不動産アセットマネジメント領域におけるリース会社への転職を解説〜キャリアパスも紹介!

はじめに:不動産アセットマネジメント業界で起きている新たなキャリアの潮流

不動産アセットマネジメント領域のキャリアといえば、その名の通り不動産アセットマネジメント会社への転職を一番に考える方が多いと思いますが、実は「リース会社の不動産部門」への転職もエージェントが提案する選択肢のひとつです。

一方で、リース会社の不動産ビジネスの詳細やキャリアとして選ぶことの魅力はまだ広く知られていない側面もあります。

この記事では、「リース会社の不動産事業」の特徴や、そこで経験できる業務について、説明していきます。

不動産アセットマネジメント会社とリース会社の各ビジネスモデル

理解を深めるため、まずは不動産アセットマネジメント会社と「リース会社の不動産部門」のビジネスを整理・比較します。

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不動産AMのビジネスモデル

不動産AM会社の主な業務は、投資家から委託を受けて不動産資産の価値最大化を実現するものになります。
具体的には、不動産の取得・運用・管理・売却を通じて ファンドの運用期間内にリターンを最大化することがミッションとなります。
投資家利益の最大化が最優先事項であり、適切な投資家ニーズの把握と説明責任が求められます。

リース会社の不動産ビジネスモデル

リース会社での不動産事業は、設備投資の一環としての建物リースから発展してきた歴史があります。企業のニーズに沿った建物を建築するリース会社には開発ノウハウが蓄積されている点が大きな特徴です。
また、テクノロジーや環境への意識も高まるなか、建物リースも新たな段階を迎えています。受注型の開発から自社保有も想定した先行開発(自己勘定投資/ブランドを立ち上げた会社もあります)も進めており、不動産ビジネス領域が大きく拡大しています。
投資家やクライアントの制約に縛られない柔軟な不動産投資が可能であること、開発企画、取得、開発、運用、売却まで幅広い業務に挑戦できることなどは同業界ならではの魅力です。
※運用会社への出資や運用会社の買収を行うリース会社もあり、事業の垣根も消えつつあるようです。

不動産アセットマネジメント会社とリース会社の「できること」の違い

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不動産AM会社でできること(運用のプロフェッショナルへ)

不動産AM会社では、ファンドという枠組みの中で、いかにして投資家の期待を超えるリターンを生み出すかという、純粋な「投資・運用」のスキルを極めることができます。
多様な投資家との折衝や、緻密なファンド計数管理、マーケットの動向を捉えた迅速な売買判断など、不動産運用のプロフェッショナルとして高度な専門性を磨くのに最適な環境です。運用実績を通じて運用規模も拡大するためスケールの大きなビジネスができる点も魅力の一つです。

リース会社でできること(不動産事業家への道)

一方、リース会社では、AM業務に加えて開発を起点とした幅広い経験を積むことが可能です。

①「開発(川上)」から携われる: どのような建物を建てれば価値が最大化するかを構想し、事業計画を立て、設計・建設をマネジメントするという、デベロッパーとしてのダイナミズムを経験できます。

②「長期視点」での事業運営: 自己勘定での投資であれば、ファンドの期限に縛られず、10年、20年先を見据えた長期的な視点で、腰を据えた不動産投資や資産価値の向上に取り組むことができます。

③「アセットタイプの自由度」: 市況や土地の特性に応じて、物流施設、ホテル、商業施設、データセンターなど、自らの企画で最適なアセットタイプを開発する「事業家 者?」としての面白さがあります。

いいかえれば、リース会社は、アセットマネジメントとしてのスキルを活かしつつ、不動産ビジネスを「開発」や「不動産事業」という複合的な視点で捉え、一気通貫で推進する経験を積むことができる業界になります。
※投資家サイドやレンダーとしての業務もあります。

不動産AMとリース会社で「できること」の違い

このビジネスモデルの違いは、そこで働くプロフェッショナルが「できること」、つまり経験できる業務内容の違いにつながります。

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不動産AM会社でできること(運用のプロフェッショナルへ)

 不動産AM会社では、ファンドという枠組みの中で、いかにして投資家の期待を超えるリターンを生み出すかという、純粋な「投資・運用」のスキルを極めることができます。多様な投資家との折衝や、緻密なファンド計数管理、マーケットの動向を捉えた迅速な売買判断など、金融のプロフェッショナルとしての高度な専門性を磨くのに最適な環境です

リース会社でできること(不動産事業家への道)

 一方、リース会社では、AM業務に加えて、より幅広い経験を積むことが可能です。

①「開発(川上)」から携われる: どのような建物を建てれば価値が最大化するかを構想し、事業計画を立て、設計・建設をマネジメントするという、デベロッパーとしてのダイナミズムを経験できます。

