ケース面接対策
−コンサルティングファーム出身者が解説する「意思決定メカニズム」−

ケース面接対策−コンサルティングファーム出身者が解説する「意思決定メカニズム」−
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コンサルティングファームを中心に選考時に実施されるケース面接について、そのコアとなる考え方(プラスに評価される点とそうでない点)をコンサルティングファーム経験者が解説します。
表面的な対策ではなく、実際のコンサルティング現場でも必要となる考え方ですので、是非この機会にご一読ください。

↓前提となるケース面接の概要についてはこちらの記事をご参照ください↓

本記事のポイント

  1.ケース面接の評価のポイント

  2.人の意思決定プロセス

  3.ケースの切り崩し方

  4.ケース面接のNG例

>「コンサルティングファーム」の面接対策に精通しているコンサルタントに相談する

1.ケース面接の評価ポイント

ケース面接で高い評価を得る(=面接を通過する)には「面接官が何を確認・評価しようとしているのかを理解すること」がまず重要です。

具体的なポイントは以下の3点です。

  ①思考プロセスを見える化する

  ②論理的な繋がりを保つ

  ③視野の広さを見せる

①思考プロセスを見える化する

ケース面接において面接官が確認、評価をしたいのは、最終的な提案、施策等が素晴らしいか否かではなく、そこに至る過程=”候補者の思考”に説得力、納得性があるか否かです。そのため、結論だけではなく思考プロセスを面接官に見せることが重要になります。

課題(お題)に対して施策を提案する場合のオーソドックスな思考プロセスは次の通りです。

  Ⅰ.原因分析を行う

  Ⅱ.Ⅰの中で真因(根本原因)を導き出す

  Ⅲ.Ⅱに対するソリューション(施策)をいくつか提示する

  Ⅳ.Ⅲの中から最も適切な施策を1つ提示する

  Ⅴ.まとめ(以上の理由からこの施策をやるべきと考えました)

原因分析からソリューションへの思考の段階をアウトプットして、ソリューションに辿り着くまでの過程を面接官にアピールすることが重要になります。

②論理的な繋がりを保つこと

思考プロセスが見えたとしても、話が飛び飛びになってしまってはNGです。
それぞれの話が論理的につながっているか(無理がないか)、抜け漏れがないかを常にチェックしながら進めることが重要です。

③視野の広さを見せること

いかに思考プロセスが見えて、論理的な繋がりがあったとしても、限られた狭い世界で考えられた意見は納得性に欠けてしまいます。他の視点はないだろうか、もっとひいた視点で考えた場合に違うアイディアが出てこないか、深堀りだけではなく一歩ニ歩高い視点でケースをとらえる意識が必要です。

尚ケース面接全般に言えることですが「100点の提案(施策)を出すこと」をゴールにするのはおすすめしません。唯一無二の答えを探し続けることに重きを置くと、微細なところに時間を使ってしまいます。また、分析や検討の途中で思考がスタックしてしまい、肝心の原因分析、施策の提案の全体像ができあがらず、評価を大きく下げることにつながります。

2.人の意思決定プロセス

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人の意思決定プロセスは図のように、課題から真因の特定をする流れ(=原因分析)、複数提示したソリューション(施策)の中から1番良いと考える施策を選ぶ流れ(=施策決定)を辿ります。

原因分析や施策決定を行う際、発散収束のフェーズを経る必要があります。

発散:可能性のあるのもを広く出すフェーズ
収束:出てきたものから1つ(または2ー3)に絞り込むフェーズ

原因分析:原因になりそうな事柄を広くあげ(発散)、
       その中から1番メスを入れるべき事象に絞り込む(収束
施策決定:真因に対して有効そうな施策を広くあげ(発散)、
       その中から1番良いと言える施策を選択する(収束

    原因分析も施策決定も広い発散と収束を行わなければ受け手は納得することができません。


例えば1つ例をあげて考えてみましょう。

ケース

あなたが某大手企業の人事部で働いているとします。最近優秀な人材が退職するケースが続いていて、人事担当として困っています。人事面から何かできる施策は無いものか?と外部コンサルタントに相談をしてみました。

この時、もしコンサルタントが開口一番「優秀な方が社内起業できる制度の創設を提案します! 優秀な方が辞める理由の1つとして、自分のやりたいことが会社でできない、もっとキャリアアップをしたいという気持ちがあります。そこに対して訴求力があり、会社としてもメリットにつながる施策であると思います!」と提案してきました。

あなたはこれを会社の施策として採用できるでしょうか? それとも何か疑問が出てくるでしょうか?

きっと「確かに良い案かもしれないけど、他には何かないの?」と思うでしょう。特定商品を押し売りする悪質な訪問営業に近い印象も受けます。

では次にそのコンサルタントが「他には、優秀な方を高く評価し、高い待遇を可能にする成果主義への変更か、または、優秀な方を海外MBAに派遣するという2つがメジャーな施策です」と言ってきました。

仮に施策の網羅性に納得感があったとして、あなたははどう思いますか?
きっと「どれも良いかもしれないけど、弊社にあった施策はどれですか?」と思うでしょう。

つまりこのコンサルタントの提案は受け手にとって納得感が無い(腹落ちしない)ということになります。

最初の社内企業の提案の時はあきらかに施策の洗い出しが不足していると感じるでしょう。
また、その後2つの提案がありましたが、そもそも会社で人が辞めている原因が何で、その原因に効果のある施策なのか、つまり原因分析が不足していると言えます。

