IT業務に役立つ資格を丸ごとご紹介!
〜その1:IPAとPMP〜

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専門分野やレベルに応じて、様々な認定試験や資格試験が実施されています。
今回の記事では、IT業界への転職やスキルアップに役立つ、ぜひ抑えておきたい注目の資格をご紹介いたします。

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IPA

独立行政法人情報処理推進機構が主催するITに関する国家試験です。
国内のIT需要の高まりを受けて成立した「情報処理の促進に関する法律」を基に、本試験制度が発足して現在に至ります。

IPAの実施する検定試験には、情報処理技術者試験情報処理安全確保支援士試験の二種類があります。

IT業界で今大注目の資格を ご紹介します! 1 - IT業務に役立つ資格を丸ごとご紹介!<br>〜その1:IPAとPMP〜</br>
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/list.htmlを参考に作成

情報処理技術者試験

情報処理技術者試験は、情報処理技術者としての知識・スキルが一定水準に満たしていることを認定する国家試験です。
受験者のレベル・スキルセットに合わせて12種のラインナップが存在しており、情報システムを構築・運用する「技術者」から情報システムを利用する「エンドユーザ(利用者)」まで、幅広い層がITの知識・スキルを試すことができます。

資格を取得することのメリット

メリット①「技術の多様化・需要変化に対応できる人材になれる」

情報処理技術者試験では、特定の機種やOS(企業や製品)に依存しない出題を行っており、ITの技術や利活用等に関する本質的な知識を幅広く習得することができます

本質的なITに関する知識を備えることで、新たな技術・手法を理解しやすくなります。
また自身の担当以外の幅広い知識を持つことで、業務の幅を広げることができ、思わぬキャリアアップに繋がる可能性もあります。

IT業界は、技術の進化のペースが非常に速く、特に出入りが激しい業界でもあります。本試験でITに関する本質的な知識・スキルを体得することで、今後の技術の発展やトレンドの変化にも対応できる人材へ一歩近づくことができます。

メリット②「自己のスキルアップ、能力レベルの確認」

本試験では、前述したように、対象者やレベル、専門の分野に応じて11種のラインナップが存在しています。
スキルのレベルや能力が視覚化されているため、自分の現在位置を知れるとともに、一歩ずつ着実にスキルアップを狙うことができます
個人成績の照会や解答例等、情報提供の幅も厚く、試験を通して自己のスキルアップの大幅な向上が見込めます。

メリット③「組織にも広く利活用されている」

情報処理技術者試験は、組織においても広く利活用されています。
例えば、その人がどのような専門分野でどれくらいのレベルを発揮できるかが視認できるため、ITエンジニア等の評価によく利用されるケースがあります。

また最近では、システム開発案件等の発注の際に合格者のプロジェクトへの参画を求めるなど、情報処理技術者試験への取組みが組織全体への評価に繋がるケースも増えてきています。

本試験が、IT業界で共通の評価指標として高い地位を占めているからこその魅力と言えます。

情報処理技術者試験のラインナップ

ITパスポート

ITに関する基本的な知識を認定する試験です。
情報機器を利活用する、安全に情報収集を行うなど、職業人として基本的なITに関する業務の遂行が出来るようになります。

転職での注目度★☆☆☆☆
合格率50%
目安の勉強時間100時間
更新の有無無し
公式サイトITパスポート試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

情報セキュリティマネジメント試験

業務遂行にあたって情報システムを使う際に、サイバー攻撃や漏洩等様々な情報リスクが発生します。
こういった脅威から継続的に組織を守るための必要なスキルを持ち合わせているかどうかを認定します。

情報セキュリティに関しては、ただシステム任せで行うのではなく、適切な情報管理や業務フローの見直し、組織内規程順守のための従業員の意識向上といった「システムを有効活用するための管理」という観点も非常に重要になってきます。
そういった情報セキュリティを担う人材への需要が高まっており、同時に本試験も注目され始めています。

転職での注目度★★☆☆☆
合格率50~70%
目安の勉強時間200時間
更新の有無
公式サイト情報セキュリティマネジメント試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

基本情報技術者試験

ITパスポートが全職業人が身につけておくべきITスキルを取り扱っていたのに対して、基本技術者試験ではITエンジニアとしてキャリアをスタートするための基礎的な知識・スキルを扱っています。

転職での注目度★★☆☆☆
合格率60%(新制度に移行後)
目安の勉強時間200時間
更新の有無
公式サイト基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

応用情報技術者試験

基本情報技術者の上位互換となる認定試験です。
さらに高度な知識・スキルを学びたいITエンジニア向けの試験となっています。

転職での注目度★★★☆☆
合格率20%
目安の勉強時間500時間(未経験者想定)
更新の有無
公式サイト応用情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

ITストラテジスト試験

超上流工程において、事業戦略・事業計画からシステム化計画の立案と実行を主導する戦略家としての能力を認定する試験です。
経営戦略に基づいてIT戦略を策定するスキルは、経営を主導するCIO・CTOといった地位を目指す方や、高度なIT戦略知識をもって価値貢献するITコンサルタントに最適な試験となっています。

