
日本のコンシューマー領域のサービスやプロダクトには、世界に誇れる「光る原石」がありますが、その成長を阻むリソース不足などの課題も多くあります。株式会社Vision Platformは、「日本の優れたサービスやプロダクトを世界に広める」という強いミッションを掲げ、自己資金ならではの柔軟な投資手法と、金融×事業のプロフェッショナルチームによる徹底的なハンズオン支援で、投資先企業のビジョン実現を目指しています。本稿では、代表取締役CEOである酒井裕輝氏に、同社の投資理念、具体的な成長支援、そして未上場企業投資マーケットへの熱い想いについて詳しく伺いました。
ゲスト紹介
ゲスト

株式会社Vision Platform
代表取締役CEO
酒井 裕輝 様
慶應義塾大学経済学部卒業後、三井住友信託銀行・日系PEファンドを経て、Boston Consulting Groupでは通信・メディア企業の事業戦略策定、大型M&A戦略策定・実行、全社コスト削減等のプロジェクトをリード。2024年7月よりVisionPlatformに取締役COOとして参画。同年9月に代表取締役CEO就任。投資先複数社の取締役・社外取締役を兼務。
ビジョン・投資理念──日本の”光る原石”を世界に広めるという使命
コトラ武澤:
まずは、設立の背景とミッションについてお聞かせください。「ビジョン・プラットフォーム」という社名に込められた、投資を通じた社会・企業への貢献のあり方とはどのようなものでしょうか。
酒井様:
日本の国際的ポジションが低下しているという課題感を持つ中で、日本の衣食住を始めとするコンシューマー領域は世界に誇れるものだと感じています。
一方で、事業としての成長余地や海外に向けて伝える力など、勿体ないところが多くあります。
だからこそ、投資や投資後の成長支援を通じて、「日本の優れたサービスやプロダクトを世界に広めていきたい」という強い想いがあります。
我々は自己資金ならではの柔軟かつ迅速な投資手法と、金融×事業のプロフェッショナルチームを武器に、投資先企業を育成し、コンシューマー領域で日本から世界に誇れる事業群を創り上げていくことを目指しています。
コトラ武澤:
日本のコンシューマー領域に対する強い想いが社名にも表れているのですね。金融と事業のプロフェッショナルチームという点も非常に魅力的です。現在、数ある投資会社が存在していますが、その中で貴社が最も大切にしている「投資の評価軸」や「投資コンセプト」はどこにあるのでしょうか。
酒井様:
投資基準は数値的な部分も含めて色々な視点で設定していますが、最も大切なことは「魅力的なプロダクトやサービス、ブランドを有しているか」ということです。光る原石があれば、我々はそれを徹底的に磨きこみ、ビジネスとして昇華させることができると確信しています。
投資効率の観点から、ファイナンス等を含めてストラクチャーの工夫は行いますが、投資前に我々ほど売主の企業様と踏み込んでビジネスのグロースに関する議論をするプレイヤーは稀だと考えています。
コトラ武澤:
短期的なエグジットを目的とするのではなく、中長期的な展望として、投資先とともにどのような未来を築こうとされているのでしょうか。
酒井様:
投資開始後1年半で9社に投資実行していますが、今後も早いペースで投資を行い、グループ内での有機的なシナジー創出を意識しつつ、20〜30社のポートフォリオを構築します。
その中で、数年でエグジットする企業もあるかもしれませんが、グロースやロールアップを重ねて業界トップを目指す企業や世界に誇れる企業を創出します。
我々は社名の通り、投資先のVisionを実現するPlatformでありたいと考えております。
投資実務の独自性──”価格で戦わない”、現場に深く入り込む異色の流儀
コトラ武澤:
次に、具体的な投資実務についてお伺いします。投資対象の選定基準として、業種や規模、あるいは「企業のどのようなフェーズ」に魅力を感じて投資を決定されるのでしょうか。
酒井様:
先にお答えした投資の評価軸に近い話ですが、光るものはあるのに資金や人材などリソースが不足しているため十分成長ができていない、苦戦しているような企業には魅力を感じます。
これは必ずしも新興企業だけでなく成熟企業にも起こり得る状態で、最近では不安定な国際情勢やAIの爆発的進化を起因としたゲームチェンジがあらゆる業界で起きつつあります。
一方でマーケットとしてはPEファンド・上場企業を始め買い手のニーズは大きく、かつ潤沢な資金を有するプレイヤーが多いため、誰もが魅力的に感じるような案件に対して、価格だけで戦うことはしない方針です。
コトラ武澤:
