プロパティマネジメントの業務内容とは?業界構造やPMの特徴を徹底解説

プロパティマネジメントの業務内容とは?業界構造やPMの特徴を徹底解説
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皆さんはプロパティマネジメント(PM)という業務についてご存知でしょうか。

多岐にわたる不動産の管理業務を、所有者に代わってまとめて行う業務のことです。

今回は、プロパティマネジメント(PM)業務について様々な観点から解説していきます。

この記事でわかること

・PMと関係各社とのつながり

・アセットタイプごとのPMの特徴

・PMの業務例

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PMの立ち位置

1 不動産PM記事 - プロパティマネジメントの業務内容とは?業界構造やPMの特徴を徹底解説

上図はプロパティマネジメント会社と関係各社とのつながりを表しています。

PMは「ビルディングマネジメント」「コンストラクションマネジメント」「リーシングマネジメント」各社とうまく連携しながら、運営管理業務全般を取り仕切り、オーナー(AM)に報告を実施します。

ビルディングマネジメント

「ビルディングマネジメント」は清掃・警備・メンテナンスなどを行う業務です。

建物利用者が安心して利用するために必要な業務です。

また法令に遵守した運用がされているか、建物の安全性が確保されているかを日々点検・監視する業務も含まれております。

コンストラクションマネジメント

・外壁の塗り替え
・古くなったトイレの交換
・エントランスの改装

などの大規模な修繕工事、リニューアル工事について、工事計画の策定並びに進捗管理を行います。

また工事コストが適正かどうかの査定もあわせて実施いたします。

建物の資産価値を向上するためのとても重要な業務です。

リーシングマネジメント

建物に空室が発生した際に新しいお客様を探す業務です。

館内のお客様に増床をお願いするケースもありますが、外部のお客様への営業活動を行いご入居いただきます。

物件の魅力を伝えて多くある競合から自分の物件を選んでいただく業務となります。

アセットタイプごとのPMの特徴

大きく分けて「オフィス」「商業」「レジデンス」「物流」の4種類に分類できます。

オフィス

  • 大規模な修繕工事・更新工事が多い
  • テナントの入れ替えや、賃料交渉のやり取りが多い。一件あたりの賃料が大きいので交渉が大掛かりになるケースもある

商業

  • 設備が複雑。安全確保業務の重要度が高い(火災のリスクなど)
  • どの場所にどのテナントを入れるか」というテナントミックスが重要

レジデンス

  • 管理戸数が多い
  • 業務に占めるリーシングの割合が高い

物流

  • 入居テナントが大型設備(マテハン機器など)を入れるため入居工事が大規模。そのためPM担当者は建物スペックについて専門知識が求められる
  • 契約期間は長期間のケースが置く、テナントの入れ替えは比較的少ない

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PM業務の具体的なトピックス例

テナントとの賃料交渉

PMとしては、現在のマーケットや建物の資産価値向上実績などを説明し、賃貸人が希望する賃料をテナントに理解してもらう必要があります。

また、退去を検討しているテナントについてはオーナーと協議し、残留してもらえるような提案をするケースもあります。

テナント入退去対応

入居時は建物のルールを説明し、入居工事が無事に終わるようテナントの工事業者と綿密に打ち合わせを行います。

また退去が決まったら原状復旧工事の調整を行います。

解約時期が決まっているので期日までに実施いただくよう工事会社テナントとの調整が重要になります。

面積が大きいと原状復旧工事の見積が数億円になることもあります。

修繕工事

例えば空調が停止することでサーバーが停止してしまいテナントに莫大な損害が発生するリスクがあります。

事前に修繕計画を策定しテナントが安心して建物を利用できるようにします。

また建物オーナーとして収益性向上のためにコスト削減が求められます。

工事金額が妥当かどうか、複数の業者に相見積もりを取って比較検討するケースが多いです。

法定点検・その他管理業務

法定点検は法律に基づき、決められた頻度で点検業務を実施します。

異常値が出た際には速やかに是正工事を実施することが求められます。

BM会社に適切な指示を実施し定められた期間に適正な点検を実施しているかどうか監視することがPM会社の業務となります。

リーシングについて

リーシング業務のフローは大まかには下図のようになっています。

2 不動産PM記事 - プロパティマネジメントの業務内容とは?業界構造やPMの特徴を徹底解説

PM会社は建物オーナー側に立ち、テナントに入居してもらえるように働きかけます。

直接営業活動を行うこともありますが、仲介会社に紹介してもらうケースも多いです。

そのため、リーシング担当者は仲介会社と良好な関係を築くことも求められます。

空室率

マーケットの状況により空室率が変わります。

空室率が高くなると競合する物件も増えてリーシングが難しくなってきます。

なお、三鬼商事のレポートによると、東京ビジネス地区の2022年9月時点での平均空室率は6.49%だそうです。

まとめ

ここまでプロパティマネジメント(PM)会社の業務について解説してきました。

ただビルの管理をしているだけでないことが分かったのではないでしょうか。

ビルをより良くしていくために様々な工夫をしていて、それこそがPMの面白さだと思います。

コトラでは、求職者様の経験や強みを活かしたサポートをしております。

ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

KOTORA JOURNAL | プロパティマネジメントの業務内容とは?業界構造やPMの特徴を徹底解説

吉澤 将士

[ 経歴 ]
早稲田大学教育学部卒。ベンチャー系不動産会社にて新築マンション営業・広告宣伝・販売戦略立案・マーケティング業務に従事。その後、三井不動産ビルマネジメント株式会社にて都内オフィスビルのリーシング業務・大型オフィスビルのPM業務全般(賃料改定交渉・ビル運営計画策定実施・イベント企画実施・協力会社指導・大型リニューアル工事対応等)に従事。

[ 担当業界 ]
不動産業界、不動産金融