デジタルフォレンジック領域の転職|気になるキャリアパスや転職動向を徹底解説

デジタルフォレンジック領域の転職|気になるキャリアパスや転職動向を徹底解説
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今回の記事では、昨今盛り上がっている「デジタルフォレンジック領域の転職」についてお話いたします。

この記事を読むことで、

記事のポイント

・デジタルフォレンジック領域の転職動向

・求められる人材像

・おすすめの転職先キャリアパス

について知ることができます。ぜひ転職活動に役立ててください。

デジタルフォレンジックとは

「フォレンジック」とは犯罪捜査における分析・鑑識のことで、元々は会計不正に対する調査をするために立ち上がってきた技術領域です。昨今のデジタル技術の発達によって、不正の証拠自体がデジタル環境下に残されることが多くなり、例えばネットワーク機器のログファイルなどが裁判の証拠として用いられるようにもなっています。特にデジタル環境上でのフォレンジック業務を指して「デジタルフォレンジック」と呼ばれており、専門性の高い技術領域として確立しています。

また、デジタルフォレンジックは「訴訟文脈」と「セキュリティ文脈」の2つに分類されます。訴訟文脈のデジタルフォレンジックは、前述の通り訴訟の際に証拠として用いられるログの調査・分析などが主な業務です。セキュリティ文脈でのデジタルフォレンジックは、不正アクセスや機密情報漏洩などのセキュリティインシデントにおける原因究明などが主な業務です。市場の中でのプロジェクトの割合としては、訴訟とセキュリティがおおよそ半分ずつの割合で構成されていると言われています。

デジタルフォレンジック領域の転職市場動向

新型コロナウイルスの発生以降、デジタル領域全般の転職市場は大いに賑わってきています。一方、デジタルフォレンジック領域ではどのような動きになっているのか、解説いたします。

安定した市場である理由

多くの領域でコロナ発生前後で大きな採用ニーズの変化がありましたが、フォレンジック領域は一貫して安定的なニーズを維持しています。そもそもフォレンジックは法的証拠を見つけるための調査業務であるため、訴訟件数に比例してニーズが変化します。ただ、コロナ騒動の前後で訴訟件数に変化は無く、結果としてコロナ発生前後でほとんどニーズ変化はありませんでした。デジタルフォレンジック領域は、市場・景気変化の影響を受けにくく安定した市場であると言えます。

デジタルフォレンジック領域の転職動向

デジタルフォレンジック領域での転職は、未経験/経験者のそれぞれで、大きく異なる転職市場になっています。
未経験での転職においては、ITエンジニアからの転職というのがメジャーな転職パターンです。エンジニアとしての尖ったキャリアからさらに守備範囲を広げていきたい方や、より訴訟まわりを通して経営の方にキャリアをシフトさせたい方が、フォレンジックのキャリアを選ぶ傾向にあります。実際、訴訟案件となるとクライアント企業の経営層と一緒に仕事をする機会も多く、エンジニアからのキャリアアップとして選択される方も多いです。

一方で経験者の転職においては、多様なキャリアデザインが可能で、一概に語れない市場環境になっています。デジタルフォレンジックの経験者は、フォレンジックベンダー/省庁関係(警察庁・検察庁など)/法律事務所/コンサルティングファームなど各業界に点在しています。例えば、警察庁・検察庁などから民間企業へ行きたいという方がフォレンジックベンダーに転職したり、フォレンジックベンダーからさらに上流の企画系の経験を積みたい方がコンサルティングファームに移ったり、コンサルティングファームにお勤めの方がユーザー側に移りたいという理由で事業会社のコンプライアンス部門に転職したりと、非常に多種多様なキャリアが描けます。

デジタルフォレンジックはニッチな領域ではありますが、専門性・緊急性ともに高い仕事です。そのため、クライアント企業も高いフィーを支払うため、キャリアを積めば高待遇になりやすい特徴があります。また、専門性の高さからキャリアが安定しやすいという特色もあります。

求められる人材

デジタルフォレンジックの実務経験のある方はもちろん引き合いがあり、コンサルティングファーム、フォレンジックベンダーなど広く門戸が開かれています。また前述の通り、未経験者も積極的に採用しています。そもそもデジタルフォレンジック経験者の数は非常に少なく、クライアント企業のニーズに応えるためには、経験者だけの人材供給だけでは足りないという業界事情があります。

その中でも特にインフラエンジニアの方のニーズが強く、親和性が強いと言われています。インフラエンジニアの方の多くは業務の中でログ分析をされていますが、デジタルフォレンジック領域でもアクセスログやネットワークログ解析の業務が存在し、適性があるというのが業界での一般的な評価となります。
また最近では、フォレンジックツールの活用に関して親和性があるという理由で、アプリケーションまわりのエンジニアのニーズも高まりつつあります。

転職における不安

業界構造上、同じ業種内での転職(例えばコンサル→コンサル)の事例は少なく、結果として未経験の業界に飛び込むことが多くなります。結果として転職先の事情や雰囲気などについて細かく知ることができず、不安を感じる方も一定数いらっしゃるようです。