リソース不足で苦戦しているものの、光る原石を持つ企業に注力されているということですね。投資実行後、メンバーの方々はどの程度の頻度や深さで現場に入り込み、経営支援を行うのでしょうか。ハンズオンの解像度について教えてください。
酒井様:
ケースバイケースですが、深く入る投資先には、現場オペレーションを一緒に回して知見を深めて改善していきます。
またDay1で経営層を外部招聘することはせず、自分達で一定期間経営や現場に入り込んだうえで必要なポジションや採用要件を定義する等、ミスマッチが起きない組織作りを心掛けています。
特にスモールキャップの領域においては、投資先の社員や取引先の皆様にリスペクトと学びの気持ちを持って信頼関係を築くことが、株主や役員の立場としても必要だと考えています。
それらを蔑ろにして、ハイレベルな経営戦略を振りかざしたり、経営管理だけに終始したりすることは、我々のポリシーに反しますし、実際に組織を変革していくことはできないと考えています。
コトラ武澤:
一般的なGP/LP構造を持つファンドと比較した際、貴社ならではの「機動力」や「投資期間の柔軟性」が投資先に与えるメリットにはどのようなものがありますか。
酒井様:
「ストラクチャーの柔軟性」と「意思決定や実行までのスピード感」は業界でもトップクラスだと感じています。
前者はフルエクイティやバックファイナンスの活用、既存株式+第三者割当増資など、通常だと取りにくい手法も積極的に実行しています。

後者は自己資金投資ならではですが、IM(インフォメーション・メモランダム)の受領からLOI(意向表明書)の提出まで2〜3週間、検討開始からクロージングまで1か月半で到達した事例もあります。
こうした対応力は売主様にとってもメリットが大きく、我々を選んでいただく理由の1つとなっています。これらは投資前に限らず、むしろ投資後におけるメリットが大きく、経営判断や追加の成長資金供給など、事業をスピード感を持ってドライブしていく上で重要だと考えています。
コトラ武澤:
そうした強みを活かした成功事例のエピソードとして、過去にどのような課題を抱えた企業を、どのようなプロセスで成長軌道に乗せたのかお聞かせいただけますか。
酒井様:
アフタヌーンティーカフェを運営するキャバリーでは、事業は順調に推移していましたが、更なる成長に向けた経営人材・ケイパビリティの不足が課題となっていました。我々は経営に関与していなかった株主から株式を取得させていただき、弊社より役員を複数名派遣して、オペレーション効率化とコストコントロールを中心に支援しました。結果として、投資後1年でEBITDAが2倍まで成長しております。
なお成長に必要な投資は抑制せずに、安定した組織運営に向けた採用強化、新店舗拡大に向けた出店戦略策定といった仕込みまで行った結果の数値です。社長には既存店舗のトップライン成長に集中いただき、我々はコストサイドと組織作りや新規出店等の来期以降の仕込みといった役割分担が機能している成功事例だと思います。
高品質低価格の化粧品を製造販売するジェネリック化粧品では、良いブランドコンセプトとプロダクトを持っていましたが、売る力と資本が不足している状態でした。我々は第三者割当増資で資本参加しましたが、弊社より役員を複数名派遣して、経営戦略および事業計画の策定、マーケティングの型化、ファイナンスを中心に支援しました。結果として、投資後1年で月商は5倍以上に拡大しており、足元でも急成長を続けています。
投資後に追加出資も実行しており、我々の意思決定や投資実行までのスピードも活きた案件だと感じています。
組織・カルチャーの正体──弁護士・会計士・コンサルが一気通貫で動く最強チーム
コトラ武澤:
事業を力強くドライブさせる上で、貴社の組織体制が大きく貢献していると推察します。現在のメンバーのバックグラウンドや、それぞれの専門性がどうシナジーを生んでいるのか、チームの構成について教えてください。
酒井様:
現在、コンサルタント、弁護士、IBD、会計士など様々なバックグラウンドを持つメンバーが集まっています。コンサル出身者は成長仮説の構築、弁護士は法務・リスク整理、金融系は財務分析やストラクチャリング、会計士は財務・会計観点での整合性担保など、それぞれの専門性を活かして幅広く活躍しています。
ただ、我々の最大の特徴は「自分の専門領域だけに留まらない」という点です。自身の担当案件は一気通貫で推進するため、未経験の領域であってもまずは自分で仮説を立てて進め方を発信し、その上で得意なメンバーにサポートを依頼しながら進めていきます。
お互いの専門性を活かして協力し合い、主体的な発信から始まるこのチームワークによって、大きなシナジーを生み出しています。
コトラ武澤:
