P&Eディレクションズ 企業インタビュー

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イントロダクション

かつて戦略系コンサルティング・ファームといえば大手外資系ファームが大企業や官公庁相手にグローバルで開発したフレームワークを用いて戦略策定のプレゼンテーションをするものというイメージが強かったが、リーマンショック以降クライアントからより実効的な実行支援を求められることが多くなってきている。

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その中、2001年に設立し、今年で15年目を迎えるP&Eディレクションズは、「実行できる理想を。」というスローガンを掲げ、結果を出すことにとことんこだわり、競争の厳しいコンサルティング業界の中、独立系ながらバイアウト・ファンド業界において圧倒的なシェアの高さを誇るなどして成長を続けている。

P&Eディレクションズの成長の源泉となっている企業フィロソフィーはどういったものなのか?どういった特長で大手ファームとの差別化を図りクライアントの高い支持を集めているのか?人材に対してどのような考えを持ちチームを形成しているのか?などを創業社長である島田直樹代表取締役と、大手コンサルティング・ファームからP&Eディレクションズに転職し活躍するコンサルタントへのインタビューを通じて探った。

コンサルティング・ファームに関心がある人のみならず、事業会社で事業戦略の立案に携わる人にとっても示唆に富む特集だ。

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スペシャルインタビュー

P&Eディレクションズに聞く、理想的な実行支援型コンサルティング・ファームの姿

1.32歳で背中を押され起業

― 創業の経緯を教えてください。

島田氏:
「大学を卒業してから外資系事業会社、外資系コンサルティング会社を経て、ある外資系企業の日本法人の取締役に就任しました。その会社は香港の上場会社を買収したのですが、拙速な買収だったため十分なIR活動が行えず、結果PBR(株価純資産倍率)が0.5倍という状態が生まれてしまいました。そこに目を付けたある香港の会社が公開買い付けを仕掛け、買収されてしまったのです。

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私以外の取締役は皆外国人だったので、買収された瞬間に買収元が同社を解散することを悟り辞めてしまったのですが、日本人スタッフを20人程雇っていたこともあり、私は残務処理をすべて引き受けることにしました。私は香港にある親会社とスタッフの退職金の交渉をし、私自身が仕掛けて立ち上げた合弁会社の出資先である大手総合商社や大手電機メーカーへの謝罪をし、オフィスの家財道具を売り払い、クローズするという作業に追われました。

そうした日々の中、たまたま大手企業の重鎮二人から別々に「今後どうするの?独立するなら応援するよ」と声を掛けてもらったのです。当時私は、迷惑をかけたところへの後処理で精一杯で起業を考える気持ちはまったくなかったのですが、同時に二人の方にそのように言われたということもあり、起業してお世話になった方に奉公するという形もあるのかも知れないと思い、有限会社P&Eディレクションズ(当時)を立ち上げました。」

2.「実行することが一番尊い」~社名に込められた思い~

― 創業当初から現在と同じ屋号だったのですね。そこに込められた思いは?

島田氏:
「この社名にやりたいことのすべてが詰まっているといっても過言ではありません。PはPlanning、EはExecutionの頭文字です。つまり計画策定と実行のお手伝いをすることによってお客様の事業の成長に貢献するという思いがこもっています。多くのコンサルティング会社はこの両者を標榜しますが、私は実行支援であるところのExecutionの方が大切だと思っています。これは新卒入社した会社の当時の上司の影響が大きいと思います。その方はその後も大手企業の経営を歴任されていますが、首尾一貫して仰っていたのが「実行することが一番尊い」ということでした。そして能書きを言って良いのは結果を出した人だけであるという考えを徹底的に叩き込まれました。同時に、結果を出したら周りが評価してくれ、見る目も変わってくるということも教わりました。ですから私は実行して結果を出すことを何よりも大切にしています。P&Eディレクションズという社名は、そうした私の思いの表れです」

3.難しいチャンスで結果を出し事業を伸長

島田氏:
「有限会社P&Eディレクションズは、資本金300万円、住所は自宅、電話番号は携帯電話という会社でした。初めて刷り上がった名刺を見て『こんなところに大企業が発注するわけないな』と思ったことを覚えています。しかしお二人とも仰ったことを守って仕事を発注してくれました。内容は当時その会社が新規事業として立ち上げつつある複数のネットビジネスを全部まとめて面倒を見てくれというものでした。コンサルティングフィーは月額30万円です。

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大手戦略系ファームは2桁違う金額で仕事を受けていることを知っていたので、どうしようかとも思いましたが、『結果が出たら後からなんでも付いてくるから』と言われ、受けることにしました。

