本記事は、金融機関の中でも特にIT求人についての特集になります。
最新の業界動向、求人情報をお届けいたしますので、是非ご一読ください。
金融系IT求人の見分け方
金融機関の中途採用状況は、ここ数年の間に大きく変化しています。
数年前までは、30代前半までに対象を絞った年間10~20人の採用人数の企業がほとんどでした。
ただ近年ではメガバンクを中心として大手金融機関で100~200人単位での大規模採用を行っており、中途採用にかなり力を入れています。
その採用の多くがIT領域に代表される高度専門求人であり、金融業界の経験が無い方にも幅広く募集がかかっています。
しかし、採用状況が極めて活況になったことによって各企業で求人が乱立しており、「その求人が自分にとって良いものなのかどうか」の判断がつきづらい状況にもなっています。
ここでは、IT系の募集がかかっている各部門を領域ごとに区切って説明することで、乱立するIT求人を適切に見分けるための枠組みをお伝えできればと思います。
デジタルトランスフォーメーション(DX)が流行り始めた頃から、金融機関のIT系求人は少しずつ変化してきています。
それまでは通常の情報システム部門に加えて、デジタル企画部/DX企画部といったDXの中でも攻め・先端領域を担う部門の求人の数が多かったです。
しかし、現在に至るまでにこれら以外の部署での求人が増加しており、
・個別の各事業部門
・コーポレート部門
ー 監査部
ー リスク管理部
ー コンプライアンス管理部
ー 人事部
などの個別IT求人も目立つようになりました。
DXという言葉が出始めの頃は、情シスが担当しないような先端領域・個別部署での細かい業務改善については、いわゆるDX部署が広く担当をすることが多かったかと思われます。
ただ、DX部署が広く各プロジェクトをさばくだけでは課題が解決しきらないことも多く、「それであれば各個別部門ごとに専任のIT人材を置こう」ということで、IT求人が細分化してきた背景があると考えています。
金融機関でのIT系求人は内容を見分けるのが大変難しいですが、どの部署での募集求人なのかをイメージすることで、ご自身にとって合う求人なのかを判断できるかもしれません。
あるいは、より詳しい適正度合いを判断するためには、専門エージェントに相談しても良いでしょう。
各業界の最新動向・高年収求人
第2章では、各金融領域(銀行/保険/証券)ごとの採用状況の詳細についてご説明します。
銀行
金融機関の中でも、最も採用規模が大きいのが銀行領域となります。メガバンクを中心に採用を強力に進めていますが、信託銀行などのメガバンク以外の求人も根強く人気があります。
採用の温度感としてはメガバンク・大手信託銀行が最も高く、冒頭で記載した通り、年間100人単位での大規模採用が行われています。
IT系の求人が幅広くあることも特徴で、最先端領域のデータサイエンス求人(個別の金融データ解析にとどまらず、人事部門でのタレントマネジメントなども含む)やサイバーセキュリティー求人など、金融業界全体を牽引するような新しい求人が多くあります。
またメガバンク・大手信託銀行は、金融業界全体の中でも特に高い年収レンジを持ち、金融業界未経験の方にとっても一番最初の転職候補先になりやすい企業群です。
そのため、「とりあえずメガバンクから自分に合った求人を探してみる」ということもおすすめです。
採用人数が極めて多いため、金融業界の中でも、特に銀行は未経験者の採用に関して意欲的です。
オーソドックスな情報システム部門の求人はもとより、DXなど新たに出てきた領域に関しても幅広く求人があります。
実際に金融業異界未経験でご転職された方もコトラ経由で多数いらっしゃいますので、是非ご検討ください。
保険
ここでは、生命保険・損害保険領域にさらに分けてご説明します。
■生命保険
生命保険業界の中でも、まずは外資保険会社についてお伝えします。
外資保険会社でのIT系部門では、日本拠点での数少ないIT人員の中で非常に幅広い業務対応が必要となっており、経験を広げるために外資保険会社を選ばれる方も少なくありません。
一般的にIT組織の規模感は、その企業のIT投資額におおよそ比例しており、人員規模の小さい組織ではITを使ってできることも限られているというケースが多いかと思います。
一方で外資保険企業では、日本拠点のIT人員の数こそ少ないものの、グローバルでは非常に大きい保険企業として組織運営されており、IT投資額も金融機関以外の企業より大きいこともしばしばあります。
また、金融機関のITシステムはエラーが許されず、システムのレベルも高いことでも有名です。
加えて外資保険会社では、グローバルとのやり取りで英語を使うケースも多く、IT人材としてのレベルアップの場として見られることも多くあります。
これからキャリアを築いていく方にとっては、良い転職先の一つになり得るかと思います。
外資だけでなく生命保険業界全体に視野を広げた場合、現時点では日系大手の生命保険会社はそこまで採用に積極的ではないため求人も比較的少ないですが、ごく限られた期間であれば採用をしているケースもあります。