転職での注目度★★★★☆
合格率14~15%
目安の勉強時間150~200時間
更新の有無
公式サイトITストラテジスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

システムアーキテクト試験

システムアーキテクトは、システム開発の上流工程を担当するエンジニアのことです。
開発チームを引っ張っていく存在であるため、豊富な業務知識に基づく的確な分析が必要となります。
本試験では、こういった上級エンジニアを目指す上で欠かせない知識レベルが問われます。

転職での注目度★★★★☆
合格率13~15%
目安の勉強時間100~200時間
更新の有無
公式サイトシステムアーキテクト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

プロジェクトマネージャー試験

プロジェクトを取り巻く環境変化やステークホルダの多様な要求に柔軟に対応しながら、ITプロジェクトを確実に成功に導くマネージャを目指す方に最適です。

転職での注目度★★★★☆
合格率13~15%
目安の勉強時間500時間(未経験者想定)
更新の有無
公式サイトプロジェクトマネージャ試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリスト試験は、大規模かつ堅牢な情報システムの基盤を構築・運用するという非常に重要な役割を担うエンジニア向けの試験です。
本試験では、ネットワークの固有技術からサービス動向まで幅広い知識が問われます。ネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアを目指す方に最適な試験と言えます。

転職での注目度★★★★☆
合格率14~16%
目安の勉強時間50~100時間
更新の有無
公式サイトネットワークスペシャリスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

データベーススペシャリスト試験

システムエンジニアの中でも、データベースの設計・管理、データ管理、データベース管理、インフラ構築を担うエンジニアが対象の試験です。
データベースの専門家として、企業活動を支える膨大なデータ群を管理し、高パフォーマンスなデータベースシステムを構築して、顧客のビジネスに活用できるデータ分析基盤を提供できる能力が求められます。

転職での注目度★★★★☆
合格率15~18%
目安の勉強時間150~200時間
更新の有無
公式サイトデータベーススペシャリスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

※尚、データベーススペシャリスト試験については、こちらの記事でも取り上げております。
 他のデータベース関連資格に興味がある方はぜひご参照ください。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験

システムエンジニアの中でも、IoTを含む組み込みシステム開発基盤の構築や設計・製造を主導的に行うエンジニアが主な対象となっています。

現代社会では、スマート家電や自動運転などあらゆるモノがIoTを介して合体的に利活用されており、機能が合わさることでより強いパワーを発揮する製品が増えてきています。
こうした需要は今後どんどん深まっていくと考えられている一方で、本試験が情報処理技術者試験の中では少し異質な分野を取り扱っていることもあり、受験者数は最小となっています。

新たな機能を実現するために、ハードウェアとソフトウェアを適切に組み合わせたシステムの企画・開発を推進し、必要な機能・性能・品質・セキュリティなどを確保する、組込み・IoT系のフルスタックエンジニアを目指す方に最適です。

転職での注目度★★★★☆
合格率17~18%
目安の勉強時間400~500時間
更新の有無
公式サイトエンベデッドシステムスペシャリスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

ITサービスマネージャ試験

情報システム全体を安定的に稼働させると同時に、システムの障害が発生した際に被害の最小化を図る等、補佐的な役割が求められるITサービスマネージャ―の試験です。
継続的な改善や品質管理が求められるため、リスク管理やコスト管理といった経営・ビジネス的知識も求められる試験となっています。

顧客ニーズを踏まえ、日々の継続的改善を通じて安全性と信頼性の高いITサービスを提供し、IT投資効果を最大化できるITサービスマネージャを目指す方に最適です。

転職での注目度★★★★☆
合格率13~15%
目安の勉強時間100~150時間
更新の有無
公式サイトITサービスマネージャ試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

システム監査技術者試験

現在は高度情報化社会の時代で、情報システムが広く社会に浸透しており、企業活動や日常生活において欠かせない要素となっています。
一方で、情報システムの脆弱性や運用面の不備が原因で大規模なシステム障害や情報セキュリティ事故が発生するなど、情報に関するリスクも日に日に増えてきています。

こうした現状への対策として、情報システムを第三者視点でチェックを行い問題の是正を行う「システム監査」の重要性が高まってきています

本試験では、独立かつ客観的な立場で情報システムや組込みシステムを監査する役割を担うために必要な知識・スキルを認定します。

転職での注目度★★★★☆
合格率14~16%
目安の勉強時間100~300時間
更新の有無
公式サイトシステム監査技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

情報処理安全確保支援士試験

サイバーセキュリティリスクを分析・評価し、組織の事業、サービス及び情報システムの安全を確保するセキュリティエンジニアや、技術・管理の両面から有効な対策を助言・提案して経営層を支援するセキュリティコンサルタントを目指す方に最適です。
(公式HP「情報処理安全確保支援士試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構」より引用)

