金融リスクマネジメントの転職〜転職市場の動向と転職の魅力〜

金融リスクマネジメントの転職〜転職市場の動向と転職の魅力
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金融取引にはさまざまなリスクが存在します。例えば、貸し倒れによる信用リスク、市場価格の変動による市場リスク、資金不足による流動性リスク、業務リスク、ITリスク、不正リスクなどのオペレーショナルリスクです。金融機関がこれらのリスク管理を怠れば、貸し倒れや市場の混乱、流動性の枯渇などが発生し、金融システムに大きな悪影響を与える可能性があります。

金融機関においては、経営戦略と紐づけ上記リスクのマネジメント体制を構築しています。

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日本における規制の推移

1989年に銀行規制の国際統一基準であるバーゼルⅠが導入され、2007年にはリスク計測手法を精緻化し、またオペレーショナルリスク概念を導入したバーゼルⅡに移行しました。2013年以降は、リーマンショックの反省を踏まえ、国際金融規制の見直しと強化を検討し、バーゼルⅢが導入されました。

銀行規制強化とともに、リスク管理を行う対象の範囲の拡大、リスク測定方法が精緻化されたことにより、リスク管理の専門人材に対する求人も増加してきました。

【銀行規制の推移】

(出所)バーゼル規制の概要 金融庁総合政策局リスク分析総括課健全性基準室作成

また、保険規制も銀行規制同様に、年々強化されてきました。

中でも、保険会社経営の中心にリスク管理を義務づけた2011年のERM導入は、リスク管理の専門人材に対する求人が増加する契機となりました。

現在、経済価値ベースのソルベンシーマージン基準の導入が提唱されていますが、この基準が規制として導入された場合には、高度なリスク管理人材への求人が更に増加することが見込まれます。

【保険規制の推移】

(出所)公開情報を元にコトラ作成

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金融機関におけるリスクマネジメント

金融機関では、バーゼル銀行監督委員会が公表している「コーポレート・ガバナンス諸原則」で示されている「3つの防衛線」の考え方にのっとり、第一線における自律的統制、第二線による牽制機能、独立した第三線が内部監査を実施することで、リスクガバナンスの適切性・有効性を確保しています。

第二線であるリスクマネジメント部門は、自主的なリスク管理体制を整備し、金融システムの安全性を担保する役割を担っています。

【3つの防衛線の職務】

(出所)コトラ作成

リスクマネジメント領域の求人動向

金融を取り巻く環境の大きな変化を受け、リスク管理体制の強化の必要性が高まっています。これに伴い、牽制機能である金融機関のリスク管理部門の求人案件は増加傾向となっています。

【求人案件数】

(出所)自社情報よりコトラ作成

また、下記「金融求人の内訳」が示す通り、銀行の求人が全体の半数近くを占めています。これは、大手金融機関が専門人材の確保を目的とした中途採用を強化していることが主な理由と考えられます。

【業種別求人動向】2023年7月時点

(出所)自社情報よりコトラ作成

リスクマネジメント領域に必要なスキルセット

リスクマネジメント人材をジェネラリストとスペシャリストで分けた場合、ジェネラリストはソフトスキル、スペシャリストはハードスキルが求められる傾向にあります。モデル開発、検証などのハードスキルは、強化される規制対応のために重要視されますが、リスク管理規程の決定や経営層・関係部門との連携に当たり、コミュニケーション能力や調整力といったソフトスキルについても重要なスキルであると考えられています。

【スキルセット一覧】

(出所)コトラ作成

スペシャリスト・ジェネラリスト、どちらを目指すかによって求められるスキルセットが異なりますから、今すぐ転職を考えている方もそうでない方も、一度スキルセットの棚卸しをしてみることをお勧めします

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リスクマネジメント領域の転職事例

リスクマネジメント領域の転職事例に関して、コトラでお手伝いした事例の一部をまとめてみました。

金融機関からコンサルティングファームや監査法人のアドバイザリー部門への転職、金融機関から別業種の金融機関といった横断的な転職が多く、またベテラン層を中心とした好条件での転職が多くなっています

【転職事例】

(出所)自社情報を元にコトラ作成

リスクマネジメント領域転職の魅力

最後に、リスクマネジメント領域の転職をお手伝いしている経験から、この領域での転職の魅力をご紹介します。

まず、この領域はまだまだ高度な専門人材が足りていない状況ですので、キャリアアップを図るチャンスに溢れています。金融業界における規制強化の背景から、リスクマネジメント領域の求人数は右肩上がりですから、転職を通して自分自身のマーケット価値を高めることが可能です。

また、金融機関からコンサルティングファームや監査法人といった異業種への転職も可能です。

弊社では、様々なリスクマネジメント領域の転職事例がございますので、長期的視点でキャリアパスを考えるお手伝いも可能です

この記事をご覧になり、少しでもご関心を持っていただけましたら、お気軽にご相談をいただければ幸いに存じます。

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この記事を書いた人

KOTORA JOURNAL | 金融リスクマネジメントの転職〜転職市場の動向と転職の魅力〜

渡邉 裕介

[ 経歴 ]
大学卒業後、損害保険会社のコーポレート部門、営業部門、グループ会社出向を経験。コトラ転職後はリスクマネジメント、ESG領域を中心に担当。

[ 担当業界 ]
リスクマネジメント、コンプライアンス、ESG/サステナビリティ、金融ミドルバック