一人ひとりが一気通貫で案件を推進するからこそ、強力なオーナーシップが育つのですね。貴社で働くうえで、メンバーに共通して求められる「視座」や「行動指針」など、プロフェッショナリズムの定義はどのようなものでしょうか。
酒井様:
「何を考え、組織を動かすか」という姿勢と、「この案件を自分がやりたいか」という本人のやる気・オーナーシップを重視しています。
自由である分、自分で方針を決めて守る責任も伴いますが、我々自身も会社とともに成長していくというベンチャーマインドを大切にしています。
コトラ武澤:
投資案件の検討においては、年次や役職に関わらずどのような議論が行われているのでしょうか。フラットな議論の文化についてお聞かせください。
酒井様:
社内では、議論に必要な資料は最小限かつシャープに用意する文化があり、考えるべきところに時間を配分しています。
ロジックが通っていれば頭ごなしに否定されることはなく、責任と権限が共存しています。
未経験の領域でも、まずは自分の仮説を発信し、その上で仲間にサポートを依頼するといった、主体的な発信から始まるチームワークが特徴です。
採用・面接で見ているもの──M&A未経験でも歓迎、問われるのは「やりきる覚悟」
コトラ武澤:
ここからは採用についてお伺いします。求める人物像として、スキル(財務・法務・戦略)以外に、どのような「資質」や「原動力」を持つ人物を仲間に迎えたいとお考えでしょうか。
酒井様:
M&Aの専門性がなくても、多様なバックグラウンドを持つ方を歓迎します。
何よりも当社の理念に共感していただけることが大前提です。
オーナーシップを持ち、自分で案件を構想して推進し、任された領域で目標に向かって積極的にチャレンジできる方を求めています。
コトラ武澤:
面接の対話を通じて、候補者のどのような側面を確認されているのでしょうか。ストレス耐性や誠実さ、事業への愛着など、面接で見ているポイントを教えてください。
酒井様:
金融や事業などの候補者の方が得意とする領域のハードスキル面の確認に加えて、「何をやりたいか、高いレベルまでやりきれるか、その想いを他者に伝える力があるか」といった意思力やコミュニケーション力等のソフト面も重視しています。
コトラ武澤:
候補者が貴社に参画することで得られる、他では経験できないキャリア上の資産、「未上場企業投資」の醍醐味は何でしょうか。
酒井様:
当社は投資開始から1年半で9社に投資しており、今年は5社以上に合計で最大100億円規模の投資を目指しています。
これほどの件数と金額を年間で経験できる組織は限られており、非常に濃密な環境で圧倒的に成長できます。
また、案件ベースのキャリー制度を導入しており、若手でも頑張りに見合った大きな成果を受け取れる点も大きな魅力です。
候補者へのメッセージ──ブルーオーシャンの最前線で、自分で考え業界を変える人へ
コトラ武澤:
最後に、日本の未上場企業投資マーケットをどう見ており、そこにどう一石を投じたいか、業界の変革に対する想いをお聞かせください。
酒井様:
特にスモールキャップのPE業界はブルーオーシャンだと感じています。
事業承継や経営環境の変化等により、多くの中小企業が課題を抱えている中、特に我々のような事業にコミットするタイプの投資家は強く求められていると感じています。
この環境に甘えずに、我々は短期的なリターンに傾注することなく、掲げたビジョンを実現するため大義を持って投資活動を行い、結果を出していくことで、本業界を変革したいと考えています。
コトラ武澤:
入社を検討している方へ向けて、どのような志を持つ人に門戸を叩いてほしいか、メッセージをお願いいたします。
酒井様:
全てのメンバーに主体性が求められ、かつ自由度が高い環境です。自分で考えて動き、組織を巻き込み、最後まで徹底的にやり切る気概のある方にとっては、最高にエキサイティングな会社です。
また若手中心の組織であり、年次に関わらず一気通貫で案件を任される大きな裁量があります。投資のスピードも速いため、一人ひとりが経験できる「案件数」と「案件に関わる密度」が圧倒的です。
与えられた枠組みにとらわれず、豊富な実践機会を通じてプロフェッショナルとしての実力を最速で引き上げたいと考える方は、ぜひ一度お話ししましょう。

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インタビュアー紹介
インタビュアー

株式会社コトラ
エグゼクティブコンサルタント
武澤 諒介
【 経歴 】
法政大学経済学部卒業後、横浜銀行に入社。 個人向け資産運用提案業務と法人向けソリューション提案業務に従事。 事業法人に対して融資を中心にM&A提案やビジネスマッチング提案など幅広く業務に従事。金融領域でスキルアップを目指すキャンディデートのキャリアを支援。








