企業再生（事業再生）コンサルタントとは？【徹底解説】

投稿日 2020年8月19日
更新日 2023年10月25日
著者コトラ（広報チーム）
カテゴリーコンサル業界

日本においても企業再生コンサルタントの存在感が高まりをみせています。ここ数年の業界の動きとしては、外資系再生コンサルティングファームが日本拠点の人員数を増やしてきており、また監査法人系アドバイザリーファーム等でも事業再生チームの組成や積極採用が進んでいます。直近ではコロナの影響を受けた再生ニーズも見えてきており、今後益々の高まりが予想されています。

本コンテンツでは、企業再生（事業再生）コンサルタントをテーマに、その概要、求められるスキルや、メジャープレイヤーについて解説致します。

【こんな方にお勧めです】

・若いうちから事業の根幹に関わるスキルを身に着けたい方
・コンサルティングファーム出身者、経営企画、財務（会計士含む）のご経験者

企業再生（事業再生）コンサルタントとは

企業再生（事業再生）コンサルタントとは、一言で表現するならば企業を蘇らせる（V字回復させる）コンサルタントと言えます。米国等の海外では企業再生専門の経営者やそれに準ずる方をターンアラウンドマネージャーと呼びます。

収益性や資金繰り等に問題を抱える（＝有事な状況にある）企業を、事業面、財務面、組織・人材面など多方面から改革し、存続・再成長させることをミッションとしています。その改革対象が企業全体であれば企業再生、1事業であれば事業再生と呼ばれます。

一時的に有事な状況にある企業でも、コアとなる事業では高い収益力があったり、市場競争力のある高い技術を持つ企業もあります。こうした将来性のある企業の負の部分、非効率さ等を取り除き、企業価値（事業価値）を蘇らせるのが再生コンサルタントと言えます。

〈コンサルティングの具体例〉

・経営診断／予備調査
・事業計画や再生計画の立案
・カーブアウト、M&A、PMI
・売上向上、商品・価格最適化
・オペレーション変更による収益改善
・運転資金マネジメント
・設備投資リターン最大化
・利害関係者合意形成、等

再生コンサルティングと他のコンサルティング職種との違い

典型的な再生コンサルティングプロジェクト（ターンアラウンド）は半年〜1、2年程度の期間を要します。業務改善や収益改善、キャッシュフロー改善、コスト削減、財務的なバランスシートの最適化や経営戦略の見直しや組織改編等、再生に必要な改革が多方面に及ぶこともあります。

一般的に戦略系ファームは成長戦略の策定支援や新規事業開発支援等の戦略テーマを扱う際、その多くの時間を調査・分析やレポーティングにつかい、示唆のある報告書という形でまとめます。それに対して再生コンサルティングは、クイックに対応可能なオペレーションの改善や短期的なキャッシュフロー改善をはじめ、戦略に紐づいた改革の実行やそのためのステークホルダーの合意形成等、”改革を実行していくこと”に重きをおいています。

またコンサルティングのボリュームゾーンである業務・IT改革プロジェクトと比べて、企業や事業の収益性（売上・利益）向上やキャッシュフロー改善に直接的に働きかけるコンサルティングが主であり、目に見える成果を追求したハンズオンの強い職種と言えます。