外資系金融への転職のカギとは?日系金融機関との違いも解説

外資系金融への転職のカギとは?日系金融機関との違いも解説
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外資系金融機関はハイクラスの方が目指すエリート業界の一つです。現在日系の金融機関に勤めている方も一度は転職を検討したことがあるのではないでしょうか。

しかしその華やかなイメージの一方で、候補者の方とお話をすると外資系金融の細かな分類や社風までを把握している方は少ないように感じます。

事前に会社の社風や働き方の違いを理解していないと、入社後にギャップが生じ、短期離職につながりかねません。

本記事では、そんな外資系金融の特徴や社風、日系金融機関との違いを解説し転職希望者の皆様に、外資系金融のイメージをつかんでもらいたいと思います。

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外資系金融にはどんな部門があるの?

外資系金融は、大きく下記の3つの部門に分類されます。

1.銀行部門
2.証券部門
3.投資ファンド部門(アセットマネジメント)

日系金融機関では、昔は各部門がそれぞれ独立していましたが現在ではその垣根はなくなっており、海外で主流の金融コングロマリットの形を取るのが主流です。このような形態の金融機関は「ユニバーサルバンク」とも呼ばれています。

外資系金融に転職する動機

外資系金融機関への転職を希望する方の動機は、大きく下記の2点ではないでしょうか。

①給与:圧倒的給与水準の高さ
②やりがい:大きなコトがしたい(グローバルで仕事をするので、規模の大きな事業に携われる。クロスボーダーM&Aなど。)

日系金融機関は、まだまだ年功序列の世界です。自分の実力次第が給与に反映される外資系企業で勝負してみたいという方はやはり多いです。

また、グローバルで規模の大きな事業に携わってみたいというのも、メジャーな転職動機です。クロスボーダーM&Aなど外資系金融機関ではという事業も魅力的なようです。

日系金融と外資系金融の違い

報酬制度の違い

外資系金融機関 :実力主義が徹底している
日系金融機関  :年功序列のピラミッド型の報酬構造

外資系金融機関は実力主義の会社が多い一方で、日系企業は年功序列の会社が多いです。

外資系金融機関のトップティア企業であれば、新卒から年収が1000万円を超すことも珍しくなく、若くして高年収の待遇を得ることができます。

一方日系金融機関は、基本的には年功序列の報酬構造となってます。

ただ、最近は日系企業でもプロフェッショナル職や実力主義を導入している企業もあります。また、新卒から1000万円の給与を支払うということで話題になった三菱UFJ銀行の事例もあり、少しずつですが年功序列からの脱却を図ろうとしているのが見て取れます。

▼参考記事三菱UFJ銀行「新卒年収1000万円」どんな人材? “スーパー学生”の条件

働きやすさの違い

外資系金融機関 :競争原理がはっきりしていて実力主義が徹底されている
日系金融機関  :古き良き日本の終身雇用のもと安定している

外資系金融機関は、競争原理がはっきりしており年齢関係なく実力主義が徹底されています。

また、外資系金融機関は福利厚生が充実しています。プロジェクトが終了したり一定の年次になると、数ヵ月から1年間の長期休暇を取得することができます。オンとオフの切り替えがはっきりしており、メリハリのある働き方が外資系金融機関の特徴です。

一方、古き良き日本の終身雇用制度と年功序列制度の中、安定した働き方ができるのが日系金融機関の特徴です。

しかし、最近では日系金融機関でも「役職定年」の影響があり働き方に変化が起きています。

外資系金融機関の給与

外資系金融といえば高給取りというイメージがありますが、実際どれくらい受け取っているのでしょうか。今回は某外資系投資銀行と、とある日系投資銀行部門の給与を比較しながらご紹介します。

某外資IBD:2000万程度(勤続年数5年)
某日系IBD:1000万円前後(勤続年数5年)

※IBD:投資銀行部門

日系と比較すると外資系の年収は2~2.5倍ほど変わってきます。職種によって差はでますが、おおむねこの給与レンジです。

平均的なサラリーマンよりも高年収である金融機関のさらに2倍の給与ですから、外資系金融機関の高給さがよくわかるでしょう。

金融に限らず、外資系企業の年収は、ベース給与とインセンティブから構成されていることが多くインセンティブの割合が高いことが特徴です。インセンティブは個人の成果だけでなく、市場の景気にも大きく影響されます。

外資IBDで新卒から20年間勤めてきた方や大手の投資ファンドに勤めている方の年収は、プロ野球選手の年俸並の給与となっており、サラリーマンとしては最高峰の給与水準です。

外資系金融機関の代表的な企業

米系銀行

JPモルガン・チェース銀行、シティバンク銀行、ウェルズファーゴ銀行、ステート・ストリート銀行、バンク・オブ・アメリカ・NA、ゴールドマン・サックス

欧州系銀行

BNPパリバ銀行(仏)、UBS AG(スイス)、クレディ・アグリコル銀行(仏)、クレディ・スイス銀行(スイス)、コメルツ銀行(独)、スタンダード・チャータード銀行(英)、ソシエテジェネラル銀行(仏)、ドイツ銀行(独)バークレイズ銀行(英)

その他の地域の銀行

香港上海銀行(香港)、SBJ銀行(韓国)、イタウ・ウニバンコ・エッセ・アー(ブラジル)、ウリィ銀行(韓国)、カナダロイヤル銀行(加)、パキスタンナショナル銀行(パキスタン)、ハナ銀行(韓国)、中國銀行(台湾)、中國信託商業銀行(中国)、中国建設銀行(中国)、DBS銀行(シンガポール)