現代社会においては、高度化するサイバーセキュリティリスクへの対応が急務となっており、政府機関や民間企業を中心に強く求められている試験となっています。
実際に政府は、サイバーセキュリティ人材育成総合強化方針において、2020年までに3万人超の有資格者の確保を目指す方針を定めました。
2023年10月1日時点での登録者数は21,727人にとどまっており、資格保持者が圧倒的に足りていない現状です。

尚、登録制度を持つ資格であるため、先ほど紹介した情報処理技術者試験制度とは異なる試験になっていることに注意が必要です。
試験合格後は、所定の手続きによって申請を行うことで、情報処理安全確保支援士として登録することができます。

転職での注目度★★★★☆
合格率15~19%
目安の勉強時間200時間
更新の有無3年ごと
公式サイト情報処理安全確保支援士試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

PMP(Project Management Professional)

PMP試験は、PMI本部が主催するプロジェクトマネジメントに関する国際認定資格です。

プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトを計画通り完遂できるよう管理することを意味します。
現代では、人口減少による労働力低下の阻止やサステナブル経営のための効率的資源活用など、限られたリソースを効率的に利活用できる能力が全世界で求められています。
本試験はプロジェクトマネジメントに関する国際資格として高い地位を築いているため、様々な業界(特に建設業界やIT業界等)で大きなアドバンテージを得ることができます。

本資格の最大の特徴は、何と言っても国際的に評価されている資格だということです。
同様の認定試験とは異なり、単一のメソッド、スタンダード、組織に縛られない認定プログラムが構成されているため、如何なる業界や地理的要因にも影響を受けにくい認定試験になっています。

尚、受験資格として実務経験が必要となります。36か月のプロジェクトマネジメント経験且つ4500時間プロジェクトを指揮する立場での実務経験がなければ、本試験を受講することが出来ません。
また、これらの実務経験は、試験申込日からさかのぼって8年以内の経験である必要があります。

また、本試験は3年ごとの更新が必要となります。
受験資格や更新方法、試験内容等の詳細な情報に関しては、公式HPでご確認ください。

転職での注目度★★★★☆
合格率公表無し(約60%程度と言われている)
目安の勉強時間100時間(経験等の有無によって異なる)
更新の有無有(3年ごと)
公式サイトPMP®資格について | 一般社団法人 PMI日本支部 (pmi-japan.org)

担当コンサルタント

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パートナー 宮崎 達哉
[ 経歴 ]
信州大学工学部卒、ゼネコンでの施工管理者を経験した後、三重県庁にて産業政策の企画・運営業務に従事。
県庁在籍中に、経済産業省資源エネルギー庁及びNEDOにてエネルギー政策に係る新規事業立案や規制・制度の合理化に従事。デロイトトーマツグループでの地方創生及び教育分野のコンサルティング業務を経て現職。
[ 担当業界 ]
ESG/サステナビリティ領域、シンクタンク、コンサルティングファーム、監査法人、パブリックセクター、教育、経営層、管理系人材、技術者

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エグゼクティブコンサルタント 梅田 哲正
[ 経歴 ]
学習院大学法学部卒業後、大手生命保険会社に入社。7年間システム開発業務に従事。 その後、アクセンチュアに転職。アクセンチュアでは採用部門に所属、年間100名以上のITおよびコンサルタント人材の採用を長年経験。その後、大手不動産ファンドのプロロジス、大手人材紹介会社、大手ITコンサルティング会社で人事採用関連の幅広い業務に携わる。
[ 担当業界 ]
コンサルティングファーム、IT業界、人事/総務など管理部門全般

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エグゼクティブコンサルタント 大西 絢弓
[ 経歴 ]
成蹊大学卒業後、証券会社における営業職を経て、メーカーへ転職。
サプライチェーンマネジメント全般や人事など幅広い業務の中で、システム導入や業務改善、商品開発などを経験し、現職。
[ 担当業界 ]
IT業界、製造業

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コンサルタント 吉田 宗平
[ 経歴 ]
慶應義塾大学総合政策学部卒業後、外資系IT企業に入社。
SEとして貿易システムプロジェクト等に従事した後、コトラに入社。
[ 担当業界 ]
IT業界、コンサルティングファーム等

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リサーチャー兼コンサルタント 原田 彩乃
[ 経歴 ]
慶応義塾大学卒。半導体メーカーで経理職を経験。
その後BPO業界に進み、通信キャリア常駐での営業職を経て現職。
[ 担当業界 ]
リサーチャー

この記事を書いた人

KOTORA JOURNAL | IT業務に役立つ資格を丸ごとご紹介!<br>〜その1:IPAとPMP〜</br>

新山雄俊

[ 経歴 ]
長岡技術科学大学 大学院 電子機器工学専攻 修士課程を修了後、日系の複数のメーカーで、生産技術、品質保証、ハードウェア設計・開発業務に従事。その後、外資系メーカーに転職し、ハードウェア設計・開発、システムアーキテクチャ開発、PM、FAE、アフターマーケットサービス、ビジネスデベロップメント業務等に幅広く従事。その後、現職

[ 担当業界 ]
メーカー、エネルギー、商社、IT、SIer、コンサルティング(戦略 / 業務 / IT / ESG)