多くの課題で最終的に1つのソリューションを提示することが求められますが、そのソリューションに至るまでの発散と収束(を見える化すること)が欠かせません。

このように原因分析と施策決定において、広い発散収束のフェーズがあるかという点を面接官は評価しています。

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3.ケースの切り崩し方

発散フェーズ

視野を広く持ち、思いついたことをどんどん挙げていくと言われてもどのようにアプローチしていくべきかわからない時もあります。そんな時に使えるツールとして「ロジックツリー」と「フレームワーク」があります。

ロジックツリーは既に一般的な言葉として広く認知されていますので、今回は詳細解説は割愛しますが、実は使いこなすのにはそれなりの経験やトレーニングが必要で、使いこなすのが難しい部分があります。

フレームワークと言えばSWOT分析、3C分析、PEST分析等、多くのものがありますが、オススメは「時間軸(プロセス)をベースにしたフレームワーク」を使うことです。

 ロジックツリー

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 時間軸(プロセス)をベースにしたフレームワーク

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時間軸をベースにしたフレームワークとして、人事領域では「採用→育成→配置→評価→報酬→代謝」というものがあります。例えば先程のケースをこのフレームワークを使って原因分析してみます。

Q.優秀な人材が辞める原因として考えられることは?
採用:会社のビジョンや人事制度(特に評価・報酬制度)の説明が不十分のまま社員が入社を決めている
育成:個人のスキルレベルに関係なく一律の教育を提供しており優秀層にとって満足度が低い
配置:会社都合での数年単位の部門ローテーションがあり、自身のキャリアが優先しづらい
評価:チャレンジや達成度よりも、失敗しない方が評価が高くなる傾向が強い
報酬:評価や貢献度よりも在籍年数の方が給与へのインパクトが大きい
代謝:パフォーマンスしない社員(特にミドル、シニア)もずっと在籍していてポストが空かない

上記は一例ですが、時系列(プロセス)の枠組みを使うことで、広い視野で多くの原因が出やすいことがわかると思います。
時系列の枠組みの良い点は、知識やフレームワーク自体をたくさん知らなくても、計画→実行→評価、設計→開発→調達→生産→流通→販売→アフターサービス等、今までの経験から枠組みを見出しやすい点です。

また、時間の流れというのは限りなく連続的な特性を持っているため、漏れやダブりが出づらいというメリットもあります。

収束フェーズ

複数の選択肢の中から1つを選ぶとき、1番重要なのは評価軸です。

発散のフェーズで出た複数の施策をどういう軸で評価して1つに絞り込むかと考える際、よくあるメリット・デメリット思考で考えてしまうと納得性が担保しづらくなります。

例えば、あなたは日系グローバル企業であるA社と、外資系グローバル企業であるB社からオファーをもらい、どちらの企業に就職するか悩んでいるとします。

 まず、単純にメリット・デメリットを挙げてみます。

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この状態で「さあ、決めてください!」と言われても困惑する人が多いと思います。

メリット、デメリット比較はA社のメリットがB社のデメリットで、B社のメリットがA社のデメリットという表裏一体関係になりやすく、「結局何が大事なの?」という状況に陥ります。

この「結局何が大事なの?」というのが言葉を変えれば「何をポイントにして比較評価をすべきなの?」であり、つまり「評価軸は何なの?」ということです。

では評価軸に沿って考えてみます。
今回の場合、あなたはいずれは海外で働くこと、そして長く勤務することが重要と考えているとします。
その場合、A社とB社の評価結果はどうなるでしょうか?

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A社の方があなたの条件に適しているということが一目瞭然です。

このように複数の選択肢がある場合、評価軸に沿って優先順位を定めることが大切です。
メリット、デメリットはこの評価軸を決める時の評価軸の頭出しに使うイメージでも良いかと思います。

4.ケース面接のNG例

最後にケース面接でやってはいけないNG例をいくつかご紹介します。

①1つの案だけを考えて、そのPRに情熱を注ぐ
 1の<①思考プロセスを見える化する>で説明したように、

 いくつか考えた施策の中で最もそれが適切であると説明することが重要です。

 1つの案だけを強く推しすぎてしまうと視野の狭い人だと思われてしまいます。

②前提条件(制約事項)を置かない、または狭めすぎる

③100点を取ろうとして時間切れになる。または思考がスタックする。

 ケース面接で100点を取る人はほとんどいません。80点が合格ラインであるため、
 その80点を取るために思考のプロセスを明確に提示することが重要です。

④結論に意識を置きすぎて、最も重要な思考プロセスを見せられていない。論理が飛ぶ。

 ソリューション(施策)の内容より、そこに行き着く過程の方がより重要です。
 一連の流れに矛盾がないか、視野の狭さがないかといった点を意識しましょう。



ここまでケース面接対策として意思決定プロセスを中心に解説をしてきました。
読んだだけではよくわからないこともあるかと思います。
コトラにはコンサルティングファームの出身者をはじめ、経験豊富なメンバーが多く在籍しています。
是非お気軽にご相談ください!

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尚、ここまでに解説したこと以外では以下のようなポイントもあります。
こちらはまた折を見て解説したいと思います。

 ■仮説や前提の置き方
 ■主張と根拠を明確に分ける
 ■「今言えること」と「今言えないこと」を明確に切り分ける
 ■「今言えないこと」について、今後どのようなアプローチをしていけば
   「言えること」に変わるのか
 ■最終的な利益の受益者に刺さる話なのか
 ■リスクとコントロール

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)