DXコンサルとAIコンサルの違いとは?目的・支援範囲から選ぶ基準

DXコンサルとAIコンサルは、いずれもデジタル技術を活用して企業課題の解決を支援するサービスです。ただし、目指す目的や支援の範囲、必要な社内体制は異なります。

DXコンサルは、経営や業務、組織のあり方を含めて変革するための支援です。一方、AIコンサルは、生成AIや予測AIなどを活用し、特定の業務課題を解決することに重点を置きます。

どちらが適しているかは、現在の課題が「全社的な変革の進め方」にあるのか、「AIで改善したい具体的な業務」にあるのかによって判断します。本記事では、両者の違いと選び方、相談前に整理すべき事項を解説します。

DXコンサルとAIコンサルの違い

DXコンサルは経営や業務全体の変革を目指す支援

DXコンサルは、デジタル技術を導入すること自体ではなく、デジタルを活用して事業や業務の進め方を変えることを目的とします。対象はシステムだけに限らず、経営戦略、業務の流れ、組織体制、人材育成、データ活用の仕組みまで広がります。

たとえば、紙や表計算ソフトに依存した受発注業務を見直す場合、単にツールを導入するだけでは十分ではありません。業務手順、承認の流れ、入力ルール、担当者の役割、導入後の運用方法まで見直す必要があります。DXコンサルは、このような全体設計を支援します。

AIコンサルはAIを使った個別課題の解決を目指す支援

AIコンサルは、AIを活用して解決できるテーマを定め、技術的な実現性や業務上の効果を検証しながら導入を進める支援です。対象となるのは、問い合わせ対応、文書作成、需要予測、画像検査、見積もり作成、社内文書の検索など、比較的具体的な業務です。

AIでは、利用できるデータの量や質によって結果が大きく変わります。そのため、AIコンサルでは「AIを導入したい」という希望だけでなく、対象業務に使えるデータがあるか、求める精度を実現できるか、現場で運用できるかを確認します。

AIはDXを実現するための手段の一つ

AIはDXに役立つ技術の一つであり、DXそのものではありません。AIを導入しても、目的や業務設計が曖昧であれば、現場で使われずに終わる可能性があります。

たとえば、生成AIで議事録や提案書の下書きを作れるようにしても、入力してよい情報の範囲や確認の担当者が決まっていなければ、利用は定着しにくくなります。AIの導入効果を高めるには、業務への組み込み方、利用ルール、教育、効果測定まで設計することが必要です。

DXとAIのどちらから着手すべきかは課題によって異なる

経営課題が整理されておらず、複数の部署で業務の非効率やデータの分散が起きている場合は、DXコンサルから検討する方法が適しています。全体像を整理した上で、取り組む業務や導入技術の優先順位を決められるためです。

一方で、「問い合わせ対応に時間がかかる」「過去の見積もりを探す手間が大きい」など、対象業務と期待する効果が明確な場合は、AIコンサルから始める選択肢があります。小規模な検証を通じて効果を確かめ、成果が見込める場合に対象範囲を広げます。

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DXコンサルの目的と支援範囲

経営課題や事業課題の整理

DXコンサルでは、最初に経営や事業に関する課題を整理します。売上拡大、コスト削減、顧客対応の改善、人手不足への対応、意思決定の迅速化など、企業が目指す成果を明確にします。

この段階では、デジタル化ありきで考えないことが重要です。現場の困りごとと経営上の優先課題を結び付けることで、導入する仕組みが目的から外れることを防ぎます。

業務の見直しとデジタル化の優先順位付け

業務を細かく確認し、どこに手作業、二重入力、確認待ち、属人化があるかを把握します。すべての業務を一度に変えるのではなく、効果が大きく、実行しやすい業務から優先順位を付けます。

優先順位を決める際は、次の観点が役立ちます。

  • 改善による売上やコストへの影響
  • 現場の負担やミスの発生状況
  • 関係する部署やシステムの多さ
  • 利用できるデータや業務手順の整備状況
  • 効果を確認できるまでの期間