投資ファンド

ベイン・キャピタル、KKRジャパン 、ブラックストーン・グループ、アドバンテッジパートナーズ、ユニゾン・キャピタル

外資系金融経験者のキャリアパス

金融業界出身者は、元の給与水準が高いことから同じ金融業界で転職をする人が多いです。

今回は金融業界の中で順調にキャリアステップをしていく「王道のキャリア」「金融業界以外に転職するキャリア」の2パターンをご紹介します。

今回ご紹介するキャリアパスはあくまでも一例なので、自分のキャリアにどのような可能性があるかは、個別にお問い合わせいただければ回答いたしますので、お気軽にご相談ください。

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外資系金融での王道キャリアパス

ここでは外資系金融機関経験者のキャリパスをの中でも「王道の転職ルート」をご紹介します。

王道の転職ルート

①国内外の一流大学卒業

②日系大手証券・メガバンク

③外資証券・銀行

④外資大手バイアウトファンドなど投資サイド

上記の王道転職ルートを概要をざっくりまとめると以下のような流れになります。

王道の転職ルートの概要

①日系の投資銀行で経験を積む(20代前半)

②外資系券・銀行に転職し、キャリアの中で一番稼ぐ(20代~30代)

③大手バイアウトファンドなど投資側に転職する(30代~40代)

投資銀行や証券はクライアントありきの職業です。そのため自分でお金を動かすことができる投資サイドを夢見て、いつかはファンドに転職したいと考えている候補者の方は多いです。

各ステップの職種を3〜5年勤めると、その業種での専門性が身についていると認められます。逆にそれよりも短い勤続年数で転職希望を出すと、ターゲットから外れてしまうため最低3年は勤務をすることがベターです。

▼バイアウトファンドへ転職についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

金融以外の業界に転職するパターン

金融業界以外へ転職するパターン

・外資系金融➔事業会社の経営企画・CFO➔ファンド投資先のCxO

・外資系金融➔戦略コンサルファーム

金融業界以外での転職先は、事業会社の経営企画やCxO、もしくはコンサルファームであることが多いです。「金融」「コンサル」「事業会社(経営企画・CxO)」の3業界は一種サイクルのような形で、互いに転職先の候補になります。

金融業界で得たファイナンスの知見を活かして、事業会社のCFOに転職し、ファンド投資先のCxO・プロ経営者としてキャリアを築く方もいます。

大手外資系投資銀行から戦略コンサルファームに転職し、経営戦略と資本政策の両方の経験を積んでいく方もいます。

外資系金融を目指すのであれば、まずこのサイクルの中に入ることが重要です。すでにこのサイクルの中にいて転職を検討している方は、最終的に目指す会社・キャリアをもとにアドバイスをさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

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ハイクラス人材の転職サイクル

▼経営企画についてはこちらの記事で詳細に解説しています。

▼コンサルタントに転職するメリットについてはこちらの記事で詳細に解説しています。

外資系金融機関の転職市場動向

グローバルで見ると流動性が一定保たれているため、潜在的な人材の採用ニーズはとても強い業界です。金融分野の専門性を持ったプロフェッショナルを求めています。

一方で新型ウィルスの影響により物理的に人の動きが止まってしまったため、転職市場における新規とリプレースメント(再転職)の動きは止まっています。

特にリプレースメントの動きが鈍くなっているという現状はありますが、依然として潜在的ニーズは高いです。

外資系金融機関の選考と求められる人材

どのような人材が求められるのか(スキル面、マインド面)

■スキル面
①英語力:外資系金融機関は主にアメリカ・ヨーロッパ圏の企業のため、コミュニケーションで英語力は必須となります。特に日系企業出身者は聞かれます。

②論理的思考能力:金融機関に限らず、多くの外資系企業が候補者に求めるスキルです。

■マインド面
金融機関に限らず、外資系の募集要項では必ずといっていいほど「セルフスターター(能動・自発)」という文言が記載されています。実力主義の文化であるため、能動的に動ける人を求めているということがわかります。

選考内容

銀行:面接中心(志望理由、転職理由、会社と候補者の相性などを総合的に判断)
証券:銀行同様面接中心
投資:面接+ケーススタディをディスカッション形式で回答、モデルテスト

銀行・証券部門では日系・外資系どちらも長く務めてくれる人材を求めています。そのため、なぜ弊社なのかという志望理由を特に深堀りされます。実際に出身大学・経歴がとても優秀な人でも、志望理由が曖昧だったという理由で最終面接落ちというケースも少なくないです。

投資部門では面接に加えてケーススタディやモデルテストが選考に課されます。投資部門のモデルテストとは財務諸表をベースにエクセルでキャッシュフロープロジェクションを組み立てる作る課題のことです。

外資系金融機関への転職ならコトラ

「外資系金融機関」への転職は、給与も高く関わる案件の規模も大きいため、非常に良い転職の選択肢となることでしょう。しかし、業種や会社によって働き方や社風はかなり異なるため事前に情報収集をしっかりとする必要があります。

自分の志向に沿った企業・求人が知りたいという方は、ぜひコトラにご相談ください。

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外資系金融機関への転職を考えている方、是非お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

KOTORA JOURNAL | 外資系金融への転職のカギとは?日系金融機関との違いも解説

三村昇

明治大学政治経済学部卒、国内大手及び外資系証券会社にて約10年間、証券アナリストに従事。その後、KPMG、英国プルデンシャル系投信投資顧問会社、米系不動産投資ファンド等に従事し、東証1部事業会社にてM&A業務を経験。
[ 担当業界 ]
投信投資顧問、財務アドバイザリー、M&A、投資ファンド、不動産ファンド