初めの1か月は色々な会社を見ていたのですが、2か月目にある会社に注目し、そこから2か月で万年赤字の閉めることも検討されていた事業を黒字化することに成功したのです。わずか2か月で黒字化という結果が出るとその噂は瞬く間に同社内に広がり、次から次へと仕事の依頼がくるようになりました。忙しくなったのに伴い、仕事の単価も上がりました。かつての上司の教えのとおり、コンサルティング会社でも結果を出せば口コミで評判が広がるということを痛感したので、結果を出すことにこだわり続けながら今日まで事業を進めてきました」

4「実行できる理想を。」をスローガンに徹底した実行支援

― 結果を出すためには具体的に何を心掛けているのか?

島田氏:
「私たちは企業の経営を手伝うわけではなく、事業を伸ばすということを請け負っていると考えています。会社に関わる誰もが事業を伸ばしたいと思っています。会社を永続的に存在させるためにも事業を伸ばすことは大切です。ゆえに私たちは「縮んで伸ばす」という成長案とセットの場合には喜んでお手伝いしますが、単なるコスト削減、プロセス改善がゴールになるプロジェクトはあまり受けません。ひたすら企業が成長する事、すなわち売上を上げ、利益を上げる攻めの支援をするように心がけています。P&Eディレクションズでは『実行できる理想を。』というスローガンを掲げていますが、経営者が持つ理想に対する思いをどのようにしたら実現できるかを、計画策定の時から考え、その思いを計画に落として実行するようにしています」

5バイアウト・ファンドにおける圧倒的実績

― 実行支援を掲げるファームは多いですが、結果を出すという意味で他社との差別化はできているのか?

島田氏:
「P&Eディレクションズには多くのバイアウト・ファンド(投資ファンド)にご用命頂いております。バイアウト・ファンドとはお金を集めて、色々な企業に投資し、育成し企業価値を高めて、株を売り対価を得て投資家に分配する会社です。P&Eディレクションズは国内のバイアウト・ファンドの半数以上とお付き合いさせて頂いていると思います。

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バイアウト・ファンドにとっては、事業・企業の「適正価値・価格」を出す基礎となる事業性評価がとても大切になります。P&Eディレクションズはコンサルティング業界の中で、事業デューデリジェンスを色々な成長フェーズの会社に対し、最も行っている会社だと思います。それはP&Eディレクションズが、結果を出し、多くのバイアウト・ファンドに有形・無形の貢献をしてきたからだと思うのです。バイアウト・ファンドのお客様の多さは、P&Eディレクションズが結果を出してきた証拠だと思います」

6メソドロジーよりもカスタマイズ

― 結果を出すために心掛けていることは?

島田氏:
「メソドロジーよりもカスタマイズを大切にしています。問題が起きるのも、問題を解決する糸口も現場にあります。意思決定に必要な情報を過不足なく集められて、意思決定できるように分析してテーブルの上に置いた時、我々と経営者の意見が食い違うことはほとんどありません。我々のアプローチは、経営サイドから話を聞いて、現場を見て、現場と経営サイドをよくつなげるというものです。何かメソドロジーがあって、それに基づいて診断し答えを出すというよりも、両方からよく話を聞かせてもらい、どうすれば良いのかをカスタマイズしながら考えてあげるという愚直な作業が我々の価値だと思います。ダーウィンが『種の起源』の中で書いていますが、結局生き残るものは強いものでも、体の大きなものでもなく、環境に適応できたものです。幸い私たちは外資系でも大資本の系列でもありません。目の前のお客様のニーズの最先端にいる企業です。片足をしっかり固定しつつ、お客様のニーズが変わっていく中でそれに応じたサービスを提供することができます。ですからメソドロジーにとらわれたサプライヤーロジックに陥ることはなく、お客様に気に入っていただいていると思います」

7.複数プロジェクトのハンドルで、高速成長

― P&Eディレクションズのアプローチで具体的にユニークな点があれば教えてください。

島田氏:
「昨今のコンサルティング会社では同時に複数プロジェクトを行うことは少なく、場合によって常駐しながら専念することが多いですが、P&Eディレクションズのコンサルタントはお客様に理解して頂いた上で、標準で2本、多ければ3本のプロジェクトを同時に進行することが多いです。というのも、色々な成長フェイズにある会社の様々な課題を解決してこそ初めてコンサルタントを名乗れると思っているからです。

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社員によく話すのは、家の隣にあるクリーニング屋、八百屋の売り上げが伸びていなかったら、彼らを助けてあげられるのが本当のコンサルタントだということです。様々な業界の様々な成長フェイズにある会社をコンサルティングするということには、会社として強い意思を持って取り組んでいます。そうしてたくさんの症例を経験し、経験が積み重ねられ引き出しを増やしていくことがとても大切です。したがって、マネージャー、プリンシパル、ディレクターになっても業界特化はさせません。また企業の規模によって分けることもしません。みんながありとあらゆるプロジェクトを手掛けます。足りない業界知識や業界知見は私および弊社の顧問ネットワークで担保しています。

8.若者のポテンシャルは青天井

― 人材の育成についてはどのように考えているのか?