②「長期視点」での事業運営: 自己勘定での投資であれば、ファンドの期限に縛られず、10年、20年先を見据えた長期的な視点で、腰を据えた街づくりや資産価値の向上に取り組むことができます。

③「アセットタイプの自由度」: 市況や土地の特性に応じて、物流施設、ホテル、商業施設、データセンターなど、自らの企画で最適なアセットタイプを開発する「事業家」としての面白さがあります。

つまり、リース会社では、アセットマネジメントとしてのスキルを活かしつつ、不動産ビジネスを「開発」「金融」「事業」という複合的な視点で捉え、一気通貫で推進する経験を積むことができるのです。

 

【具体例】不動産ビジネスに注力するリース会社の求人

コトラでは、不動産アセットマネジメント業界やリース業界の不動産事業に関わる求人を多数取り揃えています。

参考までに、以下は某リース会社での人材ニーズになります。

銀行&商社系リース会社での不動産開発事業部(デベロッパー)の求人

【ポジション概要】
取得(賃借)する土地における建物および所有している不動産におけるデベロッパー業務
(事業主としての建物の企画・開発・事業推進業務(プロジェクトマネージャー)等)

【未経験可】銀行&商社系リース会社での不動産アセットファイナンス(国内・海外ローン/エクイティ投資)の求人

【ポジション概要】
1.不動産デベロッパー、ファンド会社、アセットマネジメント会社、金融機関等への営業/案件発掘
2.鑑定評価に基づく物件査定(バリュエーション)、事業計画(キャッシュフロー)分析、物件現地調査
3.経済条件折衝、契約交渉(ドキュメンテーション)、クロージング(案件実行)手続
4.上記に係る社内合意形成(資料作成、プレゼンテーション)、関連部署(経理/法務/財務/審査等)との連携

銀行&商社系リース会社での不動産案件の組成および営業(不動産戦略営業部)の求人

【ポジション概要】
不動産と金融の専門知識を駆使し、物流施設・商業施設・ホテルといった多様な不動産案件をゼロから創り出し、実行まで導く役割を担っていただきます。

銀行&商社系グループでの不動産AM業務担当者(私募REIT)の求人

【ポジション概要】
【概要】
私募REIT運用部門の業務態勢充実化

【詳細】
不動産アセットマネジメントに関する一連の業務             
・私募REITの戦略的運用計画の立案
・運用計画の実行(運営、予算・資金管理など)
・投資家、レンダーへの報告等の対応
・PM会社などへの指示・調整
・上記の付属する業務

銀行&商社系リース会社での不動産ソリューション営業部(CRE)の求人

【ポジション概要】
【概要】
私募REIT運用部門の業務態勢充実化

不動産案件(開発型・流動化・ブリッジ等)の組成および営業
(1)対象案件:物流・商業・ホテル・産業系アセット等、主に国内の不動産案件
 1.開発型案件
顧客、事業パートナー、建設会社、仲介会社等と協働し、開発素地情報とテナント進出ニーズをマッチングのうえ、不動産リース事業、賃貸事業、売却事業の組成および営業業務
 2.流動化案件
顧客の会計・財務ニーズ等に合わせたCREソリューション提案を行い、既存不動産の取得・賃貸するスキームの組成および営業業務
 3.ブリッジ案件
ファンド・REIT等にウェアハウジング機能を提供するスキームの組成および営業業務

銀行&商社系リース会社での不動産マネジメント部(ミドルバック業務)の求人

【ポジション概要】
【概要】
・保有している不動産リース資産等(約600棟。不動産現物、信託受益権、匿名組合出資他)の管理および売却に係る業務
・個別案件担当チームの支援(ミドルバック業務)や各種社内管理業務

銀行&商社系リース会社での不動産マネジメント部(アセットマネジメント)の求人

【ポジション概要】
【概要】
・ユーザー、テナント、AM、信託銀行その他外部からの相談/依頼事項対応
・賃料改定、データ授受など顧客等との折衝
・キャッシュフロー予実管理、決算対応(連結SPCの管理等を含む)
・期中管理/出口売却等に係る各種協議、社内稟議手続、ドキュメンテーション対応
・その他付随業務(社内レポーティング、法令対応、営業担当等社内関係者とのやり取りなど)

不動産に注力しているリース会社についてのお問い合わせは以下のURLよりお気軽にお問い合わせください。

リース会社に限らず、不動産アセットマネジメント会社も幅広く取り揃えておりますので、是非一度コトラにご相談ください。

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この記事を書いた人

川上 久美子

[ 経歴 ]
京都府立大学卒。新卒で総合教育企業に入社、教育現場に従事したのち、管理職を経験。その後、ブライダル業界に進み、支配人として活躍。同社の新規事業として企業向けのSDGs推進支援サービスを展開する団体のスタートアップを経て、コトラへ。