物流を通して会社全体の業務の効率化に貢献する!「物流コンサルタント」

物流を通して会社全体の業務の効率化に貢献する!「物流コンサルタント」
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36 - 物流を通して会社全体の業務の効率化に貢献する!「物流コンサルタント」

物流コンサルタントとは

物流コンサルタントとは、物流やロジスティクスに関する専門知識を活かして、クライアントの課題解決をサポートし、利益の最大化に寄与するコンサルタントのことを指します。 
ただし、「物流」や「ロジスティクス」の、業務内容(保管、荷役、配送、ITシステムなど)や業界(食品、アパレル、家電、卸など)、物流範囲(国際・国内)は幅広く、コンサルティングの内容も多岐にわたります。
また、現場レベルの改善から、会社の方針や経営戦略をもとに企画する物流戦略策定など、コンサルティングの規模も様々です。

業務内容や業界によって、コンサルティングのポイントやノウハウも異なりますので、それらに合わせて物流コンサルタントも細分化されています。自身のこれまでの経験や知見を生かせるような「物流コンサルタント」となることが、物流コンサルタントとして成功する第一歩とも言えます!

物流コンサルタントを導入するメリット

現状把握や課題の洗い出しができる

物流オペレーション改善のためには正確な現状把握と課題選定が必要不可欠です。物流コンサルタントは第三者の視点で、業務プロセスを確認することで、社内での視点では気づかなかった課題を見つけることができます。

KPI/KGIを適切に設定できる

物流コンサルタントは、物流のプロフェッショナルの視点で、適切にKPIやKGIを設定し、目標を明確化、細分化することで、効率的な業務改善ができます。

サービス品質が向上する

物流では、商品の誤発送や破損、紛失、配達遅延などのトラブルが起こる可能性があります。しかし、物流コンサルタントが経験や知識を生かし、トラブルの原因を究明し、業務の改善を行うことで、トラブルを防止することができます。

物流体制の構築や改善ができる

物流コンサルタントは専門的な知見を有しており、効率的な経営や、経費削減のため、最適な物流体制の構築や、物流体制の改善のためのアドバイスを行うことができます。

物流コンサルタントの具体的な業務内容

物流コンサルタントは、物流に関するノウハウや知見を生かし、クライアントである、荷主や、物流企業が抱えている課題を解決することです。主な業務内容を紹介します!

サプライチェーン最適化

クライアントのサプライチェーン全体の調査・分析・改善のサポートを行い、サプライチェーンの最適化を目指します。
主に、物流拠点の集約・最適化、物流センターの構築、物流システムの設計・構築などを行います。

物流センター内改善

物流センター内(倉庫内)の改善のため、在庫管理、物流ABC導入、KPI導入・効率化、オペレーション改善などを行います。

輸配送ネットワーク改善

輸配送ネットワークの改善のサポートを行い、輸配送の効率化を図ります。国内のネットワークから、国際輸送におけるネットワーク改善まで、クライアントに応じて対応します。共同配送の分析や企画、実施などを行うこともあります。

入札(ビッド)支援

近年では、クライアントが物流業者を選定する際に、入札(ビッド)を開催することも珍しくありません。しかし、入札に関するノウハウがあまり蓄積されておらず、サポートが必要なクライアントも多いのが現状です。物流コンサルタントは、このようなクライアントに対し、入札準備や評価を実施することで、最善の選択ができるよう支援します。

物流戦略アドバイザリー

物流戦略の構築に関するアドバイスを行います。クライアントのチームの一員として、基礎調査から戦略策定までの全行程をサポートするケースや、クライアント主導の戦力策定に適宜アドバイスを行う形でサポートするケースなど、支援方法はクライアントによって異なります。主な支援内容は、経営戦略策定・物流事業戦略策定・物流管理戦略策定・グローバル化・DX化・投資対象や先端物流技術の動向調査・グリーンロジスティクス導入などです。

特殊品・重量品輸送

危険品を含む特殊品や重量品の輸送に関する課題を解決します。薬学や危険品輸送・保管に関する知識やノウハウを活かし、専門性の高い支援を実施します。

上記のように、物流コンサルタントの業務内容は多岐にわたりますが、さらに物流は様々な業界に関わっています。その中で、業界に特化したプロフェッショナルとして活躍することも可能ですし、培ったノウハウを他業種にも活かしてマルチプレーヤーとして活躍することも可能です!