島田氏:
「大前提として私が信じているのは、若者のポテンシャルは青天井であるということです。私自身、32歳で独立した時、当時ダブルスコアくらいの年上の経営者・事業家からチャンスをもらい、それがなければ今日の私はありませんでした。ですから私も若手にどんどんチャンスを与え、ストレッチさせるようにしています。起業から2年目の33歳の時から新卒採用を始めたのですが、当時こんなことがありました。関西の経済団体の会長もされたある大手企業の元社長の方に新卒入社3か月目の新人と会いにいきました。先方の応接室に通され待っているときに、彼に『今日は君がうちの会社の説明をしなさい』といいました。その瞬間にその方が入って来て、その若者は顔面蒼白になっていました。もちろんこれは事前に『こういうことをさせます』と相談の上でのある種の出来レースだったのですが、とっさに振られて大経営者にプレゼンテーションしたという経験があれば、自分が調べて、分析した内容をどんな大手企業の部・課長にプレゼンテーションする場合でも緊張はしなくなります。こうしたストレッチは積極的に行っています。入社3,4年目でプロジェクトリーダーもやらせます。そうしたリーチアウト、背伸びが成長を促すと思っています。その代わり、雲行きが怪しくなったら骨を拾うのが私の仕事だと思っているので、すぐにスクランブル発進ができるようにはしています」

9可愛がられるコンサルタントの長期的育成

― 他に社員教育で心掛けていることは?

島田氏:
「私たちはコンサルティング会社である前に事業会社です。便宜上経営コンサルティングと名乗っていますが、本当にやっていることは事業支援です。計画を立てるだけでなく、実行の支援をすることが大切です。あるいは計画を立てる段階からお客様と一緒にします。ですからコンサルタントの大先生でいてはいけないと社員には言っています。むしろ可愛がられて一緒に仕事をしてもらえる人間であることが大切です。P&Eディレクションズ自体がコンサルティング会社である前に一つの事業会社です。お客様の成長を実現するためには、我々自身が成長しなければいけません。そのためには社員一人ひとりが成長しなければいけないのです。つまりクライアント、P&Eディレクションズ、社員が成長するというベクトルで一本筋が通っているべきだと思います。そのために社員には社会人としての基本的なプリンシパルを叩き込むようにしています。たとえばニューヨークから身だしなみコンサルタントを呼んで、身だしなみ研修を行いますし、歌舞伎の観劇や社内のイントラネットで世界の名画の解説を流して絵の勉強を行うなど、お客様ときちんと話ができるようにリベラルアーツの教養も身に付けます。コンサルティング会社というと厳しいプレッシャーやストレスに曝されながら成長していくことが求められるというイメージがあるかもしれませんが、P&Eディレクションズでは、長期的時間軸で、可愛がられるコンサルタントを目指して人材を育成しています」

10.完全成功報酬のコンサルティング会社を目指して

― 今後の中長期的ビジョンは?

「日本の会社や日本で暮らす人がハッピーな状況を作りたいと思っています。たとえばある老舗飲食店のニューヨーク進出のお手伝いをしています。ニューヨークの物件選びから、商標の取得、別会社の立ち上げ、資金調達などありとあらゆることをしています。またその逆に、アメリカの高級飲食店の日本進出という案件もあります。パートナー探しから、出店、日本におけるブランド醸成、そしてその後のアジア展開まで視野に入れた事業支援をしています。

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このように日本の会社が海外に行って成功したり、日本人の生活がよくなったりする仕事がしたいです。そのためにニューヨークにも拠点をおいています。究極的にはコンサルティングフィーを頂いて支援するのではなく、完全成功報酬で成長した部分からお金を頂けるようになりたいと思っています。そのためにはお客様のパートナーとしてありとあらゆる部分に携わっていく必要があります。そうしてお客様につけた価値の一部を還元してもらえるようになれたらいいなと思っています。それが実現できたらとてもインパクトがありますが、それは私一人の思いではなく、社員全員が持っている思いだと考えています。」

― どうもありがとうございました。

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この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)