DX戦略や実行計画の策定

課題整理の後は、中長期のDX戦略と具体的な実行計画を作成します。ここでは、目指す状態、対象業務、導入する仕組み、担当者、予算、実施時期、効果指標を定めます。

計画では、最初から大規模なシステム刷新を前提にしないことも重要です。小さな改善で成果を示しながら、次の施策へ進む方法であれば、投資判断の精度を高めやすくなります。

システム導入から社内定着までの伴走支援

DXコンサルの支援範囲には、ツールやシステムの選定、導入時の要件整理、利用開始後の改善支援が含まれる場合があります。導入時に重要なのは、機能の多さではなく、自社の業務に合っているかどうかです。

また、システムを導入しても、現場が使い方を理解できず、従来の方法に戻ることがあります。運用開始後は、利用状況や業務時間、エラーの発生状況などを確認し、必要に応じて設定や業務手順を改善します。

人材育成と社内で進める体制づくり

DXは外部支援だけで完結するものではありません。支援終了後も改善を続けるためには、経営層、推進担当、現場担当者がそれぞれの役割を担える体制が必要です。

経営層は方針や予算を判断し、推進担当は部署間の調整や進捗管理を行います。現場担当者は、実際の業務で使いながら課題を見つけ、改善に協力します。DXコンサルを選ぶ際は、研修や実務を通じた知識の引き継ぎが支援内容に含まれるかを確認することが重要です。

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AIコンサルの目的と支援範囲

AIで解決できる業務課題の選定

AIコンサルでは、最初にAIが有効な業務を選びます。AIを使うことが目的になると、導入後に効果を示しにくくなります。そのため、「どの業務の何を改善したいか」から考える必要があります。

たとえば、文書作成時間を減らしたい、問い合わせ対応の初動を早くしたい、検査時の見逃しを減らしたいといった課題は、AI活用の候補になります。一方、業務量が少ない作業や、判断基準が定まっていない業務は、AIより先に業務手順を整える方が効果的な場合があります。

データの確認とAI活用の実現性の検証

AIの活用では、データの確認が欠かせません。予測や判定を行うAIでは、過去の記録や正解データが必要です。生成AIを活用する場合でも、参照させる社内文書が整理されていなければ、正確な回答を得にくくなります。

本格導入の前には、小規模な検証で実現性を確かめます。AIの概念実証は、目的設定、データ準備、試作品の作成、評価、本格導入の判断という流れで進めるのが一般的です。期間は課題やデータの状態によって異なりますが、3か月から6か月程度が一つの目安とされています。

生成AIや予測AIの活用方法の設計

AIコンサルでは、課題に応じて適したAIの使い方を設計します。生成AIは、文章の要約、下書き、情報検索、社内問い合わせの補助などに活用できます。予測AIは、需要予測、不良の発生予測、売上予測、分類や判定の支援などに向いています。

ただし、AIの出力をそのまま業務で使うことには注意が必要です。生成AIはもっともらしい誤りを出す場合があります。重要な文書や対外的な回答では、最終確認を人が行う仕組みを設ける必要があります。

小規模な検証から本格導入までの支援

AIの導入は、最初から全社展開するよりも、小規模な検証から始める方がリスクを抑えられます。検証では、対象業務、使用するデータ、評価指標、終了条件を事前に決めます。

評価指標には、作業時間の削減率、回答精度、処理件数、利用者の満足度などを設定します。検証の結果、本格導入に進むべきか、追加のデータ整備が必要か、別の方法を検討すべきかを判断します。検証を繰り返すだけで終わらないよう、次の段階へ進む条件を明確にしておくことが重要です。

AI利用のルール整備と現場への定着支援

AI活用では、情報管理や利用ルールの整備が必要です。特に生成AIでは、顧客情報、未公開情報、個人情報などを入力してよいかを明確にしなければなりません。

あわせて、出力内容の確認方法、利用できるツール、ログの扱い、トラブル発生時の相談先なども決めます。現場への定着には、操作説明だけでなく、自社の業務を題材にした演習や、部署ごとの相談窓口が役立ちます。