密度の高いキャリア構築を目指される方は、保険業界を目指してみても良いかもしれません。
■損害保険
生保業界に比べると、日系大手の損害保険会社が広くIT求人を出している傾向にあります。
ただITの中でも高度専門領域の募集が比較的多く、例えばサイバーセキュリティーやグローバルITガバナンス、クラウドスペシャリストといった求人が現在は多い状況です。
特に大手の損害保険会社であれば、場合によってはメガバンクと同等かそれ以上の年収を見込める場合もあるので、並行応募の検討先として是非ご検討ください。
また、ITの中でも上流業務にフォーカスしたいという方にとっても有力な転職候補先になるのが損害保険領域のもう一つの特徴かと思います。
例えば銀行業界では、グループのホールディングスと銀行の籍を兼任するのが基本的な形になりますが、損害保険領域においては、ホールディングスの業務アサインが100%という形での募集が一定数あります。
リスク・ガバナンス・監査など、特に上流領域を志向する方は、ぜひご検討ください。
(損害保険に限らず、保険業界全体でホールディングス採用の求人は多いです)
証券
IT領域では、その中でさらに個別の専門性を磨いていくことがキャリア設計の重要なポイントだと言われています。
もちろんリスク/セキュリティー/データサイエンスなどの各専門領域での経験を積むのも手段の一つですが、それ以外にも、特定のビジネス組織に所属していること自体がその方の専門性になりうるケースがあります。
証券業界は、その代表例と言えます。
というのも、例えば財閥系の金融機関を例にダスト、FG(ホールディングス)・銀行・信託銀行に関してはITまわりを一括で管理・運営している場合が多いですが、その中でも証券会社だけは、独自のインフラ基盤・IT組織運営や採用形態をとっているケースが多いです。
そういった独自の管理・運営状況から、「基本的に証券業界を検討しています」というご希望の候補者様も多いのが証券領域の特徴です。
また、専門性という観点以外にも証券業界の魅力はあります。
金融機関の中で、一般的にグローバル環境といえばメガバンクというイメージがありますが、最近は証券会社でもグローバル求人は数多く存在します。
もともとフロントの運用部門は海外国籍人材比率が高く、かつ求人によってはそもそもグローバルの業務を期待するものも最近は増えてきました。
個別の業界経験という意味での専門性、あるいはグローバルでの業務をご志向される方にとって、証券業界は適していると言えます。
銀行や保険業界と比べても現場部門との距離が近く、証券ビジネス自体の知見を深めることができる点も証券業界の魅力の一つですので、ぜひご検討いただければと思います。
転職事例
事例 | 年齢 | キャリアパス | オファー年収 |
1 | 50代前半 | 損害保険会社 → 銀行システム企画 | 1,050万円 |
2 | 40代後半 | システム開発会社 → 大手損保系システム会社 | 850万円 |
3 | 40代前半 | 保険系システム会社 → 信託銀行社内SE | 700万円 |
4 | 40代前半 | システム開発部門 → メガバンクシステムリスク管理 | 1,000万円 |
5 | 40代前半 | 金融系SIer → 信託銀行デジタル企画担当 | 1,400万円 |
6 | 50代前半 | 事業会社 → 大手証券IT部門人事企画 | 1,200万円 |
7 | 30代後半 | 大手信託銀行 → メガバンクシステム企画 | 700万円 |
8 | 40代前半 | 会計系コンサルティング会社 → 大手信託銀行システム企画 | 880万円 |
9 | 20代後半 | 外資系コンサルティング会社→メガバンクグローバルIT企画 | 900万円 |
10 | 40代後半 | 資産運用事業会社→大手証券会社フロントIT開発 | 1,500万円 |
転職者様の声
40代男性
社内SE・情報システム
システム開発会社から大手損保系システム会社のプロジェクトマネージャーへ 「安心して転職活動を進めることができました」
30代男性
社内SE・情報システム
保険系システム会社から信託銀行の社内SEへ 「金融機関を得意とするエージェントで願い通りの転職を実現」
40代男性
社内SE・情報システム
システム開発部門からメガバンクのシステムリスク管理職へ 「4つの点において、特に強みを感じました」
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メットライフ生命保険株式会社
三井住友海上プライマリー生命保険株式会社
オリックス生命保険株式会社
ライフネット生命保険株式会社
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野村證券株式会社
大和証券株式会社
SMBC日興証券株式会社
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