルに商品と購入金 額を表示します。お客さまは、商品を持ったら、出口で タッチパネルの表示内容を確認して支払いをするだけ でお買い物ができます 。

サインポストは自社開発製品である「スーパーワンダーレジ」を提供。「スーパーワンダーレジ」は、買い物客が選んだ商品をAIがカメラを使って把握し、購入金額を自動計算するシステムで、レジでの会計待ちがなくなり、交通系電子マネーで決済を行うことで会計にかかる時間を大幅に減らすことができます。「スーパーワンダーレジ」はサインポストが開発した人工知能「SPAI」を導入しており、「SPAI」は画像認識技術と物体追跡技術によって買い物客が手にした商品の認識ができる優秀なAIです。

サインポスト株式会社のポジションを見る

・参考:http://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS02232/c9026b5b/e984/42e5/8439/317fbaca56cc/140120191129432102.pdf

フレクト

クラウドネイティブインテグレーターとして成長中の企業:フレクトではSalesforceが提供するAIソリューションを活用した開発等を行っています。
<プロジェクト事例:AIによる地盤改良体品質一次判定(または全長ボーリングコア判定)アプリケーションの開発支援>
フレクトは、建設会社である株式会社サムシングが抱えていた2つの課題「工事品質を担保できる人材育成の難しさ」「検査に値するか否かを判断する専門家の不足」を解消すべく、Salesforce Einstein Vision※1を活用した、Androidアプリケーション「MARCRAY(マルクレイ)」をフレクトが開発支援しました。
※1Salesforceが提供するAIソリューション

地盤改良工事(深層混合処理工法)において、現場でコアの品質検査を行うことは必要不可欠ですが、コアを検査機関に送るに値するか否かを判断する専門家の社員は少なく、人材育成には最低でも数年が必要と教育の難しさと人材不足が課題となっていました。また、検査結果が得られるまでには1~2週間、場合によっては更に1~2週間の期間がかかるケースもあり、現場への負荷・費用負担という課題もありました。そこで、画像認識に特化したSalesforce Einstein Visonを活用し、品質検査「全長コア」の一次判定が現場で可能となるAIアプリケーションの開発することとなりました。

・参考:技術による地盤改良体品質判定アプリ「MARCRAY(マルクレイ)」の開発を支援

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コトラ(広報チーム)