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目的・成果物・費用で比較するDXコンサルとAIコンサル

目的は全社的な変革か特定業務の改善か

DXコンサルの主な目的は、経営や業務全体を見直し、継続的に変革できる仕組みをつくることです。複数の部署にまたがる課題や、事業の方向性に関わる課題に適しています。

AIコンサルの主な目的は、AIを活用して特定の業務課題を解決することです。対象業務と期待する成果が明確な場合は、AIコンサルによって短期間で検証を進めやすくなります。

支援範囲は経営戦略から組織づくりまでかAI活用に絞るか

DXコンサルは、経営課題の整理、業務改善、システム導入、組織づくり、人材育成まで幅広く扱います。対象範囲が広いため、複数部署の調整や経営層の関与が必要になることがあります。

AIコンサルは、AI活用テーマの選定、データ確認、試作品の作成、精度評価、運用設計などに重点を置きます。ただし、AIを現場で使い続けるには、業務設計や教育も必要になるため、DXの視点が求められるケースもあります。

成果物はDX戦略や業務設計かAI活用案や検証結果か

DXコンサルでは、現状分析の報告書、業務フロー、DX戦略、実行計画、導入ロードマップ、KPI、推進体制案などが成果物になります。

AIコンサルでは、AI活用テーマの一覧、データの評価結果、AIの試作品、精度検証の結果、導入可否の判断資料、運用ルール案などが成果物になります。依頼前に、最終的に何を受け取れるのかを具体的に確認することが重要です。

費用は支援期間と対象範囲によって決まる

DXコンサルとAIコンサルの費用は、対象範囲、期間、関与する専門人材、データ整備やシステム開発の有無によって変わります。そのため、一律の金額では比較できません。

DXコンサルでは、戦略策定から導入、定着まで対象にすると期間が長くなり、費用も大きくなりやすい傾向があります。AIコンサルでは、検証の範囲、データの準備状況、必要な精度、既存システムとの連携の有無が費用に影響します。

見積もりを比較する際は、金額だけでなく、次の点を確認します。

  • 対象となる業務や部署の範囲
  • 支援期間と打ち合わせの頻度
  • データ整備や開発が費用に含まれるか
  • 検証後の本格導入支援が含まれるか
  • 追加作業が発生する条件
  • 導入後の運用費や保守費

導入後は運用改善と内製化の支援内容を確認する

DXもAIも、導入後に改善を続けることで効果が高まります。導入時にはうまく動いていても、業務内容やデータ、利用者が変われば見直しが必要になります。

外部支援を選ぶ際は、運用開始後の問い合わせ対応、効果測定、改善提案、社内担当者への引き継ぎがどこまで含まれるかを確認します。特にAIでは、精度の変化や利用ルールの見直しに対応できる体制が重要です。

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自社に合うコンサルを選ぶための判断基準

経営課題から整理したい場合はDXコンサルを検討する

「DXを進める必要性は感じているが、何から始めるべきか分からない」という場合は、DXコンサルが適しています。経営課題と現場課題を整理し、優先順位を付けた上で実行計画をつくれるためです。

特に、部門ごとにツールが分かれている、データが活用できていない、業務が属人化している、DX推進の担当者や役割が定まっていない場合は、全体設計から始める必要があります。

解決したい業務と活用したいデータが明確な場合はAIコンサルを検討する

対象業務が決まっており、利用できるデータや文書もある程度把握できている場合は、AIコンサルを検討しやすい状況です。小規模な検証で、実現可能性と業務効果を確認できます。

たとえば、社内規程の検索、定型文書の作成、過去データを基にした予測、画像による判定など、目的が具体的なテーマはAI活用の検証に向いています。

DXとAIの両方が必要になるケースを見極める

AI活用を進める中で、データが整理されていない、業務手順が部署ごとに異なる、利用ルールがない、推進担当者がいないといった課題が見つかることがあります。この場合は、AIコンサルだけでなくDXコンサルの視点も必要です。