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物流コンサルタントに求められるスキル・経験

物流コンサルタントに最も必要なスキルは、物流業務全般における専門知識です。
成功事例のみならず、失敗事例も経験し、様々な解決策を導き出すことのできる多くのノウハウを持っている方が歓迎されます。
また、実際の現場で必要とされるコミュニケーションスキルや、具体的な改善策を提案するための論理的思考や、プレゼンテーションスキルなど、コンサルタントとしての基礎スキルも必要となります。

経験に関しては、物流の業務内容を詳細に把握しておくことが求められるため、実務経験がある方が有利となります。
しかし、必ずしも物流部門に在籍していなくても同様のご経験を積まれている場合にはそれが評価されて、採用につながるケースもあります。
また近年では、物流のDX化に伴い、デジタルの知見、高度な分析能力を併せ持っている方が重宝されます。

物流コンサルタントが取得しておくと有利な資格

物流コンサルタントになるために必須の資格はありませんが、次のような資格を持っていると有利に働くことがあります。

✔「物流技術管理士」・・・物流システムを管理するスペシャリストとして、設計から計画、分析や改善など物流全体を管理する能力を証明する資格

✔「グリーンロジスティクス管理士」・・・物流に関する環境負荷の低減施策立案、推進、評価を行う能力を証明する資格

✔「ロジスティクス経営士」・・・ロジスティクスの役割を経営の視点から捉え、各機能を総合的にデザインし、新たな戦略の立案、新たな事業・サービスの企画・実行、ロジスティクス改革等を実践することができる能力を証明する資格
※主に、「ロジスティクス経営幹部(チーフ・ロジスティクス・オフィサー:CLO)」などの幹部候補向けの資格

✔「国際物流管理士」・・・貿易物流に関する専門家として、国際物流に関する専門知識を持ち、管理する能力を証明する資格

また、最近ではグローバル化に伴い海外との業務連携も活発なため、英語など言語に関する資格も業務に役立つケースが多いです。

物流コンサルタントのやりがい

物流コンサルタントは、物流を通して、会社全体の経費削減や業務の効率化に貢献するという守りの面だけでなく、特にECなどの業態では新しく物流を絡めたサービスを生み出したりと攻めに転じることもできる、大変やりがいのある仕事です。
この項目では、物流コンサルタントのやりがいについて紹介します!

多様な業務、現場に関わることで、豊富な知識が身につく

物流には、材料や商品の輸出入、入出庫、保存や管理、運搬業務など様々な業務があり、その課題も業務によって様々です。
課題解決のために、実際にそれぞれの現場に赴き、情報を収集することで多様な知識を得ることができます。

業務や経営課題を解決し、大きな達成感が得られる

物流コンサルタントは会社全体に関わる大きな課題を解決するため、関係各部署の細かい業務改善を積み重ねていく必要があります。
大きな改革のために、各部署と連携しながら、一つ一つの作業を進めていくのは、大変根気のいる仕事でもありますが、その分、大きく会社の利益に貢献できた時の達成感も大きく、大きなやりがいを感じることができます。

物流コンサルタントになるには

物流コンサルタントは、全ての工程を可視化し把握した上で、現場でヒアリングを行い、課題を明らかにし、その改善策を提案し、課題解決までの支援を行います。
これらの一連の業務を遂行するためには、物流に関する専門知識や経験を活かして、様々な視点から柔軟に物事を捉える必要があるため、物流の経験がある方が重宝されます。

主な就職先は、物流コンサルティングを行なっているコンサルティング会社や、企業内のコンサルティング部門などです。
その他にも、IT・システムに特化したコンサル会社、物流企業、倉庫専門のコンサル会社など、様々な会社が物流コンサルティングのサービスを提供しており、物流コンサルタントとして活躍できる場は数多くあります。

物流コンサルタントの将来性

近年、通販の利用者数や購入量は爆発的に増加しており、ECサイト市場も急成長中です。
物流の規模の拡大に伴い、物流会社は競合他社との差別化を図るための変革を迫られています。テクノロジーを活用した大幅な業務改善や業務効率の向上のためにも、今後、物流コンサルタントの需要はさらに高まる見通しです。

また、現在物流業界は2024年問題を目前に控え、問題が山積みです。物流コンサルタントに求められる役割はまさに物流オペレーションの効率化・スリム化であるため期待も大きいです。物流コンサルタントの社会的重要性と需要は今後ますます大きくなっていくでしょう。

さらに今後は、デジタル技術を活用し、企業の垣根を超えた物流改革を促進することで、持続可能な物流インフラを構築していく必要があります。
このため、物流現場の経験とDXの知識を併せ持ち、経営戦略策定からテクノロジーを活用した実装までを提供できる物流DXコンサルタントの需要も高まっていくものと思われます。

まとめ

モノを売買するビジネスにおいては物流は欠かすことのできない業務です。
商品の動きを管理、統制する事はとても重要なことですが、物流に関して様々な課題を抱えている企業が多いのが現状です。
こういった物流に関する課題を、専門知識や経験を活用して解決に導くのが、物流のプロフェッショナルである「物流コンサルタント」の仕事です。
最近では特に、全ての業界においてグローバル化・IT化が進み、業務プロセスが見直されている変革期にあります。このような中で、物流コンサルタントは欠かすことのできない存在となっており、その活躍の場は今後さらに拡大していくと予想されます!

この記事を書いた人

KOTORA JOURNAL | 物流を通して会社全体の業務の効率化に貢献する!「物流コンサルタント」

大西絢弓

[ 経歴 ]
大学卒業後、証券会社での営業職を経て、メーカーへ転職。SCM、人事など幅広い業務の中で、システム導入や業務改善、商品開発などを経験し、現職。

[ 担当業界 ]
金融機関、IT業界、コンサルティングファーム