そのため、転職先の組織構造やプロジェクトの特色について、適切な情報収集を行うことが非常に重要になります。そもそもの業務内容などのギャップを減らすためにも、選考と平行して、業界に精通している第三者からのアドバイスをもらうことをオススメします。

オススメの転職先キャリアパス

次にデジタルフォレンジック領域のおすすめ転職先キャリアパスを解説します。ぜひご転職に役立ててください。

コンサルティングファーム

まずは、コンサルティングファームです。デジタルフォレンジック領域への転職を考える際に、最もメジャーな転職先です。

コンサルティングファームでは、ログの分析・解析といった技術的な部分だけでなく、分析方針の策定、ベンダー/ツールセレクションなどプロジェクトの上流から携わることができます。また、セキュリティ・訴訟のデジタルフォレンジックのどちらもプロジェクトにも携わることができ、キャリアの可能性が広がる点も魅力です。
また、フォレンジックの実務以外のプロジェクトも豊富にあることも特徴の一つです。例えば、クライアント企業のコンプライアンス・不正対策における体制構築支援や、管理ツール導入におけるPM支援など、一般的なコンサルティングと近しい経験を積むことができます。

エンジニアがキャリアを広げるため、あるいはフォレンジックベンダーでの実務経験者が上流の経験を積むためには、オススメの転職先と言えます。また、警察庁/検察庁などの民間企業未経験の方でも、転職の間口が広いのはコンサルティングファームと言われています。

フォレンジックベンダー

次は、フォレンジックベンダーです。ここでは、フォレンジックサービス/自社プロダクトを提供している企業を、フォレンジックベンダーと定義します。

一般的には、エンジニアの方がフォレンジック業務を最初にキャッチアップするのに適した業界であると言われています。会社として提供するサービスがきちっと確立しており、無理なくフォレンジック経験を積もうという方にはオススメの転職先です。

また、大手のフォレンジックベンダーは、市場へのフォレンジック人材輩出の役割を担っているケースも少なくありません。実際、「〇〇出身者なら間違いない」などフォレンジック人材として箔がつく企業も存在します。

ユーザー側企業(事業会社/金融機関など)

いわゆるコンプライアンス部門にてフォレンジックの専門家を採用する傾向にあります。デジタルフォレンジックに限らず、コンプライアンス関連の企画業務に幅広く携わることができ、スキルの幅を広げることができます。
フォレンジックベンダーやコンサルティングファームで身につけた技術を活かしていきたいと考えている方にオススメの環境です。

公的機関

警察・検察など、訴訟が絡む機関ではデジタルフォレンジックポジションが存在しております。中途で入ろうとする狭き門になりますが、公的機関から他業界へ転職するというケースには、多くの転職実績があります。

弁護士事務所

訴訟が絡むという意味で、公的機関と同じくデジタルフォレンジックポジションが存在します。中途で入所される方もいらっしゃいます。弁護士事務所でのフォレンジックの特長としては、訴訟文脈でのフォレンジックに多く携わることができる点が挙げられます。セキュリティではなく訴訟領域を極めていきたい、という方にはオススメの転職先です。

まとめ

デジタルフォレンジックのニーズは安定的にあり人手も足りず、景気による影響も少ないため非常に安定しています。年収も高く、専門知識をより深めてキャリアの幅を広めたい方におすすめです。
デジタルフォレンジックに興味がある皆様は、キャリアの参考にしていただけると幸いです。

デジタルフォレンジック領域の転職ならコトラ

コトラの特徴は、転職支援を行うコンサルタント自身が業界出身者であることです。Slerでセキュリティエンジニアとして従事していたコンサルタントも在籍しており、セキュリティ・デジタルフォレンジック領域の転職支援においても実績を残しております。

業務経験を持つコンサルタントが、自らの業務・転職経験、これまでセキュリティ・デジタルフォレンジック人材の転職を多数支援した経験、転職先企業とのリレーションを生かして転職支援を行っています。弊社でしか取り扱っていない、非公開求人も多数ございますので、あなたにピッタリの求人を見つけることができます。

転職エージェントの枠を超え、業界出身として転職のご支援をさせていただきますので、ぜひお気軽にコトラまでご相談ください。

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この記事を書いた人

KOTORA JOURNAL | デジタルフォレンジック領域の転職|気になるキャリアパスや転職動向を徹底解説

中川貴史

[ 経歴 ]
金沢大学大学院を卒業後、大手通信企業に入社。SEとして海外向け金融システムプロジェクト、およびホワイトリスト/PCI-DSS対応など複数のセキュリティプロジェクトに従事。コトラに転職後は、セキュリティ/インフラエンジニア/デジタルフォレンジック領域を専門として、ハイクラスを対象に転職・採用支援。

[ 担当業界 ]
セキュリティ、インフラエンジニア、デジタルフォレンジック
コンサルティングファーム、事業会社、金融機関、SIer、ITベンダー