反対に、DXの全体計画をつくった後、優先施策の一つとしてAIの検証を行うケースもあります。DXとAIを別々の取り組みと捉えるのではなく、全体の目的と個別施策の関係で考えることが重要です。

業界や業務への理解と類似課題の支援実績を確認する

コンサルを選ぶ際は、自社と近い業界や業務の支援経験を確認します。製造、医療、金融、建設、物流などでは、扱うデータ、規制、現場の業務特性が異なるためです。

ただし、単に実績件数が多いだけでは十分ではありません。自社と同じような課題に対して、どのような進め方を取り、どの段階まで支援したかを確認します。可能であれば、実際に担当するメンバーの経験や役割も確認すると安心です。

提案内容だけでなく実行支援と定着支援の体制を比較する

提案資料の内容が優れていても、実行段階で現場を巻き込めなければ成果につながりません。選定時には、現場ヒアリング、業務設計、導入支援、教育、効果測定まで対応できるかを確認します。

また、支援会社が主導するだけでなく、自社の担当者と一緒に進め、知識や判断基準を社内に残す体制かどうかも重要です。支援終了後に自社で改善を続けられる状態を目指します。

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依頼前に整理したい項目と相談時の確認事項

現場の困りごとを業務単位で書き出す

相談前には、「DXを進めたい」「AIを使いたい」といった抽象的な要望を、業務単位の課題に置き換えます。「どの部署の、どの業務で、誰が、何に困っているか」を書き出すと、相談の精度が高まります。

たとえば、「営業資料の作成に時間がかかる」「請求処理で転記ミスが起きる」「熟練者しか判断できない検査がある」といった形で整理します。現在の手順、作業時間、発生頻度、困っている理由もあわせてまとめると効果的です。

解決したい課題と期待する効果を決める

次に、改善したい内容と期待する効果を決めます。「業務を効率化したい」だけでは、成果を判断できません。作業時間、処理件数、ミスの件数、回答までの時間、利用率など、可能な範囲で測れる指標を設定します。

AIの検証では、開始前に成功と見なす条件を決めることが特に重要です。評価基準がないまま始めると、検証を終える判断ができず、費用と時間だけが積み上がるおそれがあります。

利用できるデータと社内の担当体制を確認する

AI活用を検討する場合は、どのデータや文書を使えるかを確認します。データがどこに保存されているか、形式がそろっているか、欠損や誤りがないか、利用する権限があるかを把握します。

あわせて、社内の担当体制も整理します。経営判断を行う責任者、業務を理解している現場担当者、システムや情報管理を担当する部署を明確にします。AIの検証では、技術、プロジェクト管理、業務の3つの役割を分けて進めると、判断や調整が滞りにくくなります。

予算と導入時期の目安を決める

予算と導入時期の目安を事前に決めておくと、現実的な提案を受けやすくなります。予算が限られる場合は、最初から全社導入を目指すのではなく、課題整理や小規模な検証から始める方法があります。

また、初期費用だけでなく、月額利用料、保守、データ更新、教育、運用改善などの継続費用も確認します。短期的な導入費だけで判断せず、導入後の運用まで含めて検討することが重要です。

提案時に支援範囲と役割分担を確認する

提案を受ける際は、支援会社が行う作業と、自社が担当する作業を明確にします。自社側で必要となる担当者の稼働時間、データ準備、現場への説明、意思決定の方法を確認しておく必要があります。

特に確認したい項目は次のとおりです。

  • 課題整理から導入後の改善まで、どこまで支援するか
  • 成果物の内容と提出時期
  • 効果を測る指標と評価方法
  • 自社側に必要な担当者と作業内容
  • 検証や導入を中止する場合の判断条件
  • 導入後の問い合わせ対応や改善支援の範囲
  • 社内への知識移転や人材育成の方法

DXコンサルとAIコンサルは、目的に応じて使い分けることで効果を発揮します。経営や業務全体の変革を進めたい場合はDXコンサル、特定業務にAIを活用したい場合はAIコンサルを検討します。まずは自社の課題、期待する成果、利用できるデータ、推進体制を整理し、自社に合う支援範囲を見極めることが重要です。

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この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)

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